※この作品はR-18です。

鬼の鎮守府   作:稲荷童子

435 / 655
会議の前に・・・・・・ 食堂編その1

シゲ達がペーガソスやΞガンダムに改造を施している頃から少し時間を遡り、横須賀鎮守府の食堂へ向かった翔達の様子を見てみよう

 

会合の後に行われる会食の準備の為に、翔はゾア、鳳翔、龍鳳、龍驤、扶桑、そして自ら会食の準備の手伝いを申し出て来たクティーラと共に、横須賀鎮守府の敷地内に存在する食堂へと向かっていた

 

「う~ん……、クティーラちゃん、本当に良かったの?」

 

「ん?何が?」

 

やや渋い表情をしながら翔がそう言うと、鳳翔と手を繋いで並んで歩くクティーラが、翔に不思議そうな表情を向けながらこの様に尋ねる

 

「お前は今回ゲストとしてやって来たのであろう?ならばゲストらしく料理が出来るまで待っていても良かったのだぞ?」

 

「え~……、だって静かに待ってるのはつまんないし、何より翔達が頑張ってるのに私だけ何もしないのは何かムズムズするんだもん」

 

「誰かの手伝いせんと落ち着かんのか、ホンマクティーラちゃんはエエ子やな~。ほれ、そんなエエ子には飴ちゃんあげるで」

 

「わ~い♪ありがとう龍驤っ!!」

 

翔の代わりに翔の頭の上に乗ったゾアが、クティーラに向かってこの様に尋ねると、それに対してクティーラはこの様に返答し、クティーラの発言を聞いた龍驤が、クティーラのところまで歩み寄り、彼女にポケットから取り出した飴玉を渡したところ、クティーラは眩しい笑顔を浮かべながら龍驤にお礼を言うと、龍驤から受け取った飴玉の包みを剥がし飴玉を頬張り、飴玉が余程美味しかったのかとても幸せそうな表情を浮かべるのであった

 

「そっか、クティーラちゃんがそれで良いと言うなら、僕はこれ以上何も言う事は無いかな?」

 

「ぬ~ん……」

 

そんなクティーラの様子を見ていた翔が、この様な言葉を口にしたところで、今度はゾアが触腕で腕組みをしながら唸り声を上げるのであった

 

「ゾア、唸り声なんて上げてどうしたの?何処か調子でも悪いの?」

 

「いや、別に調子が悪い訳ではないのだ。我はクティーラの変わりっぷりに、少々困惑していただけなのだ……」

 

「変わりっぷり……、ですか?」

 

突然唸り声を上げ始めたゾアを心配した翔が、ゾアに向かって話し掛けるとゾアは難しい表情を浮かべながらこの様に返答し、それを聞いていた扶桑が疑問の声を上げるのであった

 

「うむ、翔は知っておると思うのだが、本来クティーラは父上からヌクトーサとヌクトルーと一緒に、戦争に巻き込まれぬ様木星に避難する様に言われておったのだ。しかしクティーラはその準備中にルルイエから脱走し、しばらくの間行方を晦ませていたのだ」

 

「クティーラちゃんが言うには、クトゥルフさんの説得をしに来た僕達と会うまでの間、地上の誰かのところでお世話になってたんだっけ?それで確か、そこで料理スキルを身に付けたんだったかな?」

 

ゾアの言葉を聞いた翔が、ゾアに向かってこの様に尋ねてみると、ゾアは静かに頷き返した後に言葉を続ける

 

「元々クティーラは落ち着きが無いところはあったものの、あの様に誰かの為に動こうとする感じではなかったのだ。それがしばらく姿を見ない間に、誰かの力になる為に積極的に動く様になっていて、昔のクティーラを知る我は少々困惑してしまったのだ……」

 

「確かにそれだと困惑しちゃいますね……、でも地上で変な事を吹き込まれる事無く、寧ろ献身的ないい子になって戻って来たのなら、それはそれでいい経験を積んで来たんだって、そう考えてクティーラちゃんを褒めてあげるべきじゃないですか?」

 

ゾアの話を聞いていた龍鳳が、ゾアに対してこの様な事を言うと、ゾアは「それはそうだが……」と言った後、黙り込んでしまうのであった

 

(それにしても……、素性も知らないクティーラちゃんを匿って、料理を教えた人ってどんな人なんだろう?クティーラちゃんが作るアイスとか、ものすっごく良く出来てたからな~……。きっとかなりの腕前の料理人なんだろうな~……、同じ料理人としてホント気になる所だな~……)

 

ゾアの言葉を聞いた翔が内心でこの様な事を考えている内に、一行は目的地である食堂に到着し、翔が中に入る為に扉を開けたところ、そこでは多くの給料艦達が会食の準備の為に忙しなく働いていたのであった

 

そんな彼女達からは、今回の会食に変な物は絶対に出せない、何としてもこの会食を成功させたいと言う思いが、強い意志がその行動の1つ1つから感じ取られ、それらを感じ取った翔達はアイコンタクトの後に頷き合い……

 

「忙しい中抜けちゃってすみませんでしたっ!!今から僕達も合流してすぐに会食の準備に取り掛かりますね!!!」

 

翔が代表して彼女達に向かって大きな声でこの様に言い放ち、その声で翔達が戻って来た事に気付いた給料艦娘達は安堵の表情を浮かべるのであった。如何やら彼女達は余程切羽詰まっていた様である……

 

まあそれもその筈、今回の会食にはドイツ、イギリス、アメリカの海軍の総司令と言う大物中の大物だけでは留まらず、邪神とは言え神様が、それも翔達と行動を共にしているゾアを除けば7柱も参加する予定となっているのである。そんな事実を知らされてしまえば、誰だって必要以上に気負って、切羽詰まってしまう事であろう……。こればかりは、本当に仕方が無い事なのである……

 

「翔さん達っ!?いいところに戻って来てくれましたっ!!」

 

そう言って翔達の下に給糧艦の艦娘である伊良湖が、やや慌てた様子で駆け寄って来るのであった。そんなに慌ててどうしたのかと翔が伊良湖に尋ねたところ、如何やら調理担当の給糧艦娘の一部が、余りの緊張のせいでまともに包丁が握れなくなったリ、誤って包丁で手を切ったりして負傷し、食品衛生の都合で調理が出来なくなってしまったりして、人員が足りなくなってしまっているのだとか……

 

「普段から邪神である我と共に仕事をしているにも関わらず、何故そこまで緊張してしまうのか……」

 

「ゾア……、状況が状況なんだから、そう言わないであげて……」

 

伊良湖から話を聞いたゾアがやや呆れ気味にそう言うと、翔は苦笑しながらそう言ってゾアを宥めるのであった

 

その後、気を取り直した翔が伊良湖に自分達は何をしたらいいかを尋ねたところ、伊良湖は食堂の責任者である間宮を連れて来るから待ってて欲しいと返答し、小走りで食堂の奥の方へと向かって行くのであった

 

この時、クティーラが間宮と言う単語に反応し、その小さな身体をビクリと震わせていたりするのだが、翔達はその時はそれに気付く事はなかったそうな……

 

そしてそれから大して間を空けず、伊良湖が1人の女性を連れて戻って来ると……

 

「嘘……?」

 

その女性の姿を見た瞬間、突然クティーラは目を丸くしながらこの様な事を呟き……

 

「お待たせして申し訳ありません!中々手が離せない状況だったのd……、って……、そこの女の子は……、もしかしてクリスちゃん……?」

 

伊良湖が連れて来た女性、横須賀鎮守府の食堂の責任者を務めている給糧艦の間宮が、呆然とするクティーラの姿に気付くなり、クティーラに向かってこの様に尋ねるのであった

 

と、その直後である

 

「間宮ーーー!!!」

 

間宮の言葉を聞いた瞬間、クティーラは突然間宮の方へと駆け出すと、そう叫びながら彼女に飛びつく様にして抱き着いたのである

 

「あの、翔さん?どうしてこの子が此処にいるんですか……?」

 

「えっと……、その子は今回のゲストの内の1柱で、クトゥルフさんの娘さんにしてゾアの妹でもあるクティーラちゃんなんですが……、その……、クティーラちゃんと間宮さんは、一体どの様な関係なんですか……?それに、クリスちゃんとは……?」

 

突然の出来事に驚き戸惑う翔達に対して、クティーラを抱き止めた間宮が困惑しながらそう尋ねたところ、最初に我に返った翔が間宮の質問に答えながらも間宮とクティーラの関係について尋ね、間宮は今の状況に困惑しながらも、クティーラとの関係について翔達に話し始めるのであった……

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。