※この作品はR-18です。

鬼の鎮守府   作:稲荷童子

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2020/1/24 0:46 内容の一部を修正しました


日米英独+αの大会議

工廠組や食堂組が様々なドラマを展開している中、戦治郎達が参加する会議は滞る事無く進行していくのであった

 

会議が始まる前に、祖国を深海棲艦に奪われてしまったジョシュアが、その時深海棲艦の指導者としてアメリカに戦いを仕掛けたスウに対して、ありったけの怒りの言葉をぶつけ、それを聞いたスウは当時の自分達が人類に戦いを仕掛けた理由を話した後、今の自分の気持ちをしっかりと伝えると、只管ジョシュアに向かって謝罪するのであった

 

そんなスウの姿を見たジョシュアは、予想外の出来事に毒気を抜かれてしまったのか、呆然としながらスウの謝罪を受けると、矛を収めて黙って会議室の椅子に座り黙考し始めるのであった

 

その後始まった会議の最初の議題となったのは、転生個体についてであった。先ずはラバウル基地が壊滅する原因となった絶対平和党の件が挙げられ、次に同時期に南方海域で多くの犠牲者を生み出した食人鬼Nの話になり、そこから今度はミッドウェーでの戦いの際、飛行場姫の配下としてアメリカの兵器開発研究所を襲撃し、戦治郎達と戦ったアビス・コンダクターの話が挙がるのであった

 

ここまで全て転生個体の話なのだが、転生個体の話はまだまだ続き、その次に話題となったのは、あらゆる地方であらゆる組織に援助を行い、横須賀の乱の切っ掛けを作り出したエデンとシャングリラ、そして最後は先日日本で発生した父島襲撃事件の全容が各国の代表達に説明されると、長門の艤装に取り付けられたカメラが撮影した現場の映像がスクリーンに映し出され、その現場の凄惨な光景を目の当たりにした各国の代表達は、沈痛な面持ちになりながら思わず俯いてしまうのであった……

 

「ホノルルの時もそうだが、転生個体は本当に恐ろしい存在なのだな……、これ程の破壊と殺戮をいとも容易く行うとは……」

 

「僕達欧州組の場合、転生個体による被害が出る前に、偶然とは言え戦治郎達が倒してくれたんだが……」

 

「もし戦治郎達がやってくれてなかったら、欧州各地にドえらい被害が出ていただろうな……」

 

暗い表情を浮かべたままのジョシュアがそう呟くと、今のところ転生個体による被害が出ていない欧州の海軍を率いる2人が、ジョシュアの言葉に反応するなり、戦治郎達がラリ子を倒せなかった場合に起こり得る出来事を想像すると、ゾッとしながらこの様な言葉を口にするのであった

 

「欧州の方は今のところ目立った被害は無いか……、でも、何時欧州の方にまた転生個体が出現するか分からないから、僕は用心しておいた方がいいと言っておくよ」

 

「とは言ってもよぉ~……、俺達のとこには味方の転生個体がそんな沢山いる訳でもねぇからな~……」

 

「父島を襲った様な奴が出た場合、こちらに出店しているアンダーゲートの従業員さん達だけでは、少し不安が残る所なんだよね……」

 

そんなアクセルとセオドールの言葉を聞いたリチャードが、真剣な表情で欧州組にそう言うと、セオドールが渋い顔をして頭をガリガリと掻きながらこの様に返答し、アクセルも眉間に皺を寄せながらこの様な言葉を口にするのであった

 

「それなら、僕の方から正蔵さんに欧州のアンダーゲートの従業員さん達を増員する様に言っておくよ」

 

「ふむ……、欧州は転生個体に対する戦力が不足気味なのか……。ならば丁度いいな……」

 

アクセルの言葉を聞いたリチャードが、アクセルに向かってこの様に返答したその直後である、今まで静かに話を聞いていたクトゥルフが、突然口を開いてそう言ったのであった

 

「ん?クトゥルフさん、一体どうしたんです?」

 

突然話に加わって来たクトゥルフに対して、戦治郎が不思議そうな表情を浮かべながらそう尋ねたところ……

 

「いや何、以前欧州の2人がそちらにディープ・ワン達を派遣して欲しいと言っていたであろう?」

 

「ああ、確かクトゥルフさんの所の計画とやらのせいで、渋い回答をもらったあれか……」

 

「うむ、その関係でディープ・ワン達の派遣は流石に難しいが、その代わりになる物を今回持って来たのだ」

 

クトゥルフはこの様に返答し、それを聞いたセオドールが苦笑しながらそう言うと、クトゥルフはセオドールに対してそう返答すると、席を立ちスーツの内ポケットを弄ると小さな袋を2つ程取り出して、アクセルとセオドールへ歩み寄るとそれを2人に手渡すのだった

 

因みにこの時、彼等の通信でのやり取りを知らない元帥と日本海軍の上層部の者達は、彼等のやり取りを不思議そうな表情を浮かべ、小首を傾げながら見ていたのであった

 

「これは一体……?」

 

手渡された小袋を不思議そうに見つめるアクセルが思わずそう呟いたところ、クトゥルフは誰もが想像しない様な、とんでもない事を口走るのであった

 

「それはルルイエで栽培されているショゴスの種だ、あの話の後少し品種改良を加えて、陸上の畑でも栽培出来る様にしておいたのだ」

 

「ショゴスと言えば……、確かホノルルを警護している神話生物達の中にいたな……」

 

「流石神話生物……、最早何でもありって感じだね……」

 

クトゥルフの思わぬ言葉に、ショゴスを実際に目にしたジョシュアとリチャードが、思わず驚きの声を上げるのであった

 

そんなクトゥルフのトンデモプレゼントは、改良を施されたショゴスの種だけでは留まらない。アクセルとセオドールにショゴスの種を渡したクトゥルフが、護衛役として付いて来たオトゥームに目で合図を送ると、オトゥームはクトゥルフに向かって静かに頷き返した後、アクセル、セオドール、リチャード、元帥、燎、そして戦治郎にある書物を配り始めたのであった

 

「あちょ、これって確か……」

 

受け取った書物を見た戦治郎が目を見開いて驚き、思わずこの様に呟くと……

 

「そうだ、それはガタノトーアが持っていた、カソグサの出版社が出版しているネクロノミコンだ。それを使えば強力な軍艦が作れるのであろう?」

 

戦治郎の呟きを耳にしたクトゥルフはこの様な言葉を口にし、それを聞いた者達の殆どが驚愕を露わにするのであった……

 

この時、ネクロノミコンについて何も知らない元帥は、再び不思議そうな表情を浮かべながら、手にしたネクロノミコンをじっくりと観察、そして中を確認しようと表紙を捲ったところで、事態に気付いた燎に慌てて止められていたりする……

 

その後、クトゥルフはリチャードとジョシュアにもショゴスの種を渡し、ショゴスの育て方をレクチャーし始めるのだが……

 

「済まないクトゥルフ殿、私達にはそのショゴスとやらの種はくれないのかね?」

 

その途中で元帥が話に割って入り、クトゥルフにこの様な事を尋ねるのであった

 

「お前達の所には既にガタノトーアがいるだろう」

 

「それに、シゲのバックにはとんでもない奴がいるからな」

 

「ああ……、そういやシゲはクトゥグアのお気に入りになってたんだっけか……」

 

「俺にショゴスの種を渡さなかったのは、既にヴォルヴァドスがいるからか……、ならば納得だな……」

 

そんな元帥に対して、クトゥルフとクタニドがこの様に返答すると、それを聞いた戦治郎と剣持が納得した様にうんうんと頷きながら、この様な言葉を口にするのであった

 

「それ以外にも~、もしかしたら~、翔さんが味方になってくれる旧支配者達を増やしちゃうかもしれないのよね~」

 

「うん?イダー=ヤアーさん、ちょっちその辺詳しく」

 

「いえ、それについては私の方からお教えします」

 

その直後に放たれたイダー=ヤアーの言葉について、戦治郎が言及しようとしたところで、話に割って入って来たオトゥームがそう言って、イダー=ヤアーの発言の詳細について話し始めるのであった

 

「これは私達の方で調べた事なのですが、如何やらこの日本には多くの旧支配者達が住み着いている様なのです……。現在分かっているもので、アトラク=ナクア様、モルディギアン様、イゴーロナク様、イオド様、グラーキ様、シアエガ様、イグ様が、この日本の何処かにいらっしゃる様なのです……」

 

「多過ぎィッ!!!」

 

「ちょっと待てっ!何でそんなに日本にいるんだっ!?」

 

「これはイオド様のコメントなのですが、『日本快適過ぎて大草原不可避』だそうです……。また、元々イギリスにいたグラーキ様も、同じ様なコメントをしていましたね……」

 

「幾ら日本が住みやすいからって、流石に住み着き過ぎだろうがよぉっ!!?」

 

「今サラッとイギリスって言ったかっ!?ウチの国にも神話生物がいたのかよっ!?!クッソ危ねぇなおいっ!!!」

 

オトゥームの言葉を聞いた戦治郎と剣持は思わずこの様に叫び、それに答える様にオトゥームが言葉を続けると、すかさず燎とセオドールがこの様に絶叫するのであった……

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