前回からかなり間が空いてしまいましたが、自分は何とか生きてます
今年もこの『鬼の鎮守府』の完結目指して頑張っていきたいと思いますので、生暖かい目で見守ってもらえると幸いです
どうぞよろしくお願い致します!
穏健派大連合結成からしばらく時が経ち、6月中旬になった辺りで遂にこの時がやって来る……。そう、現在横須賀鎮守府からやや離れた位置にある、輝が新設した軍事刑務所に収容されている桂島の提督が、横須賀鎮守府で行われる予定となっている軍法会議に出廷する日である
本来、提督の軍法会議は5月中に行う予定だったのだが、提督の状態を目の当たりにした元帥の、この状態ではまともな証言が得られないだろうと言う判断によって、提督は病院に搬送されると肛門と男性器の治療を受け、精神状態が安定するまで軍事刑務所に収容され、そこでカウンセリングを受ける事となったのである
因みに提督の男性器と肛門だが、思った以上に損傷が激しかった為、現在は人工尿道と人工肛門が取り付けられているのだとか……
それに先立って多くの艦娘達の悲痛の叫びを握り潰し、桂島の提督に艦娘から通報があった事を伝えていただけに留まらず、軍の機密情報の流出の手助けまでした挙句、横須賀の乱発生の引き金を引いて日本中を混乱の渦に巻き込んだ通信士や、桂島の提督に従って通信士の情報を基に、彼を通報しようとした艦娘達を拘束した後好き勝手に蹂躙して来た憲兵5人の軍法会議が行われ、彼等6人全てが銃殺刑に処される事が決定したのであった
通信士は兎も角、何故艦娘達に性的暴行を加えていた程度の憲兵達まで銃殺刑に処される羽目になったのかと言えば、それは単純にその手法が余りにも非人道的で、それを実行した回数が尋常ではなかった事が原因である
これは剣持率いる新生陸軍の憲兵達によって判明した事だが、彼等は如何やら例の地下牢に監禁、拘束し身動きが取れなくなった艦娘に望が誤って提督に投与した薬物と同じ様な物を投与した上で、提督からの艦娘の解放命令が出るまでの間ずっと、5人全員で気が済むまでその艦娘を性の捌け口にしていたのだとか……
彼等はそんな悍ましい事を200人近い艦娘達に行い、彼女達の心に大きな傷痕を残し続けて来たのである。艦娘の事を心より大事に思っている元帥はこの事実を知るなりそれはそれは激昂し即座に彼等に銃殺刑を言い渡し、直後に剣持がこの悪逆非道な陸軍の面汚し共に存在価値など無いと言って元帥をフォローした事で誰も反論する事が出来なくなり、彼等は銃殺刑に処される事となったのである
尚、軍法会議の場に姿を現した時の憲兵達だが、彼等は空に溶接された時の姿のまま、大玉転がしの要領で明石と工廠の妖精さん達に転がされながら入廷して来たのだとか……
「いや~……、私達も頑張ったんですけどね?この溶接に使われた金属が尋常ではないくらい頑丈な上に、ものすっごく丁寧に溶接されているせいで、工具などで性器ごと結合部を切断して彼等を切り離す事も出来ず、この溶接を施した関係者からは協力拒否されて、どうしようもなかったんですよ~……」
彼等をこの場に連れて来た明石は、余りにも惨め過ぎる憲兵達の姿を見てポカンとする軍法会議の関係者達に向かってそう言うと、そそくさとその場を後にしたのだそうな……
この様な理由があった為、憲兵達はウロボロスの様な状態のまま軍法会議に出廷し、帰りは新生陸軍の憲兵達に転がされながら退廷し、最期は5人仲良く繋がったまま銃殺刑に処され、その生涯をみっともない姿のまま終えるのであった……
さて、前置きはこのくらいにして提督の話に移ろう
まだ日も昇っていない時間に、降りしきる雨の中を1台の車がヘッドライトを光らせながら山道を走行していた。そう、横須賀鎮守府内で行われる軍法会議に出廷する提督を乗せた護送車である
この護送車には提督の他に、護送車の運転手と提督が脱走しない様見張る武装した監視役が1名ずつ乗り込んでおり、大日本帝国軍の依頼の下、輝の手により大楠山の中に新設された軍事刑務所を早い時間から発ち、真っ直ぐ横須賀鎮守府を目指して移動していたのであった……
そんな彼等に、突如悲劇が襲い掛かる……。もう少しで山を出れると言ったところで、護送車を運転していた運転手が不審な人影を発見したのである……
この雨の中傘も差さずに佇むその人影を目撃した運転手が、思わずその人影を訝しんでいると、突然護送車の右の前輪からパンッ!と言う音が発生し、護送車の制御が利かなくなってしまったのである
突然の出来事に驚きながらも、運転手は何とか護送車を制御しようと両手でハンドルを持ち奮闘する。この時運転手は護送車の挙動と先程の音から右前輪がパンクしたのだと判断し、事故を起こさない様に細心の注意を払いながらハンドル操作を行うのだが……
「……んなっ!!?」
直後に先程見た人影から突如何かが2つ程放たれ、それはそのまま護送車の運転席の方へ向かって来るのであった。それに気を取られてしまった運転手はハンドル操作を誤ってしまい、右前輪がパンクした護送車は道の脇にあった木に激突して停止してしまうのであった……
一体何があったのか、あの人影は一体何なのか……、運転手が朦朧とする意識の中この様な事を考えていると、突然運転席側の扉が開かれ、先程の人影の正体と思わしき人物が、運転席に乗り込んで来るのであった
その人物の姿を目の当たりにした瞬間、運転手は思わず声を上げようとするのだが、その人物が凄まじい速度で腕を伸ばして運転手の口を手で塞ぎ、運転手が悲鳴が上げられなくなったところで、その人物は懐から1本の何の変哲もない……、いや、よく見ると何らかの原因で先の方からグリップ部分までが赤黒く変色したノック式ボールペンを取り出すと、ボールペンをノックして本体からペン先を出すなり、それを運転手の首筋にある動脈目掛けて勢いよく突き立て、運転手の命を奪ってしまうのであった……
その後、異変を察知した監視役が提督そっちのけで護送車の後部から飛び出して来るものの、運転手同様不審者に瞬時に間合いを詰められ、口を手で塞がれた後に首筋にボールペンを突き立てられ、あっけなく始末されてしまうのであった……
こうして目撃者を全て始末したその人物は、提督が収容されている護送車の後部に乗り込むと、無言でまるでゴミでも見るかの様な目を提督に向ける……
護送車が木にぶつかった時の衝撃で気を失っていた提督が、意識を取り戻すなり不審者の視線に気付き、視線を辿ってそちらへ顔を向けてその人物の顔を目にしたところ……
「プロフェッサー……っ!?プロフェッサーなのか……っ?!まさか……、俺を助けに……」
提督は驚きの余りその双眸を見開きながら、自分に対して鋭い視線を向けるプロフェッサーに向かって、この様な言葉を口にしようとするのだが、その言葉はそこで突然途切れてしまうのであった……。そう、プロフェッサーにその口を塞がれてしまったからだ……
その後、プロフェッサーは運転手と監視役の時と同じ様に、提督の首筋に無言で手にしたボールペンを突き刺し、突然の出来事に目を見開いて驚愕する提督が事切れた事を確認すると、護送車から降りて運転手と監視役の遺体を護送車の後部に放り込むなり距離を取り、艦載機を使って護送車のガソリンタンクに機銃を斉射して、護送車諸共提督達の遺体を吹き飛ばしてしまうのであった……
こうして桂島の提督を始末したプロフェッサーは雨音に紛れてこの場を後にし、小田和湾方面から海に出て日本を後にすると……
「製薬に関わる者は、やはり綺麗好きじゃないとのう」
そう呟いた後、自分の拠点に帰還するのであった……
そう、プロフェッサーにとって自身の利益にならない存在、金銭的な収入源にならない存在は塵芥にも満たない存在であり、そんな存在がこの世界に存在する事は、プロフェッサー的には絶対に許されない事なのである……
実際、以前取引をしていたミッドウェーの飛行場姫も、もし生存していてプロフェッサーから金にならないと判断された場合、彼の手によって始末される予定だったのである……
故に今回の件で折角金のなる木と判断し投資したにも関わらず、その期待を裏切った桂島の提督は、エデンに関する情報の漏洩防止の為などではなく、彼のゴミ掃除の為だけに始末されてしまったのである……
この様な事情で発生した桂島の提督暗殺事件は、横須賀鎮守府だけでなく大日本帝国軍全体を震撼させ、提督にやらかした事の大きさを後悔させながら銃殺刑に処させようとしていた戦治郎は、その事を朝食中に知るなり悔しさの余り歯噛みしながら食堂を机を叩き割り、本気で翔に怒られるのであった……
尚、この事実が発覚し、通信士と憲兵達の処刑が行われた後、何者かの手によって大手のアダルト動画サイトが複数ジャックされ、提督と憲兵達の罪状が読み上げ用音声合成ソフトによって読み上げられながら、お仕置きされる提督達の姿が映された動画がサイトを通して世界中にばら撒かれ、その動画を目にした多くの者達が怒りの余りに暴徒と化し、提督や通信士、そして憲兵達の親類縁者は、住所を特定した暴徒と化した者達から私刑に処され、それに参加した者達は悉く警察に逮捕されてしまうのであった……
因みにこの件について、警察は全力を以て犯人を捜し出そうとしたのだが、結局犯人の尻尾を掴む事すら叶わず、この事件は迷宮入りしてしまったのだとか……
『被害に遭った艦娘達の親族に、艦娘擁護団体、それに正義感が強過ぎる連中……、いや~、人間ってのはホント恐ろしいッスね~』
警察が必死になってアダルト動画サイトジャック事件の捜査をしている中、その実行犯である護は犯人逮捕に躍起になっている警察達を想像し、ほくそ笑みながらPCに取り付けたマイクに向かってこの様な事を呟く
「ライトニングボルトペンギンの言う通り、人間って恐ろしいンゴ……。ワイはこの騒動に巻き込まれない様戸締りしとくンゴ……」
ライトニングボルトペンギンこと護に向かって、護のオンゲ仲間であるI.O.D.が護の発言を聞いた後、思わず身を震わせながらこの様に返答するのであった
『それはそうとI.O.D.さん、今回協力してくれて助かったッス。流石にこれ全部を自分1人でやるのはきつすぎるッスからね~、最初バックラーさんに協力要請して断られた時は柄になく焦ったッスからね~』
「ワイは暇だったから丁度いい暇潰しになったンゴ、って言うかライトニングボルトペンギンはえげつないンゴ、まさか親類縁者まで巻き込むとは思わなかったンゴ。これじゃあ死体蹴りンゴ」
その後、今回の件に協力してくれたI.O.D.に向かって護が礼を述べたところ、I.O.D.はこの様に返答する。するとそれを聞いた護は……
『奴等はそれだけの事をやらかしたって事ッスよ、まあ個人的にはあの世で親類縁者にボッコボコにされる奴等の姿も、世界中に晒してやりたかったんッスけどね~。んで、その最中に奴等をそう言う風に育てたのは何処の誰でしょう?とか言ってみたいところッスけどね~』
ケラケラと笑いながら、この様に返答するのであった……
「流石にそれは鬼畜過ぎるンゴ……、一体何がライトニングボルトペンギンをそうさせるンゴ?正義感か何かンゴ?」
『正義感?そんな犬の餌にもならない様なモン、自分や自分の身内に持ち合わせている人はいなさそうッスね。知り合いの医者やってる人や元ハイパーの人も、人の命を救う事に妄執しているって感じで、実際の所は正義感もクソも無いッスからね。まあ元軍人の人は、どう考えてるか自分には分からないんッスけどね~……。後これは自分の上司がよく言ってるんッスけど、正義って言葉は自分達で口にするもんじゃない、自分達の行動を正義か否か判断するのは飽くまで世間や時代なのであって、自分達が振りかざすモンじゃないんだとか』
「じゃあ一体何がライトニングボルトペンギン達を駆り立てているンゴ?」
『単純に、自分達の居場所を守りたいだけなのかもしれないッスね~、皆揃いも揃って才能あるはみ出し者ッスから、それを侵そうとする不届き者が気に入らない、だから全力で排除しようとしてるだけなのかもしれないッス。実際の所今回の件も、自分達の新しい職場を荒らそうとした大馬鹿タレに対する制裁って感じッスからね~』
「ん~……、何か分かる様な……、分からん様な感じンゴ……」
I.O.D.と護がこの様なやり取りを交わした直後、不意にインターホンが鳴る音が護のヘッドホンから聞こえて来る。そしてそれに反応した護が、警戒する様にキョロキョロと視線を巡らせていると……
「おおっと、注文してたピザが届いたみたいンゴ。そう言う訳でワイは今からご飯の時間だから、ボイチャはここらにしとくンゴ」
『ああ、そう言う事ッスか……、つい警察が嗅ぎ付けたのかと思って警戒しちまったッス……。っとぉ、それはそうと承知したッス、いつか機会があったらまた対戦するッスよ~』
I.O.D.がこの様な事を口にし、それを聞いた護は安堵の息を吐くと、I.O.D.に向かってこの様に返してボイスチャットを切るのであった
「ホント人間って生物は恐ろしいンゴ……、っとそんな事よりピザが来たンゴ~♪人間達はこんな良い物を食べていたなんて此処に顕現するまで知らなかったンゴ~♪これに関しては人間達が羨ましいンゴ、こんな素晴らしい物を生み出し食べていたり、オンゲと言う文化の極みの様な娯楽を持っているなんて~」
護が落ちた事を確認したI.O.D.こと旧支配者であるイオドは、この様な事を口にしながら自身が召喚された、佐賀県内にあるボロボロの屋敷の中を、時々肝試しと称して屋敷に不法侵入し、自身の姿を見て発狂死してしまった人間達の遺体を踏み潰しながら移動し、玄関に立つといつもの様にピザの配達員と扉越しに会話を交わし、扉に付いている郵便受けから遺体から抜き取った万札を渡し、お釣りはピザの箱の上に置く様に指示して配達員が立ち去った事を確認すると、扉を開いてピザとお釣りを手にして意気揚々と先程までいた部屋まで戻り、先程届いたLサイズのピザを堪能し始めるのであった
因みにイオドはクトゥルフに迫る程の実力はあるものの、ゾア同様変身するのは如何やら苦手の様で、現在も本来の姿のままこの屋敷で生活しているのである……
また、イオドのオンゲ仲間である護も、バックラーこと大日本帝国陸軍所属の盾井も、イオドの正体については知らなかったりするのであった……