※この作品はR-18です。

鬼の鎮守府   作:稲荷童子

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早い再会と大きな影

「どらっしゃあああぁぁぁっ!!!」

 

俺は雄叫びを上げながら目の前のル級に横一文字に斬りかかる、得物は当然大妖丸、ル級は艤装で大妖丸を受け止めようとするが残念ながらそれは叶わず艤装諸共バッサリと斬り捨てられる

 

「うおっほっ!戦艦の装甲が豆腐みてぇに簡単に斬れたし!大妖丸パネェ!」

 

「いいな~ご主人~、おらも新しい装備が欲しいだぁよぉ~」

 

リ級を拳で殴りつけパチュンッ!というまるでトマトを潰したかのような音を辺りに響かせる大五郎が羨ましそうに言ってくる、機会あったら作ってやっからもうちょい我慢しててくれ~

 

「貴方達……、砲雷撃戦って知ってるかしら……?」

 

「知ってるに決まってんだろ?戦闘開始直後にやったじゃねぇかよ」

 

俺と大五郎の戦いぶりを見てビス子が頭を抱え溜息交じりに聞いてくる、それに対して俺は当たり前だと言わんばかりに答える

 

哨戒させてた鷲四郎が深海棲艦の艦隊を見つけたので大五郎と一緒に制圧射撃しながら一気に距離を詰め、太郎丸による爆撃に混ざって斬った張ったの大立ち回り、大五郎の背中に乗せてたレーベとマックスはちょっち可哀想だったかもしれん、ビス子とグラーフは俺達が突っ込んで行くのを呆然と眺めてた、おめぇら戦え

 

「貴方達はいつもその様な戦い方してたのか?「おうっ!」……よく今まで無事でいられたものだな……」

 

俺の元気一杯の返事を聞いて肩を落とすグラーフ、こりゃ完全に呆れられたな……

 

「まあいいわ、取り敢えず全員無事みたいね。総司令を待たせるわけにもいかないから先を急ぎましょう」

 

ビス子がそう言って再び移動を開始したんで俺達もそれに付いて行く、そういや情報収集でドイツ行ったときからまだ2日か3日くらいしか経ってないんじゃねぇかな~?えらく早い再会だなおい……、そんな事を考えながら進んでいたら

 

「ちょっと!私を追い抜いてどうするのよっ!早く後ろに戻りなさい!」

 

先頭にいたビス子を追い抜いてしまい怒られた、ごめんちゃい……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「随分と早い再会になったな……」

 

「やっぱそう思う~?俺もさっきそう思ってたとこだったんだわ~」

 

アクセルが苦笑いしながら言ってくる、俺も再会は一ヶ月くらい後になるかな~?とか思ってたからそんなリアクションになるのはよ~っく分かるぞ~

 

今俺達がいるのは総司令室、アクセルの執務室だな、部屋の中にいるのは俺、アクセル、ビス子の3人だけで太郎丸と大五郎は港の方で隠れて待機してもらってる。グラーフ達は入渠した後太郎丸達のとこ行ってもらう事になっている、これは太郎丸達が事情知らん連中に発見されないようにするのと待っている間ちょっとした遊び相手をしてもらう為だ

 

「それで、確か私に頼み事と交渉したい事があると聞いていたんだが……」

 

「そうそう、まずはちょっとした報告からなんだが……」

 

こうして俺達の話し合いが始まった、プリンツの居場所とその近辺の状況を細かく伝え、そこから俺達がこれからどう動くつもりでいるかを教える事にした

 

「取り敢えず近いうちにこの補給拠点を襲撃、強奪してフェロー諸島にある奴らの本拠地襲撃及びプリンツ救出作戦の中継基地にしようと思ってんだ、そんで今は俺らと一緒に行動する事になった艦娘達を鍛えたり装備開発したりして戦力増強してるとこなんだわ」

 

「戦治郎達が何をしようとしているかは分かったんだが……、艦娘を拾ったのか……」

 

どうやらアクセルはドロップ艦に興味を持ったようだったからこのへんも教えておく事にした、摩耶達みたいなのが今後出ない確証なんてねぇからな、救助してからの対応のやり方とかドイツから大量にドロップ艦が出ないようにする為の対策立てる為にも知っておいて損はないだろうからな

 

「成程な……これは確かに対策しておくべきだろうな……、それにしても陽炎と不知火か……、確かこの2人は友人達を助けたいから力を貸して欲しいと言ってきた子達だったか?」

 

「ええそうよ、深海棲艦に攫われた仲間達を助けたいから救助部隊に入れて欲しいって言ってた子達よ、尤も私達が到着した頃にはその拠点は戦治郎達に制圧されて彼女達の仲間も無事救出されていたのだけどもね……」

 

ふひひサーセン、でもこれは偶然に偶然が重なった事だからその件で色々言われてもその……困る……

 

「まあそれについては私はどうこう言うつもりはないな、助けるべき命を助ける事が出来たならばそれでいいと思っているよ」

 

やだこの人カッコイイ……

 

「しかし艦娘の深海棲艦化か……、そんな現象が発生するのも驚きだが深海棲艦化した艦娘を元に戻せると言うのも凄い話だな……」

 

「これについてはまだ俺達も全部理解してるわけじゃねぇんだがな……」

 

そう言って俺は大妖丸を抜いてその刀身を眺めながら話を続ける

 

「俺自身まだそういった奴と対峙したわけじゃねぇし、本当にオベロニウム製の武器のおかげで元に戻せたのかスッカリサッパリ分からんチンなわけだからなぁ……、この金属は謎だらけだし……」

 

「入手方法も妖精さんからもらった、だったか……、その金属についてはこちらも調べてみてもし私達でも運用可能だったらすぐに導入していこう」

 

頼んだぞアクセル、深海棲艦になっちゃった艦娘を救えるのが俺らだけとかなったらプレッシャーパネェから是非とも頑張っていただきたい

 

「そうしてくれると助かる、っとそろそろ本題なんだが……」

 

「ああ、確か頼み事と交渉だったか、それで私は何をしたらいいんだ?」

 

ここでようやく本題に入る、俺達が制圧した拠点を買い取ってもらいたい事、フェロー諸島攻略のとき使うつもりの艦娘達を鍛えたいからしばらく貸して欲しい事をアクセルに伝える

 

「そういう事か……、補給拠点の買い取りはいいのだが今使ってる所はどうするんだ?」

 

「それは日本に向けて出発するときに買い取ってくれたら嬉しいな、あっそれと今の拠点からいくらか資源持って来てるからそれは今日即金で買い取ってくれたら超嬉しい」

 

持って来た資源については後で見積もりするって事になった、これで翔から頼まれてた食材買いにいけそう!

 

「見積もりのときに一緒に通信機材もそこに置いておくとして、こちらの艦娘を鍛える件については申し出は嬉しいのだが……」

 

艦娘貸してはまだ頭数が揃ってないのが原因で少々難しいと言う事だった、せめて1人だけでも!と必死に頼み込んでみたらグラーフをしばらく貸してくれる事になった、やったZE!成し遂げたZE!!!

 

「1人だけでも十分十分!グラーフ鍛えて教導艦として他の連中にも指導出来るようにしちまえば問題なかろうて!」

 

「そう言ってくれると助かる……、っと話はこれで終わったか?」

 

「んだな、頼みたい事は全部言ったし後は資源の見積もりと通信機材待つくらいだな~」

 

問い掛けてくるアクセルにそう伝えると、準備が完了するまで時間がかかるだろうからゆっくりしていくといいって事だったので、変装して街へ出て頼まれていた食材が何処にあるか調べてから港へ向かった、今回の変装は大丈夫だよな……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

資源の見積もりが終わり思っていたより多めのお金GET!早速さっき調べておいた店に突撃して食材を買い漁り、港に戻ってすぐに大五郎の背中に通信機材と共に積み込む、これでやるべき事は全部やったはず!

 

「太郎丸~!大五郎~!また会おうね~!」

 

「いつかまた会いましょう」

 

「また一緒に遊ぼうね……」

 

「皆~またね~!」

 

「それまで元気にしててくんろ~!」

 

ドイツを発つ時、レーベとマックス、そしてレーベが遊び相手として連れて来ていたユーちゃんにビス子とアクセルが見送りに来てくれた、レーベ達が太郎丸達に別れの挨拶をしていたがお互い仲良くなれたようでなによりですわ~

 

「それじゃあ、グラーフの事は頼んだぞ」

 

「おう任された、がっつり鍛えてドイツ一の空母にしてやんよ、そんでフェロー諸島に仕掛ける時は連絡すっからそれまでにそっちも数揃えて練度上げておけよ?」

 

そう言ってグータッチを交わす俺とアクセル

 

「ごめんなさいグラーフ、本当は私が行くべきなんだろうけど総司令の仕事の手伝いもあるから……、決して無理だけはしないようにしなさいよ?」

 

「分かっているさ、これもドイツ海軍の為だからな、学べる事は全て学び無事に戻ってくるさ、だから心配するな」

 

グラーフを心配するビス子に答えるグラーフ、まあビス子の心配も分かるわな、さっきの俺の戦闘見てたら余計心配になるだろうて……、信じて送り出したグラーフが変な深海棲艦に仕込まれた近接格闘術にドハマりして深海棲艦を殴り殺すようになるなんて……とかなったら目も当てられんわな……、ってそういやグラーフって空母だから色々教えるのは空になるんじゃ……あっあっあっ……

 

「よっし、そろそろ行くか、んじゃおめぇら、今度会うとしたらフェロー諸島攻略のときになるだろうな、それまで元気にしてろよ!またなっ!」

 

そう言って海上に降り立つ俺と太郎丸を乗せた大五郎、それにグラーフが続き拠点へ向かって海上を滑るように進んで行く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

途中で深海棲艦を見つけてはシバき倒しながら進んで行く俺達、戦闘の度にグラーフの表情が引きつっていたが気にしない、日も沈み始めている事だし急がねば……、そう思っているときグラーフが何かに気付く

 

「おい戦治郎、あそこに誰かいるようだが……」

 

う?海上に誰かいんの?何で?そう思いながらグラーフが指差す方向を見てみれば……

 

「……何でこんなとこにこいつがいんだよ……」

 

そこにいたのは非常に見覚えのある深海棲艦の姿があった、冗談抜きで何でこいつがこんなとこいるのか分からねぇ……

 

相手を見据えながらそんな事を考えていたら目が合ってしまった、するとそいつは一瞬驚いたかと思えば俺を睨みつけながら艤装を呼び出した

 

「おいおいマジかよ……、通が言ってたのってコレか……」

 

「何をブツブツ言っているんだ!あいつがこっちに向かって来ているぞ!」

 

「グラーフ、よく聞け……、あいつは元艦娘だ。可能なら本体は無視して艤装のみを狙って攻撃しろ、OK?」

 

俺の言葉を聞いたグラーフが驚愕しながらこっちに視線向けて来るが今は無視、俺は大妖丸を構えながら今こちらに向かって突っ込んで来る深海棲艦を真っ直ぐ見据える

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

禍々しいオーラを纏った巨大な人型艤装を連れた戦艦棲姫を……

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