さて、こうしてロードトレイン砲の製作が始まった訳だが、ここでロードトレイン砲の詳細について触れておこうと思う
戦治郎達が現在製作しているこのロードトレイン砲、戦治郎が『
尚、1輌あたりの車輌の大きさだが、戦治郎は本来軽自動車1台分の大きさにする予定だったのだが、鈴谷の件の詳細を知った戦治郎が、これの製作を鈴谷の学費対策の手段に用いる事を決定した事で、1輌あたりの大きさを人手が必要な大きさに変更する事となり、その結果布都御魂の1輌あたりのサイズは、現存する新幹線の車輌の大きさと比較すると、取り回しの為に長さが通常の列車と同じくらいに短くなっているが、それ以外はほぼ同等の大きさになっていたのであった
さて、それでは先程言った布都御魂の各車輌の役割について、これから触れていこう
先ず先頭車輌、ここには布都御魂の操縦席など人が乗り込んだり、ちょっとした荷物を積む車輌となっており、車輌内部の中央辺りには、操縦者の休憩に使ったり他の搭乗者が待機する為に使用するテーブルと椅子が、車輌の後部には修理の際に使用する工具などを保管する為の棚などが設置されている
又、先頭車輌の屋根には、布都御魂の奪取を企み襲い掛かって来る者達対策として、左右に3門ずつ大型の機銃が取り付けられており、布都御魂の操縦手はそれを操縦席から操作出来る様になっている
そんな先頭車輌と繋がっている2号車には、ターゲットの位置を正確に把握する為の大型のレーダーや、相手からの電子欺瞞などを無効化した上で、強力な電子欺瞞を仕掛ける事が可能な高性能コンピューターなどが装備されている
因みにそのコンピューターのプログラムは、その全てがプログラムの分野でアリーに敗北を喫した事で、一念発起した護の手によって6時間ほど掛けて作られており、戦治郎のタブレットに送られてきたそのプログラムを目の当たりにした整備科の教官達は、戦治郎に紫電改四を見せられた時以上の衝撃を受けると同時に、こんな恐ろしい人間と友好関係を持つ戦治郎の人間関係に対して、ちょっとした恐怖を覚えるのであった……
続いて3号車、これには深海棲艦が布都御魂の破壊や、江田島そのものを攻撃する事を目的として差し向けて来た艦載機対策として、大小様々な数多くの対空ミサイル発射管や、対空ミサイルでは対処出来ない位置までやって来た艦載機を撃ち落とす為の対空機銃、更には艦載機から投下された爆弾や海上からの砲撃により撃ち出されて来た砲弾などを、空中で迎撃する為の閃光迎撃神話や、横須賀鎮守府での会議の時にリチャードと共に来ていた伊吹から受け取った設計図から作り出した、閃光迎撃神話と同じく迎撃用S-Eである機神光速百手などが装備されている
そして最後の4号車、ここにこの布都御魂の最大の特徴にして武器である、それはそれは巨大な砲が装備されている。その口径、元となった列車砲の80cmを超える88cmとなっている
さて、この布都御魂の砲を見て、多くの方がこの様な疑問を頭に思い浮かべる事だろう……。新幹線とほぼ同じくらいの車輌の大きさで、この巨大な砲を撃っても大丈夫なのか?と、撃ったら車体が吹き飛んだり横転したりしないのだろうか?と……
それらの問題に関しては、既に布都御魂を設計した戦治郎が、砲そのものに砲撃の際の反動を抑える装置を組み込んでいたり、車体に反動の影響を受けにくい構造などを取り入れたりして、しっかりと対策をしているのである
又、布都御魂の元となった列車砲には、砲弾を装填する際多くの時間と人手が必要になっていたのだが、これも戦治郎がとっくに対策しており、布都御魂には戦治郎がこの為だけに新たに開発した自動装填装置が取り付けられ、砲弾の装填に必要な人手を0にした上で、本家では30~45分も掛かっていた砲弾の装填速度を、ものの1分で終わらせてしまえる様にしてあるのである
さて、そんな化物兵器を動かす動力はどうなっているのかと言えば、今回も例によって魔道書が使用されている訳なのだが、その魔道書はこれまで戦治郎達が使って来た出版版ネクロノミコンではなく、何と翔の相棒であるゾア直筆の、翔から教えてもらったレシピをまとめた巻物となっているのである
それには翔の鼓翼に宿る真・魔道書の様な名前は存在しないのだが、それらに匹敵するほどの魔力を宿しており、戦治郎はゾアの指示でこの巻物を戦治郎の下に持って来たディープ・ワンから、巻物を受け取ったその瞬間、この巻物が秘める絶大な力を直感的に感じ取り、すぐさま空に連絡を入れて大黒丸の動力を、これに差し替える様に指示したのだとか……。それほどまでに、この巻物の力は大きかったのである……
これにより布都御魂は、見た目からは想像出来ない程の速度で走行する事が可能であり、魔力を使った姿勢制御も行えば、連結しているにも関わらず、ドリフト走行や砲撃しながらの走行も可能となっていたりするのであった
さて、そんなトンデモ兵器である布都御魂、本来は専用の格納庫など作らず、艦娘候補生達の艤装同様、整備科の実習棟に保管する予定だったのだが、鈴谷の件で車体サイズの変更を行った結果、その大きさのせいでとても整備科実習棟には入り切らなくなってしまったのである……。故に戦治郎は、急いで布都御魂専用の格納庫と専用の機材の設計図を描き、それらの建築と製作もバイトの内容に組み込む事にしたのであった
こうして布都御魂の詳細について説明している間にも、戦治郎達の作業進行状況と時間は進んでいき、時刻は夕食時を迎えるのだった
「戦治郎さん、皆さんの食事をお持ちしました」
「おっ、もうそんな時間か……。おめぇら作業の手ぇ止めろー!飯の時間だーっ!!」
早々に布都御魂や整備用機材のパーツ作りを終わらせ、そちらに参加していたメンバーを引き連れて格納庫建築の手伝いに入っていた戦治郎の下に、戦治郎達の食事を持って来た浜風と浦風、そして主計科の皆さんがやって来る。そしてそんな浜風達の存在に気付いた戦治郎は、少々呟いた後この場にいる者達に向かって、声を張り上げて作業を止め、今しがた浜風達が持って来てくれた食事を摂る様にと指示を出すのであった
そう、戦治郎はロードトレイン砲製作の許可を取る際、作業参加者の夕食の時間をズラして欲しいと頼んだのだが、残念ながらその頼みは食堂の方から、明日の仕込みの都合などもある為、それは聞き入れられないと断られてしまい、戦治郎はそれの打開策として、バイト代を払うから作業者達に夕食を作って欲しいと主計科に交渉し、見事交渉を成立させてみせたのである
何故戦治郎が作業者達の夕食の時間をズラそうとしたのかと言えば、軍学校の授業が終了してから食事の時間になるまでの間に、少々中途半端な空き時間が存在する為、戦治郎はその時間も作業に当てたいと考えた訳なのだが、そうすると折角作業者達の集中力が高まって来たところで、タイミング悪く夕食の時間となり、作業を中断せざるを得なくなってしまうのである。そうなると中々集中力を取り戻すのが大変になると考えた戦治郎は、それを防ぐ為に作業者達の夕食の時間をズラそうとしたのである
因みに浜風達がどうして主計科の皆さんと一緒にいるのかについては、主計科からの参加者の数が思った程集まらず、少々人手不足であったから浜風達が手伝いに入ったからである。尚、最初はこれに磯風も参加しようとしていたのだが、それは浜風と浦風によって何とか阻止されたのだとか……
そう言う訳で、戦治郎達は一旦作業を進める手を止めて、浜風達は持って来てくれた夕食を摂り始め、食事が終わると作業を再開させ、作業終了時刻である21時になる頃には格納庫の建築作業を全体の1/4程まで進める事に成功し、戦治郎達は時刻が21時になった事に気付くと、終礼をしてその日の作業を終了する事にするのであった