「おい戦治郎!それは一体どういう事だ!」
グラーフが俺の発言について問い質そうとしてくる、こいつらが拠点来た時の会議で説明してたと思うんだがな~……
「あの戦艦棲姫は元々艦娘だったが何らかの原因で沈んだが何か強い未練か何かで深海棲艦として蘇った個体なんだ!そんでもしかしたら艦娘に戻せるかもしんねぇから本体は傷つけないようにしながら艤装のみぶっ壊せっつったんだ!OK?!」
迫りくる戦艦棲姫の攻撃に備えて大妖丸を構えたまま早口でグラーフの質問に答える、さああっちはどう来るか……
「何故あの戦艦棲姫が元艦娘だと分かるんだ!通常の個体と何が違うのかを「グダグダ抜かしてんじゃねぇ!言われた通りにやりやがれっ!!!」ぬぅ……っ!」
こっちが集中しようとしてるとこに更に疑問を投げかけてくるグラーフを一喝して黙らせて戦闘態勢に入らせる、疑問点はこれ終わったら教えてやっから今は戦闘に集中しろっつうの……
段々と相手との距離が縮まっていき、お互いの射程距離に入った……ところで戦艦棲姫は段々減速していき仕舞いには止まってしまった……、ぬ?何事ぞ?
疑問に思い戦艦棲姫の顔をよく見てみると何か怯えてらっしゃる……、深海棲艦特有の白い肌をした顔を更に真っ青に染め上げてガタガタと震えておられるのだが……?
戦艦棲姫の視線は俺の方ではなくその背後の方に向かっているのに気づいて、そっちを見てみればそこにいるのは大五郎……、ああ、こいつ大五郎見てビビってんのな……
大五郎を遠巻きに見たとき自分のと同じくらいのサイズの人型艤装だと思ったら、倍以上でかかったって感じだなこりゃ……。大五郎は工廠で計測したら全高8.8mくらいあっから2倍以上のサイズになるもんなぁ……、取り敢えずまあこれはチャンスだから遠慮なく攻め込ませてもらうぜ!悪く思うなよっと!!!
「グラーフ!今がチャンスだっ!思いっきり艤装の奴を爆撃してやれっ!!!」
「あ、ああ分かった……、攻撃隊、出撃!Vorwärts!」
グラーフに艤装を爆撃するように指示を出し、俺自身は戦艦棲姫の艤装に斬りかかる為に突っ込んでいくのだが……
「おいィィィッ!!!グラーフ!爆撃中止中止ぃっ!!!」
「ダメだ!ここまで来てしまってはもう止められない!」
あの艤装、本体を掴んだかと思ったら爆撃から自分を守る為の盾にしようとしやがったのだ、急いでグラーフに爆撃を中止させようとするがもう既に爆弾投下を開始する直前で止められないとの事、ドチキショオオオォォォッ!!!
「太郎丸!鷲四郎!大五郎!可能な限り爆弾を撃ち落とせえええぇぇぇっ!!!」
「「「分かった(だぁよ)!!!」」」
めっちゃ無理があるがペット衆に指示を出して爆弾を可能な限り撃ち落として戦艦棲姫本体への被害を抑えようとする、上手くいってくれよぉっ!
ペット衆が頑張ってくれたおかげで本体への被害は軽微といったとこで留まったが……あの艤装、意志を持ってやがるのか?もしかして俺達が本体に攻撃出来ないって事気付いてるとでも言うのか……?
その後俺も何度か艤装に斬りかかろうとするが、本体を盾にしようとしたり俺と艤装の間に本体が来るように立ち回ったりと、艤装の分際で知恵を利かせて非常に厄介な動きをしやがる……
グラーフの攻撃も本体で防ごうとしたりするもんだから、俺が間に割って入って機銃の攻撃や爆撃を悉く斬り払うハメになり俺の体力の消耗がマッハになってやがる……、ああもう、本体涙目になってんじゃねぇか可哀想に……
そんで相手の方はと言うと、こっちが下手に攻撃出来ないのをいい事に砲撃し放題、好き勝手やり過ぎだろうと思わずツッコミ入れたくなるような状況になってやがる。こうなったら本体を捕まえて艤装から隔離せねばならんな……、そう考えていると
「……っ!? 戦治郎!深海棲艦の艦隊がこっちに向かって来ているぞっ!!!」
ふぁーーー!!!この状況で敵増えるんかいっ!!!やってらんねぇぜチキショウ!!!
「エリル1エリヲ1ヲ1エリリ1リ2、これは面倒な事になったな……」
うぇっへっへ、エリ多めな上にえらい攻撃的な編成してやがんなおい!そんで三つ巴とか面倒臭い事この上ねぇぞばっきゃろう!!!
「こうなったら後から来た連中を先に潰してから姫の方やんぞ!さっきからじれったい戦いやってたからそいつらで欝憤晴らさせてもらおうかねぇ!!!」
俺は艤装の攻撃を躱しながら増援の方へと駆け出す、グラーフと太郎丸も俺の後を追うような形で艦載機を飛ばし攻撃を開始したようだ、鷲四郎と大五郎にはグラーフを守りながら姫の方への牽制をやってもらって可能な限り足止めしてもらう
「邪魔してくれてんじゃねぇぞコラァァァッ!!!」
叫びながらエリヲの頭に唐竹割りをお見舞いして真っ二つにぶった斬る、その姿勢から半身をずらしながら左逆袈裟でエリリ級に斬りかかるがそれは残念ながら避けられてしまった、ええいすばしっこい……っ!
そうしている間にもグラーフの艦載機がリAを沈める、ヲ級の艦載機は太郎丸が相手しているのだろう上空で激しいドッグファイトを展開していた。いあ、太郎丸が元犬だったからって狙ってドッグファイトとか言ったわけじゃねぇからな?
そんなくだらねぇ事考えてたらエリリとリBがこっちに砲撃してきた、割と距離が近かったもんだから少々焦ったがリBの砲撃を回避してエリリの砲撃は大妖丸で斬り払って対処する
そういやエリルは何やってんだ?と思ってそっち見たらアンチキショウ姫の方狙ってやがるじゃねぇか!
「させっかボケェェェッ!!!」
俺はエリルに突撃し大妖丸を薙ぎ払う様に振るうが艤装で受け止められてしまった、チィッ!ノーマルだったらこれで倒せたがエリートってなるとそうもいかんかっ!まあ姫から注意を逸らせただけ御の字だ
そう思って姫の方をチラ見してみればあぁあぁあぁ……、姫の奴飛んできた砲弾叩き落そうとしてる艤装に脚掴まれてテニスラケットみたいに振り回されてやがらぁ……、早いとこ何とかしてやんねぇとな……
っと、余計な事考えてたらエリルとの鍔迫り合い……でいいのかこれ?まあ艤装は武器だからいっか!押されそうになってたからエリルの艤装を勢いよく蹴って後方に飛んで下がる、そのついでにこっちに向かって来てたリBを空中で身体を強引に捻って繰り出した斬撃で斬り捨てる
「大丈夫か戦治郎!」
そう叫びながらグラーフが駆け寄ってくる、そんなグラーフに短く大丈夫だと答えて戦況を確認するとヲ級が姿を消し、エリルは損傷軽微、エリリは中破していた、ヲ級は恐らく太郎丸がやったのだろう、エリリはどうやらグラーフが頑張って中破に追い込んでくれたようだ、こないだ実戦配備されたばっかって聞いてけどやるじゃんこいつ
そんな事考えていたら砲撃音が聞こえて来たので何事かと思いグラーフ共々そっちを見てみれば、なんと姫の艤装がエリリを攻撃してるじゃねぇか!
「これは……、あいつは一体何がやりたいんだ……?」
「分からん……、だがこれはチャンスかもしれんな……」
そう、これは願ってもないチャンスだ、この間に姫と艤装を別れさせ艤装を仕留める事が出来ればあの戦艦棲姫を助ける事が出来るかもしれない……
「グラーフ、俺があの姫どうにかすっから艤装の方を頼んだ」
「何か策があるのか? まあこの状況で出来る事など限られてくるだろうし、お前に任せた方がいいのかもしれないな……、分かった、それで私はどうしたらいい?」
グラーフに俺が考えた作戦を伝えてから、俺は大妖丸を鞘に納めてから鷲四郎に通信を入れて鷲四郎は引き続き姫の牽制をやってもらって太郎丸と大五郎にはエリルの相手をしてもらうように伝え、通信終了後クラウチングスタートの姿勢をとる
「そんじゃあ、作戦スタート!」
そう叫んで俺は真っ直ぐに姫の方へと全力で走り出す、艤装がこちらに気付いたがその間に鷲四郎が機銃による攻撃を仕掛け一瞬だが意識がそっちに逸れる
「いただきぃぃぃっ!!!」
その僅かな隙を突いて俺は姫の脚を掴んでいる艤装の腕を斬り捨て、空中に投げ出された姫本体を艤装の身体を蹴って三角飛びして空中でキャッチ、姫を抱きかかえたままグラーフがいる方向へと走り出す、その途中でグラーフが発艦させた艦載機とすれ違う
「これで思う存分攻撃出来るというわけだな……、お前の主人の扱い方はとても許されるものではなかった、その言い訳は地獄の連中にでもするんだな!沈めえええぇぇぇっ!!!」
グラーフの容赦ない爆撃爆撃アンド爆撃、戦艦の艤装だろうがこれには耐えられなかったようでズブズブと足から沈んでいく艤装の姿が見えた。大金星じゃねぇかグラーフ、ホントよくやった!
エリルと中破したエリリだが、エリルは太郎丸と大五郎のコンビネーションに耐え切れず沈んだみたいだ、エリリは姫の艤装の砲撃が直撃して沈んだと太郎丸から報告を受けた
「いよっしゃ!これでミッションコンプリートってところかっ!おめぇら皆お疲れさん!」
「今回ばかりは肝が冷えたぞ……、それで、その深海棲艦は本当に元艦娘なのか?」
多分そのはずなんだよな~……、通が言ってた通りあのキモいオーラも見えたし大五郎見たときのリアクションといい、普通の深海棲艦とは思えねぇんだよな~……
そんな事考えてたら俺の腕の中で気絶している戦艦棲姫の身体が淡く光り始め戦艦棲姫の姿が徐々に変わり始める、それを見たグラーフは一瞬驚くがその次の瞬間にはおぉ……って具合に感嘆の声を漏らしていた
「こいつは……、扶桑姉様じゃねぇか……」
先程まで俺が抱き上げていた戦艦棲姫の姿は扶桑型戦艦1番艦の扶桑へと変わり、俺の腕の中で穏やかな寝息を立てていた
「この艦娘は……、なんと立派な艦橋を持っているんだ……」
ああ、君もそこツッコむのね……、まあ扶桑型の艦橋は海外で人気だからね……、シカタナイネ
「っと、予想外の事が起きたが皆無事だし、このまま拠点に戻んぞ~」
俺はそう言って扶桑姉様を抱き上げたまま拠点に向かって進み始めるのだった
扶桑姉様は作者が一番最初に指輪渡した艦娘、作者の本妻です