※この作品はR-18です。

鬼の鎮守府   作:稲荷童子

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毒を以て毒を制す

さて、これは何度目の会議になるだろうか……

 

姉様との戦いの後は何事も無く無事に拠点に戻る事が出来たのだが、姉様を抱きかかえて戻った件で色々いじられた……、姉様はどっかから無理矢理攫ったわけじゃねぇから自首する必要ねぇし、合意の上かどうかとかいやらしいとかそんな事やった覚えねぇっつうの……、一部始終を見ていたグラーフが苦笑してんじゃねぇかよちきせふ……

 

取り敢えず姉様は医務室に預けて、大五郎の背中に積んでいた通信機材やら頼まれていた食材やらを降ろしてからアクセルとの交渉の結果と姉様と戦って分かった事を皆に報告する為に皆に会議室に集まってもらった

 

まずは交渉の件、今度襲撃する補給拠点と今使っている拠点両方を買い取ってくれる事、支払いは日本に向けて出発するときに挨拶の為にドイツに寄るからそのときに渡してもらう手筈になっている事を伝える、因みにもらう金は米ドルにするように言ってある

 

「そういやあたし達の荷物ってどうなったんだ? 駅のコインロッカーの中に突っ込んだままにしてんだけど」

 

摩耶が今思い出したように言ってきた、そういやおめぇと木曾はドイツから出撃したって言ってたもんな……

 

「おっま、それ先に言えよ!言ってくれてたら回収しておいたのに……まあいいや、後で通信機材設置したときテストすっからそんときアクセルに言ってみるわ、でもあんま期待すんなよ?」

 

多分もう処分されてそうだからな……

 

「取り敢えず交渉の件はこんなとこだな、んでこっから姉様との戦いで分かった事なんだが……」

 

そう言って俺は姉様棲姫との戦いの話を始める、大五郎見てビビってた件は黙っておいてあげた

 

まずは俺の方でも禍々しいオーラみたいなのが確認出来た事、そしてグラーフがトドメを刺したにも関わらず艦娘に戻せた事を報告する、本体が艤装の盾にされてたり振り回されていたと言ったら皆引いてた、そりゃそうだわな……

 

「オベロニウムで出来た何かを持っていたらオーラは確認出来るみたいだな、そんで解放に関してはオベロニウムは関係ない可能性が高いのが分かったのも収穫かもしれんな」

 

姉様のときはオベロニウム製のアイテム持ってないグラーフがトドメを刺したのに解放する事が出来たんだからな、今のところはオベロニウムは元艦娘かどうかを識別出来る程度の効果しかないって感じなんだよな~……、でもル級は艤装ごと簡単に斬れたのにエリルになったら艤装で防がれた件は何かひっかかるんだよな~……

 

「つまり、そのオベロニウムだったか……、妖精さんから譲ってもらった金属で作られたものを身に着けていれば私達でもそのオーラとやらを見る事が出来るかもしれないわけか……」

 

グラーフが言う、俺の推測が合ってたら多分そう、出来ればそこらへん確かめてみたいところだな……

 

「どの道オベロニウム製のアイテムを持っていないと元艦娘かどうか判別出来ないから解放するならオベロニウムは必須になるだろうな……」

 

「んだな、それにオーラの出処を破壊しないとダメだからオーラが出てるかどうかと何処から出てるか確認すっ為にもオベロニウム製のアイテムを全員分作らないといかんな~……」

 

空の言葉を肯定して、全員分のオベロニウム製アイテムをどうするか考える。全員分の艤装に仕込むってのは流石に手間がかかり過ぎるし量も必要になってくるだろう、さてどうしたもんか……

 

「それだったらドッグタグなんてどうです?実用性もあるしオシャレにも使えますしね」

 

珍しく提案してくる司、成程、それならそんなに量使わないしいいかもしんねぇ

 

「ナイスアイディアだ司、皆もそれでいいか?」

 

俺が皆に尋ねると満場一致でOKが出た、よっしゃ後で早速作るとするか!

 

「俺は早いとこ自分専用の刀が欲しいんだがな……」

 

木曾よ……それはおめぇの腕前次第で考えてやるからもちっと待て

 

「しかし、どうにも分かんねぇなぁ……」

 

ん?悟が何か話始めたぞ?一体何が分かんねぇんだ?

 

「元艦娘を解放するのはいいんだがよぅぃ、まず何が原因で艦娘が深海棲艦に変化するのかってのが全く分かってねぇ……。艦娘が沈んだ後一体何がどうやって艦娘を深海棲艦に変貌させるのか……、神通よぅぃ、そのへん何か覚えてねぇかぁ?」

 

「いえ……、私のときは攫われた子達の事ばかり考えていてそのあたりの事は……、力になれなくて申し訳ないです……」

 

ああ~……、そういやそのへん全く分かんねぇんだよな……、艦娘って結局艤装背負って深海棲艦と戦っている人間であって、よくある改造人間でも人造人間でもないから深海棲艦に変化する要因ってのが何処にあるのか……、強いて言えば艤装になるんだが……、そう思って妖精さんの方を見てみれば何かすげぇ申し訳なさそうな顔してらっしゃるのですが……

 

「妖精さん、その顔は何か知ってるのか……?」

 

俺が妖精さんに尋ねると、妖精さんはポツリポツリと俺の頭の中に語りかけてきたんだが、俺はその内容に驚く事しか出来なかった……。空やシゲといった妖精さんと情報交換した連中も驚愕しているあたり、あいつらにもこの話聞こえてるんだな……

 

情報交換時は伏せていたと言う内容、それは艤装のブラックボックスの中身の正体なのだがそこには何と深海棲艦の脳を機械化した『コア』と呼ばれる代物が突っ込まれているそうだ……。深海棲艦の脳って……そんなもんどうやって入手したし……

 

一度コアを作る事が出来ればそれをコピーする事で艤装の量産が可能となり多くの艦娘を生み出す事が出来るようになるそうだ……。但しコピー品はオリジナルの物と比較すると性能面でかなり劣化するとも言ってる、その劣化して出来た余白部分に制御用プログラムを入れる事でコアを制御して暴走するのを防いでいるんだとか……

 

「艤装が完全に破壊されて沈んだらそのプログラムが機能しなくなって暴走するってところッスかね……」

 

「そんで暴走したコアが艤装を使っていた人間を侵食し始めて深海棲艦になる……って事か……」

 

護とシゲの発言を肯定する妖精さん、要は毒を以って毒を制すって事か……

 

「それじゃあ私達が艤装について教えてもらったときに出てきた妖精さんの加護って……」

 

天津風の言葉に妖精さんの言葉が続く、どうやら加護は深海棲艦の攻撃からの保護のみで他のものはコア由来である事が分かった……

 

保護効果は艦娘を守るのも理由の1つだがコアの暴走を防ぐ事が一番の理由とのことだそうだ……、そりゃまあ簡単に暴走してたら敵が増える一方だからな……

 

「そんなものを使っている事を公表しようものなら、艦娘の立場は下手したら道具以下になりかねないね……」

 

「だからコアの力に依る部分も加護の内容にしたわけか……」

 

光太郎と空が言う、でもそのせいでドロップ艦が増えて場合によっては敵が増えているとも言えるんだよなぁ……

 

「戦治郎さんが通りかからなかったら俺達も深海棲艦の仲間入りしていた可能性があるのか……」

 

「こりゃホント旦那に足向けて寝れねぇな……」

 

木曾と摩耶、いやホントそうだな、おめぇら俺に全力で感謝してもいいんだぞ?

 

妖精さんが更に続ける、オリジナルのコアについては余りにも危険過ぎる為各地の妖精さんの大きな集落で普段は厳重に封印し、艤装を製造する際には厳戒態勢の中で製造装置とオリジナルコアを繋ぐ実体を持たない特殊回線を利用してコアのコピーをとるとの事、その回線を通っているときに劣化が発生している事も教えてくれた

 

「大本営も民間企業も危険な橋渡ってんなぁ……」

 

俺はそう呟いた、そこまでしねぇとこの戦争はやってらんねぇって事か……、そんでその事がバレたら戦争どころじゃなくなるな……、あぁだから妖精さん達はこの事隠してたのか……

 

そしてここでオベロニウムの事が出て来た、オベロニウムは艤装暴走時の対抗手段として作られたそうで、基本的な効果は俺達が推測した通りだったが更なる効果があるそうだ

 

「オベロニウム製の武器は深海棲艦に対して特効……、その効果は武器の所有者と共に成長する……、ってまるでT〇Dのソーデ〇アンみてぇだなおい……」

 

つい言葉に出てしまった、このネタが分かる奴と分からん奴で反応真っ二つ……、っとそれはいいとしてエリルに攻撃防がれた理由がよく分かった、要は俺と大妖丸が未熟だったって事だな……、それに鉄パイプのときは気合で切断してたけど大妖丸使ってるときは元がポン刀だから普通に斬れるって思ってそこまで気合入れてなかったからなぁ……

 

「しかし、そんな大事な事を不知火達に教えてよかったのですか?」

 

「あれよ、きっと妖精さんはアタシ達はそれだけ信頼出来ると思って話してくれたんでしょうね」

 

不知火の言葉に対して剛さんが妖精さんの心情を汲み取ったような事を言う、実際妖精さんは剛さんの言葉を肯定していた。俺達ならこの戦争を何とかしてくれるかもしれないから、そう付け加えながらだ……、どうやらその信頼に応えないといけないな……!

 

「ふとした事からとんでもねぇ真実を知る事になったが、俺らが今やらねぇといけねぇ事は変わんねぇな、取り敢えずまずはオベロニウム製のドッグタグ作ってから随時兵装の開発だな、それと各自の強化トレーニングもやっていくぞ、それから補給拠点襲撃って流れ、皆それでいいか?」

 

俺の言葉に皆が頷く

 

「んじゃ今回の会議はこれで終わるか! 俺は姉様の容態見に行って起きてたら事情話しておくわ、それとグラーフ、この件はアクセルには伏せておいてくれ、流石にこれは洒落にならんからな……、精々オベロニウムの事くらいで抑えてくれ」

 

「ああ……、正直私もどう説明していいか分からないからそうさせてもらう……」

 

「じゃあ、僕は何か胃に優しいものでも作ってますね」

 

姉様の食事を作ると言う翔に短く頼むとお願いして、俺は医務室へと向かった

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