※この作品はR-18です。

鬼の鎮守府   作:稲荷童子

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宅配ピザ殺人事件 承

ピザに飢えた護の友人が住む場所の近くで、行方不明事件が発生している事を知った護と翔、そしてシゲとヴェルとゾアの4人と1柱は、翔の車であるホンダのステップワゴンに乗り込むと、鹿島市を出て途中で無料高速道路に乗って佐賀市に入り、高速道路から降りるとそのまま南下して護の友人であるI.O.D.の家があると言われている大授三区へと向かうのであった

 

この地域も長門屋鎮守府建設予定地同様有明海に面しており、干拓によって作られたその土地には多くの田畑と、深海棲艦からの攻撃に備える為に避難勧告が発令された関係で、人気が無くなり手入れもされなくなってしまった都合で、ボロボロになってしまった家屋が建ち並んでいたのであった……

 

その家屋の群れの中に1つだけ、他の家屋同様ボロボロになっている屋敷と言っても差支えのないくらいの大きさがある家屋があり、護がI.O.D.から貰ったと言うMAPにはその屋敷の場所に印が入っており、念の為に護がむせる君のGPSを起動して、自身が打ち上げた人工衛星からの情報とメールに添えられた住所を照らし合わせたところ、メールの住所と屋敷の位置が完全に一致した事を確認、それによって護はあのボロ屋敷がI.O.D.の家である事を確信するのであった

 

そして……

 

「うん……、やっぱりあの屋敷の近くで、行方不明事件が多発しているみたいだ……」

 

後部座席のシゲの隣に座るヴェルが、先程まで操作していたタブレットの画面を護の方へと向けながらこの様な事を口にし、それを聞いた補助席に座る護は後部座席の方へ顔を向け、ヴェルが手にするタブレットに視線を送る。そうして護へと向けられたタブレットの画面には、この近辺で発生した行方不明事件の一覧が記されており、護はヴェルに断りを入れてタブレットを貸してもらい、タブレットを操作して行方不明事件の詳細が書かれたページを開いてその内容に目を通すと、思わず顔を顰めるのであった……

 

護が記事を目にして顔を顰めた理由……、それはその記事の多くにI.O.D.の家と思わしき場所に、肝試しに行くと言う文字があったからである……

 

「記事見てる限りだと、I.O.D.って奴がこの行方不明事件に関わってる可能性が十分考えられるみてぇだが……、マモはその辺どう思ってんだ?」

 

「正直、記事の多さにドン引きしてるッス……。でも、自分はこの件にはI.O.D.は無関係だと思っていたいッス……、ちょいとばっかし自信無いッスけど……」

 

「うむっ!例え自身が無かろうと、我は友を信じる事は大切だと思うぞっ!」

 

そんな護の様子を見たシゲが護に対してそう尋ねてみたところ、護はしかめっ面のまま不安そうに返答し、それを聞いたヴェルの隣に座るゾアが、護に向かってこの様な事を言い放つのであった

 

こんな調子で、車を運転する翔以外のメンバーが、この様なやり取りを交わしていると……

 

「さて……、目的地に着いたよ」

 

「承知ッス、んじゃあシゲ、打ち合わせ通りに行くッスよ」

 

「応、任せな」

 

車を運転していた翔がボロ屋敷の近くに車を停め、シートベルトを外しながら護達に目的地に着いた事を告げ、それを聞いた護はそう言ってシゲに確認を取り、護から声を掛けられたシゲがこの様に短く返答すると、護とシゲは車から降りてボロ屋敷に向かい始めるのであった……

 

さて、先程護が口にした打ち合わせと言う言葉、これは道中チャットでI.O.D.が宅配ピザが届いた時も、配達員に己の姿を見せないでピザと代金の受け渡しをしていると聞いていた護が立案した作戦の事で、その内容はむせる君のセンサー類を全て起動した護と、熱源感知能力を使用したシゲの2人が屋敷の入口へ向かい、ボイスチャットで声が割れている護の代わりにシゲが、護のハンドルネームであるライトニングボルトペンギン名義で注文したピザを、この家に配達しに来たピザの配達員に成りすましてチャイムを鳴らしてI.O.D.に呼び掛け、それに反応してI.O.D.が扉の近くにやって来た事をセンサーや熱源感知で確認した後、護が扉を開けて屋敷の中に突撃し、そのままI.O.D.と直接コンタクトを取ろうと言うものであった

 

因みに扉に鍵が掛かっていた場合、シゲが迦具土で鍵だけを焼き払うか、腕力にものを言わせて破壊する予定となっている

 

又、もし護とシゲの身に何かあった時に備えると同時に、食堂で今回の件を話している時にシゲが予想していた通りに、I.O.D.が神話生物であった場合に備える為に、翔とゾアとヴェルは車の中で待機する事となっている

 

それから間もなくして護とシゲが配置に着き、予定通りに配達員に成りすましたシゲがチャイムを鳴らしてI.O.D.に呼び掛け、それに反応したI.O.D.が扉の近くまで来ると、むせる君のセンサーやシゲの熱源感知能力が反応を示し、それを確認した護とシゲは互いに顔を見合わせながら頷き合うと、護が勢いよく目の前の扉を開き……

 

「突撃!突然のオフか~~~……い……?」

 

それはそれは元気よく、屋敷の中に響き渡る程の声を張り上げながら、屋敷の中に踏み入ろうとするのだが、自身の目の前にいる存在を目の当たりにした瞬間、護の声は尻すぼみになっていき、やがて護は硬直し完全に沈黙してしまうのであった……

 

護が目にしたもの……、それは綿の塊の様な身体と巨大な複眼、そして浮遊しているにも関わらず、床についてしまう程の長さの太いロープ状の触手を複数本持っており、その身体は脈打つ様に光を放つ鉱物や結晶の様な物で出来た鱗の様なもので覆われ、鱗の表面は鱗の隙間から溢れ出て来る粘性の高い液体によって濡れていた……

 

これこそが、護のネトゲ仲間でありピザ中毒者であるI.O.D.の正体……、ゾアの父親であるクトゥルフと同時期に地球に飛来し、彼等と共に侵略目的で地球に飛来しようとする地球外生命体達と長きに渡って戦い続けて来た、かなりの古株の旧支配者であるイオドなのである……

 

さて、こうしてリアルで出会った護とイオドは、互いにしばらくの間硬直し……

 

「ウギャアアアァァァーーーッスゥッ!!?」

「ンゴオオオォォォーーーッ!??」

 

同時に我に返るや否や揃って大声で悲鳴を上げ、それに驚いたシゲが1度ビクリと身体を震わせ、何事かと思って屋敷の中に視線を向け、イオドの姿を目視するなり驚きのあまり再び身体をビクリと震わせる

 

と、その直後である……

 

「ンゴゴゴゴオオオォォォーーーッ??!」

 

自分の姿を見られた事でパニックを起こしたイオドが、悲鳴染みた声を上げながらその身体を眩く輝かせ、それを直接目にしたシゲと護に異変が発生、突如として2人の視界は暗転してしまい、次に暗転から復帰した2人の視界に、護とシゲ、それぞれが絶対に目にしたくないと、それはそれは強く思うものが映り込むのであった……

 

それが一体どう言ったものであったかと言えば、シゲが目にしたのはシゲが戦治郎の家に住み込むまでの間、長らく自分の事を苦しめ続けて来た自身の母親の姿、護が目にしたのは自身が作り出したゲームを委託販売している同人ショップの通販サイトの、自分のゲームのレビューに書かれた大量の『クソゲー』の文字と、それに添えられた最低評価の意味を表す☆1つ評価の画像であった……

 

「……くっだらねぇモン見せんじゃねぇっ!!!」

 

身体の各部位に埋め込まれたクトゥグア焔晶のおかげで、魔法攻撃に対してある程度耐性がついているシゲは、この様な言葉を口にしながらイオドが見せた幻覚から即座に復帰する事が出来たのだが……

 

「あっあっあっ……、クソゲーって……、☆1評価って……」

 

シゲの様にクトゥグア焔晶を持っている訳でもなければ、翔の様にクタニド製魔法のケープを持っている訳でも無い護は、イオドが見せる幻覚にまんまと翻弄され、恐怖のあまりその身体をガタガタと震わせ、頭を抱えながらその場にしゃがみ込み、譫言の様にこの様な事を呟いていたのであった……

 

「あちょっ!?おいマモッ!!しっかりしろっ!!!」

 

そんな護の様子に気付いたシゲが、護の胸倉掴んでその身体を持ち上げ、気つけとばかりにその頬にビンタを浴びせていると、これをチャンスと見たイオドは屋敷の奥の方へと逃げていき、シゲはそれに気付くも護の事を放っておけないと言う事で、その場に留まりビンタを続行するのであった……

 

その後、異変に気付いた翔達が急いで車から降りて護の下に駆け寄り、護は翔の魔法によって何とか我に返る事に成功するのであった……




イオドの描写、前に書いたっけ……?

前に書いてて、今回の奴と細部が違った場合、今後はこっちの方でやっていこうと思います
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