「♪~♪~♪♪~♪~♪~♪♪♪♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~っと」
あっち行ったりこっち行ったりした上であれやったりこれやったりとクッソ忙しかった中とんでもない世界の真実を知った昨日から夜が明けて朝となった、現在時刻は4時半くらい!そんな時間に俺は鼻歌を歌いながら砂浜へ向かって歩いていた
オベロニウムの特性の件で自分の未熟さを思い知らされた俺は、今までは色々あり過ぎてサボり気味になっていた剣術の練習を今日から再開する事にしたのだ。もし誰かに見られたら何か恥ずかしいやん?だからこの時間ならきっと皆寝てるはずだろうから俺が剣術の練習してるとこ見られる心配がないはずからなっ!!!
……そんなふうに考えていた時期が俺にもありました……、何でチミはもう起きていらっしゃるんですかねぇ……木曾さんやぃ……
あんりょ~?朝礼は8時からって俺言ってたと思うんだけど~?まだ寝てて大丈夫な時間だぞ~?
「ん?戦治郎さんか?こんな時間からどうしたんだ?」
どうやらこっちに気付いたようで声を掛けてくる木曾、うん、それそっくりそのままおめぇさんに返してやんよ
「起きるのはえぇな木曾さんよぅ、っとおはようさん、んで何やってたんだ?」
すんげぃ適当な挨拶をして木曾が何やっていたか尋ねる、例え適当でも挨拶は大事だからな
「あ~……、これか……」
木曾がバツが悪そうに手に持っていた木の棒を掲げる。こいつもしかして自主的に剣術の練習してたのか?
「昨日通さんに剣術の稽古つけてもらったんだが、どうも基礎の基礎からやる必要があるって言われて昨日は結局ずっと素振りばっかやってたんだよ……」
ああ~成程な~……、そればっかだと退屈になるかもしれんわな~……、でも通が言ってるのも事実だから何とも言えねぇな~……、実際木曾は多分俺らと会わなかったら剣術と全く無縁……いあ、その前に沈んでるか……、っていかんいかんそれはもう過ぎた事だから無し無し、取り敢えず木曾は剣術に触れるのが初めてだから基礎をしっかり覚えてもらわねぇとその先にもいけねぇからな、うん
「おめぇは剣道にしろ剣術にしろ触れるのが初めてだからなぁ、取り敢えずその棒切れじゃなくてこっち使え、んで通に教えられた通りにやってみ?」
そう言って俺は気分で持って来ていた2本の竹刀の内の1本を木曾に渡して素振りをしてもらった
うん、まだまだ粗削り!構えから始まって竹刀の振り方に体捌き、足捌き、目付けなど教えるとこいっぱい!これは教え甲斐ってのがありますわぁ……
「OKサンキューよっく分かった、これは口でどうこう言うよりまず実際に見て、受けてみるのが早いかもしれんな」
俺はそう言うなりもう1本の竹刀を握り構える、木曾は俺の動きを見て今から何をやるかを察したようで待ってましたとばかりにニヤリと口角を上げて竹刀を構える
「さあ木曽よ!どっからでもかかってくるがいい!」「素振りばかりで飽きて来たところだったからな……、いくぜ戦治郎さん!」
こうして俺と木曾の組手が始まった
「ぜぇ……ぜぇ……はぁ……はぁ……」
「おう、もうバテたのか?こりゃ体力作りももうちょっち頑張らないとだなぁ……、取り敢えず休憩すんべ」
砂浜に大の字に寝そべる木曾に俺は休憩宣言する、俺は組手中剣術の基本を徹底して守り木曾へそれを実際に受けてもらいながら教示した、少々可哀想な気もするが実物見てから口で詳細を教えてもらう方が分かり易いだろうからな
「攻撃が全く当たらねぇ……、一体どうなってんだ……?」
「そりゃおめぇ俺は後の先、カウンターって言った方がおめぇには分かり易いか?それ狙いだったからな、相討ち狙いの後の先を取るのは剣術の基本だから覚えておけよ?んで途中からそれ警戒し始めたみたいだがそれも悪手だったな、いいか?剣術ってのは活殺自在、相手の動きを活かして斬るのと相手の動きを殺して斬るのを上手い具合に使い分ける、これが本質なんだわ」
上半身を起こして尋ねてくる木曾に答える、それからは木曾の質問に順次答えていく俺の構図が出来上がる、やっだこの子ものっそい向上心持ってるよ~、これは教えてる側も楽しくなってくる~
そうこうしている間にいい時間になったので、2人で風呂で汗を流して朝礼の為に会議室へ向かったのだった
朝礼で姉様の件を皆に伝え俺以外のメンバーの自己紹介が終わり、今日やる事を話す前に俺は皆にとある事を聞いてみた
「おめぇらが生き残る術として最も重要視してるのは何だ?」
「なぁ、それって姉様に何教えていいか分からなくて俺らに全部丸投げようとしてたりしねぇかぁ?」
悟がツッコんで来る、ちげぇし!俺自身考えてるのあるしぃ!
「そのつもりは全くねぇよ、ただ俺が一番重要視してるのとおめぇらが一番重要視してるのが一致しないってのはよぉっく分かってるからな、だから皆に俺らが生き残る術として何を一番重要視しているか知ってもらう為に敢えて聞いてるんだ、OK?」
悟はこれで取り敢えずは納得してくれた
「生き残る術なぁ……やっぱ積極的に攻撃して相手をガンガン倒す事だな、攻撃は最大の防御ってな!」
まずは輝、賛同してるのはシゲだな……、攻撃してくる相手がいなけりゃ必然的に生き残れるわな
「逆に防御こそが最大の攻撃になる場合もあると思いますけどね、弾薬や艦載機がなくなれば攻撃は出来なくなりますし、無駄に燃料を消費させる事が出来れば相手は動けなくなりますから攻撃も好きなだけ出来るでしょう。何よりも自身の被害を最小限に抑える事が出来れば撤退する事も視野に入れる事が出来ますからね」
これは通の意見だな、賛同してるのは護と司、言いたい事殆ど言われてる……
「俺としては艤装を自力で修理出来る知識と技術だな、そうすれば被弾し艤装が故障しても自力で航行出来るくらいまで修復出来れば生き残れる可能性は上がる、全て直せるのならば戦闘続行も可能になる為輝の意見に沿う事が出来ると思うのだが」
「それに日頃から自分の装備をメンテナンスしてあげたら装備も喜んで力を貸してくれると思うし、自分の艤装の弱点部分も把握出来るようになると思うから被害を最小限に抑えるのに役立つと思うのよね~」
空と剛さんの意見は俺も同意、更に言えばこれは自分だけでなく仲間も助けられるようになるのも利点だと思っている、つか体術の空、射撃の剛さん、剣術の俺と三強揃い踏みじゃないですかー!やったー!
「仲間も助ける事も考えると医療に関する知識と技術も重要だと思うんだがねぇ……いくら妖精さんの保護があるとしても怪我するときは怪我するみてぇだからなぁ」
「症状を悪化させない為の傷病者の適切な運び方もあるし、応急処置が適切に行われていれば生存率は格段にあがるからね」
ここで医療組のエントリー、『なおす』のが艤装か本体かの違い、どっちも重要なのは変わらんな
「僕は飲み水や食べ物の調達方法とその調理法、更には調達した物に毒があるかどうか判別する方法なんかも重要だと思います。艦娘も深海棲艦も生物ですから何か食べたり飲んだりしないと死んでしまいますからね」
翔の意見、賛同者は藤吉、これは失念し易いところだな……、実際俺も忘れてたし……
しかし今回は皆意見出してくれておっちゃん嬉しい!何か艦娘の皆さんは驚いて固まっちゃってるけど、この光景ってそんな驚くようなもんかね?
「っしゃ!皆色々な意見ありがとうな!んで、これで俺らが生き残る為には何が重要だと思ってるか分かったな?艦娘の皆にはこれ全部覚えてもらいます。流石に医療系は全ては無理だろうが「まあそりゃ仕方ねぇなぁ……」応急処置の方法くらいは覚えてもらろうと思ってるがいいか?」
不安や困惑と言った表情が浮かぶ艦娘の皆さん……、まあいきなりこんだけ全部覚えろって言っても難しいわな……普通だったら
「そんな不安になりなさんな、ここにいる連中はその道のエキスパートばかりだからきっと面白おかしく分かり易く教えてくれるはずだ!」
勝手にハードル上げるなって言いたげな視線が俺に集中するが知らな~い
「まあこんな事になったが、全員まとめてやるってのは講師の負担がでかいから班分けしてから日替わりでそれぞれやってもらおうと思う、艦娘の皆は今から班分けを話し合って決めてくれ、工廠組は今から通信機材の設置とテストやっから付いて来てくれ、他は各自やりたい事、やるべき事を好きにやってていいぞ、んじゃ朝礼終わり!あざーっしたー!」
こうして朝礼が終わり各自行動を開始する、さって俺もいっちょやりますか!早いとこドイツと通信出来る様にして本拠地襲撃のときの足並み揃えられるようにしたいからな
そんな事を考えながら俺は工廠組と共に通信機材を今保管している工廠に足を運ぶのであった