※この作品はR-18です。

鬼の鎮守府   作:稲荷童子

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豪快老人(ゴーカイシルバー)VS.巨大老人(メガシルバー) その2

サクサクルースを仕留める為の準備を終えた正蔵達が、作戦開始とばかりにサクサクルースの方へと顔を向けると、そこにはサクサクルースの身体から生える触手と全く同質の触手が海上に大量に生えていると言う、サクサクルースの触手攻撃を直接受けた正蔵達からしてみれば、正に地獄絵図と呼べる様な悍ましい光景が広がっていた……

 

「……これは作戦の練り直しかしら?」

 

「いや、見た感じ海上の触手も、あの化物の身体から生えている触手と大差無い様に見える。ならば予定より攻撃頻度を若干上げて対処すれば、恐らく何とかなるじゃろう。ってな訳で……、者共かかれえええぇぇぇーっ!!!」

 

その光景を目の当たりにした満潮が、少々ゲンナリしながら正蔵に向かってこの様な事を尋ねたところ、正蔵はこの様に返答した後満潮達に号令を掛けるや否や、先陣を切ってサクサクルースに突撃を仕掛けるのであった

 

「これ……、さっきも見た様な気がするんだけど……?」

 

「そんな事を気にしている場合じゃありません!早く私達も行かないと、正蔵さんに置いて行かれますよっ!?」

 

先程のやり取りに既視感を覚えた満潮が、思わずそう呟くと朝潮がこの様に返答するなり正蔵の後を追って移動を開始し、それに対してそれもそうかと納得し、先程の既視感については取り敢えず保留にする事にした満潮は、すぐさま朝潮の後を追う様に移動を開始し、後方で援護に徹する事となった荒潮と大潮は、先行した朝潮達からある程度距離をとりながら、ゆっくりと移動を開始するのであった

 

さて、満潮達より先に海上に突如として出現した触手の森に突っ込んだ正蔵は、物理障壁で触手を真正面から受けていた時とは打って変わって、紅吹雪で作り出した小回りが利く3枚の盾を上手く利用し、触手の攻撃を盾の表面を滑らせる事で受け流す防御法を採用し、更には爆風を利用して周囲の触手を吹き飛ばす為に、艦爆以上の重量を持つ爆弾を搭載出来る艦攻や、正蔵が陸上姫であるリコリス棲姫の転生個体であるが故に使用可能な陸爆を大量に発進させ、サクサクルースとの距離を次第に縮めていくのであった

 

いや、これだけではなかった。正蔵は自身が陸上姫である事をフル活用し、至近距離からの銃撃による触手攻撃の軌道逸らしの為に、艦戦や局戦に陸戦までもを自身が持つ滑走路から発進させ、自分だけでなく朝潮達の防御までもをやってのけて見せたのである

 

因みに艦載機による防御について満潮達に話した際、正蔵は満潮からどうしてそれを最初からやらなかったのかと指摘されるのだが……

 

「紅吹雪があまりにも便利過ぎて、偶に航空機を発進出来る事を忘れてしまうんじゃよ。全く……、歳は取りたくないもんじゃのう……」

 

正蔵は満潮の指摘に対して、やれやれとばかりに頭を振りながら、この様に言い訳していたりする……

 

さて、正蔵の働きによって正蔵の後を追う朝潮達は比較的楽に前に進めているのだが、それもでやはり全ての触手を正蔵だけで処理するのには無理がある様で、幾つかの触手が正蔵の猛攻を掻い潜り、朝潮達に襲い掛かろうとするのだが……

 

「満潮っ!」

 

「分かってるわよっ!」

 

それに気付いた朝潮が満潮に声を掛け、それを聞いた満潮も僅かながら声を荒げながら返事をし、2人は自身の両太ももに取り付けられた魚雷発射管から魚雷を同時に引き抜くと、それを襲い来る触手目掛けて投擲する。そうして投擲された魚雷は、先端が触手に触れるなり信管が即座に起動し、大爆発を起こして周囲の触手を吹き飛ばしてしまうのであった

 

そう、駆逐艦や巡洋艦達が保有する魚雷には、戦艦主砲の砲弾以上の炸薬が詰められている為、一度爆発しようものならば戦艦主砲の砲弾以上の爆発を引き起こす事が可能なのである。これは大潮のハルコネンの砲弾の爆発で、触手達を吹き飛ばす事が出来る事が分かった事で、正蔵が思いついた作戦の1つなのである

 

こうして前進を続けた朝潮達は、先行した正蔵と無事合流すると、一気に航行速度を上げて触手の森を抜け出し、サクサクルースとの間合いを詰めていくのであった

 

(これ以上接近されたら、また手痛い一撃を貰う羽目になってしまうのう……。そうなる前に、先程と同じ様に豪快に吹き飛んでもらうかっ!)

 

そんな正蔵達の様子を見ていたサクサクルースは、先程の正蔵の強烈な一撃の事を思い出すと、内心で1度ブルリと身を震わせるなり、先程正蔵を吹き飛ばした時と同じ様に、体内に大きな気泡を発生させ爆発させようとするのだが……

 

「怪物の体内に巨大な気泡の存在を確認っ!!」

 

「行くぞお前らっ!!しっかり儂に捕まっておれっ!!」

 

サクサクルースの体内に大きな気泡が発生した事に気付いた朝潮が、正蔵にその事を伝える様に声を上げ、それを聞いた正蔵は朝潮達に向かってこの様な指示を出し、2人が自分にしっかりしがみ付いた事を確認した後、密かに海中に作っておいた紅吹雪製筋斗雲を足元から呼び出し、そのまま筋斗雲で垂直方向に凄まじい速度で急上昇し、見事サクサクルースの気泡による攻撃を回避して見せるのであった

 

 

 

(むぅ……、同じ手は喰わんと言う事か……)

 

そうして自身の攻撃を捌いて見せた正蔵達の姿を見て、サクサクルースは少々残念そうに内心でそう呟くと……

 

(なら、ワシのとっておきを1つ見せてやるとするかのう。まあ……、最大出力でやるとこの星の何処かにおるツァトゥグアまで吹き飛ばしかねんから、とことん手加減せにゃならんが……。まぁあいつら吹き飛ばすだけなら、これくらいで丁度いいかもしれんなっ!!!)

 

すぐに気持ちを切り替え、正蔵達に自身のとっておきを披露する事を決めると、早速行動を開始するのであった……

 

 

 

さて、サクサクルースの攻撃を筋斗雲で回避した正蔵達は、この後筋斗雲から飛び下りると、彼の身体から大量に生える触手を伝ってサクサクルースの巨体に取りつき、正蔵と満潮が2人掛かりでサクサクルースの身体に何とか傷を付け、そこに朝潮が自身が保有する魚雷と満潮から預かった魚雷を全て突き立て、離れた位置で待機している荒潮達に合図を送り、全員で息を合わせてサクサクルースの身体に刺さる魚雷目掛けて一斉に集中砲火をお見舞いし、サクサクルースを豪快に吹き飛ばす手筈となっていたのだが……

 

(……っ!?)

 

突如として正蔵の身体に凄まじい悪寒が走り、思わず辺りをキョロキョロと見回して悪寒の発生原因を探り、それが目の前にいるサクサクルースから来るものであると、正蔵が直感で感じ取ったその刹那……

 

(何じゃ……っ!?舌が急に……っ?!)

 

正蔵は自身の舌の唾液が蒸発する様な感覚に襲われ、直後にサクサクルースから尋常ではない殺気が放たれている事に気が付くなり、唐突に朦朧とし始めた意識の中、朝潮と満潮を後方に控える荒潮達目掛けて蹴り飛ばすのであった……

 

突然の正蔵の行動に驚く朝潮と満潮、そんな2人が正蔵の狙い通り荒潮達に激突し、4人で団子になりながら海上を転がり、正蔵からかなり離れた位置で何とか停止した直後、とても常識では考えられない様な出来事が、一切の前触れも無く本当に唐突に発生するのであった

 

何とつい先程まで自分達がいた場所に、まるで天上で燦然と輝く太陽の様な、超々高熱を放つ光の球体が発生していたのである……

 

「何よあれ……っ!?」

 

「……まさか正蔵さんは……、あの中に……?」

 

そんな非常識的過ぎる光景を目の当たりにした満潮と朝潮は、只々呆然としながらこの様な事を呟き、荒潮と大潮もこの光景が信じられないのか、愕然としながら立ち尽くしていたのであった……

 

これこそが、自身の誕生の経緯を調べ上げ、核分裂と核融合を自在に操る方法を努力の末身に付けた事で、自身と同じ様な形で落とし子を思い通りに作り出せる様になったサクサクルースのとっておきの1つ……、自身や対象の周囲に存在する物質を材料にして、道理や摂理の概念を捻じ曲げて核融合を行い、そうして出来上がった物質を更に核分裂させ、その際に発生した熱エネルギーと衝撃を相手に不意打ちで連続して叩きつける『核熱コンボ』なのであった……

 

先程正蔵が感じた感覚……、舌の唾液が蒸発する様な感覚とは、人間が生身の状態で真空中に投げ出された時に感じるものであり、サクサクルースが正蔵の周囲に存在していた空気を材料にして核熱コンボを実行した為、正蔵の周囲の空気が無くなってしまい、そこだけが真空状態になってしまったからであり、正蔵がこの様な感覚に襲われた後、突如として意識が朦朧とし始めたのは、正蔵の周囲が真空状態になった事で、正蔵の体内にある血管の中に大量に気泡が発生し、それによって血液の流れが阻害され、脳に酸素が行かなくなってしまった為である……




尚、魚雷は水中で爆発させた方が威力が出る模様

原理は『バブルパルス』で検索すると出てきます
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