グラグラが引き起こした琵琶湖近辺の行方不明事件を解決した戦治郎達と、タブレットによる通信を行っていた翔が、『九州治安維持強化令』を発令した時から時間を遡り、戦治郎達の研修5日目の朝頃の、長門屋鎮守府建設予定地の様子を見ていこうと思う
その日の長門屋鎮守府建設予定地には来客の予定が入っており、光太郎はその来客を迎えに行く為に、来客の知り合いである陽炎、不知火、天津風の陽炎型駆逐艦娘の3人を連れて、佐賀県に来た際に大人数で移動する時用に購入し、つい最近になってようやく鎮守府に届いた日産エルグランドの4WD仕様の350ハイウェイスターで肥前鹿島駅に向かうのであった
因みに、GT-R&エルグランドを保有する光太郎とステップワゴンを保有する翔、NSXを保有する大鳳にランエボⅥトミマキエディションを保有する扶桑以外のメンバーも移動用に車を購入しており、各自が保有する車は以下の通りとなっている
空…ホンダのオデッセイアブソルート(4WD)
輝…シボレーのコロラド(4ドア、4WD)
シゲ…ホンダのCR-V(4WD)
護…ホンダのN-BOX(4WD)
通…トヨタのプリウス
司…スズキのワゴンRスティングレー(4WD)
龍鳳…スズキのハスラー(4WD)
又、扶桑に関しては光太郎と同様に大人数での移動用に三菱のデリカD:5を近日中に、まだ長門屋鎮守府に来ていない戦治郎と悟は、空達と合流し次第それぞれトヨタのランドクルーザーと日産のシーマを購入する予定となっており、大和が保有するフェラーリのスーパーファストは、現在元桂島鎮守府所属の艦娘達にその深紅のボディーを定期的に磨いてもらいながら、長門屋鎮守府建設予定地内にある輝が能力覚醒時に建設した車庫の中にて主の帰還を待っていたりする
因みに輝のコロラドだが、如何やらこちらの世界のシボレーも日本から撤退しているらしく、どうしてもアメリカのピックアップトラックが欲しかった輝は、空を経由してサラに頼んで融通してもらい、何とかシボレーの車の入手経路を確保する事に成功したのだが、元々欲しかったアバランチの生産が終了していた関係で、輝はアバランチと同じシボレーのピックアップトラックであるコロラドを購入していたりする
尚、どの車も4WD仕様になっている理由については、戦治郎達はその立場上、プライベートの時でも急遽誰かを追跡するor誰かに追跡される可能性が考えられ、その時に車で悪路に入る羽目になるかもしれず、悪路を走行中にタイヤを障害物やぬかるみに取られてしまい、追跡対象を見失うor相手に追いつかれ戦闘に突入するかもしれない事や、深海棲艦や転生個体、更には神話生物などが長門屋鎮守府に襲撃を仕掛けて来た場合、それによって鎮守府近辺の道路に被害が出てしまい、道路がボロボロになって普通の車では走行が難しい状態になってしまう可能性もあるのである
一応、こう言った状況や自然災害が発生した時に備えて、走破性の高い長門屋鎮守府の関係者共用の軍用車の購入も検討されているのだが、それは軍から軍資金が出ない長門屋鎮守府の懐に余裕が出来た時に購入する事となり、それまでは各自のプライベート用の車で代用する事となったのである。尤も、軍用車と言えば輝などが保有する野バスなどの特別戦車群があると言えばあるのだが……、あれらは見た目が物騒過ぎるが故に、戦闘時以外に使えない状態となっていたりする……
さて話が盛大に逸れた、そろそろ話を光太郎達の方へと戻そう
光太郎達が長門屋鎮守府建設予定地を発ち、15分ほど車で走ったところで目的地である肥前鹿島駅に到着し、駐車場に車を停めると陽炎達は駅の中で待っているであろう知り合いの所へと向かい、光太郎は周囲を下手に刺激しない様にする為に、車内に残って陽炎達が知り合い達を連れて戻って来るのを待つ事にするのであった
「あっ!いたいたっ!」
車を降りてから駅の構内に入った陽炎達は、すぐに件の知り合い達を発見し……
「久しぶりですね、磯風、浜風、浦風」
「不知火か、以前会ったのは大体半年前だったか?」
「送迎、感謝します。一応軍学校にいる時に、戦治郎さんから長門屋鎮守府の位置については聞いていたのですが、こちらの交通事情がよく分からない為、私達だけでそちらに向かうのは、少々不安だったんです……」
「はぁ~……ここまで来るんに、ずっと電車に乗りっぱなしでぶち疲れたわ~……」
不知火が知り合い達……、戦治郎と同じ江田島軍学校に通っている、陽炎達と同じ孤児院出身の磯風達に向かって声を掛けると、磯風達は陽炎達の存在に気付くなり、それぞれこの様な言葉を口にするのであった
そう、磯風達もまた、舞鶴鎮守府に向かった戦治郎達同様、この休みを利用して軍学校を卒業した後、戦治郎が着任する予定となっている長門屋鎮守府の見学に来たのである
尤も、磯風達の場合は既に鎮守府として機能している舞鶴鎮守府とは違い、現在進行形で建設されている関係で、インターンシップの対象となっていない長門屋鎮守府に来ている為、見学と言うのはあくまで建前で、実際のところは遊びに来ていると言った方が正しいのかもしれない
それは兎も角、陽炎達と合流した磯風達は、少しの間陽炎達と雑談を交えた後、これ以上光太郎を待たせるのも悪いからと言う事で、陽炎達の案内で光太郎が待つ駐車場へと向かう事となるのであった
「お待たせ光太郎さん、っと磯風達の荷物を載せたいから、ちょっとリアハッチを開けてもらえます?」
「OK、……はい、開けたよ~」
それからすぐ、陽炎達は駐車場に停めてある光太郎の車の所に戻り、運転席側の窓をノックして光太郎にリアハッチを開ける様にお願いし、光太郎がそれに答えて運転席にあるリアハッチの開閉スイッチを操作してリアハッチを開くと、陽炎達は磯風達の荷物を後部の荷台に乗せた後、磯風達と共に車に乗り込むのであった
「皆さんどうも初めまして、俺は長門屋鎮守府の医療部所属の南 光太郎って言うんだ、どうぞよろしく。そしてようこそ佐賀県へ、ってね」
「磯風だ、長門屋の面々の事は戦治郎さんから聞いている、しばらくの間世話になる」
「浜風です、連休中、よろしくお願いします」
「浦風じゃ、この人が光太郎さんなんか~……」
磯風達が車に乗り込んだところで、光太郎は運転席のスイッチを操作してパワースライドドアとリアハッチを閉め、彼女達がしっかりシートベルトを締めている事を確認するついでに、後ろを振り向きながら自己紹介を行う。すると磯風と浜風は至って普通に挨拶を返すのだが、浦風だけが自己紹介もそこそに光太郎の顔をまじまじと見つめて来るのであった
「浦風ちゃん、俺の顔に何か付いてるのかな?」
そんな浦風に対して、少々恥ずかしそうに浦風から視線を外して、光太郎がこの様に尋ねてみたところ……
「いや~、孤児院のチビ達がよぉ見よる仮面ライダーの1人と同姓同名で、ホンマにヒーローみたいな姿に変身する人がおるって戦治郎さんから聞いとって、ちと気になっとったんじゃ」
「あぁ、そう言えば浦風は孤児院の子供達の世話をしてる時、その一環としてよく男の子達と一緒に仮面ライダーとか見てたわね」
浦風は光太郎の問いに対してこの様に答え、それを聞いた天津風が浦風の発言内容を補足するする様に、この様な言葉を口にするのであった
「それでどう?長門屋が誇るヒーロー様を生で見た感想は?」
「そうじゃな~……、見たところ良い人言うんは分かるんじゃが、ヒーロー云々については現状何とも言えんなぁ~……。此処で変身してくれたら、もうちょっとハッキリした答えが出せそうなんじゃが……」
「それは今は勘弁かな……、どうしても俺の変身が見たいのなら、鎮守府建設予定地に到着するまで待ってもらえないかな?」
「今光太郎さんが変身してしまえば、この車も一緒に違法改造車も真っ青になってしまう様な外見に変身してしまいますからね……」
「それはそれで見てみたいものだな……」
その後、陽炎が浦風に光太郎を見た感想を尋ね、それに対して浦風がこの様に返答すると、光太郎が苦笑しながらこの様な言葉を口にすると、横須賀の乱の際に光太郎達と共に行動し、光太郎が野バスに乗ったまま変身したところ、野バスも一緒になって変身し、桂島泊地に加担していた陸軍の兵達を蹴散らした事を知っていた不知火が、眉を顰めながらこの様に言うと、その発言に磯風が反応し、この様な言葉を発するのであった
それからしばらくして、話がある程度落ち着いたところで光太郎は車を発進させ、長門屋鎮守府建設予定地に向かい始めるのであった
「……ん?あの車って確か……」
それから少し走ったところで、何となしに見たバックミラーに映る、自分達のすぐ後ろを走る佐世保ナンバーの青いWRXの存在に気付いた光太郎は、思わずこの様に呟くのであった
「光太郎さん、どうしたんです?」
「いやね、後ろの佐世保ナンバーの青い車だけど、もしかしたら佐世保の加賀さんの車じゃないかな?って思ってね……。ホントは誰が運転してるか確認したいとこなんだけど、運転中にガッツリ後ろ向く訳にもいかないし、バックミラー越しじゃハッキリと顔が見えないからな~……」
「ふむ……、どれどれ~?」
そんな光太郎の呟きを耳にした天津風が、不思議そうな表情を浮かべながら光太郎にこの様に尋ねたところ、光太郎はバックミラーをチラチラと見ながらこの様に返答する。するとそれを聞いた陽炎が、そう言いながら窓を開けてそこから頭を出し、後方の車の運転席を確認すると……
「光太郎さんビンゴッ!あの車を運転してるのは加賀さんよっ!ナビシートに長月が座ってるから間違いないっ!!」
「俺の勘も捨てたもんじゃないな、っとそれじゃあちょっと挨拶するかな?」
後ろの車の運転席とナビシートに、加賀と長月が座っている事を確認した陽炎が、窓から頭を引っ込めながらそう叫ぶと、光太郎はそう言って挨拶代わりとして、ハザードランプを本当に僅かな時間だけ点灯させるのだが……
「……何で加賀さんの車じゃなくて、加賀さんの車の後ろを走ってるハイエースが反応するんだ……?」
加賀は光太郎の合図には反応せず、その代わりに加賀の車の後ろを走行する、銀色のハイエースがヘッドライトをチカチカと光らせて、光太郎の合図に返答してくる様子を見た光太郎は、思わず不思議そうな表情を浮かべながら疑問を口にするのであった
「今度はハイエースか……、一体誰が乗ってるのかしら……?」
「ハイエースは分かるのか……、って陽炎ちゃん、あんまり窓から身体を乗り出したりしないでね、電柱とかに頭ぶつけたりしたら危ないからね」
その直後、陽炎がそう呟きながら再び窓から頭を出し、今度はハイエースの運転手を確認しようとし、そんな陽炎に対して光太郎がこの様な注意をすると……
「光太郎さん、あのハイエースの運転手だけど、横須賀の明石さんだったわ」
「横須賀の明石さん……?」
「ああ~、そう言えば悟が言ってたな。明石さんの異動手続きが完了したから、近日中にこっちに来るって」
陽炎はハイエースの運転手が明石である事を伝え、それを聞いた明石と面識も無ければ長門屋の細かい事情も知らない浜風が、怪訝そうな表情を浮かべながらこの様に呟き、陽炎の報告を聞いた光太郎は何処か納得した様子で、この様な言葉を口にするのであった
そんな事をしている内に、光太郎達は長門屋鎮守府建設予定地に到着し、建設予定地に入ったところで光太郎は車を一旦停めて車から降りると、それに合わせて停止した加賀と明石の車に駆け寄り、2人に車の置き場所である車庫の事を伝え、誘導を開始するのであった