イブの自己紹介が終わった後、我に返ったムサシが相手から名乗られたのならば名乗り返すのが礼儀であると考え、彼女が煌の知り合いである事も踏まえてズインの事も含めて自己紹介を終えたところで……
「それでイブ、如何して君はドリームランドを出て地球に来ているんだ?」
煌はイブに向かって、彼女が地球に来た理由について、ややこしい表現など一切使わず、ストレートに尋ねるのであった
「あぁ済みません、初めて訪れた地球で、仕事の都合で長い間会っていなかった貴方と再会出来た喜びのあまり、目的を忘れるところでした……」
それに対してイブは、心から申し訳なさそうな表情を浮かべながらこの様に答えた後、自身がこの地球へとやって来た理由について話し始めるのであった
彼女が言うには、如何やらニャルはだまくらかして地球に送り込んだ咲作が、自分の思惑から外れた行動を起こした事に憤りを感じながらも、それに代わる翔に対しての報復を考え、実行に移そうとしているとの事だった……
この話を聞いた時、戦治郎達と情報共有をしていなかった関係で、煌はニャルが咲作を地球に嗾けていた事に大いに驚き、それを正蔵がしっかり対処した上で、咲作をこちらの陣営に引き込む事に成功していた事をこの場で初めて知ると、更に驚き慄く事となるのであった……
「イブさん……、貴女の父上が考えたと言う、翔さんに対しての報復の内容について、何かご存じではないですか?」
そんな煌とは対照的に、イブの口からニャルの企みを事を聞いたその瞬間から、自身の能力が唐突に発動し、全身にこれまでにない程に力が漲ると同時に、思考がかつてない程にクリアになり、そして恐ろしい程に心が落ち着いたムサシが、イブにニャルの企みの詳細について尋ねる。するとイブはフードから伸びる2本の三つ編みを揺らしながら、首を左右に振って見せ……
「ドリームランドにある私達の家にあるお父様の部屋の傍を通りかかった時に、偶々断片的にお父様の声が聞こえた程度なので、細かい事までは……」
ムサシに向かって申し訳なさそうな表情を浮かべながら、イブはこの様に返事をするのであった
「断片的な内容でも構わないから、イブがその時どの様な事を聞いたのかについて、僕達に教えてくれないか?先程の話の流れから考えると、恐らくニャルさんは外なる神の襲来に匹敵するレベルの事を、翔さんに対して行おうと考えているはずだからね……」
イブの発言を聞いた直後、ようやく我に返った煌が、イブに向かってこの様に尋ねると……
「分かりました……、確かあの時、お父様は『日本帝国海軍』、『地下』、『封印』……、私が聞いたもので、今思い出せるのはこのくらいですね……」
イブは眉を八の字にしながら自身の記憶を探り、それによって思い出せた単語を訥々と語る。すると……
「それってまさか……、『アレ』の事なんじゃ……っ!?」
「不味いっ!それがニャルの手に渡ってしまえば、人間や深海棲艦だけでなく、神話生物にも危険が及ぶ可能性が高いぞっ!!」
戦治郎達が横須賀鎮守府に滞在している間に、ある事を戦治郎達から直接聞いていた煌と、陸奥から又聞きと言う形で『ソレ』の存在を知ったムサシは、イブの話を聞くや否や、顔面蒼白になりながら口々に叫ぶのであった……
その後、ムサシ達はイブを連れて急いでキャンプ地へと戻り、煌は剣持に事情を説明する為に、イブと共に剣持のコテージに駆け込み、ムサシは『ソレ』の事に陸軍である自分達より詳しいであろう陸奥を叩き起こし、剣持のコテージに引っ張る様にして連れ込む。そしてコテージの中で煌から説明を受けて事情を知った陸奥は、『ソレ』がまだニャルの手に渡っていないかどうかを確認する為に、大急ぎで横須賀鎮守府にいる長門に連絡を入れるのであった……
ムサシ達がイブと接触する数時間前……、ドス黒い野望を胸に秘めた1つの影が、横須賀鎮守府の地下深くで蠢いていた……そう、イブの父親であるニャルラトホテプである……
はぁ~い♪『鬼の鎮守府』をご覧の皆さん元気~~~?クトゥルフ神話界のアイドル、ニャルラトホテプだよ~~~☆
僕は今ぁ、さっきクソウザい『地の文』が言ってた通り、横須賀鎮守府の地下にいま~~~すぅ☆彡 あ、因みにクソウザ『地の文』はガチでウザいので、ほんのちょ~~~~~っと本気を出しちゃった僕が、しばらく作品中に出られない様に封印しちゃいました~~~~~!!!ルルイエの時は舐めプしてたからああなったんだけど、僕がほんのちょ~~~~~っと本気を出したら、所詮『地の文』なんてこんなモンなんだよね~~~♪なのでしばらくの間はぁ、クソウザ改めクソ雑魚『地の文』に代わって、この僕が『地の文』として喋っていっちゃうぞ~~~☆
んで、文章遡ってみたらさぁ……、僕の娘のイブが何か余計な事してくれちゃってるみたいじゃない?でもまあ、時間軸的には僕の行動の方が早いから、あっちはどう足掻いても手遅れになっちゃうんだよね~~~!!!幾ら僕の娘だからって、僕は容赦しないぞ~~~?ザマアアアァァァッ!!!イブちゃんざまああぁぁぁーーーーーッ!!!!!ねぇ今どんな気持ち?どんな気持ちぃ~~~??勇気を振り絞って起こした行動が、完全に無駄だった時の気持ち、ちょっとお父さんに教えてくれな~~~~~い?
っとぉ、アザトースの身内って体裁保つ為に、その気も無いのに結婚して作った子供の事なんてどうでもいいとして~……、今回の僕の行動理由について、皆に少しだけ教えてあげちゃうよ~☆
な~んて言ってるけど、此処まで話を読み進めている皆なら、まぁ察しがついてると思うんだけどぉ、取り敢えず言っちゃうと、ルルイエで僕に恥をかかせた翔に対して、嫌がらせをするのが目的なんだよね~☆で、その為の準備として、『ある物』を手に入れる為に、僕はこうして地下に潜って横須賀鎮守府まで来てる訳~♪
しっかし『ソレ』の管理方法が雑な事雑な事……、ねぇ皆信じられるぅ?『コレ』を誰の手にも渡さない様にする為とは言え、まるで核廃棄物の処理でもする様に鎮守府の敷地内に深い深~~~い穴掘ってさぁ、その中に『ソレ』をポ---ン!って投げ込んで、コンクリートで穴を埋めるだけで封印したって言い張ってるのよ~?SF系の映画とかだったらさぁ、隠しコード使わないと使用出来ない、専用のエレベーターでしか行けない地下室を作ってさぁ、室内の中央に鎮座する『ソレ』の周囲を強固な壁なんかで囲って、センサーとかを隙間なく設置して、更に専属の見張りまでつけるとかやるじゃん?でもこの日本帝国海軍はそんな事一切してないの☆
まぁさぁ、誰かが見張りに成りすまして潜入して来る可能性もあるしぃ?部屋を作った業者が秘密を漏洩する可能性もあるからぁ、この方法も人間相手なら効果はありそうよね~?まぁ僕には全くの無意味なんだけどさっ☆
だって僕ぅ、地下まで来るのに穴とか掘ってないも~~~ん!今の僕の身体は地面と接触している事実が有耶無耶になっていて、僕の身体は僕の意思1つで、地面を好きなだけ透過出来る様になってるんだも~~~ん!!!で、これを応用してコンクリートとの接触の事実を、僕の力……、『混沌と矛盾を自在に操れる』力で有耶無耶にしてしまえばぁ……、この通りっ!穴の中のコンクリートもすり抜けて、目的の『モノ』を無事に入手出来ちゃいました~~~☆彡
そうそう、僕が皆の事をこうして認識出来ているのも、混沌と矛盾を自在に操れる力で、演劇なんかでよく言われている、所謂『第4の壁』の存在を有耶無耶にしてるからなんだZO☆
あっこれを見て何処かの隙間妖怪を連想しちゃった人、僕の力はあんなもんじゃないって事だけは覚えててね~~~☆彡 だって僕……、外なる神だからあああぁぁぁーーーっ!!!
さぁて……、『これ』に神話生物を喰わせて強化するものいいけどぉ……、敢えてそうしないで、『こいつ』を手土産に『あの2人組』と手を組んで、こっちで僕が行動を起こしやすくするのもいいなぁ……
っとぉ、よく見たら『コレ』、発信機付いてるじゃんっ!そんなものは握り潰し……、いや、どうせだからこれだけ外してコンクリートの中に戻すか……。んで、戻すついでにコンクリートの中にある隙間に、適当に神話生物詰めておいてやろうっと♪さてさて、どの神話生物がいいかな~~~?よっし、こいつでいっか☆
よしよし、やる事もやった事だし、『こいつ』の使い道は帰ってから考えるとして、そろそろお暇しようかね?って事でアデュー☆彡
ニャルラトホテプはそう言うと、元アムステルダム泊地の提督だったものの頭部が入ったティルタニア樹脂の塊を手に、まるで最初からそこに存在していなかったかの様に、その姿を忽然と消してしまうのであった……
その後、陸奥の連絡を受けた長門達が、戦治郎達が横須賀鎮守府に残してくれた数々の道具や、ショゴス達が変身した道具を用いて、ガチガチ固まったコンクリートを何とか掘り進み、塊があった深さまでもう少しと言うところまで辿り着くのだが……
「ハラヘッタ」
コンクリートの中から何者かの声が聞こえ、それを聞き取った長門達は塊は既にニャルの手に渡った事を察し、この声はニャルが仕掛けた罠だと判断すると、すぐさま撤収作業を開始、長門は地上に出ると急いで燎と戦治郎にこの事を伝えるのであった……