※この作品はR-18です。

鬼の鎮守府   作:稲荷童子

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通と黄金の鉄の塊で出来た闇

通の斬撃によって出来た空間の裂け目から現れた漆黒のモヤが、磯風達と対峙する深海棲艦達を飲み込み始めてからしばらく時間が経過すると、モヤは裂け目の中へとゆっくりと戻っていき、辺りにモヤが完全に無くなったところで空間の裂け目は少しずつ塞がっていき、裂け目が消え失せた頃には深海棲艦達の姿は綺麗サッパリ無くなており、天上で輝く美しき月を映す夜の海上には、通と磯風の影だけが残り、辺りには例の音楽だけが鳴り響くのであった……

 

そんな中……

 

「流石素晴らしい闇だすばらしい、見事な仕事だと関心はするがどこもおかしくはない」

 

何処か達成感と満足感に満ち溢れた声色で、刀であるが故に表情こそ分からないものの、恐らくドヤ顔をしているであろう『月影』改めダークネスの分霊は、この様な事を口にするのであった

 

そんなダークネスに対して……

 

「そうですね、素晴らしい仕事でしたよ、ダークネスさん」

 

通はこの様に言いながら、ダークネスの分霊が宿る月影を納刀しようとするのであった

 

「おいいいィィィ!!!??よおうr(通)!!おもえ何いきなり納刀しようとしているわけっ?!!」

 

「何と言われましても……、今回の貴方の役目はこれでお終いなので、そろそろ鞘の中に収まってもらおうと思いまして……」

 

「それって間接的に殺人罪と同様だろ……、そもそもまだ俺の事をいぞじゃsw(磯風)に商会してなにおではにぃか?奈良ここはしっかり俺の事をしおぁzr(磯風)に哨戒しておくと同時に、闇の素晴らしさについて話しておくべきなのではないか?(名案)いや、絶対にそうすべきっ!!!」

 

「そうですね、その辺りの事については、私の方から話しておきますので……」

 

「おいいいィィィーーーッ?!?!!;;」

 

このやり取りの後、ダークネスは鞘に収まるまいと、叫び散らかしながらその刀身をカタカタと揺らしたりなどして、必死の抵抗を見せるのだが、その甲斐虚しくダークネスは通の腰に差された鞘に収められ、それと同時に辺りに鳴り響いていた音楽が、パッタリと鳴り止んでしまうのであった

 

そうして辺りが静寂を取り戻したところで……

 

「通さん……、そろそろ質問しても大丈夫か……?」

 

「大丈夫ですよ、っとそれよりも先ずは、先程はダークネスさんが騒がしくして申し訳ありませんでした」

 

落ち着きを取り戻した磯風が、恐る恐ると言った様子で通に向かってこの様に尋ねると、通はダークネスの代わりに先程の騒ぎの件について、謝罪の言葉を述べると共に首を垂れるのであった

 

「いや、それは別にいいんだ……、それよりも……」

 

「あぁ、ダークネスさんの事ですね」

 

そんな通に対して、磯風は慌てた様子でこの様な言葉を掛け、それを聞いた通は佇まいを正すと、ダークネスの事について説明し始めるのであった……

 

外なる神ダークネス……、無名の闇とも呼ばれるその外なる神は、無名の霧(ネームレス・ミスト)やサクサクルース、ニャルラトホテプと同じく創造神であるアザトースによって生み出された存在であり、その身体は宇宙全体を覆い尽くし、その身体の中枢となる部分は、この宇宙の何処かに存在すると言うアザトースの宮殿の中にあるのだと言う……

 

そんな彼は現在、アザトースの腹心であり、彼女の孫、自分の弟である無名の霧(ネームレス・ミスト)の息子であるヨグ=ソトースが率いる軍隊の中にある、暗殺部隊の総大将を務めているのだとか……

 

「自分の弟の子供の部下である云々は兎も角……、あんなに騒がしい奴であるにも拘らず、暗殺部隊の総大将だと……?にわかに信じられんな……」

 

「『仕事』の時は一切言葉を話さないらしいですよ?ただ、本来はあの様に騒ぐ事と、派手に暴れる事が兎に角好きな様で、その関係でかなりフラストレーションが溜まっているらしく、私と協力関係になった理由の1つも、これが関係している様です」

 

途中、通の話に疑問を覚えた磯風が、訝しみながらこの様な言葉を口にすると、通は苦笑を浮かべながらこの様に返答した後、ダークネスの話を続けるのであった

 

そんなダークネスの戦闘方法は、自身に触れるありとあらゆるものを飲み込み、対象を対象が存在していたと言う事実ごとその身に取り込み、喰らい尽くし、己と同じ闇へと作り変え、己の血肉としてしまうと言う、何とも恐ろしい戦い方をするのだとか……

 

「この『ありとあらゆるもの』と言うのが、本当にありとあらゆるものでして……、対象の近くに存在する空間や時間の流れまでもを、彼は闇で覆い尽くし喰らってしまうのだそうです。実際、私達が深海棲艦達を発見し、私があの裂け目からダークネスさんの本体を呼び出してからダークネスさんが帰るまで、1秒も時間が経過していなかったんですよね」

 

「深海棲艦達の悲鳴が聞こえなかったのは、あいつらの悲鳴を成す空気振動が、空間ごとダークネスに喰われてしまったから……、と言う事か……」

 

「そう言う事です。あぁそれと、本人がいない時はいいですけど、ダークネスさんがいる時は、ダークネスさんの事は『さん』付けでお願いします。そうでなければ、『さんをつけろよデコ助野郎っ!!!』と怒られてしまいますので……」

 

通の話を聞きながら、磯風はそう言いながら恐る恐ると言った様子で自身の腕時計を確認し、かなりの時間ダークネスが暴れていたにも拘らず、時計の針がほぼほぼ深海棲艦達を発見した時の時間と変わっていなかった事に気付くと、その事実に思わず身震いし、磯風の言葉を聞いた通は、彼女の言葉を肯定した後、ダークネスの事を呼び捨てにする磯風に対して、この様な注意をするのであった

 

さて、此処まで話を聞いた磯風が、取り敢えずダークネスと言う存在が、どれほど恐ろしい存在なのかを理解したところで、次の質問を通に投げかける

 

「それで、そんなダークネスは、何故通さんと協力関係を築く事にしたんだ?」

 

「それなんですけど……、ハッキリと言うと、かなりしょうも無い話なんですけど……、聞きますか……?」

 

磯風の問いに対して、通が苦笑しながらこの様に尋ね返し、それを聞いた磯風が通に向かって頷いて見せたところ、通は頬を掻きながらこの様な事を口にするのであった……

 

「彼は暗殺部隊の仕事以外に、とある事情で幼児退行してしまった母親であるアザトースの面倒をみる仕事もあるそうなんです……。本来、この仕事はニャルラトホテプの仕事なのだそうですが、最近の彼はどうも翔にご執心の様で、宮殿に姿を現す方が稀と言えるくらい、宮殿に来なくなってしまったらしいのです……。その関係で、ダークネスさん達は宮殿から離れる事が出来なくなってしまったそうなのです……。で、そんな中、ダークネスさんのご兄弟であるサクサクルースさんが、ニャルラトホテプの口車に乗せられる形で地球に飛来、その後は何があったのかは不明ですが、いきなりサクサクルースさんが地球の守護神になると言い出し、更には地球での生活を満喫している様子を定期的に宮殿に報告しているのだとか……」

 

「サクサクルースさんの身に、一体何があったと言うのだ……?」

 

「分かりません……、まあ取り敢えず、サクサクルースさんが我々の味方になってくれた事を素直に喜んでおくとして……、問題はここからです……。こんな報告を受けたダークネスさん達は、サクサクルースさんの事を非常に羨ましく思う様になったらしく……」

 

「……まさか……?」

 

「察しが良いですね……、恐らく磯風さんが考えている通り……、ダークネスさん達も地球生活を満喫したいと思う様になり、ダークネスさんは自身と感覚を共有した分霊を地球に派遣し、力を欲する者に夢引きを用いてコンタクトを取り、自分が思う存分暴れられる状況を提供する事と、自分に地球旅行の案内をする事を条件に、力を分け与える事にしたんだそうです……。因みにですけど、ダークネスさんは私以外の候補に、以前私達が戦った相手である、影を自在に操る事が出来る転生個体であるアルバートさんの名前を挙げていましたが、私が闇寄せが出来るからと言う理由で、私の方を選んだんだそうです……」

 

思った以上にしょうも無い理由で、ダークネスが通と協力関係を結んでいた事実を知った磯風は、思わず呆然としてしまうのであった……

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