※この作品はR-18です。

鬼の鎮守府   作:稲荷童子

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今更ながら、タグに『メタルマックスシリーズ』を追加しました


ソイヤ!ソイヤ!!ソイヤ!!!

剛達率いる長門屋鎮守府(張りぼて)特別警察隊による基地制圧戦と、送り主である戦治郎自身も盛大に驚いた紅葉へのサプライズプレゼントから数日経ったある日、剛は瑞穂、不知火、陽炎、時雨の4人を連れて、伊吹との約束を果たす為に久方振りに穏健派連合の総本山であるガダルカナル島へとやって来ていたのであった

 

剛達が島に到着すると先ずは伊吹と2P、更には穏健派連合の指導者であるリチャード夫婦が彼等を温かく出迎えてくれ、横須賀鎮守府で開催された大会議以来、久しぶりに再会した剛とリチャードが他愛もない雑談を展開している中、伊吹は件のパワードスーツを格納庫から持って来ると告げ、2Pを伴ってこの場を後にしようとするのだったが

 

「伊吹さん伊吹さん、ちょっといい?」

 

そこで不意に陽炎が、伊吹達に向かって話し掛けて来るのであった

 

「何じゃ?ワシに何か用か?」

 

「いや~、ちょっとここの格納庫の戦車達を改めて見てみたいと思ってね」

 

「そう言えばシゲさんが言ってたね、ここには色々な戦車があるって」

 

伊吹が不思議そうに小首を傾げながら陽炎に用件を尋ねてみると、陽炎は悪戯っぽい笑みを浮かべながらこの様な返事をし、それを聞いた時雨が興味深そうな表情を浮かべながらこの様な事を口にするのであった

 

如何やらこの2人、基地制圧戦に戦車隊として参加し、その中で陸上戦での戦車の有用性を深く理解した事が切っ掛けとなり、戦車に興味を持つ様になった様である

 

そしてガダルカナルに来る2日前、朝礼で剛が今回の件を特警隊のメンバーに話した際、ガダルカナルの格納庫に大量の戦車がある事を思い出し、その戦車群を改めて見たいと思った陽炎が剛に同行したいと申し出、それに便乗する形で時雨も同行を申し出た結果、最近になって戦闘能力が格段に上がった通の後押しもあって、2人にも同行の許可が下りたのであった

 

因みに時雨はガダルカナルの格納庫に入り、中の様子を実際に見た事は無いのだが、先程のセリフの通りガダルカナルの格納庫の事をシゲから聞いており、南方海域にいた頃に行っておけば良かったと若干後悔しつつ、格納庫に眠る戦車達が一体どの様なものであるかと、期待に胸を膨らませていたのだとか……

 

こうして陽炎達の事情を聞いた伊吹は2人の申し出を快諾し、陽炎が乗って来たペーガソスの上に2Pと共に乗って、剛専用のパワードスーツであるグレートゼオライマースーツが保管されている格納庫へと向かうのであった

 

 

 

 

 

「此処は本当に凄いね……、レオパルドにエイブラムス、メルカバに10式戦車まであるんだね……」

 

「ホントバリエーションが豊富ね……、あっちには輝さんが持ってるバスみたいな奴もあるし、それ以外にも消防車や機関車、新幹線まであるじゃない……」

 

「今ならゼノに登場した戦車もあるで。そこの陽炎のペ-ガソスに似た戦車……、マルチレグなんかがそうじゃな」

 

そうして格納庫に到着した陽炎達は、グレートゼオライマースーツを乗せたトラックを取りに行った2Pを待っている間、伊吹に戦車の解説をしてもらいながら、格納庫内の戦車達を1つ1つ見て回っていたのであった

 

その最中、不意に向けた視線の先に存在していた戦車を見て……

 

「ぶっ!?」

 

陽炎は思わず吹き出し、顔を手で覆いながらその場で蹲ってしまい、そんな陽炎の様子を時雨が不思議そうに見ていると、陽炎が全身をプルプルと震わせながら件の戦車を指差し、怪訝に思った時雨がその指先を視線で追ってみると……

 

「あれは……、御神輿……?」

 

そこにはそれはそれは立派な担ぎ棒が4本付いており、その担ぎ棒1本につき3体の法被姿の人形をぶら下げ、豪奢な装飾が施された本体からは足袋を履いた丸太の様に太い脚が4本生えた、祭なんかで見かける神輿の様な何かが存在していたのであった

 

これだけでもかなり異様な姿をしている神輿だが、その異様さは神輿に取り付けられた装備によって更に際立たされていたのであった……

 

先ず目を引くのは神輿の胴と屋根の正面から生えた龍の首の様な2本の主砲、そのどちらも黄金色に塗装されているのか、それはそれは神々しい輝きを眩く放っており、屋根の両サイドにはこれまた金色の、龍の頭の様な形をしたショベルカーのバケットの様な物がそれぞれ取り付けられ、屋根の頂点には時雨のキュクロープスに取り付けられている閃光迎撃神話とよく似た何かが、まるで風見鶏の様にチョコンと乗っかっていたのであった……

 

「あぁ、あれは『新宿ウォーカー』っつってのう、神輿型戦車の『ソイヤウォーカー』の強化型じゃ。見てくれはアレじゃが、装備は全部ワシがトコトン改造を施しちょるから、悪くない性能にはなっとるはずじゃ」

 

この異様な神輿を目の当たりにした事で、時雨はその表情を引き攣らせて硬直し、その様子から2人の様子がおかしくなった原因を把握した伊吹は、何処か得意げになりながらこの異様な神輿の正体について話すのであった

 

因みにこの神輿の装備だが、エンジンはV1000コング×2、Cユニットは迎撃の精度を上げる『迎撃補助』と戦車の操作性と機動性を向上させる事で回避能力を向上させる『身かわし走行』、更に戦車が装備している全ての武器の攻撃が相手に迎撃されなくなる『迎撃回避能力』と言う3つの特性を持ったニューロPACと、装備している主砲を一斉発射出来る様になる『キャノンラッシュ』に主砲攻撃の威力を向上する『キャノンサポート』、更に戦車が装備している全ての武器の攻撃回数を1回増やす『グランドストライク』と言う特性を持つ機神経絡の2つを装備しているのだとか

 

そしてこの龍の頭の様な主砲は、胴の物は強力な電撃を放つギドラ砲、屋根の物は高温の炎を吐き出す225ミリヒュドラ、龍の頭の様な形をしたショベルカーのバケットの様な物はギドラヘッドと言う名前のS-Eらしく、こちらも225ミリヒュドラ同様広範囲に炎を撒き散らすのだそうな

 

又、時雨が閃光迎撃神話だと思っていた屋根の天辺にあるソレは、閃光迎撃神話と同じ迎撃用S-Eではあるが、レーザービームではなく電撃で砲弾などを撃ち落とす機神護光輪と言うものなのだそうな

 

尚、伊吹がこの新宿ウォーカーに閃光迎撃神話ではなく機神護光輪を装備させたのは、機神護光輪と言う名前に何か神々しさがあり、神輿の様な姿をした新宿ウォーカーにはそっちの方がピッタリだと判断したからなのだとか……

 

「はぁ……、はぁ……、ねぇ、この戦車って誰が使うの……?」

 

「確かに……、スペック的には申し分ないとは思うけど、この外見では誰も好き好んでこの戦車を使おうとは思わないと思うんだけど……?」

 

それからしばらくして、ようやく心の底から込み上げて来る笑いが収まった陽炎が、息を切らせながらこの様な質問を伊吹に投げかけ、それを聞いた時雨も眉間に皺を寄せながらこの様な言葉を口にする……

 

「それがのう……、こいつを自分のセカンド機として使っとる奴がおるんじゃ……」

 

それに対して伊吹が苦笑しながらこの様に返答し、陽炎達が驚きの表情を露わにしているその時である

 

「始……、本当に大丈夫……?」

 

「大丈夫だ……、ちょっと緊張してるだけだから……。だからそんな心配そうな表情すんなよ……」

 

格納庫と居住区を繋ぐ通路の扉が突然開き、そこからこの様なやり取りが聞こえ、それから間もなくしてその声の主達が姿を現すのであった

 

そして不意に聞こえて来た声に反応し、陽炎達が反射的にそちらに視線を向けたところ……

 

「え……?山風……?」

 

その人物達の内の1人に見覚えがあった時雨は、愕然としながらこの様に呟き……

 

「時雨姉……っ!?如何して時雨姉が此処に……っ?!」

 

先程格納庫にやって来た2人の内の1人、現在始と共に穏健派連合の世話になっている山風は、時雨同様驚愕しながらこの様な言葉を口にするのであった……

 

そんな時雨に対して、怪訝そうな表情を浮かべる陽炎が、一体何があったのか尋ねてみると……

 

「山風は……、そこの集積地棲姫に寄り添っているその娘は、行方不明になっていたはずの僕と夕立の親戚の子で、ウチの江風のお姉さんなんだよ……」

 

時雨は信じられないと言った様子の表情のままこの様に答え、それを聞いた陽炎も思わず驚愕し、その場に硬直してしまうのであった……

 

そんな中……

 

「……そこの山風が新宿ウォーカーの持ち主なんじゃが……、今は取り敢えず黙っておくかのう……」

 

この場の空気のせいで蚊帳の外に追いやられてしまった伊吹は、複雑そうな表情を浮かべ、ポリポリともみあげの辺りを指先で掻きながらこの様な事を呟くのであった……

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