『例の補給拠点でそのような事があったのか……』
『そんな子供みたいな煽りで怒るなんてリコリスとか言うのもたかが知れてるわね……、と言うか戦治郎もちょっと馬鹿にされたからって、ムキになって言い返してるあたり同レベルなんじゃない?』
俺と空、悟と剛さんの4人は現在ドイツのアクセルと補給拠点にいるビスマルクと通信で話し合ってるところだ、最初は俺達がアクセルに剛さんと悟を紹介してから補給拠点制圧したのを報告していたんだが、そこに補給拠点に通信機材を設置したビス子からテスト通信が来たもんだから丁度いいから混ざっていけって事になって現在に至る。しっかしビス子よそれはちょっち酷くねぇか?
「戦治郎と同レベル……、真正面から戦ってまともに太刀打ち出来るかどうか不安になるな……」
「そうねぇ……、いやらしい搦め手を四重五重と張り巡らせたて退路を完全に断った上で正面から攻め込んで来そうで怖いわ~」
「普段馬鹿みたいな事ばっかやってるクセに、こういう時はとてつもなく頭回るからなぁ、しかもそんな小細工いらねぇくれぇクソ強ぇクセによぉ」
同レベルの部分を素敵解釈しておられる長門屋の有識者共、俺の事高く買ってくれてるのは嬉しいけどその言い方だと俺腹黒キャラっぽくな~い?ほら見ろ!ビス子ドン引きだしアクセルも苦笑いしてんじゃねぇかっ!
「俺の事は適当に置いておくとして、ビス子は俺が頼んでた事やってくれたか?」
『ええ、言われた通りあの補給拠点にあった資源と資材の数を調べたのだけれど……』
何かビス子の奴の表情があまりよろしくないな……、もしかして思ったより数なかったのか?
『驚かないで頂戴、あの補給拠点には各種資源が数百億レベルで保管されていたわ……』
『何だとぉっ!!!』「ふぁーーー!」「ぬぅ……」「あらぁ……」「うぇっひぇっひぇっひぇっひぇっ!!!」
待って待って待って、何?数百億?バッカじゃねぇの?!その数字聞いて純粋に喜ぶ奴はこの場にはいないだろう、逆にその事実が俺達の恐怖と不安を掻き立てる
だってそうだろう?この資源は深海棲艦の補給拠点にあるものなんだ、つまり深海棲艦達はこのくらいの資源をかき集める力もあれば、そのくらいの資源を使うほど数がいるって事になるんだからな……、しかも補給拠点は恐らくここだけではないはずだから……考えたら頭痛くなってきた……
「戦治郎、確かお前リコリスに宣戦布告していたな……」
「どうするの?あっちはとんでもない規模の戦力があるみたいだけど勝算はあるの?」
「これはケジメ案件ですわなぁ……」
や~め~て~!皆寄ってたかって俺の事い~じ~め~な~い~で~!
『確かに敵の数は多いようだが……、だからと言って簡単に降伏するわけにはいかないな……!』
『そうね、奴らの戦う理由から考えると私達が降伏したら人類は滅ぼされるか家畜のように扱われるか、と言ったところでしょうね……、だったら私達は戦って戦って戦い抜いて勝利を掴んで人類を守る、例え負け戦だったとしても何処までも足掻いてやるわ!』
ドイツ組はこの絶望に負けてないっぽい!だったら俺らも負けてらんねぇな!
「んだな、戦いは数だとか言われてるが数の不利をひっくり返せるくらい俺達が強くなりゃぁいいだけだ、人類の敗北もイデ〇ンエンドも絶対にさせねぇぞ!」
空と悟には通じたけど剛さんとドイツ組には通じなかったよ……イ〇オンエンド……、ヨーロッパ出る前にイデオ〇見つけて見せなきゃ……(使命感
「強くなると言えばよぉ、ドイツの方の戦力の程はどうなってんだぁ?」
悟がドイツ組に尋ねる、俺らのとこはしっかりがっつり鍛えてるからそこまで不安がねぇんだよな、補給拠点制圧のときは加入が遅かった姉様とグラーフ以外は改になってたしな
『そうね……今こちらにいる子達は問題ないと思うのだけど、本土にいる本拠地攻略に参加する子達の中にはもう少し時間が欲しい子が何人かいるわね』
ふむ~……、しかしあんま時間かけ過ぎるとプリンツが危ないかもしれないんだよな~……、よっしだったら!そう思って空の方に目配せするとあいつは頷いてくれた、サンキュー空!
「だったら本拠地攻略に参加する奴をそっちに全員集めてくれ、俺と空がそいつらを短期間でとことん鍛えてやる!」
「おめぇらは確か装備開発が粗方終わってて手持無沙汰になってたもんなぁ」
「それだったらこっちの子達も一緒に連れて行って鍛えてあげるのはどぉ?本拠地攻略の時はお互い協力し合う事になるだろうから、ここで一緒に訓練したら連携とり易くなって戦い易くなるんじゃないかしら?あっ因みにその時はアタシもそっちのお手伝いするわよ☆」
おっそれいいかもしんねぇ、念の為アクセルにそうしていいか聞いてみたら快諾してくれたよ、ありがてぇありがてぇ!
補給拠点での強化合宿に教導艦として行くメンバーは話し合いの結果俺、空、剛さん、神通になった。神通は陽炎達を育てた実績あるからきっと上手くやってくれるはずだ!
サポート要員としては悟と翔、怪我人が出たらすぐに治療してもらうのと美味い飯で士気を高めるのが目的である
話がある程度まとまったところで通信を終了し、俺達はこの事を皆に伝える為に拠点内放送で全員会議室に集まるように言ってから司令室を後にする
「よっし、こんなもんかな?」
その日の夜、俺は自室でとある事の準備をしていた
俺の目の前に並んでいるのは大妖丸にタオル2枚、ゴムチューブにインク、消毒液にめっちゃ薄めた高速修復材にヘアバンドである
「ん?って妖精さんか、どうした~?」
俺が妖精さんに尋ねてみるとどうやら金次郎と遊ぶ為にここに来たようだ、そういやこの2人はサイズが同じくらいでいつも俺の肩の上にいたりするもんだから仲良くなったようだ、仲がいいのは良い事だなっ!
「気を付けて遊べよ~、さ~ってんじゃやりますか……、って俺は何してるのかだって?それはだな……」
そう言いながら俺は自分の左腕にゴムチューブを巻き、左腕と大妖丸を消毒液で消毒し始める。これを見て俺が何をしようとしているかを察した妖精さんは慌てて俺を止めようとする
「気持ちはありがたく受け取っとくよ、けどこればっかりは止めないでくれ、これはケジメを付ける為に決意を固める為にやるんだ……、後はパッと見で分かる認識票ってとこか?」
妖精さんに微笑みかけた後、俺はタオルを咥えてから大妖丸を左腕に押し当てる、がっはぁ!やっぱ超痛ぇ!タオル咥えてなかったら舌とか噛み切ってたかもしんねぇくれぇ痛ぇ!
だがそれがナンボのもんじゃい!俺は気合と根性でその痛みに耐えて、大妖丸で左腕に傷を付けていく、妖精さんも金次郎もその光景を見て抱き合って震えている。後で聞いたがその時の俺の顔が凄まじく怖かったそうだ
これはケジメを付ける為だ、皆を巻き込んで俺の都合で振り回している事にケジメを付ける為の行為だ。リコリスへ宣戦布告したのも俺がリコリスの事が気に入らなかったからという独断専行によるもの、先程の会議の時に相手の規模を言った後にリコリスへの宣戦布告の件を報告したら皆にめっちゃ怒られた、でも誰1人として同行を取り消す奴がいなかったのだ。このままだと俺はあいつらに顔向け出来ねぇ……、だから俺はケジメを付ける
そしてそんな俺を信じて付いて来てくれるあいつらを誰1人として沈めさせない、あいつらに降りかかる悪意の全てを斬り捨て打ち砕き破壊し守り徹す、この行為はその決意を固める為の行為なのだ
腕に刻むいくつもの傷は何度も交わりやがてその傷は文字となる、俺はそこにインクを垂らし傷口からはみ出したインクをタオルで拭ってから薄めた修復材を右手で掬って左腕に薄く塗っていく
その結果、俺の左腕には痛みに耐えながらやったせいか少々形が歪んでしまったが『大和魂』の文字が黒く大きく刻まれていた
「ぶっはぁ!修復材使ってもまだ痛み残ってんのかよ……あ~いってぇ……、まあこんだけデカデカと刻んでたら分かり易いよな、っておいおいおめぇら泣くなよ……」
妖精さんと金次郎が俺に飛びついて来て泣き出してしまった、うん……、本当にごめんな……
「こっちはこれで終わりにしてっと、今度はこっちだな。正直長すぎて作業するとき邪魔だったし丁度いいや」
俺はそう言って今度は大妖丸で髪の毛をバッサリと切る、女性の髪の長さで言えばセミロングと言われるくらいだろうか、元が凄まじく長かったからものっそい短くなったはずだ。それを一本結びにして全てが完了!これで普通の戦艦水鬼と見分けが付き易くなったはず!
それで満足したところで眠くなってきたので寝る事にした、そのとき俺のベッドに妖精さんと金次郎が潜り込んで来たのでそのまま一緒に眠る、おめぇら怖がらせてごめんな、おやすみ
翌朝、悟に腕の件で問い詰められた挙句プロレス技のムーンライト・ドライブ叩き込まれた、お前そんな事するキャラだったっけ?って聞いてみたら俺と長い間絡んできた結果とか言われた、何じゃそりゃ?