※この作品はR-18です。

鬼の鎮守府   作:稲荷童子

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明けましておめでとうございます

投稿ペースが以前よりもガッタガタに落ちてしまっていますが、可能な限り今年中に時間軸を長門屋鎮守府が稼働し始めた現在の時間軸までもっていけるよう頑張っていきますので、何卒よろしくお願いいたします


引き籠りを連れ出した

イオッチがアトランタのパソコンを覗き見た事により、アトランタが護達とネット上で知り合っている事が発覚した訳なのだが……

 

「おめぇよぉ……、軍学校でネトゲは流石にダメだろうよ……。つかどうやって軍の回線使って外部のサーバーにアクセスしてんだ……?」

 

如何やら戦治郎的にはそれは問題があった様で、戦治郎はアトランタに床に直に正座する様に命じ、彼女に対して説教を開始するのであった

 

戦治郎の発言の前半部は、軍学校で生活する上では至極当然の話と言えるだろう。ただでさえ中毒性が高いネトゲに候補生が傾倒する様な事になれば、ネット依存症を発症し訓練だけではなく日常生活にも支障が出てしまうかもしれないし、候補生同士の和が乱れ、統率が取れなくなってしまう危険性があるのである

 

そう言った理由もあり、軍学校に在籍している間、候補生達は酒と煙草と共に軍学校内でのネトゲのプレイは固く禁止されているのである

 

因みにオンラインに接続しないタイプのゲームに関しては、プレイヤーの楔ともなり得るプレイヤー同士のコミュニケーションがあるネトゲほどの依存性が無い事と、候補生達の気分転換になるからと言う理由で許可は出ている為、護が作り出したゲームにドハマりしている瑞鶴はお咎め無しとなっている

 

まあそもそもの話、軍の回線はハッキングなどによる情報漏洩防止の為に、外部のサーバーには接続出来ない仕様になっており、正規の艦娘達のオンラインショッピングに関しては、経理部が開設しているオンライン酒保を経由して商品を購入出来る様にしてあり、軍の管轄下にある軍学校も同様の仕様になっているのだが、アトランタは何故かその制限を潜り抜けてオンラインゲームのサーバーに接続しているのである。これが戦治郎の発言の後半部分にある疑問の原因となっている

 

尚、戦治郎が外部と連絡を取る際に使用している回線は、護が作り出した人工衛星を経由する衛星通信となっている為、外部から容易にハッキングされる心配もなければ、例えされたとしても護&イオッチ(時々+盾井)と言う最強のセキュリティーが存在している都合上、ほぼほぼ情報を抜き取られる心配が無いものとなっている

 

またこれは余談だが、護はその回線とは別に幾万にも上るセキュリティープログラムを組み込んだ回線を作り、それを外部のサーバーとこっそり接続して外部の情報を集めたりネトゲを興じていたりするのだった……

 

それはそうとして、この件に関しては何処か不満そうな表情を浮かべながら正座するアトランタが、割とスンナリと白状してくれた

 

「軍学校にいる事なんかをある程度ぼかしながらその事をペンギン(護)にメールで相談したら、分かり易くアクセス制限を潜り抜ける方法を教えてくれたのよ……」

 

「ペンギンって言うのは……」

「護の事だろ?知ってる知ってる、だから正月に鎮守府の様子見に帰った時、あいつの事トコトンボコすわ」

 

アトランタの話を聞いたイオッチが、ペンギンが誰の事か補足しようとしたところで、生前護と共にネトゲをやった事がある戦治郎はイオッチの発言を遮る様にそう言い放つと、眉間に皺を寄せながらバキバキと指を鳴らすのであった

 

さて、そんな戦治郎の様子を見ていたアトランタが、戦治郎が放つ邪悪で暴力的なオーラを肌で感じ取り、不満そうな表情から一転して不安そうな表情に切り替わったところで、戦治郎はある取引を持ち掛けるのであった

 

「さてと……、おめぇさんが軍学校側に知られたくない事を俺はこうして知っちまった訳だが……、俺はこの件については軍学校側には報告しないでおこうと思ってる。その理由は……、まぁ分かるよなぁ?」

 

「……脅迫するつもり?」

 

「俺は自分や仲間達の居場所を守る為ならば、利用可能なものは全て使う主義なもんでな。その為なら神にも悪魔にも魂を売るし、場合によっちゃぁそいつらに牙剥いて喉笛噛み切るつもりなんだわ。世の中綺麗事だけじゃやっていけねぇもんだかんな」

 

「それが貴方の『正義』な訳?」

 

「おめぇがそう思うんならそうだろうよ、俺は特撮のヒーローとかは好きなんだが、自分で『正義』を語る……、いや、騙るつもりはねぇ。俺達が『正義』かどうか決めるのは、社会情勢や民衆……、所謂世間って奴だって思ってるかんな。よく言うだろ?勝てば官軍負ければ悪ってな」

 

「何よそれ……」

 

「この辺の話については、まあその内おめぇさんにも分かる時が来るだろうよ。何かしらの戦いの中に身を置いてる人間だったら、何時か必ずぶち当たる壁だろうかんな。んで、おめぇさんの返事がまだなんだが……、返答は如何に?」

 

このやり取りの後、戦治郎の考えが理解出来ないアトランタは、違反行為が軍学校側に知られ、ホノルルに送り返されるような事態になっては不味いと考え、長門コンツェルンの繁栄の歴史からこの考えに至った戦治郎の、彼が言葉にしていない提案……、この件を黙っている代わりに自分に力を貸せと言う提案を呑む事にするのであった

 

尚、この時アトランタは精神的には男である戦治郎が、この件をダシにして自分の身体を好きな様にするのではないかと、ネットで手に入れたよからぬ情報などから考えていたりするのだが、それは完全に杞憂に終わる事となるのであった

 

確かにジャンルを問わずに結構な数のエロゲをプレイしたり、エロ同人を読み漁ってきた戦治郎の中にも、その様な考えが頭の中に一瞬浮かんだのだが、アトランタがジョシュアの姪である事だったり、戦治郎が他の艦娘候補生達と接触する度に、戦治郎を以てしても悍ましいと感じる嫉妬のオーラを強める大和の存在があったが為に、精神的にはヤりたい盛りの男である戦治郎は、その考えを頭の中から追い出す事にしたのである

 

(まぁクリスマスの後にプロポーズするつもりだった天音を遺して逝っちまった手前、天音と同じ様に俺の事を心底慕ってくれてる大和の事だけは裏切れねぇからなぁ……)

 

頭の中から煩悩を追い払った後、戦治郎が内心でこの様な事を呟いていると……

 

「それで?あたしはこれからどうしたらいいの?」

 

「あぁ、取り敢えず先ずはそのパソコンからネトゲをアンインストールするところからだな。ウチ以外の軍学校でもそうなんだが、時々候補生達が良からぬ事をしていないか調べる為に、教官達が抜き打ちで寮の部屋の中のチェックをするみてぇだから、それに引っかからない様にする為にな」

 

「えぇ~……?ネトゲ仲間が減るのは嫌ンゴォ……」

 

「おめぇが不平漏らすな馬鹿タレッ!!」

 

戦治郎の提案を呑む事にしたアトランタが、自分は一体何をするべきかについて尋ねて来た為、戦治郎は隠蔽工作の為にアトランタに向かってこの様な指示を出し、それを聞いた軍学校からしたら完全に外部の存在であるイオッチがぶうたれ、イオッチの反応を見聞きした戦治郎は、思わずそう言いながらイオッチの頭を叩くのであった

 

それからすぐにアトランタは戦治郎に言われた通りに、渋々と言った様子でネトゲのプログラムをアンインストールし、そこから更に戦治郎がアトランタのパソコンを操作してデータの復元が出来ない様にした後、戦治郎の口から軍学校内の協力者に関する事や浜辺での自主練の事が伝えられ、彼女は参加者の大半が合同演習の参加者となっている自主練に、紹介がてら今夜から参加する事になるのであった

 

さて、こうして戦治郎と出会ったアトランタだが、彼女は軍学校を無事に卒業した後、ジョシュアの命令で長門屋鎮守府に着任する事となり、護を旗艦とし、軍学校で生活を共にした瑞鶴、護と瑞鶴が任務中に拾ったドロップ艦の初月と涼月、後に戦治郎の補佐官として提督となったシゲが、軍学校から引っ張って来た天城とチームを組み、日本帝国海軍最強の防空艦隊の一員として名を馳せる事になるのだが、この時の彼女はまだこの事を知らずにいたのであった

 

「さぁて……、これでメンツは揃ったな……」

 

「後は戦治郎を含めて、当日に備えて調整していく形ンゴ?」

 

「んだな、艦娘達の方は俺が何とかするとして……、問題は俺の方だろうな……。早いとこ『アレ』をモノにしてぇとこだわ……」

 

こうしてアトランタを自主練に参加させる事が出来る様になった戦治郎が、イオッチとこの様なやり取りをしていると……

 

「『アレ』って何よ?」

 

「それについては~……、おめぇさんだったらいいか……。うっし、んじゃあ今夜の自主練で俺が言う『アレ』って奴を見せてやんよ」

 

「因みにこれは一部の艦娘候補生達には秘密にしてるンゴ」

 

戦治郎の発言が気になったアトランタが、不思議そうな表情を浮かべながらこの様に尋ねると、戦治郎は考え込む様な仕草を見せた後、アトランタに向かってこの様に答え、それを補足する様にイオッチがこの様に言葉を続けるのであった

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