通の活躍のおかげで俺達はようやく本拠地内部へと突入出来るようになった
内部に侵入すると翔、悟、ビスマルクにプリンツの捜索を頼み、俺、シゲ、弥七は寄り道せずに真っ直ぐここのアタマがいるであろう部屋へと向かう
翔に内部把握してもらったところこの拠点の内部には深海棲艦が殆ど残っていないとの事、恐らくさっきの戦闘で全部出撃させたんだろうなぁ……。若しくは戦闘中に逃げて行った連中が内部の守り担当してた奴らだったりしてなっ!
ボス部屋に向かう道中にシゲ達にその話を振ってみたら案外そうかもしれないと、俺の意見を肯定しながら笑っていた。そんな時だった、通路の曲がり角からフラヲ改が姿を現したのは……
フラヲ改は俺達の姿を見るなりギョッとするが
「ここから先は通さないっ!」
手足を大の字に広げて通せんぼしてきたのだった、大した忠誠心だが少々無謀過ぎる気がすんぞ?そっちは1人でこっちは3人、多勢に無勢って奴だろうよ?そんな事を考えながら俺は大妖丸を抜き、シゲ達も艤装を展開し始める
俺が一気に距離を詰めて大妖丸で斬りかかろうとしたその時だった
「「おかあさーーーんっ!!!」」
フラヲ改が出て来た通路からえらいちっこいリ級とネ級が叫びながら飛び出して来て、ネ級はフラヲ改に抱きつきリ級は俺の前に立ちはだかったのだ
叫び声が聞こえた瞬間俺はつい動きを止めてしまっていたわけなんだが、案外正解だったかもしれんね、これ
「貴方達!どうして戻って来たんですかっ!?ここはもう危ないからツ級と一緒に逃げなさいと言ったでしょうっ!!!」
「嫌だ!おかあさんが残るなら私達も残るもん!おかあさんも一緒に逃げなきゃダメなんだもん!」
もしかして、このフラヲ改が俺達の邪魔してるのってこの子達逃がす時間稼ぐ為だったりすんの?やっだこれじゃあ俺達の方が悪者みたいじゃんかっ!
「チビ達待って~!ヲ改さんが言ってた事守らないと後で怒られる……ってぎゃあーーーっ!!!」
あ、ツ級だ。多分さっきの話に出て来た奴だな、つか俺達見るなり叫ぶのやめてくんない?地味に傷つくぞ?
「ど、どこからでもかかってこい!お前なんか怖くないもん!ほ、ほんとだもん!おかあさんは私が守るんだ!」
リ級が叫ぶ、でも君さっきから脚ガックガク震えてるんだけど?本当に大丈夫?つか少なくともおっちゃんはもうやる気なくなっちゃったよ?だからもう安心していいと思うのよ?
そんな事考えながらシゲ達の方を見れば、弥七はシゲとフラヲ改を交互に見ていて攻撃を開始するって感じじゃないし、シゲは眉間に皺寄せて自分の右腕を抑えてる……、こいつらを始末しなくてはと思ってるけど無意識に身体がそれを拒否してるって感じだなぁ……
「ツ級!一体何をやっているのですか!?私は貴女に一刻も早くこの子達を中枢様のところに連れて行けと言ったはずですっ!!!」
おっとぉ?ちょ~っち聞き捨てならない単語がフラヲ改の口から飛び出してきたぞ~?
こいつ今中枢様って言ったよな?中枢って事は中枢棲姫の事だろう……?だが深海棲艦のトップは確かリコリスじゃなかったっけか?これはちょっちお話しないといけないようですね~……
「シゲ、弥七、艤装解除しろ。そんでおめぇら、ちょっち話があるんだが……ああ、その前にここのボスと挨拶してぇんだが案内頼めるか?なぁに俺達はもうおめぇらに手を出すつもりもねぇし、おめぇらを処分しに来た連中が来たら俺達がそいつらを処分してやっからよぉ……どうだ?」
俺はちょっち気持ち低めの声でフラヲ改達に話しかけながら大妖丸を鞘に収める。フラヲ改達は目配せをすると静かに頷き、俺の言葉に従ってボスのところまで案内してくれた
「貴様ら!敵をここまで案内するとは一体何をk「「ぶっさ……」」ちょっと待て!人の顔を見るなりいきなりブサイクとは流石に失礼だと思わないのか?!」
フラヲ改達に案内してもらってこの拠点のボスである装甲空母姫がいる部屋に来たわけなんだが、心の中で俺達がいつも見ている司の顔とこいつの顔を比較した結果がついつい口からこぼれてしまった、シゲも同じ事考えてたのか声がハモっちゃった。どうやら司の超極絶美形は生まれ変わっても健在だってのが証明されちまったな……
「ええい、馬鹿にしおって!さっきの戦いで勝てたからと言っていいk「オラァッ!!!」ごぶぅぉっ!!!かぁっ……っ!はぁっ……っ!」
俺達のさっきの言葉で完全に頭に来ている装甲空母姫、その怒りを込めたセリフを言ってる最中が隙だらけだった為シゲに一気に間合いを詰められて肋骨の内側にある横隔膜を抉るボディーブローを叩き込まれて悶絶する
その光景を見て目を丸くして驚くフラヲ改改めヲ改さんとその仲間達、チビ達におかあさんと呼ばれていたのはこの2人の世話役だったのとツ級がヲ改さんと呼んでいるのをチビ達が聞き間違えたのが合わさった結果らしい
悶絶する装甲姫の艤装をクロとゲータまで呼び出して徹底的に叩き壊し、本体の方も何度も何度も何度も何度も執拗なまでに踏み潰し蹴りつけ、首を握り潰しそうなほどに力を込めて掴んで身体を持ち上げたかと思えばその顔面を床に思いっきり叩きつけおまけとばかりに頭を踏みつけるシゲ、とうとううつ伏せのままビクンビクンと痙攣し始めた装甲姫を見たシゲはトドメとばかりに装甲姫の太ももの裏の上に立ち、自分の脚に装甲姫の脚を絡めてその姿勢のまま装甲姫の両腕を取る。そしてシゲはそのまま後ろに寝転がり……
「ロメロ・スペシャル!ロメロ・スペシャルじゃねぇかっ!!!」「だいしゅきホールドの対極の位置にある大嫌いホールドの候補に上がったロメロを単独で極めるとは……中々やるじゃねぇかシゲ……っ!」
弥七と俺がシゲのロメロを見て思わず声を上げる、これホントやろうとしたら結構難しいんだぞ?
「さあアニキ!どうぞっ!!!」
どうぞ!って言われても何したらいいか分かんねぇよ……、ってそうだこいつらと話するんだったな……ってまさかそういう事?やっちゃっていいの?まあシゲがどうぞって言ってんならいっか!
「サンキューシゲ、んじゃ~お言葉に甘えて……どっこいしょ~「ごぶぅっ!」ほら弥七、こっち来い」
俺はジャンプして今ロメロ喰らってる装甲姫の腹の上におっさん臭い事言いながら腰掛ける、更に自分の膝の上をポムポムと叩き弥七を呼ぶ
「ご主人に構ってもらうのはホント久々だからな~、よっと「げぶぅっ!」ここ結構高いなご主人」
弥七が俺の膝の上に飛び乗ってくる、そういや最近忙しくってペット衆と遊んでなかったな~……、機会あったら遊んでやろう!って今はそれどころじゃねぇや
「さて、高いとこからすまねぇな、んじゃあちょっち話しようじゃねぇか」
「え?あっはい……」
ヲ改さん達ドン引きです、まあさっきまで自分達の上司だった装甲姫を速攻で一方的にボコボコにした挙句、文字通り尻に敷いているんだからそうなるのもシカタナイネ
「んじゃあちょっち質問あるんだが……さっきヲ改さんの口から中枢様って単語が聞こえたんだが、深海棲艦のアタマはリコリスじゃねぇのか?」
「リコリス様の事を知っているとなると……、やっぱり貴方達が例の転生個体の集団なのですね……っと失礼しました、それについてですが厳密に言えばリコリス様は深海棲艦の強硬派の指導者になります」
強硬派……?強硬派って確か好戦的な連中って事で大体合ってたよな……?んでそういうのは大体対になるのがあるはず……、って事はまさか……っ!
「多分さっきので察してもらえたと思うのですが、私が先程言っていた中枢様は深海棲艦の穏健派の指導者なのです」
やっぱりいるのか……深海棲艦にも穏健派が……、しかもその代表が中枢って一体何がどうなったらそうなるんだよ……。これはしっかりと話を聞かねぇといけねぇみたいだな……
そんな事を考えている俺を余所に、ヲ改さんは言葉を続けるのであった……