さて、気合入れて行くとは言ったがどうしたもんかなぁ……?
こっちは俺、司、九尺の3人に対してあっちはクレイジー……長ぇからラリ子でいいや、ラリ子1人と数ではこっちが上回ってこそいるがラリ子の攻撃の激しさのせいでこっちがまともに動けてねぇから数の有利もクソもあったもんじゃねぇ……
「つかこの砲撃何時になったら止むんだよっ!さっきからずっと撃ちっ放しじゃねぇかっ!この速度で撃ち続けて弾切れしねぇとかおかしいだろうがよぉ!!あいつの仕様一体どうなってやがんだチキショウッ!!!」
「そのへん聞いてみたんですけど、相手を殺したいと思ったら弾薬とか燃料とか関係無しに動けたとか言ってましたっけ~。多分弾切れは期待しない方が良さそうですぜ?」
余計な情報ありがとう司……、しかしそうなると攻略方法はかなり限られてきそうなんだよな~……。司がヨーヨーで攻撃してたけど大したダメージにはなってなかったっぽいからアタッカーは俺がやった方がよさそうだけど、結構長い時間こいつの相手してただろう司の疲労度も気になるところである。ヘマして当たって御陀仏さんだけは勘弁して欲しいからな……
「戦治郎さん、司さん、少しの間あいつの気ば引きつけてもろぅて良かですか?」
どうやら九尺にいい考えがあるみたいなので了承したら、九尺は司の艤装の陰に隠れてから海の中に潜って移動し始めた。成程そうきたか、ならば俺達がしっかりあいつの注意を引きつけないといけないなっ!
俺は鷲四郎を呼び出して隙を見つけ次第徹底的にラリ子に攻撃するように指示を出してから発艦させ、左手だけでミゴロさんを構えてあいつに負けてられっかとばかりに砲撃を開始する。司もヨーヨーと艦載機でフォローしてくれているおかげかさっきよりは楽になったっともんよ!
「殺してやるっ!!!司様に言い寄る女もっ!!!司様以外の男もっ!!!皆皆皆っ!!!皆殺しにしてやるうううぅぅぅっ!!!そして私と司様の為だけの世界を作るのよおおおぉぉぉっ!!!だからお前達が邪魔なのよおおおぉぉぉっ!!!邪魔をするなら死んでしまえええぇぇぇっ!!!」
おぉ怖い怖い、ここまでキちゃってたらもう悟でもお手上げだろうな~……
「お前の願望に俺様を巻き込むのいい加減止めてもらえませんかねぇっ!そういうのはお前の狂い切った頭の中だけでやってろクソ馬鹿野郎っ!!!」
「偽物が吼えるなあああぁぁぁっ!!!」
流石に司もキレたっぽいな、まあ自分の存在を理由に大量殺戮やろうとしてるわけだから当然っちゃ当然か
とまあこんな調子でラリ子を引きつけてたわけなんだが、それもどうやら終わりのようだ
ラリ子の背後から九尺が飛び出してチェーンソーで切りかかったのだ、攻撃そのものはラリ子本体を狙っていたわけなんだが艤装で防がれてしまい本体へのダメージはない
だが片方の艤装をぶった切って使用不能に追い込む事が出来た為、飛んで来る砲弾の数が半分にまで減ったのだ。ナイス九尺!いい仕事したぞこの野郎!
そうなると状況がかなり変わる、さっきまでラリ子に一方的に攻撃されて手も足も出なかった俺達だがラリ子の手数が減った都合こっちに余裕が出来て来たのだ
「ぐへっ!!!」
もう片方の艤装も破壊しようと突撃するも、残った艤装の主砲を至近距離からモロに受けて吹き飛ぶ九尺、俺は急いで九尺を回収すると司に預けてすぐさまラリ子と対峙する
「形勢逆転、とまではいかねぇがこれでこっちにも攻撃する余裕が出来たわけだが……、どうする?まだ続けるか?」
「があああぁぁぁっ!!!」
ありゃま、ラリ子の奴相当お冠のようですわ。まあ九尺にしてやられたのが相当キてるってところだろうな。つか返事くらいちゃんとした言葉使ってしてくれよなぁ……
ラリ子は獣のような咆哮を上げるとまた砲撃を開始する、まるでこれしか攻撃方法を知らないと言わんばかりに滅多矢鱈に主砲を連射する
先程と比べて明らかに薄くなった主砲による弾幕、俺は大妖丸を振り回して砲撃を切り払いながらラリ子の下へと突っ込んで行く
「おめぇが司の事大好きなのはよぉ~っく分かった、だがおめぇのそれは余りにも一方的過ぎねぇか?ちゃんと司の気持ちも考えたのか?」
俺はそう言いながらラリ子との距離を詰めていく、ラリ子の方はと言うと今の状況が分かってるのか分かってないのか相変わらず砲撃を続けている
「司がおめぇを殴った理由は分かるか?それはおめぇが越えちゃぁいけねぇ一線を越えようとしたから必死になって止めようとしたからだと思うんだわ」
言葉を続けながら更に距離を詰める、ここまで来てもラリ子は攻撃の手を止めようともしない。それどころか
「近寄るなあああぁぁぁっ!!!」
そう叫び余計ヒートアップしだした、ああ、こりゃ俺が言ってる言葉も届いちゃいねぇな……
「だがおめぇは司の気持ちをまともに汲み取ろうともせず、剰えその気持ちを踏みにじるかのように司の……俺達の仲間達を大勢傷つけた!それは断じて許されん!」
俺はラリ子を完全に間合いに捉え大妖丸を振りかざす、その最中もラリ子は砲撃していた為数発ほど直撃を喰らってしまったが痛みと衝撃は根性で耐え抜く!
「死んで詫びろやクソアマァァァッ!!!」
俺は大妖丸を振り下ろし、ラリ子を頭から真っ二つに斬り捨てる。斬り捨てられたラリ子は特に断末魔の叫びを上げるわけでもなく、静かに左右に倒れてそのまま沈んで逝った……
「詫びが入れてぇんなら地獄の鬼さん相手に土下座でもしてろ、そんで俺達に二度とそのツラ見せんじゃねぇぞ……」
ラリ子が沈んだ場所を睨みながら俺はそう吐き捨てる、尤もラリ子はこうなっても気が変わる事もなければ自分の非を一切認めずやらかした事を反省したりもしねぇだろうなぁ……
「ボス~、お疲れ様で~す。結局ボスに美味しいとこ全部持っていかれましたわ~、折角俺様1人であいつやっつけて俺様の素晴らしさを皆に知らしめようとしたんですけどね~」
ついさっきまで俺が来たから勝てる~とか言ってやがったのに、終わってみりゃぁこんな感じ。全く調子のいい奴だ……
「調子のいい事ばっか言いやがって……、まあ終わったからこそ言える事だわな。んじゃ早いとこ皆のとこに戻……って……」
やべぇ、身体から力が抜けていく……さっき喰らった砲撃の痛みもここでぶり返してきやがった……。多分緊張の糸が切れたのと今まで動き回って蓄積してた疲労が限度超えたんだろうな……
「ちょっ!?どうしたんですかボスっ?!」
突然膝を突く俺に驚いて慌てて声をかける司、後の事はこいつに任せるとするか……、何か眠くなってきたし……
「司……、悪ぃがちょっち寝るから……後頼むわ……」
俺は司にそう言い放つと完全に意識を手放し、そのままうつ伏せに倒れ込んだ
こうしてフェロー諸島ボルウォイ島にある深海棲艦のヨーロッパ方面の本拠地は戦治郎達とドイツ海軍の手によって陥落し、この日を以て北海は深海棲艦から解放されたのであった
これにより、ドイツ海軍は深海棲艦に関わる出来事に対しての発言力が大幅に強くなり、それをもって欧州の海軍をまとめ上げる事に成功したのであった
ただ、この戦いでドイツ海軍に協力した深海棲艦達の存在はドイツとイギリスだけの機密事項として取り扱われ、しばらくの間はそれらに関する情報が表に出る事はなかった
また、ドイツ海軍の総司令官の秘書艦を務めるビスマルクの報告により深海棲艦の転生個体の存在が認知され、その脅威が如何程のものかが伝えられる事となった