長門屋海賊団誕生から一夜明け、ポルト・サント島から出てダカールへと向かおうかというその時にある問題が発生した
「何してくれてんだ護うううぅぅぅっ!!!」「があああぁぁぁっ!!!」
戦治郎が護にアルゼンチン・バックブリーカーを仕掛けながら叫ぶ、何と護が装備の開発で手持ちの資源と資材をほぼ使い切ってしまったのである
今から補給してさぁ行きますかってタイミングで発覚した為、護以外の皆の補給が終わっていないのである
「大五郎に載せていた分だけでなく、この拠点にあった分まで使い切るとは……。一体何をどうしたらこんなに消費するんだ全く……」
空が額に手を当てながら呟き溜息を吐く、確か大五郎には各資源を2万5千ほど、この拠点には各資源20万づつと資材が千個ずつはあったと聞いていたんだが……
「どっせいっ!!!」「うぎゃあああぁぁぁッス!!!」
戦治郎がアルゼンチン・バックブリーカーからバーニングハンマーに繋げて護を顔面から地面に叩きつける、どうやら相当頭に来ているのかそこから更にテキサスクローバーホールドのような技を追加で仕掛けていた、ライオンテイマーのように片膝で護の頭を押さえつけながらのテキサスクローバーホールドなので多分戦治郎オリジナルの技なのだろう
「うっわめっちゃ痛そう……、だから俺は止めとけって言ったのによぉ……」
後頭部を摩りながらシゲが言う、シゲは巻き込まれたとは言え共犯である事は変わりないという理由で護より先に戦治郎からアサイDDTを喰らっている。シゲマジドンマイ……
「何で貴方達は仲間が何かやらかした時すぐプロレス技仕掛けるのよ……」
陽炎ちゃんが呆れながら言う、藤吉の世代は分かんないけど少なくとも俺達やシゲ達の世代だったらプロレス技は必修だったと思うんだけど違うの?
「関節技なんかはお仕置きには丁度いいですからね、流石に先輩や剛さんのように豪快に投げるのはやり過ぎだと思いますが……」
「でも戦ちゃんや輝ちゃんあたりはサブミッション極めてても力任せに強引に解除したりするでしょうし、空ちゃんに至っては瞬時にカウンター仕掛けてきそうじゃない?だったら投げた方が確実だとアタシは思うんだけどね~」
陽炎ちゃんの疑問に苦笑いしながら返す通に、投げ技使用に肯定的な意見を出す剛さん。確かにその3人相手だったらその方が間違いないだろうけど……
「それでどうするんだ?補給無しで移動するのは危険過ぎるが、だからと言ってジッとしててもどうにもならないと思うんだが……」
木曾の言う通りだな、ゲームのように資源の自然回復なんてものは無いのだから自分達で動かなければ問題は解決しない。今やるべきは護へのお仕置きよりも資源を調達する方法を考える事だろう
「折角アクセルからグスタフとドーラの設計図貰ったから、大五郎の追加装備として組み込もうとしてたのによぉ……。っとその件については一応考えがあるから多分大丈夫なはずだ」
テキサスクローバーホールドっぽいのを解除した戦治郎がそう答えた
サラッととんでもない事言ってるが今はそんな事はどうでもいい、重要じゃないんだ。その後俺達は戦治郎の考えと言うのを聞いてからそれぞれ動き始める
「何処にいるかね~、ワ級ちゃんは~っとぉ」
鷲四郎を発艦させ近くにワ級がいないか探しに行かせながらも自身も視認できる範囲内でワ級を探す戦治郎、随伴艦は俺、護、陽炎ちゃん、姉様の4人となっている
戦治郎の考えとは、自分だけ補給していた今回の問題の元凶と海水を使えば砲撃可能な俺、同じ陽炎型である不知火ちゃんと天津風ちゃんの燃料と弾薬をかき集める事でフル稼働可能な陽炎ちゃん、そして本体だけで動けば燃料も弾薬も消費しない戦治郎と姉様の5人でワ級を襲って物資を奪って補給するというものだった
「これ、本当に上手くいくの……?」
俺の隣で不安そうな顔で呟く陽炎ちゃん、普通に考えたら成功率は低そうなんだけどそれをどうにかしてしまうのが戦治郎クオリティー。あいつが出来ると言った以上きっと何とかなるだろうと俺は信じている
「あそこの拠点の地図見たところ、ダカールとプリンス・エドワード諸島の拠点が補給拠点みたいなんだよな。そんでもしかしたらダカールからポルト・サント島に物資届ける輸送部隊が既にダカールから出てる可能性があっからそれ狙ってみたんだ」
陽炎ちゃんの呟きが聞こえていたのか戦治郎がそう言った
「戦治郎さんはよく見ていたのですね、私なんか地図を見ても現在地もよく分からなかったのに……」
戦治郎の言葉を聞いてションボリする姉様、地図が読めないとなると姉様が何処か行くって時は必ず誰か同行させないと帰って来なくなりそうだな……
「シャチョーの勘が当たってくれたら、かなり早くこの作戦終わりs「あかーーーん!!!」ちょ何スか今の声!?」
突然聞こえた声によりあたりに緊張が走り俺達はすぐさま戦闘態勢に入る、そのタイミングで鷲四郎から連絡が入ったようで戦治郎はその内容を静かに聞いてから俺達に告げる
「こっからちょっち南に行ったところでドロップ艦と深海棲艦がドンパチやってるそうだ!って事で助けに行くぞ!!!」
\了解!/
俺達は揃って返答してドロップ艦の救助の為に南へ駆け出して行った
「こりゃ不味いでぇ!ピンチ過ぎやー!」
そう叫びながらこちらへ全力疾走して来ているのは軽空母の龍驤、その後ろには彼女を追いかけながら砲撃しているエリトとエリイにエリハ、更にエリワが3匹もいた。俺達はドロップ艦を救助しに来たわけだが、その相手がまさかの俺達のターゲットである輸送部隊だったとは……。戦治郎の豪運ここに極まれりって奴だな……
「って前から増援来おった!しかもエライごっついのばっかおるやんか!!!」
俺達に気付いたのかそう叫ぶ龍驤、生憎俺達はあいつらとは違うんだよなぁ……
「あかん……、今度こそウチは終わりや……。無理に付き合わせてもうてすまんかったな阿武隈……、ウチは先逝っとるで……」
龍驤はそう言うと段々減速していき、遂には止まって海面に膝をついてしまった。俺と戦治郎はそんな龍驤の脇をすり抜け前に出て、ダカールからの輸送部隊と思わしき深海棲艦の艦隊に攻撃を仕掛けるのであった
「ふぇ?!なんや!何が起こっとるんや!?何で深海棲艦が深海棲艦攻撃しとるんやっ?!」
「そのへんの事情、説明した方がいいッスかね?」
突然の出来事に混乱する龍驤に話しかける護、だが……
「護うううぅぅぅっ!!!そっちは姉様と陽炎に任せておめぇはこっち手伝えええぇぇぇっ!!!」
戦治郎が叫びながら護を呼ぶ、確かにお前が今回の元凶なんだから身体張って落とし前つけなきゃいけないよな、うん
「あちゃあ……って事で自分行って来るッスからそっちは姉様と陽炎に任せるッスよ~」
「分かりました、どうかお気をつけて!」「新装備開発したって言ってたんだからそれでちゃっちゃと終わらせて戻って来なさいよ!」
護はそう言ってこっちに向かってくる、その背中に姉様と陽炎が声援を送って送り出す
「何や、これは一体どういうこっちゃ?ウチに分かるよぅ説明……ってよぅ見たらそっちの扶桑は艤装付いとらんように見えるんやけど……」
「あっ……、これは、えっと……そのぉ……」
「そのあたりも含めて今から説明しますから、よく聞いて下さい。いいですね?」
背後でそんなやり取りが聞こえてきたが今は気にしてられないな、さっさとこいつらを片付けて物資回収して、それからあっちに合流するとしますか
俺はそんな事を考えながらポンプで海水をたっぷりと汲み取り、目の前のエリハへ放水を開始するのであった