輸送部隊との戦闘は非常にアッサリと終わってしまった
俺と対峙したエリハは俺の放水でその身体にでかい風穴を開けられて沈み、エリトは戦治郎と勝負するも砲撃を悉く躱されて、結局戦治郎に間合いを詰められ首を刎ねられて沈んでいった
エリイはと言うと、護の新兵器の実験台にされていた。護がエリイの身体掴んで持ち上げると護の腕が放電し始める、その攻撃で感電してビクビクと痙攣するエリイの身体はしばらくすると炎上し始め、火達磨になったところで海面に叩きつけられ沈み始めた
護はその攻撃の最中に艤装から今までのものより明らかに大きなミサイルを3発発射し、エリワ3匹をいとも容易く吹き飛ばしていた。まあエリワの残骸は俺と戦治郎で回収して無事資源を入手する事には成功したのだが……
「護!おっま何じゃそりゃっ!?」
「これッスか?これは自分専用の近接格闘用装備ッスよ~。自分格闘術とかの心得が全くないッスからね、その対抗手段が何か無いかと思ってる時にイワンとトビーに付けてた電撃ネットの事思い出して、そこからこのグローブを作ったんッスよ。これだったら触った相手に問答無用でダメージ与えられるッスからね」
相手をわざわざ持ち上げていたのは、俺達まで感電させないようにする為の配慮だったのだろう。しかし喰らった相手が発火炎上するほどの威力とは……、護は恐ろしい装備を作ったもんだ……
「いやそれも気になるがミサイルの方!なんだあのでっかいの!?」
戦治郎が気になったのはミサイルの方だったか、確かにいつもの拳2つ分の奴より遥かに大きかったな……、腕1本分くらいはあっただろうか?
「あれはほら、自分一応駆逐艦じゃないッスか~、だから火力面で不安があったッスからそのあたり強化する為に作った巡航ミサイルッス」
これ以外にも、今回は使っていないが拠点破壊用の大きさが脚1本分くらいある弾道ミサイルも作っているそうだ
そんなもの作ってたらそりゃ資源が無くなるわな……、しかし護の武器はミサイルが多い気がするがこいつはミサイル棲姫などと名乗るつもりなのだろうか……?
「道理で資源を大量消費したわけだ……、今度からは何か作る時は一声かけろよ?全く……」
深海棲艦に八つ当たり出来たのと、必要分以上の資源が回収出来た事である程度怒りが収まった戦治郎が言う。今回みたいな事が今後ないようにしないといけないからな
「取り敢えずこっちの要件は終わったし、龍驤の方行ってみるか」
戦治郎はそう言うと事情の説明が終わったのか、こちらを見守っていた龍驤達の方へと向かって進み始めたので、俺達もその後を追った
「ウチの事助けてくれたんはホンマおおきに、でも君達のあの戦い方はなんなん?砲雷撃戦はどこいったん……?」
「それだけじゃ対処出来んとこをこんな方法でカバーしてるだけだ、なぁにそんな小せぇ事気にすんな!」
俺達の戦いを見た龍驤の感想、それに対しての戦治郎の回答がこんな感じ。まあ初めて見たら驚くだろうなぁ……
「それはそうと、龍驤さんはこんなところで何をやってたんだい?まさか民間用艤装であの艦隊とやり合おうとしてたの?」
戦治郎が発した小せぇに反応して龍驤さんが何か叫ぼうとしていたが、それを言わせてしまうと話が進まなくなりそうだったので俺が龍驤さんに質問する形で割って入る
「いやいやいや、民間艤装じゃマトモに戦えんっちゅぅのはウチも分かっとるからな?ウチはあいつらの後を追ってたんや」
あいつらを追跡していた?どういう事か聞いたところで龍驤さんが話し始める
龍驤さんがドロップ艦になった理由、それは彼女の後輩達が艤装を持って行方不明になったのが事の始まりなんだとか
龍驤さんは高校時代に艤装競技をやってたらしく、後輩達の面倒をよく見て可愛がっていたそうだ。そして月日が流れて高校を卒業して大学に進学、そこでも艤装競技をやっていたそうだがある日、その後輩2人が行方不明になったと聞いたのだとか
艤装を持っていなくなった事から後輩達はドロップ艦になって何処かの戦場に飛び出していったのではないかと考えた龍驤さんは、大学を中退して自身もドロップ艦になってその後輩達を探す旅に出る事にしたそうだ
その時に協力してくれる仲間を募ったところ、その後輩達と同級生だった阿武隈さんしか付いて来てくれなかったんだとかなんとか……
勘を頼りに2人で乗り込んだ飛行機がスペイン領テネリフェ島行きだった為、取り敢えずこのあたりを捜索していたそうなのだが、龍驤さんは運悪く阿武隈さんとはぐれてしまったそうだ
「いくら探しても阿武隈も見つからんし、燃料もヤバイ事になってきとったところであいつら見つけてな、見つからんよぅ尾行してあいつらの目的地着いたらそこから資源ちょろまかそうか思っとったんやけど~……」
「それで結局見つかって今に至るってとこか……」
龍驤さんの話を聞いて頭を抱えながら戦治郎が言う、この娘無茶し過ぎでしょう……
「ホンマ戦治郎さん達が通りかかってくれてへんかったら今頃ウチは魚の餌になるとこやったわ、そこんとこは改めて礼を言わせてもらうわ、ホンマおおきに!」
「俺達ぁ当然の事しただけだ、んでこれからどうすんだ?」
「せやな~……、行方不明になったんもそうやけど阿武隈の事も探さんとアカンしそろそろ行こう思っとる、せや!もし行方不明になったんに会ったらウチが探しとるって伝えてもろうてええか?」
もしかしたら道中で会うかもしれないから、その時はしっかりと伝えて4人で仲良く帰国してもらいたいものだ
「分かった、もし見かけたらそう伝えとくわ。そんでそいつらの名前は?」
「摩耶と木曾言うんや、もしその2人に会ったら頼むで」
\はっ?/
物凄く聞き覚えのある名前が出て来て、俺達全員が思わず間の抜けた声を出してしまった……。まさかこの2人の事だったか~……
「あ~……、龍驤?ちょっとお前に伝えなきゃいけねぇ事があるんだ……」
戦治郎が物凄く申し訳なさそうな顔をしながら言う、その言葉を龍驤さんは頭に?を浮かべながら聞いていた
「摩耶あああぁぁぁっ!!!木曾おおおぉぉぉっ!!!」
「ちょっ!?龍驤先輩?!」「何で先輩がここにいるんだよっ!?」
俺達は龍驤さんを連れて拠点に戻ると、件の2人が出迎えてくれた。それを見た龍驤さんが2人の名前を叫びながら猛ダッシュ、飛びついてワンワンと泣き出したじゃないですか。肝心の2人も予想外の人物の登場で非常に驚き困惑していた
事情を話すと2人は申し訳なさそうな顔で龍驤さんを見つめ、龍驤さんの方は泣きじゃくり2人をベシベシと叩きながら心配させるなとかせめて相談しろとか言っていた
「ウチだけでなくこの2人の事まで助けてもろうて……、もう感謝の言葉しか言えへん……、ホンマに……ホンマにありがとうなぁ……」
一頻り泣いて落ち着いた龍驤さんが土下座しながら俺達に感謝の言葉を述べていた、そこまでする事ないんじゃないかな~……?
「そんで、2人は戦治郎さん達と一緒に日本に戻るっちゅーてたか……」
「「すみません先輩……」」
更に細かいこっちの事情の説明と、2人の意思を聞いた龍驤さんが何か思案するように唸る、その声が止んだところで龍驤さんが声を出す
「よっしゃ!そういう事ならウチもその旅に同行するわ!ウチだけでなく後輩達の命も救ってくれた恩人に何もせんちゅぅたら女が廃るわ!」
まさかの俺達の旅の同行志願である、物凄く危険な旅だと言ってはみたが日本を出る時に覚悟は出来ていると言っている
「これを断って後をつけてこられても困るし、またあのへんフラフラして沈められるよりかは一緒に行動した方が生存率は高いか……、分かった、長門屋海賊団はおめぇの事歓迎するぜ!」
こうして、長門屋海賊団に新しい仲間が加わったのであった