※この作品はR-18です。

鬼の鎮守府   作:稲荷童子

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阿武隈の行方と艦載機マスター決定戦

俺達は今、昨日長門屋海賊団に加入した龍驤さんと共にテネリフェ島へと来ていた

 

理由は龍驤さんの荷物の回収と、もしかしたら阿武隈さんが宿泊しているホテルに戻って龍驤さんを待ってくれているかもしれないという可能性に賭けてみたわけなのだが……

 

「龍驤さん、気を落とさないで……」

 

俺はガックリと肩を落とす龍驤さんにそう声をかけた、話によると阿武隈さんは既にチェックアウトを済ませて何処か別の場所に向かってしまっていたそうだ

 

ただ気がかりな事があって、ホテルのフロントの人が言うには彼女はチェックアウトを済ませた後に龍驤さんとは別の女性を連れ立って出て行ったそうで、彼女達の日本語での会話にはダカールや赤道ギニアと言う単語が混ざっていたとの事だ。日本語が分かるフロントの人のおかげで本当に色々と助かった……

 

「聞いてる限りだと俺達の目的地と一致するところがあるな……、まさか阿武隈達は民間艤装であいつらの拠点に攻め込むつもりなのか……?」

 

「いや、それはあり得へんな。阿武隈にはこの艤装やとあいつらの相手はマトモに出来へんって口を酸っぱくして言い聞かせとるんや、それに阿武隈の性格やったらまず自分から攻め込むような真似はする筈ないやろ」

 

戦治郎がそう推測するも、龍驤さんがそれを即否定した。確かに改二になる前の阿武隈さんだとそんな積極的に攻め込んで行く感じじゃないからね……

 

「それよりも気になったのは、阿武隈と一緒にいた女性とやらだな……。聞いている限りだと日本人のようなのだが……」

 

空が言う、確か黒髪ロングで和服のようなものを着ていたと言うのだが一体誰なのだろうか……?

 

「つかよぉ、阿武隈達は一体何処で奴らの拠点の情報を手に入れたんだぁ?普通に考えりゃぁ奴らの拠点の位置情報なんて早々手に入るもんじゃねぇと思うんだがなぁ」

 

悟が疑問を口に出したが、それは龍驤さんの口から思いの外あっさりと答えが返ってきた

 

「それについてなんやけど、ウチらが飛行機でこっち来る時に機内放送でそのへんに近付くなって何度も警告しとったで」

 

まさかのモロバレ、何やってんの深海棲艦……。そのあたりを詳しく聞いてみるとそっちの方から深海棲艦が攻めて来たけど、対抗手段がないのでそのあたりの住民に避難勧告を出して問題が解決するまでの間立ち入り禁止区域に指定したので近づかないで下さいと言うのを飛行機の中で何度も聞いたらしい

 

この話聞いた皆が呆然としていたよ……、普通に考えたら当たり前の事だったからね……。まあ海路を自力で進む俺達だったらそんな方法で情報を入手するなんて不可能だからスッカリ頭から抜け落ちていたよ……

 

「その情報から考えるともしかしたらッスけど、阿武隈達の会話はそのあたりは避けて通ろうっぽい事話してたかもしれないッスね~……」

 

ああ、そう言われるとその可能性は十分ありそうだな……。護の発言聞いた皆がきっとそう思っているはずだ

 

「まあそこらへん確認すっ為にも取り敢えずダカールに行かなきゃなんねぇな、っと龍驤の方はリミッター外した艤装にはもう慣れたか?十中八九向こう行ったら戦闘になると思うんだが……」

 

「つまりダカールでの戦闘がリミッター外したウチのデビュー戦っちゅぅ事やな?艤装の方もここ来るまでの間に十分馴染んだし問題ないで!腕が鳴るでっ!!!」

 

龍驤さんが俺達に同行するのが決まったところですぐに艤装のリミッターを解除、少し試運転するかと言ったところで彼女が試運転ついでに荷物と阿武隈さんの件を提案して今に至っていたりする

 

艤装のリミッターを外した事で、艤装が持つ本来の力を取り戻し全身に漲る力に気分が高揚しているのかやたら強気な発言をする龍驤さん、本当に大丈夫だろうか……?

 

「そういや、海賊団所属の純粋な空母系の艦娘って龍驤が初じゃね?」

 

シゲがふとそんな事を口にする、そう言えばそうなんだよな。グラーフさんはドイツ海軍に戻っちゃったから海賊団所属じゃないし、フェロー諸島での戦いの後航空戦艦になった姉様は航空戦力こそ持ってるけど純粋な空母ではないからね

 

「それホンマかっ?!おっしゃ!俄然やる気が湧いてきたで!ウチの艦載機捌きであっちゅぅ間に深海棲艦を沈めたるで!」

 

ああ、そんな事言っちゃうと……

 

「ほう……、余程自信があるようだな……」

 

「何なら勝負してみたりしちゃいます?俺様超頑張っちゃうよ~!」

 

「あら、だったら水母だけどアタシも参加しちゃおうかしら?」

 

「勝負事だったら俺も混ぜやがれ!ビリッケツには酒でも奢ってもらうかね!」

 

「面白そうだから僕もやるー!」

 

「陸上型深海棲艦も艦載機は使えますからね、っと流れ的に僕も参加しないとかな?」

 

「俺も参加な~、戦艦だけど艦載機飛ばせるからな」

 

ほらぁ……、航空戦力持ちが皆やる気になって勝負する事になっちゃった……

 

「あのぉ……、これは私も参加しなければいけないのでしょうか……?」

 

「いや姉様は無理しなくていいんだぜ?俺も鷲四郎しか飛ばせるのねぇから参加しねぇし……」

 

そう言いながらもちょっと残念そうな戦治郎、鷲四郎以外に艦載機があったら絶対参加してただろうなこいつ……。それと姉様も戦治郎が言う通りこの馬鹿騒ぎに無理に参加しなくてもいいからね?

 

「それ、ミサイルで参加してもいいッスか~?」

 

\ダメだっ(やっ)!/

 

いや、ミサイルはダメだろうよ護……

 

そういう事で、ダカールの拠点制圧戦は第1回艦載機マスター決定戦の会場となり、深海棲艦にとっては凄まじい数の艦載機が空を飛び交う正に地獄と呼べる戦場となったのであった

 

深海棲艦側に空母がいたらもう少し状況は変わっていたかもしれない、だが不運にもダカールの戦力には空母どころか戦艦すらいなかった……。一番強いのがエリリって……、いくら艦娘がいないからってこれは余りにも酷過ぎる……

 

降りしきる爆弾、止む事のない機銃の豪雨、迫りくる大量の魚雷で一方的に虐殺されていく深海棲艦達がほんの少しではあるが可哀想に思えてしまった……

 

優勝したのは空、やはり海賊団の主力正規空母は格が違ったと言ったところだろうか……。一部からは艤装まで使うのは反則と言う声も上がったが……

 

最下位は当然の事だけど龍驤さん……、実戦経験の少なさもあるけどそもそも参加メンバーが凶悪過ぎたのが一番の原因だろう……。これは流石に同情するよ……

 

肝心の本人は心が折れるどころか、激しく悔しがった後皆に再戦を挑むという鋼メンタルを披露して下さいました。この娘ものすっごく強いな……

 

輝が言っていたビリには酒を奢ってもらう件については、龍驤さんの手持ちが心許ないと言う理由で龍驤さんが輝の飲みに付き合う事になったそうだ……、合掌……

 

因みに参加しなかったり出来なかったメンバーは、拠点内部に突入出来るようになるまでの間阿武隈さんの捜索をやったり、釣り糸を垂らして釣りやってたり、忍術の練習なんかやったりして思い思いに時間を潰していた

 

「あ、もう終わった?」

 

「ああ、航空戦力皆無な上に最大戦力がエリリだったからな。正直途中から可哀想になってきたぞ……」

 

何処から持って来たのか分からないが、参加してなかったメンバー全員とトランプでババ抜きをやっていた戦治郎が空に尋ねて、幼馴染ズくらいしか気付くことが出来ない哀れみの表情を浮かべた空が答える。っとこれで俺あがりな

 

「よっしゃ!んじゃとっとと突入して制圧、資材資源を頂いちまうか!ここは補給拠点だったから資源はきっとタンマリあるはずだからな~、これでようやく大五郎の追加装備作れそうだ~♪」

 

そう言って立ち上がる戦治郎に続いて、ババ抜きやっていたメンバーも立ち上がる。トランプ片付けてる時に気付いたけど、ジョーカー持ってたのは戦治郎だったか……、運のいい奴め……

 

「んじゃあここは景気よく、全員で突入すんぞおおおぉぉぉっ!!!」

 

\おおおぉぉぉっ!!!/

 

戦治郎の号令で俺達は拠点に向かって一斉に駆け出し、あっという間に補給拠点の制圧に成功するのだった。まあこんだけ人数いたらそうなるか……

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