「うぉっふぉっふぉ~♪でけたでけた~♪」
上機嫌で気持ちの悪い声を出しているのは戦治郎、この間アクセルからもらったと言っていたグスタフとドーラ……分かり易く言えば80cm列車砲2両の設計図を基に大五郎用の追加装備を作ったのだ
ハコと本体の間にクロスアームを取り付けて、上部2本にグスタフとドーラを模した砲を、下部2本にミゴロさんを取り付けてあった
大五郎の追加装備はそれだけではない、前に作っていた盾を改造してちょっと変わった形のかなり太いエアシリンダーを使って杭を撃ち出せる機構を盾の裏側に取り付けていた。盾で防御した際バンカー部分が変形しないよう盾とバンカー部分の間にはしっかり緩衝材を入れてある
「アニキはシリンダー大好きですよね~、何か理由ってあるんです?」
「よしシゲ、機会あったら一緒にビッグ・オー観ような。なっ!」
ああ、あれか……確かにあれのサドン・インパクトはあいつ好みだな……
「自分はそれよりも左腕の奴の方が気になるッスね~、何ッスかあれ?パッションリップの奴を更にごつくしたような爪が付いてるみたいッスけど……」
「盾と同じように使えるように防御面をガッツリ強化したガントレットなんだが、作ってる間に熊=爪っての思い浮かべちゃってなぁ……。気付いたらそうなってた!」
パッションリップが何なのかはよく分からないが、手首から先が巨大化しその指先には凶悪な大きさのいかつい爪が付いていて、手の甲や前腕部に装甲強化の為のプレートがいくつも埋め込まれた巨大なガントレットも盾の強化と合わせて作られていた
「これらと一緒に光太郎の追加装備まで作ったにも関わらず、消費資源は護がやらかした時の1/3以下とはな……」
「多分あれだ、ミサイルの電子制御系が思いの外資源喰ったんじゃないかと俺は思ってる。作る装備が現代の奴に近付けば近付くほど資源の消費が激しい可能性があっからイージスシステムなんか作ろうものなら1つ作るのにこの拠点の資源全部吹き飛ぶかもしんねぇな」
空と戦治郎のやり取りを聞いて戦慄する……、この補給拠点にあった資源の量はノルウェーのフレヤ島にあった補給拠点にあった資源の量より圧倒的に少なかったが、それでもかなりの量があったのは間違い無い。少なく見ても各資源数千万ずつはあったと思うのだが……
「護……、分かっているとは思うが……」
「分かってるッスよ~、自分もう釘刺されまくってハリネズミみたいになってるッスからね?」
これは本当に大丈夫なのだろうか……?護の返答に不安を払拭出来ないでいるのか、俺達じゃないと分からないくらいの表情変化で渋い顔をする空の姿があった
「それはそうと、光太郎の新装備は気に入ってもらえたか?」
これまでのやり取りを静かにずっと見ていた俺に、戦治郎が話しかけて来た
「ああ、正直右腕の奴だけだと少々不安だなって思ってたところだったんだ」
俺の追加装備、それは右腕にしか無かった放水砲の増設と放水砲を水上以外の場所でも使用可能にする為の改造だった。まず背中に背負う専用の貯水タンクを作り、それに給水ポンプのホースを接続すると陸上だろうとタンク内の水の分だけ放水可能になった
タンクに入る水の量は妖精さんの技術のおかげで見た目よりもかなり入るようになっているそうだ、妖精さんマジ感謝!
そして増設された砲門は棒状のものがタンクに接続されており、使用する際はそれが変形して脇の下から前に突き出てくるようになっている。これも右腕の放水砲と同じように直接海水などを吸い上げて放水したり出来るそうだ
戦治郎曰くF91のヴェスバーをモチーフにしたとの事、更に追加するならV2アサルトのヴェスバーみたいに腰のあたりに付ける事になりそうだと言っていた。取り敢えずこれで様子を見てから更なる増設が必要かどうか考えよう
「ところで、この資源は全部使い切るんです?一応大五郎に積み込める分は積み込んだし、皆の艤装の補給も済んだんですけどまだまだ全然数ありますよね?」
シゲの質問を聞いて考える、流石にこれを全部使い切るのは無理があると思うんだが……、戦治郎はそのあたりどう考えているのだろうか?
「いんや、ある程度使ったら俺達以外には分からんようにしっかり隠して、後々……うん、俺が提督になってからってとこか?まあ後からちょこちょこ回収していこうかと思ってるんだわ。んでもってその為にも今は数減らして隠す作業を楽にしようかなとな」
提督云々は兎も角、戦治郎の意見には賛成だな。これがまたあいつらの手に渡るのは癪だし見ず知らずの連中に勝手に持っていかれるのも微妙に腹立つからな……
それに隠す作業を少しでも楽にしたいと言うのは同意、これだけ数があったら隠すのもホント一苦労だからな……。体力的な辛さもあるがかなり時間がかかるだろうし……
そして資源を減らす為の使い道が装備開発、これは後の事を考えると俺もやっておくべきだろうと思っている、もしかしたら道中でラリ子のような奴に遭遇する可能性が十分あるのだから、それに備える意味でも装備開発は出来る時にやっておくべきだ
他のメンバーを見ても、俺と同じ考えなのだろう皆小さくウンウンと頷いていた
「シャチョー、だったらもうちょっと自分の装備追加していいッスか?今度は電撃系の武器にするッスから~」
「具体的な案は聞いてねぇから分かんねぇが電撃系は諸刃の剣過ぎんだろ……」
護はまだ装備を追加する気なのか……、今度は電撃系ってミサイル棲姫の次は雷様にでもなるつもりなのか……?
尚、護は後に多種多用なミサイルと電撃系武器を開発、駆使して戦い【機械仕掛けの雷神】と呼ばれ恐れられる事となる
「つぅか、ぶっちゃけっとそろそろ木曾が改二に出来そうなんだよな。早期からいるのと毎日のトレーニングに俺との朝練、そこにこないだの決戦で多分そろそろだと思うんよ。だからその分の資源は確保しとかにゃならんから、護の装備開発はもうしばらくお預けな」
マジで?つかお前との朝練って何だ?あの娘そんな事してたの?よく無事だったな……。それを聞いた護がぶぅぶぅ言い出したが取り敢えず無視しておく
「って事でここを出るのは木曾の強化ともうちょっち装備開発してからにしようと思うんだけど、それでいいか?」
「しかし、そうなると阿武隈の件はどうするんだ?あまり悠長に時間をかけていると追いつけなくなる可能性もあるし、最悪轟沈してしまうかもしれんぞ?」
戦治郎の意見に反論する空、確かに阿武隈さんの件は気になる……しかし後先の事を考えると木曾の強化や装備開発も重要なわけで……、これはちょっと悩むところだ……
「そういやそれがあったな……、う~ん……よっし!それじゃあこうしよう!チーム分けして艦娘&20代ズは海路でプリンシペ島に向かいながら阿武隈の捜索、30オーバー組でここの片付けやってから陸路で赤道ギニアまで行ってからプリンシペ島に向かう方向で!」
「いやいやいや、ツッコミどころ満載なんですが……。取り敢えずそう思い立った理由聞かせてもらってもいいですか?」
シゲが理由を尋ねると、戦治郎は自分の考えを話し始める
チーム分けについては、艦娘達だけでなく20代ズにもたまには戦闘での指揮など普段やらない色々な事を経験してもらおうって魂胆なんだとか
そして30オーバー組が陸路で移動するのは、阿武隈達が艤装の燃料の都合などで陸路で移動している可能性があるからだそうだ
この話が終わった後、俺達はすぐに全員で集まってこの事について話し合い戦治郎の案で先に進む事になった
話し合いの後は皆で今のうちに出来る限りの資源の隠蔽を開始し、木曾の改修に使う分の資源は輝の艤装に詰め込んで確保する事になったのだった