※この作品はR-18です。

鬼の鎮守府   作:稲荷童子

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合流と暗雲

阿武隈さんと瑞穂さんを無事救出し密林を抜け出した俺達は海岸へと車を走らせる、陸路での移動は阿武隈さん達の捜索の為だったから、こうやって救出出来たならもうこれ以上陸路で移動する必要性は無いと戦治郎が判断したからだ

 

海岸に着いたところで皆車から降りて海の方へと歩みを進めていたのだが、そんな俺達を見て阿武隈さんが不思議そうな顔をする

 

「皆さんそっちは海ですよ?海で何かやるんですか?」

 

「う?今からここを発って海路でプリンシペ島に向かうんだけど?」

 

戦治郎の返事を聞くや否や不思議そうな表情から驚愕の表情に変わる阿武隈さん、瑞穂さんも驚いてはいるみたいだけど阿武隈さんよりリアクションが薄い

 

「えっ!?海路で移動ですかっ?!艤装も無しにどうやって行くんですか!?空さんが乗ってたあの変なの「ライトニングⅡだ」えっと、ライトニングⅡ?って機械も皆で乗れるような大きさじゃなかったですよねっ!?」

 

どうやらこの娘、俺達の正体に気付いてないっぽい?あれだけ派手に暴れたのになぁ……、それだけこの司特製変装セットが効力を発揮しているって事なのかな?それはそうと空は艤装に名前付けてたのな……、ライトニングⅡって米軍のジェット戦闘機の名前じゃなかったか?こいつどれだけ米軍機好きなんだよ……。つか空の艤装で気付くもんじゃないの?普通……

 

「もしかして俺達の正体気付いてないのか?って事はこの変装セットはきちんと機能してるって事か……、これもうちょい早く欲しかったな~……」

 

戦治郎が俺が考えていたのと同じような事言ってた、多分お前のドイツ潜入の時の失敗を教訓にしたんじゃないかな?

 

「それってどういう「おめぇら変装解除だー!」「うぇーい!」ってえええぇぇぇっ!!!」

 

俺達が一斉に変装を解除すると先程よりも激しく驚く阿武隈さん、瑞穂さんの方は空の艤装に乗っていた関係か予想出来ていたみたいでやはり……と言った感じだったので、どうやら阿武隈さんだけが気付いてなかったようだ

 

「し、深海棲艦っ!?えっ何で?!ホントどういう事か説明して欲しいんですけどおおおぉぉぉっ!!!」

 

名も知らない海岸に、阿武隈さんの声が響き渡っていた

 

 

 

「よっしそんじゃいくぞおおおぉぉぉっ!!!」

 

\うぇ~い!/「おおおぉぉぉっ!!!」

 

「待って待って?誰よそんな気合の入った返事しt……、輝ぅ……それは置いて来ていいんだぞ?「もったいねぇじゃんかよぉ!折角のワンボックス!」……あぁ……そう……」

 

阿武隈さんを落ち着かせた後に俺達の事をしっかりと2人に教えて、納得してもらったところでいざ出発!って時の事だ、輝の馬鹿がここで乗り捨てる予定だったワンボックスカーを艤装まで使って担いで持ってこようとしているのだ

 

皆で説得するも全く聞いてくれず、結局空の艤装にも手伝ってもらいプリンシペ島まで車を運びながら移動する事となった

 

 

 

 

 

「お、旦那達!ようやく来t「摩耶さ~~~ん!」うぉっと!って阿武隈じゃねぇかっ!」

 

俺達がプリンシペ島に到着すると、龍驤さんの時と同様に俺達を出迎えてくれた摩耶に駆け寄って抱き着く阿武隈さん

 

「阿武隈さんを見つけたのですね、流石先輩ですね……っとそちらの方は……瑞穂さんですか?」

 

「はい、この度阿武隈さんのご友人探しの旅に同行していました瑞穂と申します、どうぞよろしくお願い申し上げます。それで、そちらの方が阿武隈さんのご友人の方ですか?」

 

摩耶さんからやや遅れて、神通さんと一緒に姿を現した通が瑞穂さんの姿に気付いて挨拶を交わす。その後瑞穂さんは摩耶さんの方へと向き直り談笑を始めるのだが、その直後から通の挙動がちょっとおかしかった

 

視界の隅に映った瑞穂さんの艤装の下の腰のあたりを2度見、その後は瑞穂さんに気付かれないようにこっそりと腰のあたりを覗き込み、仮面をズラして目頭を手で揉んでからその開いているのか閉じているのか分からないくらい細い目に何かを焼きつけんとばかりに瑞穂さんの腰のあたりをじっくりと見る。あ、ちょっと目が開いた

 

通の挙動を不審に思い、通と同じように瑞穂の腰あたりを覗き込んだ神通の顔色が少し悪くなる、そしてその姿勢のまま一旦見つめ合って再度先程から見ている場所を見つめる

 

それを見ていた俺も流石に気になってきたので、こっそりと瑞穂さんの後ろに回り込んで件の場所を覗き見る

 

そこにあったのは、何とも立派なな・が・ド・ス☆ってちょっと待って頂きたい……、俺達がどうこう言える立場ではないだろうが敢えて言わせてもらおう……。何でこの娘はこんな物騒な物腰に携えてらっしゃるの?!こういうのってその筋の人が使う奴でしょ!?

 

「皆さんお疲れ様です、どうやら阿武隈さんを保護したみたいですね。それでそちらの……え……?瑞穂ちゃん……?」

 

「その声は……扶桑……さん……?」

 

この場所に姉様が姿を現し、それに気付いた瑞穂さんが口元を手で覆いながら驚きの表情を浮かべる。それから瑞穂さんの瞳から涙が流れるまでそう時間はかからなかった

 

その後更に遅れて登場した木曾と龍驤も巻き込んで、2組による盛大な感動の再会シーンとなったのだが、俺、通、神通さんの3人は先程見てしまった長ドスの事で頭がいっぱいで正直それどころじゃないです……。訂正、たった今戦治郎と空も瑞穂さんの腰のあたり覗き込んだので5人に増えました

 

「待ってましたよアニキ、感動シーンの最中なんですけど、ちょっと見て欲しいものがあるんで来てもらえますか?ああ、出来れば悟さんもいいですか?」

 

シゲがここに姿を現すなり戦治郎と悟に付いて来てほしいと言ってくる

 

「んぉ?何かあったのか?」「んぁ?俺もかぁ?」

 

「ええ、ちょっと変なものを見つけたんで……、もしかしたら悟さんの出番があるかもなんで一緒に来てもらえると助かるんですが……」

 

何時になく真剣な表情で言うシゲ、これは本当に何かあったようだ……

 

「分かった、んで何処行きゃいいんだ?」

 

「こっちです、付いて来て下さい」

 

そう言って来た道を戻っていくシゲ、戦治郎と悟はその背中を追って移動を開始しようとしたので、俺と空は2人を呼び止めて同行を志願した。シゲの様子を見て瑞穂さんの長ドスよりもそっちの方が気になるようになったからな……

 

 

 

「これです、アニキ達に見てもらいたかったのは……」

 

「……何だこりゃ?これ何処で拾ったんだ?」

 

シゲに案内されて着いた場所は、この拠点の工廠の隅だった。そこにはシゲが戦治郎と悟に見て欲しいと言っていた『何か』が置いてあり、それを見た戦治郎がシゲに尋ねる

 

「この拠点制圧した後、掃除してる最中に浜に流れ着いてたのを発見したんです……。細かい事についてはよく調べてないので何とも言えないですね……、こういうのは素人の俺らがやるよりアニキや悟さんに任せるべきだと思ったんで……」

 

「下手にいじって原型留めないくらいグチャグチャにされてたら俺でもお手上げだからなぁ……、ナイス判断だぜぇシゲぇ」

 

悟はその『何か』を見据えながらシゲの判断を素直に褒める、それについては俺も同意だ。ただでさえ『これ』が何なのか分からないのに余計分かり難くしてしまうのはちょっとな……

 

そんな事を考えながら、俺は目の前に転がっている異形を見ていた

 

その視線の先にあるもの、それは右腕にリ級の艤装を付け、頭部の半分がイ級になっている睦月型駆逐艦の艤装を背負った少女の亡骸と思わしきものであった……




この章の本筋みたいなのの1つにようやく触れる事が出来た気がする……
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