※この作品はR-18です。

鬼の鎮守府   作:稲荷童子

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やる気スイッチVSミサイルのスイッチ

気が付いた時には既に海の上、俺の身体は大五郎のハコの上に雑に乗せられていた……

 

先程嫌な夢を見たのを思い出して頭を振るのだがそこでふと思う、俺は何で眠っていたんだ……?

 

「よぅ、目ぇ覚めたかぁ?」

 

そんな事考えていると悟の声が聞こえた、悟は大五郎の首の間で胡座をかいていたんだが、多分俺が海に落ちないようにと見ていてくれたんだろう

 

悟から俺が寝ている間にあった事と今の状況の説明を受けたんだが、やっぱりあの駆逐棲姫はあの娘だったのか……、話を聞いている最中に右目に痛みが走るがそれを無視して話に集中する

 

「今回の作戦は俺とおめぇにメイン張れってお達しが来てやがらぁ、全く変なとこで気ぃ使いやがってよぉ……」

 

頭をバリバリと掻きながら悟が言う、俺と悟がメイン……つまり俺達であの娘を救出しろって事か……、出来るのか……?こんな俺にあの娘を救う事が本当に出来るのか……?

 

「おめぇのやらかしについてはよぉく知ってっから不安になるのは分かる、だが俺達がやんねぇとあの娘はずぅっと囚われのお姫様のまんまだぁ。もう出来る出来ねぇの話じゃねぇ、やるしかねぇんだよぉ。それともおめぇは自分にゃ出来ませんっつってあの娘の事を見捨てるのかぁ?腐れ外道に捕まってヤク漬けにされてるあの娘をまた見殺しにすんのかぁ?」

 

「ちょっと待て、ヤク漬けってどういう事だ?あの娘は何かされているのか?」

 

「こりゃ神風からさっき聞いたばっかの話なんだがよぉ……」

 

そう言って悟は先程の発言の詳細を話し始める

 

彼女は泊地の艦娘に捕まった後、その泊地の提督が開発する薬の実験台にされていたようだ。何度も何度も訳の分からない薬を投薬され続けた結果、彼女は一時的ではあるがとんでもない身体強化が出来るようになってしまったらしい

 

泊地の提督はその力に目を付けて、薬で望ちゃんの意識を閉じ込め首輪状の機械を使って彼女に別の人格のようなものを植え付け自分の手駒にしているんだとか……

 

「あの時退いてくれたのは薬の効果が切れてきて、表に望本来の人格が出てこようとしからじゃねぇかと俺は推測してるぜぇ」

 

つまり、そこを押さえて首の機械を何とかしたら助けられるかもしれないと言うのか?

 

「ただそうなると、ちょい急いだ方がいいかもしんねぇとも思ってんだわぁ。こないだの見てる感じだとそれなりに耐性が出来てきてるみてぇだからなぁ……、そうなっちまうと例のクソッタレは望を移植手術の材料にしかねねぇって神風が言ってたんだわぁ。意識が刈り取れなくなっちまえば自分の手駒に出来なくなっちまう、そうなると奴にとって色々と都合が悪くなっちまうからなぁ……」

 

そいつは人を何だと思っているんだ……っ!中学生という若さで、あんな凄惨な死に方をしたあの娘が何故そのような仕打ちを受けなければならないのだ……っ!!!

 

さっきまで不安に支配されていた俺の心は、その言葉によって生まれた怒りの炎に完全に飲み込まれ焼き尽くされていた

 

「これは本当に不安だからとか言ってる場合じゃないな……手を煩わせて悪かった、ありがとうな悟」

 

俺が悟に謝罪と感謝の言葉を述べると、あいつは気にするなと短く言って手をヒラヒラとさせる。今回の作戦は絶対に成功させないといけないな、望ちゃんの為にも、俺の為にもなっ!

 

それで俺達は今この作戦で使う拠点確保の為にプリンス・エドワード諸島の方へと向かっていると言っていたが、今はどのあたりの位置にいるのだろうか?気になった事はすぐに聞く、という事で戦治郎に話しかける

 

「戦治郎、今俺達はどのあたりにいるんだ?」

 

「お?起きたか光太郎、おはようさん、今は丁度中間あたりってとこだな。今回も一気にs「ん?ありゃ何だ?」どうしたシゲ、何か見つk……」

 

俺と戦治郎が話している途中で、シゲが何かを見つけたようだ。何事かと思いシゲが見ている方向を見てみれば、恐らく目的地であろうプリンス・エドワード諸島から白煙を上げながら何かが5つほど空へと昇っていた

 

「んげぇ!あれはぁッスッ!!!」「んなっ!?何であんなのがあんだよっ!!?」「ちょっとぉ!冗談じゃないわよぉっ!?!」

 

戦治郎、剛さん、護が一斉に叫び物凄く動揺しているのが目に見えて分かった、何かやばい物でも見たのだろうか……?

 

そんな事を考えていると、件の空に昇る何かは空中で方向を変えて……えっ?

 

「あれ、何かこっちに向かって来てない?」

 

「あれって一体何なんですか?」

 

陽炎さんと阿武隈さんが戦治郎に疑問をぶつける、それに対して戦治郎は

 

「おめぇら急いで逃げるぞっ!!!」

 

そう叫んで剛さんと護と共に3時方向に大急ぎで走り出す、いやだからあれは何だ?

 

「あれは準中距離弾道ミサイルッス!!!もしかしたら核積んでる可能性がある奴ッスよっ!!!」

 

護の叫びを聞いた全員の血の気が引いていく、そしてすぐに先に動いた3人の後を追いかける。核とか洒落になってねぇだろうがよっ!!!何で深海棲艦がそんな代物持っているんだっ?!!

 

「あれっていつもみたいに撃ち落とせねぇのかっ!?」

 

「核積んでるかもしれない奴を撃ち落とすのは不味いだろっ!!!俺達も間違いなく爆発に巻き込まれちまうぞっ!!!」

 

摩耶の質問に木曾が答えていた、木曾の言う通りあれに核が積んであったら冗談抜きで大惨事になってしまう。だから戦治郎達は気付いてからすぐに逃げ出したのだろう

 

「ちょいちょいちょい、これってマジでヤバk……ってうおわぁっ!!!」

 

司が何か言おうとしたようだが、背後をチラ見した後言おうとしたセリフを切って驚いて大声を上げる

 

「何や!何かいっぱい追ってきよるでっ!?」

 

「ギャーッス!!!巡航ミサイルまであるんッスかぁぁぁーーーっ!!!」

 

海面に対して水平に飛翔するミサイルの群れを見て護が更に叫ぶ、あれ以外のミサイルまで持ってるのかよ!!!どんだけ現代武器持ってるんだよあそこの拠点の深海棲艦はっ!!?

 

「こうなったらっ!」

 

そう言うと剛さんは後ろを向き砲撃と射撃を開始、巡航ミサイルの1つを撃ち落としたのだ。その爆発に巻き込まれて数発ほど誘爆するも、爆煙を突き破って新たな巡航ミサイルがこちらに迫って来ていた

 

「どうやら巡航ミサイルの方は通常弾頭みたいよっ!水平に飛んでいる奴だけ狙って撃ち落としましょうっ!!!」

 

剛さんの言葉に従って、皆が砲撃を開始し巡航ミサイルを次々と撃ち落としていく。しかしまだ上空にはこちらに向かって飛んで来る弾道ミサイルの姿がある、こいつを早く何とかしなければ……

 

「大五郎、ちょっと乗せてもらうッスよ!」

 

そう言って護が大五郎のハコの上に飛び乗って、艤装から取り出したキーボードをHMDに接続して何かを始める

 

「どうしただぁ護ぅ?何やってるだぁよぉ?」

 

「こうなったら弾道ミサイルのシステムにジャミングかけてここじゃないどっかに行ってもらうんッスよっ!!!」

 

えっ!?そんな事出来るのっ?!だったら最初からやってくれよっ!!!

 

「自分に出来るかどうかはスッカリサッパリ分からないッス!これで成功したら儲けもん、けどやらんよりは幾分マシッス!!って事で皆さん巡航ミサイルの方よろしく頼むッス!!!」

 

「分かった!そう言う事だから護に全てを賭けて俺達は巡航ミサイルの方を何とかすんぞっ!!!」

 

「シャチョー!!!プレッシャーかけるのはマジで勘弁して欲しいッスよおおおぉぉぉーーーっ!!!」

 

護はそう叫びながらもキーボード操作の手は止めない、頑張ってくれよ護……、俺達の全ては本当にお前にかかっているんだからな……っ!!!

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