ストーリーとかは特にないです。
エロ方面のお題もあるかもしれないから一応R-18。
お題は【マシュがぐだとイチャラブックスしたいけど困ってる的な奴】
真面目パート。イチャラブセックスするのはしばし待て。
青王クラスタとしての全力投球、マシュの中の人も円卓の騎士だから仕方ないね!
タイトル詐欺も甚だしい! でも反省も後悔もない!
生きるとは何なのだろうか?
私、マシュ・キリエライトにはよく分からなかった。
元々一年で終わる短き命。目的のために作られた消耗品。
だから生きるということに意味を持とうとすること自体が無かった。
なぜなら最初から生きる意味は定められていたから。
デミサーヴァントとしてグランドオーダーに参加する。役割を果たしたら最後、自分の役割は消え、パタリと止まるロボットのよう。
ようは期間限定で人間になれる物。
人の形をしているが人に非ず。ーーだけど、今は違う。
「マシュ、綺麗だね」
先輩と見た本物の自然の景色。
雲ひとつない晴れ渡る大空。
昇ったばかりの太陽。
門出を祝うかのような優しい山風。
そして、積もる白雪の輝き。
確かに今まで幾つも特異点を巡って自然には触れてきた。
それでも、これが本当の意味で自分の目で触れる自然と分かると自然と涙が出そうになった。
片手を先輩にギュッと握ってもらって、先輩の体温を感じた時思った。──自分はこの世界にいるんだと、私は生きている人間なのだと初めて実感したのだ。
他にも彼ら彼女ら英霊たち先人に様々な生き方を教わった。
「連合の下にいる民を見よ。兵を見よ。皆、誰ひとり笑っていない!
いかに完璧な統治であろうと、笑い声のない国があってたまるものか!
「私には彼らを──おまえたちを、ほんの少しでも長く守る責務がある!」
自らの国を守り抜かんがため戦った人たちがいた。
国民の笑顔を守るため、自分がすべきことだと思い、戦った。
「もう逃げられないぜ。やるしかない。
……いや、逃げてもいいけどな。十中八九消し飛ぶぞ。
それに、オレは逃げない。……父上に、このオレが、背中なんざ向けられるかよ」
「聖杯? なんだいそりゃ? うまい話には騙されないよ。そんなモンより胡椒一杯の方がそそられるってモンさ」
自分の思いに忠実に生きたものたちがいた。
悪く言えば自分勝手という奴だがそれでも中途半端に突っ張るよりはずっといい。
「……そして。ボクの望みは、今も昔も変わらない。
新人類も旧人類も関係ない。ボクはヒトの世を維持するべく生を受けた」
自分の願いに気づくべく戦ったものがいた。
たとえ叶わぬ願いだと分かっていても気づいたら足を止められない。
願いに気づかないと余計にそれが悪化する。
「我が王、我が主よ。今こそ──いえ
今度こそ、この剣をお返しします」
「主よ。今一度、この旗を救国の──いえ、救世のために振るいます」
誰かのために戦ったものたちがいた。
誰かを思う、たったそれだけで彼、彼女は勇気を振り絞り、戦場で武器を振るった。
彼らによって輝く物。色は全て違って輝き方も全く違う。
燃焼させては消える炎のよう。
ずっと燃え続ける火など存在せず、どれだけ強く燃え上がろうとやがては鎮火する。
それでも、その一瞬の輝きに私は魅せられた。一瞬しか輝けない儚さに魅せられた。
まるで人、一人一人が描く絵みたいで美しい。
人の一生なんてあっという間。
油断していたらいつの間にか終わりそうになっている。
私自身がそうだった。
長いようで短かった一年間のグランドオーダー。
外に出ることが不可能だった私に外を教えてくれた。
初めて見ること、知ることばかりで脳が追いつかないほど。
喜怒哀楽全てをほんの少しずつ知った。
特に哀しさは彼が、ゲーティアが深く教えてくれた。
哀しさによって人類を滅ぼしかけた人類悪。
彼は結局のところ、自分が生きたかったのだろう。
基本的に人間離れしているはずなのに願ったことがなんともまあその辺りは本当に人間臭い。
生きたいなんて誰しもが持つ当たり前の願いだ。
けれど仕方がないかもしれない。
千里眼という余計なもののせいで人類の愚かさ、悲しさを多く目にして心を折った。
それは絶望という名の映画をずっと目に焼き付けられるようなものだし、私では耐えきれないかもしれない。
そのせいで自分に未来はない。死んでしまう。
終わりたくない、嫌だ、死にたくない、永遠に生き続けたい。
そういった負の感情の連鎖が永遠と続く。
だからあんな馬鹿げたことをしようとしたのだろう。
死にたくないとは人にとって一番大切な感情。
当然だ。死んでしまえばそこで終わり。そこから先は見ること叶わず。
「責務──責務……!
この私に、全能者である我々たちに、貴様ら人間どもを見守る事が責務だというのか!そもそも『人間の一生』なんてものを見せつけられて面白いとでも!?
うんざりだ!どうあっても消えるだけ、最後は恐怖しか残らない!
人間の一生なんぞ、絶望と憎悪の物語だ!そんなもの、見て楽しい筈がない……!」
死ぬということは怖いこと。自分のことを全能と語ったゲーティアですら打ち勝てなかった。
だからこそ恐怖に打ち勝つため、死そのものを取り除くという選択肢をとった。
そうすれば自分の眼に映るものが絶望から希望に変わると思ったのかもしれない。
彼も彼なりに人を愛していたのかもしれない。 ──だって人類悪とは人類愛という真逆の観点から産まれてしまうものなのだから。
あくまでも自分の絶望を取り除き、不快感を無くすため。
それでも彼の目的を達成していたら少なくとも死という概念から人は解放されたし、また別の生き方になる。
そういった意味では人類に利益をもたらしていただろう。
それでも人は、私たちは今のまま生きる生死が存在する選択肢をとったのだし、彼から未来を勝ち取ったのだ。
だから私たちは紡がなくてはならない。
それこそが勝者の責務。今まで協力してくれたもの、立ちはだかったもの全ての想いを背負って生きるべきなのだから。
ともまあとりあえず私にも生きる理由ができたわけで。
「というわけで先輩とイチャイチャしたいです」
もう理屈など必要ない。とにかく先輩とイチャラブしたいのだ。
散々理屈を捏ねたが結局言いたいのは生きたい、ただそれだけ。
生きるということはそれすなわち寝て起きて働いて食べてセックスして寝るの繰り返しなのではないか?
生存本能に従っているだけだし、別に問題はないかと。
別に他のサーヴァントさんに先輩が取られるのが怖いとかそういうのではありませんええ。
清姫さんがべったり張り付いてたり、マタハリさんのパフパフ攻撃に先輩がタジタジになっていたりとかそういうのではありません。
「どうしましょう」
だがアプローチの方法がロクにわからない。
グランドオーダーで忙しすぎてそういった知識を身につける暇なんてほぼ無かった。
そのせいか自分の性知識は中学生レベル未満というか......
「経験者、経験者......あっ」
★
「それで私の元に来たわけですか」
少し困った表情をしたアルトリアさんが目の前にいた。
「はい、話を聞いて参考にしようかと」
私の中の人の上司、アルトリア・ペンドラゴンさんに話を聞きに来ました。
噂によればアーチャーのエミヤさんとモニョモニョしたことが昔あったそうで、ちょうど中の人的にも信頼できると思い、突撃しました。
「アルトリアさんはエミヤさんと何かあったと聞きましたが......」
そう私が言うとアルトリアさんは「何のことです? 」と露骨に嫌そうな顔をしながら言う。
普段はあまりそう言った言い方をしないアルトリアさんにしては珍しいと思った。
「特にアーチャーとは何もありませんが? 」
アルトリアさんは特異点Fだった冬木と呼ばれる場所にて行われた聖杯戦争で戦った仲らしく、他のサーヴァントと違ってエミヤさんのことをアーチャーと呼ぶ。
同じく参加していたクーフーリンさんやメデューサさんなどにもランサー、ライダーと呼んでいた。
繋がりは分かったがどうしてそんな噂があるのだろうと疑問に思った。
「とりあえずその噂、誰が流してました? 」
「その、ネロさんが大々的に」
そう言った瞬間にアルトリアさんが壁を筋力Bの力で殴りつける。
ズシンと音がなり、壁はひび割れた。
「すいません。つい、手が滑りました......あの赤いとあとついでにマーリン、後で絶対にぶっ飛ばす」
後半、小さくて聞き取れなかったが明らかに物騒なことを言っていたような気がした。
「じゃあ聖杯戦争の時のマスターってどうでした? 」
とりあえず話を繋げるためにマスターの話を聞いてみよう。
そこから何か糸口が見つかるかもしれない。
他の参加していたサーヴァントが言うに聖杯戦争勝者だったみたいですしマスターとはいい関係が築けていたはずです。
「自分のことを話すのは好きではありませんが盾を託したギャラハットに免じて話しましょう」
「片方は語るに及ばずというか端的に言って外道でしたね。テロは当たり前、人質とって自害させましたし、容赦なくヘッドショットも決めてましたね」
「うわぁ......」
何というか戦略としてはありなんだろうけど人間性を疑う。必殺仕事人か何かだったのだろう。そうに違いない。
「何より私と会話したのは三度、三度だけでした。魔力は十分、作戦もピクト人を相手にしていると思えばなるほどと思いましたがその、会話すらしない相手をマスターと思うのはちょっと......」
これは酷い。流石に会話しないのはいくら何でもマズイ。
コミュニケーションとらずに道具みたいにサーヴァントを使役しては確実にボロが出る。
先輩はそこ特化だから基本能力が低くても何とかなってたわけですし。
それにしても円卓の人たちがよく口にするピクト人って何なのだろうか。
新手の人類悪か何かなのだろうか? 中の人に問いかけたいところだ。
「それでも願いは今思えば純粋で、皮肉にも私も彼の戦略や考え自体は近い存在だったというか......王に心は分からない、うっ......」
何かトラウマを抉ったのかアルトリアさんが頭を抱える。
とりあえず、トリスタンさんはアルトリアさんに土下座すべきでは?
「まあともかく、一人目はそんな感じでした」
「一人目? 」
「私は二度、冬木の聖杯戦争に参加しているので」
そういえばそうだった。でもイスカンダルさんへは征服王って呼んだりしているし、ギルガメッシュさんのことは英雄王と呼んでいる。分けているのだろうか。
「さて、二人目を話しましょう。二人目はその......へっぽこでした」
「へっぽこ......?」
「ええ、一般人のリッカの方がまだマシと呼べるほど。軒並みステータスは下がってて、強いて言えば幸運が僅かに上がった程度」
聞いているだけだと幸先が不安だなと思う。
「それにマスターだというのに「女の子を前に出して戦わせるなんて自分が許せない」だとかとにかく危なっかしくて大変でした」
「それってマスター同士の戦いってことですか? 」
「いいえ。サーヴァント相手でも前へ出ようとしました」
それは流石に馬鹿なんじゃないかと思った。
人がサーヴァント相手に勝負を挑む? 無茶にもほどがある。
仮にも相手は幾度の戦を超えたり、逸話を残した英雄たち。
それを相手に現代の人が、それもへっぽこマスターが戦う?
そんなもの蟻が象に単騎で挑むようなもので......
「その反応が当然です。英霊に挑むなど愚の骨頂。愚かにもほどがあります。
それでも、それでも彼は止まりませんでした。──すべての人を救える【正義の味方】になるために」
アルトリアさんはどこか寂しげそうに悲しげそうに言う。
──【正義の味方】、どこにでもある言葉だが、どこかで強く、だけどボンヤリと誰かのイメージが浮かぶ。
「大変でしたか? 」
「ええ、正直蛮族を抑えるより大変だったかと。
タチが悪いことに人をほっとけない体質で、目に映る困っている人全てを助けようとするくらいに善人気質で。なにより自分を大切にしなかった」
あの円卓一同が頭を抱えたという蛮族より大変なマスターさんとは一体なんなのか。
「剣はどれだけ鍛錬を積み、上手くいっても二流止まり、強いて言うなら弓だけは神業でしたが、英雄には遠く、同じ土俵に立つことは不可能。
それでも彼は目の前の超えるべき者たちを越えようとした。
ときには死より辛いときもあったでしょう
──ですがそれでも彼は諦めることだけはしなかったのです」
いつもはそこまで口を開かないアルトリアさんが饒舌に語っているのを見て、私は驚いた。
懐かしそうに語るその姿は一人の騎士というよりも少女みたいで。まさか......
「もしかしてアルトリアさん、そのマスターさんのことが......?」
そう私が言うと「そ、そういったやましいことは特に、特にありませんともええ。必要に迫られて仕方なく、仕方なくしましたが......あっ」と口を滑らせる。
そのあと、アルトリアさんは顔を真っ赤にして、日々の入った壁にトドメを刺そうとするのか聖剣を取り出して斬りかかる。
「それはマズイです。アルトリアさん。いくら口を滑らせて、つい情事を言ったからといって」
そう私が言った直後、アルトリアさんは自分の聖剣を自分に刺そうとする。
「待ってください! 待ってください! 」
「離せマシュ、この恥ずかしさを乗り越えるには死が最も効率がいい。腹を切れば抑止の犬になって感情も綺麗さっぱり吹き飛ぶ。
赤いのとマーリンをみちづれに連れていけないことが心残りだが仕方がない」
必死に取り押えるが私の筋力ではアルトリアさんの筋力には遠く及ばず、なかなか止めることができない。
「離せ! 離せ! 今ならオルタ化も辞さない。──さあ私へ安らかな死を! 」
★
「ぜぇ......ぜぇ......落ち着きました? 」
「ええ、なんとか......」
必死の説得でアルトリアさんはバーサーク状態からなんとか解除された。
「ああ、もう王失格です私。──また聖杯へ願いを求めそうだ」
代わりに目から光が失われ、生気も無くなり、まるで糸が切れた操り人形のように力がない。
「あれ? アルトリアさん、聖杯へ願いってないんでしたよね? 」
確かアルトリアさんは「思うところはあるが悪しきものなら切る」とだけ答えて聖杯への願いは無かったはずだ。
「過去の自分にはありました。もはや黒歴史ですが。それも二人目のマスターのお陰で吹っ切れたというか。──仮にも円卓の一員である貴方には話しておいたほうがいいですね」
少し、話づらいのか、少し話のを躊躇いながら言った。
「かつての私の願いは『王の裁定をやり直す』でした。
ブリテンが滅んでしまったのは私が王に向いてなかったから。他に私より向いていた人物がいたはずだ。──だからやり直して他の人に王をやってもらおうと」
「それは──」
「ええ、それが私を、私を信じてくれた民を、そして円卓の騎士を裏切ることと知らずに」
それでは誰も報われない。
全ての行為が無となって何も残らない。
あまりにも、あまりにも無情過ぎる。
そもそもブリテンは誰が治めても滅亡が約束されていた悲しき土地。
それを長いこと持続させただけでも十分凄いのだ。
なのに滅んだから自分は王にふさわしくないなんて──
「ですが、彼が言いました。『生前の行いが間違えていないなら、やり直しを望むべきではない』
確かに私は未熟な王だったのかもしれません。
結果も散々で多くの人を苦しめたかもしれません。
──それでも私は自分が進んだ王道が間違っていたとは微塵も思っていない。
私は皆に誇れる道を歩んだと思っている。だからその願いは不要だと気付いたのです。
だからこそ私は散っていった者たちのためにも願いを捨てました
ですから彼には感謝が足りません」
そう言ったとき、アルトリアさんの顔は迷いが晴れたようなそんな顔をしていた。
言われた後も相当、悩んだのだろう。
だが、彼、アルトリアさんのマスターはアルトリア自身を許し、その上で叱ったのだ。
君はやるべきことを果たした。悔やむことはあるだろうが立派に王として務めを果たしたと。──だから自分が消えようなんて馬鹿な真似さ決して許さないと。
「こんなところです。二人目のマスターとの関係は」
「失礼ですが、その必要に迫られての部分を詳しく聞きたいです」
本命を忘れるところだった。
私は先輩とイチャラブするコツを聞きに来たんだった。
「そのことですか......言ってしまえば単純で、マスターがへっぽこだったせいで魔力が足りなかったからというのが」
「なるほど」
普通の聖杯戦争では自分の魔力でサーヴァントを養わなくてはならない。
魔力供給、カルデアではカルデアから魔力のサポートがあるからこそサーヴァントは思う存分力を振るうことができる。
もし先輩の魔力だけで養うのならまず私の時点で大幅なステータス低下は免れなかっただろう。
魔力供給には様々な方法があるが、一番てっとり早いのがその......魔術師の精を体内へ取り込むこと。つまり、セックスすることだ。
本人たち両者の同意が必要だが、魂喰いなどを考えれば一番まともなのかもしれない。
「ですが......それだけとは言い難いです。純粋に彼のことは人として好いていました。
危なっかしくも不器用でそれでも前を見続ける姿は母性本能をくすぐるというか......ベディヴィエールなど他の円卓の皆には内緒ですよ? 」
「おお......」
ここまで言わせるマスターとはどんな人なのか実際に会ってみたいと思った。
時空を超えて女性のアーサー王と恋をした少年の物語。
実に実に心そそる王道な物語だ。
だけどどこかで会っているような気がしてしまう。
そういえばアーチャーさんは未来の英霊だった。
そしてアルトリアさんを見るやあの冷静沈着なアーチャーさんがそそくさと退散しようとしたり、気まずい雰囲気になったりというのは多々見ている。──未来の英霊なんて、アーサー王と会うことなんてないのに。
あれ? 【正義の味方】、もしかして──
「アルトリアさん、もしかして──」
「話はここで終わりです。私から言えることはただ一つ。貴方達二人は多くの苦難を共に超えてきた。
ですから絆は固く、貴方の盾のよう。
だから慌てず、ゆっくりとやりましょう。そうすれば互いに自ずと惹かれ合うと思います。
何を止まっているのですサー・ギャラハット。貴方はここで止まる騎士ではあるまい」
話はここに断ち切られた。
ここから先は踏み込んではならない神聖な領域だと私の直感が告げている。
きっとアルトリアさんもそこだけは触れてほしくはないのだろう。──唯一自分を少女として見てくれた少年との運命の物語を。
「では、サー・ギャラハット改めて、サー・キリエライト。行ってきます」
ともあれ何だが心の整理ができた。
慌てることはない。まずはなすべきことをすればいい。
とりあえずゆっくりとアプローチしていこう。
「よろしい。それでこそ私の円卓の一員だ」
「今日はありがとうございました」
そう言って私は部屋を飛び出した。
待っていろ強大な恋敵たち。私の先輩は渡さないし離さない。
やっぱり後輩がナンバーワンだと先輩に教えてやるのだ。
★
「随分と騒がしかったようだがどうしたのかね? 」
マシュが部屋から飛び出した後、色黒の男、アーチャーが部屋へと入ってきた。
「アーチャー、何故」
「何故もあるまい。君の部屋の隣は私だ。壁に嫌な音がしてみて着てみればどうしたらこんなことになるのかね? 」
相変わらず鬱陶しい皮肉。
的確に口で攻撃してくる様はどこぞのケイ兄さんのよう。──こんな風に成長して欲しくなかったのに。
ですがこの男は仮にも彼の理想を追った結果の一つ。
もっともなりやすい未来。【正義の味方】の成れの果て。
「少々どいてくれ。私が直すとしよう。このくらいなら私程度の魔術師でも直せる──投影開始」
静かに告げる彼と同じ起動詠唱。
カチリと歯車が回り始めるような感じがして、やはり彼と同一人物なのだと実感させられる。
「これを直した後、少し私の部屋に来てくれないか? 新作を試していてね、味の感想を聞きたい。報酬はそれにさせてもらおう」
料理が好きで弓兵ってよりは執事の方が性に合っている性格。
そのまま執事として平和な場所で過ごしてくれればいいのにと思ったがそうはいかないだろう。──託された思いを受け継ぎ、走り抜けるために。
「構わないか? セイバーって何をする!? 」
だが、こんなところまで来てしまったことには腹をたてる。
全く、前から自分のことは顧みず、突っ走るだけ突っ走って。
「いえ、ただ一発入れておかないと私の気がすまなくて」
「なんでさ!? 」
彼と同じ口癖。時々感じる彼の面影。
ですがもう違えた存在。──それでも
「わかりました。是非食べさせてもらいましょう。アーチャー、腕が落ちてはいないか? 」
彼は彼なのだ。今は再び共にあることを喜ぼう。
ここまで来てしまったのだから仕方がない。
だから共に走り抜けることくらいはしよう。──元マスターと元サーヴァントととして。
かつて焦がれた少年への思いと共に。
「無論だ。セイバー、胃袋の空腹度合いは十分か? 少々今回は強敵だぞ? 」
これ以上、道を違えさせないために。
少しでも彼の思いが安らぐために。
「私の胃袋を舐めるなよアーチャー。私の胃袋は宝具とすら呼べるだろう」
だから今ぐらいはこうして穏やかに接することを許して欲しい。──それだけが今の私の望みだ。
とりあえず最初から詰んでるブリテン押し付けたマーリンは死ね(直球)ってことで。
FGOから入った人はstay nightもやろう!(ダイマ)
大丈夫! 残りの夏休みが消し飛ぶだけさ