性欲と股間のものがないアインズと性欲あり股間のものもあるシャルティアがどうやって性行為をするにいたるのかを書いたお話。
端的にいうのであれば私自身のなかで浮かんだ疑問を形にしたと言うだけの話。
今まで「シャルティアの日常」と言うかたちで書いてきましたが、アレとはまた違う世界線の話のつもりで書いております。
なので別枠で投稿いたしました。
「アインズ様、私は貴方様を心の底から愛しております。どうか、どうか
「シャルティア、私もお前のことを愛している。後ろなどと言わず。ずっと私の隣りにいてほしい」
お互いに思い合っていたとしても、お互いに分かりあっているつもりでも、言葉にしなければならないことがある。言葉にしなければ伝わらないことがある。
だから二人はお互いの気持を伝えあった。
これは二人が正式に恋人同士となってから幾ばくかの月日が流れた頃の話である。
◇
ナザリック時間で20時の頃、ブラック企業に努めていたアインズの方針で休めるときは休むということになっているため、アインズとシャルティアの二人はアインズの自室で何をするのでもなく椅子に座り寄り添っていた。その穏やかな時間を過ごすのはある意味では二人にとってこれで十分だった。しかしシャルティアはだからこそあることで悩んでいた。そしてアインズもまたシャルティアが悩んでいることに気づいてはいたもののどうすればいいのかわからずに悩んでいた。
面白いことに意を決して切り出したのは二人同時だった。
「アインズ様」
「シャルティア」
二人の声が重なり、そしてお互いにどうぞどうぞと譲り合うそんなはたから見ると間抜けなものの、当人たちはお互いに思い合っての真剣な行為であるため運が悪いと話が全く進まなくなったりしてしまうが、幸いなことに今回はアインズのほうが立場は上であることから、アインズから話を切り出すことになった。
「シャルティア、少し前からお前が何かを悩んでいることには気づいていた。だが何に悩んでいるのかわからず。私にも話してくれないことから踏み込んでいいのかもわからずにいたが、お前の悩む姿を見ていたくはない、私が力になれることならばなんでもするからできれば話してもらえないだろうか?」
アインズのその言葉にシャルティアは感極まって涙を流しそうになると同時に同しようもない罪悪感も覚えた。何故なら自身の抱く悩みとはただの我侭と言っても過言ではないものだったからだ。
しかし、自分のことで心を痛めてくださったアインズ様には打ち明けるべきだと思い、シャルティアはゆっくりと口を開く。
「そのお言葉とお気持ち本当に嬉しく思います。同時に私が抱いている悩みの内容の酷さに、アインズ様になんと詫びればいいのかと……」
「詫びるような悩みとは一体……。お前が話しにくいことであるならば無理には聞かぬが」
「いいえアインズ様、これ以上は貴方様のお心を無駄にお痛めになりたくはないので正直にお話いたします。実は……。アインズ様に抱かれたいという思いが日に日に強くなっておりまして、自身で慰めてみたりもしたのですが身体の疼きが収まらないのです」
シャルティアから打ち明けられた悩みにアインズは、正確には鈴木悟というべき部分が軽いパニックを起こしていた。
(抱いてほしい? 抱いてほしいって何をすればいいんだ!? キス? 唇無いぞ? 指で…いやこの指でやったら拷問にならない? 股間……に骨はない!!)
「それともう一つ」
(まだあるの!?)
「私がアインズ様を気持ちよくする方法がわからないのです」
(あー……)
鈴木悟であったころならば、少なからず性欲もあった。とはいえあまり性欲が強い方でもなかったし、日々の忙しさに追われている内に消えていたりとかで自慰行為ですらあまり経験がない。そして今のアンデッドの身体になってからは激しい感情の類が抑制される影響もあってか性欲はほぼ消滅してしまっている。
(そういえばペロロンチーノさんってエロゲ買いまくってたけど月に数回とかじゃなくて一日何回とかしてたんだろうか?)
目の前の難問から半ば逃れるように、唐突に親友でありエロゲマスターというべきペロロンチーノのことを思い出す。そのペロロンチーノが目の前のシャルティアの生みの親でもあることを考えるとその影響を受けて性豪の可能性はそれなりにあると気づく。
(こっちの世界に来てからずっとNPCたちのこと見続けた今だからわかるけど、思ってた以上に生みの親の影響受けてるっぽいんだよねみんな……)
アインズへの忠誠心に揺らぎこそ無いものの、物の考え方や行動に関してキャラクター設定として書かれていない部分や書かれていてもズレた部分が少なからず存在し、そこを取り上げてまとめて見てみると生みの親たちの影響を受けていたからとしか思えないということが多かったのである。
(わかりやすいのはセバス・チャンとデミウルゴスだよね。あの二人の衝突のしやすさは設定よりも親の影響としか思えないし、セバスはもとから設定がないにも関わらずしっかりとした自我を持っててナザリックに悪影響のない範囲でだと結構人助けとかしてたりするし)
領土拡大しまくった現在だと治安の悪いところにセバスを行かせれば数ヶ月以内に根本から解決して帰ってくるほどだ。それができるのはアインズが許可を出しているというだけではなくナザリックの力がそれほどのものになったからというのもある。
(誰かを助けるための力、たっち・みーさんが現実で一番欲しくて、そしてしたかったことってこれだったのかもしれないな)
アインズの脳裏に次から次に楽しかった日々や皆の顔が浮かび、そしてそれが少しずつ消えていく。
(今ここにいる自分の望みは……)
最初から何も変わってはいない、魔導王と呼ばれ、一部では覇王とまで言われることもあるほどになったが、それはあくまで自分の望みを叶えるための副産物でしかない。
『もう一度、皆に会いたい』という心の何処かで本当は叶うはずもないと思っているその願いを叶えるための副産物でしか。
「アインズ様……」
アインズが気づいてみればいつの間にかシャルティアに抱きしめられていた。
「大丈夫ですアインズ様。『私』はここにいますから……」
優しく、赤子でもあやすような声でシャルティアはそう言う。いつからかシャルティアはアインズの望みに気づき、そしてその寂しさを埋めようと努力を始めた。
それが二人の『始まり』だった。最初の頃はアインズはシャルティアの意図も気持ちもわからずただただ困惑するだけだった。
今のようにシャルティアがアインズを抱きしめたりあやしたりするようになったのはお互いが想い合うようになってからだが、それ以前でもアインズが寂しさを覚えたときなどにシャルティアがそっとアインズの手に触れるなどといった行為をしていた。
それがアインズの寂しさを埋めるためのものであるということにアインズ自身が気づいた時、アインズは自分の中にあったシャルティアに対する言葉にできない思いがシャルティアに対する恋心なのだと理解した。
その後、アインズは気付けばシャルティアの姿を探し求めるようになり、それがシャルティアに対する恋心なのだと理解すると、戸惑い悩み、最後には自分の気持ちに素直になろうと決めた直後に告白されて二人は恋人同士となったわけだが。
アインズのそばにずっとずっといるために、ただひたすらにアインズのことを見つめ続け理解しようとし続けたシャルティアはアインズの気持ちがどう動くのかも見続け自分に対して脈ありと見てからは、さらに押して押して押しまくりたい気持ちを抑えながらアインズの気持ちの整理がつくのを待ち続けていたからというのも理由だった。
想いを言葉にするということ、言葉にせずとも触れ合うということ、その意味をアインズのシャルティアも十分すぎるほどに知っていた。
「シャルティア……。正直に言えば私には性欲というものがない、そしてそれ故にお前を気持ちよくする方法を知らないだがそれでもお前の願いを叶えたいとも思うのだ。私はどうすればいいか教えて欲しい」
アインズの言葉にシャルティアは喜びでまるで花が咲くかのように満面の笑みを浮かべながら「アインズ様のそのお気持ちだけで嬉しくて達してしまいそうになりました」といいそうになったがこの場でその言葉はふさわしくないとギリギリのところで踏みとどまって、アインズの問いに対する答えを返す。
「簡単なことでありんす。二人で気持ちよくなればいいんでありんすよ」
「二人で? いやだからそれをどうすればいいのかわからないのだと――」
「アインズ様には触覚はありんしたよね?」
アインズの言葉を遮るようにしてシャルティアが質問する。そのシャルティアの質問に「あるにはあるが」と答えると。
すっとアインズの手を取り、「少し失礼するでありんすよ」というなりシャルティアのその細い指先がアインズの肘の内側に触れるか触れないかのところに置かれたかと思うとそのままゆっくりと手首に向かって動く、するとアインズはその指の動きとその感触に続々とした寒気のようなだけど寒気とは違う感覚を覚えた。
「な、なんだ……今のは」
「気持ち悪かったでありんすか?」
少しだけ心配げな瞳でアインズのことを覗き込んでくるシャルティアに、アインズは少しだけ驚きながら今の感覚についての言葉を探す。
(気持ち悪い? いや気持ち悪いのではなく今のは……)
「気持ち悪かったわけではないと言い切れるのだが、ではなんだったのかというと形容し難い……」
言葉を探せども見つからず。仕方なしに正直に話してみれば、シャルティアにとってはそれで十分だったのか、「このままもう少し続けるでありんすね」と言って、シャルティアは先程と同じように指先が触れるか触れないかのところに置くと、それを今度は手首の内側から二の腕の内側に向かって行き、そして肩まで行かずに、すっとアインズの肋骨に手を動かしその指を這わせた。
「ふ、あ……」
アインズの口から思わず妙な声が漏れ、漏らした当人も驚いて慌てて手で口をふさぐが、その反応を見てシャルティアはまるで獲物を見つけた猫のような、はたまた悪戯を思いついた子供のような笑みを浮かべていた。
「やっぱり感じてらっしゃいますねアインズ様」
「感じている?」
アインズはシャルティアの言葉の意味がわからず聞き返す。シャルティアはふわりと浮いてアインズの耳元に口を近づけ囁きながら解説する。
「触覚があるということは触れられたりしていることがわかるということでありんす。あとはそれがどの程度の感度なのかということだけが問題だったでありんすよ、例えばそうこんな風に」
耳元で可愛らしい声でささやかれるのがこそばゆいと感じていたところにぬるりという感触とねちゃりという水音が聞こえてきてアインズは再び思いもよらぬ声……つまるところ『喘ぎ声』を漏らしていた。
「アンデッドは感情の抑制がされるでありんすから『性的興奮』は確かにしづらいでありんすよ、けれど全くしないわけでもないんでありんす。こうやって感じさせながら気持ちを高めて持続させればいいでありんす」
シャルティアは説明しながらも、アインズの身体に指と舌を這わせアインズを感じさせ続け、アインズはただなされるがまま未知の感覚に対する困惑と口から漏れる喘ぎ声に羞恥の真っ只中にいた。
過去に激しい怒りが沈静化しきれなかったように絶え間ない快楽と羞恥がアインズの心をかき乱していくがそれが不意にやむ、何事かとシャルティアの方を見てみれば、シャルティアは顔を赤らめか細い声で「アインズ様」とアインズの名を呼びながらゆっくりと服をはだけさせていく。
アインズはそれを見て慌てつつもシャルティアの想いに応えるためにも今すべき事があるはずだと気付くなり、それをすぐさま実行した。
シャルティアの柔らかな唇にアインズの硬い歯が触れる。それがアインズなりのキスなのだとシャルティアが理解するのにさほど時間はかからなかった。
アインズはどれほどの時間そうしていたのかわからないまま、やめ時もよくわからずこれくらいかなというところで思い切ってシャルティアから歯を(本人としては唇を)離した。
そしておそるおそるシャルティアの顔を覗いてみると大粒の涙をボロボロとこぼしながら泣きだし、アインズはそんなに嫌だったの?とショックを受けそうになったが、シャルティアのその顔には笑みが浮かんでいて、それが嬉し泣きなのだと理解する。
「アインズ様……。嬉しすぎても涙が止まらないというのは本当なんでありんすな……」
「そのようだな」
改めて感情豊かなアンデッドというのも不思議な存在だなと思いながら、しかしそうやって激しく心を動かせるさまを羨ましくも思う、アインズはシャルティアを抱き寄せると傷つけてしまわないように気をつけながら自分もされたようにシャルティアの身体に指を這わせてみる。
アインズと同様にシャルティアも声を漏らしピクピクと体を震わせながら、「アインズ様、下も、下も触ってください」とせがんだ。
(下……)
それがどこのことかは流石にわかる。分かるが本当に触れていいのかとアインズはためらう、アインズの指は尖っているが傷つけようなどと思わなければ触れた相手が傷つくことはない、だがしかし、そうだとしてもこれだけ鋭いもので本当に触れて大丈夫なのだろうかという疑問が浮かぶ。
しかし、シャルティアはそんなアインズの心情を察してあえていう。
「アインズ様、アインズ様になら何をされても嬉しいのです痛みでさえも喜びに変わりんす。だから……。私の『大事な場所』に触れてほしいのでありんす」
そこまで言われたら自分も覚悟を決めるべきだとアインズはシャルティアの股間に手を伸ばし指を曲げ秘部に触れる。ぬるりとした感触に驚くもこれが『濡れる』というやつなのかと思いながら、恐る恐るさらに指を進める。くちゅりという音がやけに大きく聞こえた気がした。
最初のうちこそシャルティアを傷つけてしまうのではないかと恐る恐るだったが、傷つくことがないようだとわかるとだんだんと指と手の動きが激しくなっていく。
心臓もない上にアンデッドの特性で感情が沈静化させられるにも関わらず。ずっとないはずの心臓が早鐘のように音を鳴らしているかのように感じる。
アインズはもはや自分でも何をしているのかわからないほどにシャルティの秘部の奥へと指を出し入れしていた。
出し入れを繰り返しているとシャルティアの口からは喘ぎ声が漏れ、その顔は「エロイ」としかいいようのない表情となっていて、それが嬉しくて楽しくて興奮して、もはや気遣うことなども忘れて一心不乱に手を動かし、指を蠢かせる。
その間シャルティアもただアインズにやられっぱなしだったわけではない、押し寄せる快楽と悦びの波に打ち震えながら、アインズに気持ちよくなってもらおうと指と舌を這わせ続け少しずつではあるがアインズが感じる場所を見つけ始め、そこを重点的に攻め始めていた。
アインズもシャルティアも互いに気持ちよくしようとし、気持ちよくもなろうとし、文字通りにその2つの体を絡ませあっていた。
「アインズ様……アイン…ズさ……ま」
「シャル……ティア……」
お互い名前を呼び合いながら二人の心と体は昂ぶっていく、アインズはもはやもどかしいなどと思うこともなく快楽を感じ、アルティアもまた指とは言え貫かれる悦びを知り、互いに高め合える場所を見つけ重点的にそこをいじりあいやがて注ぎあった愛があふれるかのようにひときわ大きな快楽の波を感じると同時にアインズの意識は途絶えた。
どこか遠いところから帰ってきたかのようにアインズの意識が戻る。
「私は気を失っていたのか」
「気を失ったと申しますよりは…気をやったという方が正しでありんすね」
「気をやる?」
アインズにとっては聞いたことない言葉だった。アインズのその反応にシャルティアは少しだけばつがわるそうにしてから。
「つまり……そのイッたということでありんす」
「イッた? イケたというのかこの身で」
もう無理だと思っていた感覚を味わうだけでなくそのまま果てることすらできるとは思っていなかったアインズはただただ驚く、それと同時に、シャルティアはどうだったのだろうかという疑問が浮かび「気持ちよかったのか? イクことは出来たのか?」と尋ねてみると。シャルティアは少しためらう仕草をみせたあとおずおずと切り出す。
「気持ちよかったでありんすがイクのは無理でありんした。その前にアインズ様が果ててしまいましたから」
「そうか……」
「ああでもアインズ様、初体験で一緒に行くっていうのは難しいでありんすよ? 合図も何もなしに声を合わせるのが難しいのと一緒でありんす。経験とかお互いの理解とかそういうのが必要になってくるでありんすから」
初体験で愛するものをイカせれなかったと落ち込むアインズを必死に慰めようとするシャルティア。そんなシャルティアの様子がおかしくて可愛くてアインズは思わずくすりと笑ってしまうと同時に新しい欲望が生まれる。
「シャルティア、経験と理解が必要なのだな?」
「はい」
アインズの言葉の意味を察したシャルティアがうっとりとした顔をする。そして二人はそのまま二回戦へと突入するのだった。
◇
このあと、消滅していた三大欲求のうちの性欲だけ取り戻してしまったアインズがシャルティアとの情事にばかりかまけるようになってしまいナザリック内部で大問題になったりするがそれはまた別のお話。