本編のネタバレがありますので、ご注意ください。
以上を理解した上で、お楽しみください。
呪いに侵された大地の聖霊が倒れ、『鋼』の呪いがゼムリア大陸全土を覆ってから一週間が経った。
黒キ聖杯における決戦で事実上の敗北を喫した第Ⅱ分校の一行は旧Ⅶ組と共に戦場を離脱、ミュゼの指示でオーレリア分校長の手によって奪還された『旗艦パンダグリュエル』へと拠点を移す。
未曾有の危機に瀕した今も彼らの闘志は衰えることなく、事態の対処の為に精力的に活動していた。
……ある2人を除いて。
第Ⅱ分校、Ⅶ組教官リィン・シュバルツァー。彼は仲間であるミリアムを喪い、怒りに呑まれた結果として世界滅亡へのトリガーを引いてしまう。その上、仲間の協力によって窮地は脱したが、切り札とも言うべき『灰の騎神ヴァリマール』を奪われる。
同じく第Ⅱ分校、主計科教官トワ・ハーシェル。彼女は大切な親友の1人であるアンゼリカ・ログナーを喪う。しかもその犯人が、同じく親友と信じていたジョルジュ・ノームだった。
加えて、彼は密かにカレイジャスに爆弾を仕掛け、オリヴァルト皇子、トヴァル・ランドナー、そしてアルゼイド子爵を屠った。
もう1人の親友、クロウ・アームブラストの生存こそ確認できたが、彼がトワのもとに戻ってくることはなかった。
畳み掛けるように襲い掛かる残酷な現実を前に、2人の心はこれ以上無いほどに八つ裂きにされた。幾度もの困難に見舞われながらも決して折れないでいた2人だが、今回ばかりは再び立ち上がることはできなかった。
……そんな2人が、傷を舐め合うように互いを求めるようになるのは、必然だったのかもしれない。
最初に関係を迫ったのはリィンの方だった。それは、トワが彼を心配して部屋を訪れた時のこと。
トワは精神的に限界に達しつつはあったが、当初は気丈に振る舞っていて、時々リィンの様子を見に来ていた。
しかし、完全に心が折れ、現実から逃れるかのようにトワに甘える彼を前にしている内に、彼女自身の心の堤防も決壊してしまう。
互いが互いに依存し、何もかもを忘れてしまいたいと願う。絶望し、弱りきったトワに欲情したリィンが強引に彼女の唇を奪ってからは、早かった。
一心不乱に快楽を求め、堕落していく。毎晩のように体を重ね、淫らに繋がり、片方が吐き出した欲望をもう一方が受け止める。
帝国の現状を憂いながらも、前に進もうとした将来有望な若者の面影は既に無かった。今晩もまた、一時の快楽を貪ろうとトワがリィンの部屋を訪れるのだった。
パンダグリュエル内の兵士用、それも士官向けのとある一室。部屋のネームプレートには『リィン・シュバルツァー』と書かれている。
カーテンは閉ざされ、光源もベッドの近くの小さな明かりのみ。
薄暗い部屋の中、部屋の主であるリィンはトワをベッドに押し倒し、その唇を激しく貪っていた。互いに教官服の上着は脱いでおり、上はワイシャツだけとなっている。
「ん、む、ちゅ、んちゅ……はっ」
トワは、抵抗することなくリィンの唇を受け入れている。リィンが舌を絡めようと彼女の口内に捻じ込めば、少々物足りないような拙い動きながらも、リィンの動きに合わせてくれる。リィンが彼女の舌を吸うたびに、空気を含んだ水音が部屋に響く。
「ちゅむ、ん、んちゅ、じゅるっ……っ、ふ」
時折苦しそうにトワの口から吐息が漏れる。リィンがあまりに強く吸い付くせいで、思うように息継ぎができないようだ。
彼女を気遣って、リィンは唇を離す。混ざりあった2人の唾液が糸を引くように互いの舌から垂れる。僅かな光に反射してキラキラと光る様は、どこか背徳的だった。
「すみませんトワ先輩、少し激しくしすぎました」
リィンが彼女の髪を指で梳く。普段着けているリボンは解かれていて、束ねられていた長髪は扇状にベッドに広がっている。小柄で童顔のトワだが、不思議と髪をほどくと随分と大人っぽい印象になる。
トワはくすぐったそうに目を細めると、ふっと口角を上げる。
「ううん、大丈夫だよ。リィン君が私を求めてくれるんだって分かって、とても嬉しい」
「ほんとですか?」
「うん。だから、もっとしてほしいな」
恥ずかしかったのか、消え入るような小さな声でおねだりするトワ。普段他人に甘えるということをしない彼女のそんな仕草は、リィンの本能に火を点ける。
先ほどよりも更に乱暴に、彼女の口を犯した。
「あむぅうう……! んっ、ちゅうぅ、ちゅぷ、っは、リィっ……ンくっ……ん!」
トワはリィンのうなじに両手を回し、強く抱きしめる。リィンは体重を彼女に預け、より強く唇を押し付けるようにして、彼女の口内をかき乱す。
彼女の舌は燃えるように熱くて、絡める度にリィンの脳髄に甘い痺れをもたらした。
堪らず、リィンは服越しにトワの胸に右手を重ねる。豊満とは言えないが、しっかりと膨らみを感じられるそれを、手のひらで大きく円を描くように撫で回す。
「んむっ……! ふっ……ぁ、ちゅ」
キスで唇が塞がれながらも、くぐもった高い声がトワから漏れる。気を良くしたリィンは口づけを交わしつつ、胸への愛撫をエスカレートさせる。
服の上からでは物足りないと感じたリィンは、トワの服の中へと手を滑り込ませた。彼女のへその上あたりを何度も撫で回し、スベスベな肌の感触を楽しむ。くすぐったいのか、何度か彼女が身を捩らせる。
次第に手の位置を上へ上へと動かしていくと、ブラと思しき布の質感が指先に伝わる。ぴったりと胸を覆うそれの隙間に手を突っ込むと、ぴくりと彼女の肢体が震えた。
「っ……ぁ、ちゅ、ちゅる……あっ」
手のひらに伝わるトワの胸の突起物は、既に固くなっていた。じんわりと汗をかいているのも分かった。突起を手のひらで転がすようにしながら、胸全体を揉みしだく。大きく形を変えることも無いが、その分張りが強く、力の入った指先がふにふにと押し返されるのが心地良い。
「はっ、んちゅ、ちゅっ……あっ、ぁ……ふぅ、んん……!」
今まで積極的に舌を絡めてきたトワの動きが鈍くなる。きっと胸への愛撫による刺激が彼女の集中を乱しているに違いない。
漏れる嬌声も次第に大きくなっていた。リィンは再度、口を離す。
「っ……はあ、はぁ……リィン、くん」
激しいキスと胸への執拗な愛撫を受けたトワは息を乱し、目はトロンと熱を帯びていた。まだ秘所にも触れていないと言うのに、彼女はだいぶ出来上がっているように見えた。
連日に渡って体を重ねてきたせいか、彼女の体はどんどん淫乱になっているようだ。
かつての彼女を知る者が見れば、とても信じられないような光景に違いない。その元凶であるリィンは、あの先輩がこんなにも乱れるなんて……と思いつつも、数日前には知りもしなかった未知の境地を前に、ゾクゾクと背筋が震える興奮を覚えずにはいられなかった。
己の更なる欲望に従い、リィンはトワの服を脱がしにかかる。トワがリィンの手つきに合わせて体の向きを変えたり腰を浮かせたりしてくれたので、脱がせるのは容易だった。
トワの裸体が明らかになる。とても二十歳を超えているとは思えない体型だが、そのギャップが却って扇情的な雰囲気を醸し出す。
初めて裸を見せた時は恥ずかしそうに両手で体を隠していたトワも、今は無防備に胸や秘裂を晒している。呼吸の度に上下する双丘が、とてもいやらしい。
「トワ先輩。とても、綺麗です」
「もう、リィン君のえっち。毎回それ言うんだから」
「はは、すみません。でも、トワ先輩だって人のこと言えないんじゃないですか?」
リィンは彼女の下の割れ目へと指を這わせる。くちゅり、と熱い粘液が絡みついた。それが何を示すかは、彼女が一番良く分かっていることだろう。
「まだ胸を少し触っただけですよ」
「――っ、こ、こんな体にしたのは、リィン君でしょ」
トワは口先を尖らせながら、半目でリィンのことを睨む。少しばかり拗ねてしまったようだ。
彼女の言葉が事実なだけに、反論しづらい。リィンは苦笑いを浮かべるしか無かった。
一方で、そんな彼女の姿にはひどく唆られる。
謝罪の代わりに、リィンは手のひらを彼女の股間に当てて、ゆっくり上下させた。アソコから溢れるヌルヌルの愛液が手のひらに広がり、彼女の小さな豆に緩やかな刺激を与える。
「っ、くぅ、ふぅっ……ん」
女の快楽が集中している場所を攻められたトワは、再び喘ぎ声を漏らす。リィンは、少しずつ手のひらを動かす速度を上げる。湧き出る愛液で滑りを良くするのも忘れない。
「――あっ、あぁぁん……んっ、んんっ……!」
少しずつ、彼女の声が大きく、大胆になる。ビク、ビク、っと時折彼女の腰が震える。手のひら越しでも、彼女の陰核がぷっくりと膨れ上がってきているのが分かるようになってきた。
リィンは中指に彼女の蜜をたっぷりと含ませると、中指の腹の部分で剥き出しのクリを下から上へとなぞった。
「あっ、んんぅ!」
トワは一際強い反応を示し、跳ねるように腰を浮かせた。反射的に両足を閉じようとするのを制して、引き続き指先を動かす。
「ぅ、ふっ、くぅ、あっ……ああっ、はぁ、ふぅ……っ、ああ、あっ、はぁん……」
指の腹で引っ掻くようなイメージで、一定の力で繰り返し愛撫する。下手に強く摘んだり、高速で擦るより、こちらの方が彼女により大きな快感を与えられることを、リィンは数日で積み重ねた経験で理解していた。
「ふぁっ、っ、あっ、ぁ、ぁあ……んっ、ふぅ、ああっ……! ま、まっ、て……わた、し、っ、もう……!」
声が細切れになる。切羽詰まったような、言葉にならぬ声を断続的に部屋に響かせる。
両足を足先に至るまでピンと伸ばし、腰をブリッジでもするかのように大きく浮かせる。両手はベッドのシーツをしっかりと掴み、両目は快感に耐えるようにぎゅっと閉じている。
彼女が、もう間もなく果てるであろうことは明らかであった。
「トワ先輩、もうイキそうなんですか?」
「あっ、あん、あぁぁ、く……っ、ぁ。あぁ、ああ……っ、も、だめっ、ん、んん、ンンゥ――ッ!」
リィンの言葉は半分以上トワの耳に入っていないようで、返事がない。息はどんどん荒くなり、声に加減がなくなる。
優等生の鑑とも言われ、頼れる先輩であり続けたあのトワ・ハーシェルが、口から涎を垂らし、だらしない表情を浮かべ、自身の手で絶頂に達しようとしている。今のリィンにとって、何よりも甘美で、唆られる光景だった。
痛いほどに張り詰め、今すぐにでも彼女の中に突っ込みたいと訴える己の怒張の欲望を抑えつつ、最後の瞬間へ向けて愛撫を継続する。
「あ、あ、あっ、っ、ん、んん、ああぁん、ふ、ん、ア、アア、ン、ンン――ッ!」
力が入らないのか足をガクガクガクと震わせ、洪水のように溢れる愛液でシーツを濡らす。
一瞬の硬直の後、彼女は大きく仰け反った。
「だめ、あっ、イク、イッちゃう、あぁ、あっ、はぁあ、あ、んんっ! っ、っ、あ、あ、くる、くる、きちゃう……アッ、ァ、アァ、イっ……ああああぁぁあああ!」
トワはビクン、ビクン、と幾度も体を痙攣させると、一気に脱力してベッドに沈み込んだ。彼女が絶頂したと理解したリィンは、秘所から指を離す。キスの時と同じように、粘っこい体液が糸を引いた。相当な量が出ていたのか、リィンの手は手首の辺りまで濡れていた。
「はぁ、はぁ……はー、ふー」
未だ呼吸を整えきれてないトワは目元を腕で覆い隠し、口で大きく深呼吸している。愛液だけではなく、彼女の全身も汗ばんでいて、起伏の乏しい体に見合わぬ濃厚な雌の香りを漂わせている。
リィンの方も、我慢の限界だった。服を突き抜けるんじゃないかと思うくらい膨らんだ彼の分身は、体を動かした際の服の抵抗による刺激だけでも強烈な痺れが走る。気を抜くと、それだけで出てしまいそうだった。
トワの呼吸が落ち着くのを待つ間に服を脱ぎ捨てる。固く張り詰めたペニスが露わになった。先端は重力に逆らって上を向いており、亀頭は先走り汁で濡れている。空気に触れているせいで、ひんやりとする。
「……ぁ」
少しばかり平静を取り戻したトワが、目元から腕を外して視線をこちらに向ける。それは明らかに、リィンの男の象徴に集中していた。その視線が熱を帯びているように見えるのも、きっと気のせいではない。
「トワ先輩、俺、もう……」
「……うん、いいよ」
トワの同意を得たリィンは彼女の両足を思いっきり開き、正常位の格好を取る。秘裂が左右に広がり、奥の穴まで良く見える。
リィンはトロトロの彼女の入り口に、先端を宛がう。くちゅり、と卑猥な音が流れる。リィンのそれは巨根という訳でもないが、それでも彼女の穴のサイズと比べればかなり大きい。
事実、初めての時はかなりきつく、トワもかなり痛がっていたが、今ではすんなりリィンのモノを受け入れられるようになっていた。
「トワ先輩……行きますよ」
「……ねえ、リィン君。その前にひとつだけ、お願いしてもいいかな」
「えっと、俺にできることであれば。なんですか?」
「ありがとう。その、あのね……」
言いづらいことなのか、しばらく言い淀むトワ。リィンはひたすら、彼女が次の言葉を紡ぐのを待った。
「……先輩をつけないで、名前だけで呼んでほしいの」
それはリィンにとって意外な言葉だった。同時に、願ってもない言葉だった。
「それは……良いんですか?」
先走って呼び捨てにしてしまうのを抑えつつ、確認を取った。それに対し、トワは小さく頷く。
「では失礼して……トワ。えっと、これでいいですか?」
「……うん。ふふ、なんだか恋人みたいだね。全然そんなことないのに」
自虐的な笑みを浮かべる彼女に釣られて、リィンも苦笑する。そう、互いを想い合ってはいても、これは恋人同士の交わりではなく、単なる傷の舐め合いだということは自覚している。
でも、別にそれで良いのだ。リィンはただ、快楽を貪る獣に成り下がりたいのだから。
「トワ、挿入れますよ」
彼女の返答を待たずに、腰に体重を掛けて肉棒を押し込む。一瞬抵抗があったものの、彼女の膣はあっさりとリィンのイチモツを飲み込んでしまった。
「っ、は、ハァ……ッ!」
挿入れただけで軽く達したのか、トワの中がギュッと締まってリィンのペニスを圧迫する。すんなりと受け入れられるようになったとは言え、それでも彼女の内部はかなり狭い。
動かずとも、その締め付けだけで感じることができる。あまりの気持ちよさに射精しかけるところだった。持ち前の気力でなんとか耐えたが、それもそう長くは保ちそうになかった。
即座に暴発しないように、ゆっくりと出し入れをする。
「ぁ……あん……はっ……っ、あぁ」
先端のギリギリまで引き抜き、根元までズッポリと埋め込む。リィンが腰を動かす度に、トワは切なげに声を漏らす。僅かながらも、リィンの動きに合わせて腰を前後させてくれる。しかし、どこか物足りないのか、彼女の動きがどんどん速くなる。それはあっさりとリィンの快感の許容値を超えてしまった。
腰が砕けそうになるほどの快感を前に、動きを鈍化せざるを得なかった。
「はあ、はあ……っ、リィン君……もっと、激しく……っ、して」
「っ……でも、これ以上速くすると、すぐ……ぁ……」
「それでも、イイ……っ! あ、は、はあ、ぁん、んん……っと、めちゃくちゃに、して……っ!」
トワは腕をリィンのうなじに回し、しがみつくような形で己の腰をリィンの方へグリグリと押し付けた。腰をグラインドさせ、下から突き上げるような動きで、リィンの肉棒を扱く。
「ふぁ……ッ」
ジュプジュプと、空気と混ざりあった粘液が派手な音を立てる。刺激を受ける度に、竿がビクビクと小刻みに跳ねる。トワの淫らな汁でぐちょぐちょに濡れたリィンのペニスが、更に硬度を増す。
「ぁああ、いい、ぅん、そこ……っ、はァ、ァあ、ぁぁぁ……」
彼女は自らの快感のツボを見つけたのか、同じような動きで何度も腰をくねらせる。リィンが激しく動くまでもなく、トワが勝手にどんどん盛り上がっていく。
体勢のこともあり、彼女の動きは激しいと言えるほどではない。しかしそれでも、元々限界の近かったリィンを骨抜きにするには十分な動きだった。
いつの間にか攻守は入れ替わり、リィンは彼女にされるがまま、歯を食いしばって決壊寸前で持ちこたえようとする。が、それも無駄な努力だった。
「うっ、ぐっ、はあ……っ、ァア、が」
滾りに滾っていた己の分身に何度も強烈な稲妻が走る。挿入時は彼女の膣内のざらりとした突起物に撫でられ、外に出ようとする時には吸盤のような強烈な引力で吸引される。
「ぅ……ッ、く……ぁ」
男としてはあまりにも情けない声を漏らしながら、リィンは腰を震わせる。ビクン、と彼女の中で大きく竿を跳ねらせた時、駆け足のごとく射精感が込み上げてきた。
「ぁ、ぁ、トワ……俺っ、出そう……で、すっ!」
「はあ、はあ……うん、出して……私の中に……ちょう、だい……っ!」
催促のあと、トワはリィンの射精を促すかのように抽送の速度を上げた。
リィンもリィンで、中に出したいという欲求に支配されていた。弾けるように腰を振り出し、荒々しく彼女の腰に叩きつける。ゾクゾクと背筋が痺れた。
先端が擦られる度に、脳裏で何度も火花が散る。数段飛ばしで絶頂に向かっているのが分かる。射精直前の、精液が尿道を走り抜ける感覚を感じた瞬間、トドメと言わんばかり彼女の奥へと突き入れた。
爆発したのは、その直後だった。
「あ、くっ、うぅぅァァア!」
「あっ、はっ、はぁぁぁああああァァァ!」
火山の噴火が如く、噴流とも言うべき勢いで精を彼女の子宮へと注ぎ込んだ。2回、3回と肉棒が震えて精液を吐き出す。その量は数回の発射程度では全く衰えない。
「くっ、は、はぁ……ぁぁ……出てる……なかに」
トワは子種を注ぎ込まれているにも関わらず、焦ることもなくうっとりとした様子でそれを眺めている。この瞬間だけは、生が実感出来て好きなのだと以前言われたのを思い出す。一滴も余さないようにと、腰をぴったりと押し付けておいた。
何度も何度も痙攣を繰り返し、ようやく射精が止まった。発射後の倦怠感を感じたリィンは挿入したまま、しばらくそのままでいる。彼女の中からじんわりと伝わる熱が暖かくて、とても心地が良い。
「トワせ、じゃなくてトワ……あまり保たなくてすみません」
「はあ、ふぅ……ううん、気にしないで。私の方こそごめんね? 勝手に動いちゃって」
「いえ……気にしないでください。でも、そうですね。確かに、最初の頃より随分と積極的になってますね」
始めの何回かは、元々の知識量がそれほどなかったせいだったのか、同じく経験が皆無だったリィンと比べても、全体的にぎこちなかった印象があった。それが、今では自らリィンの射精を促すまでになった。
すっかり、セックスにハマってしまっているようだ。
「うっ、それは、その……リィン君は、こういうえっちな子は、嫌?」
「いえ、そんなことないですよ。それに、例えどんなトワであっても、俺は好き……ですよ」
直後、リィンは想いを伝えたことを後悔した。互いを慰め合うだけの偽りの関係なのに、『好き』という言葉にどれほどの価値があるのだろうか。ただ、空しいだけだ。
「……そっか、ありがとう」
「あ……」
しかし意外にも、トワは優しく微笑むだけだった。偽りの関係であることを理解している筈なのに、それでも微笑んだのだ。それはきっと、このまま一緒に堕ちてくれるという証左だ。
沸々と、暗い欲望が胸の内から湧き上がるのを感じた。
「……それにしても、まだ大きいままだね」
トワが挿入されたままの肉棒を見る。それは依然硬度を保っていて、彼女の膣壁を圧迫していた。あれだけ出したというのに、リィンの欲棒は未だ満足していなかった。
不意に、彼女が軽く腰を揺すった。
「……っぁ」
思わず力の抜けた声を漏らしてしまう。射精直後で竿全体がかなり敏感になっていた為、完全な奇襲だった。
「ふふ。今のリィン君、なんか可愛いね。もっとしたいの?」
「からかわないでください。トワの方こそ、まだ物足りないんじゃないんですか?」
今度はリィンの方から攻める。ここ数日で探り当てた、彼女の弱点を竿の先端でつつく。
「ふぁっ……はっ」
彼女の顔が蕩ける。物欲しそうに膣内が蠢き、収縮を繰り返すのが分かった。気を良くしたリィンは、更に腰を振る。
「あ、やめっ……ふっ、んぁ、そこぉ……だめぇぇ」
「くっ、はあ、はあ……。トワ……後ろ向きでもいいですか?」
「ぅん、へい……き。んしょ……っと」
繋がったまま、トワは器用に体を捻って向きを変える。犬のように四つん這いになり、尻を突き出す格好となる。いわゆる後背位だ。
結局のところ、2人ともまだ満足できていないのだ。ほとんど間を置かずして、2回戦へと入る。
リィンはガッシリと両手でトワの尻を鷲掴みにして、乱暴に突き入れる。彼女の腰の動きもある程度コントロールできる分、さっきよりも深いところまで届く。子宮の入り口を、コツコツと叩く。
「ああぁぁっ! あん、ン、ゥウ、っ……ぅぅ、あァァン! それ、イイ……ッ!」
互いの腰をぶつける度、小柄なトワの体が大きく揺れる。腰まで届く彼女のウェーブがかった長髪が何度も宙を舞う。うなじから背中にかけてのラインが妙に艶かしい。
それに、この体位では彼女のアソコに自身の肉棒がずっぽりと咥え込まれている様子がよく分かる。
力を入れやすいよう、前屈みになる。まるで本当に犬の交尾のようだと思いながらも、がむしゃらに腰を振った。天にも昇る快感に、歯止めが効かなくなってきた。
「っ、はあ、はあ……トワ……トワっ!」
「ァア! は、はあ、ハァ、ッ、ィン……くぅん……ァアアアッ!」
何度も、何度も出し入れを繰り返す。トワは弱い部分を突かれては声を荒げ、リィンは敏感な先端を擦られては呻き声を漏らす。
お互いの名前を呼び合い、激しく体をぶつけ合う。性器からもたらされる快感が5倍、10倍と加速度的に膨れ上がっていく。もはや体全体が性器となってしまったかのようだ。
止め処なく分泌される快楽物質が脳を犯し、狂わせる。熱く、煮え滾るものが駆け上がってくる。その欲求に従って、リィンはピストンの速度を最高速までもっていく。
「トワっ、ッ、イきますッ……! トワのナカにっ、出しますッ!」
「出して、ッ、リィンくんの、ちょうだいっ、アァ、アン、アァン、アッ、ンン、ハア、ハァ、ァァアア!!」
ゾワリ、と射精直前の震えが走る。最後に力の限り腰を叩きつけ、奥の奥までペニスを捻り込んだ。
「クッ……出るッ!!」
「アッ、ッッ、ハァッ、ッ、ァ、ァ、ァァアアアッッ!!!」
2度目の絶頂。にも関わらず、放たれた精液の量は1回目のものとほとんど変わらなかった。玉袋に溜まっている分を全て絞り出すかのように、竿が脈動を続ける。
「っ、熱いのっ、なかに……はあ、はあ」
上半身だけ伏せたような格好で脱力したトワは、注がれっぱなしの精をひたすら受け止めている。彼女の小さい膣には収まりきらず、結合部から愛液と混ざった精液がベッドに垂れる。
「ふう、ふう、はあ……」
ようやく射精が収まり、竿から硬さが失われていく。完全に柔らかく前に引き抜くと、トワの膣口からゴポリと精液が溢れた。栓の役割を果たしていたペニスが消えて、逆流しているようだ。
その様子は、とても背徳的で……美しかった。
「はあ、はあ……リィン君。今日も、気持ちよかったね」
「はい、そうですね……」
最後に、軽い口づけを交わした。
これが、今の彼らの日常だ。トールズ出身としての誇りを抱いていたかつての姿はなく、快楽を求めるだけの獣へと堕ちた。そして、それはこれからも続いていくであろう。
どこまでも、どこまでも深く、深くへと堕ちていく。真に世界が終わる、その日まで。
閃の軌跡 BADEND