朝起きたら、トワに男のアレがついていた。慌てふためくトワ。
 
 なんとか周囲にバレないように頑張るも、なぜかどんどんえっちな気分になってしまう。
 
 そしてついに、お風呂で……?


※ネタバレはありませんが、閃Ⅲの4章序盤あたりまでの内容を含みます。ご注意ください。

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ふたなりの新人教官

 私が異変に気づいたのは、早朝のことだった。

 

 いつも通りの時間に目覚ましが鳴り、目が覚める。カーテンから漏れる朝日は眩しかったけど、ポカポカと暖かい。眠気が綺麗さっぱり晴れるような、爽快な朝だ。

 

「んんー……ふう」

 

 上体を起こして、うーんと伸びをする。すっきりとした気分。起床後の伸びって、なんでこんなに気持ちいいんだろう。こうして体をほぐしていると、今日も1日が始まるんだな、って感じがする。普段のトワ・ハーシェルから、教官モードの私へとスイッチが切り替わる感じ。

 

「よし、今日もがんばらなくちゃ」

 

 グッ、と両手でガッツポーズ。これも、私の日課だ。

 

「……ん、んん? なんだろう?」

 

 ベッドから出ようとした、そのとき。なんだか、体に違和感を覚えた。いつもと、なにか違うような感触。それに、体が熱いような気がする。

 もしかして熱だろうか。そう思って額に手を当ててみるけど、大丈夫そうだ。そもそも、調子は悪くない。むしろいい方だ。

 

 じゃあ、なんだろうかと首をかしげるも、全然分からない。気のせいなのだろうか。

 

 とりあえず、着替えながら考えよう。そう思って、再度ベッドから出ようと両足を動かす。その直後だった。

 

「ふわっ……!? え、な、なに……?」

 

 腰が浮くような、甘い痺れ。思わず、両手で口を押さえてしまった。今まで、経験したことのない未知の感覚。完全な不意打ちだった。さっきの声は、本当に自分が出したのだろうか。自分でもびっくりするくらい、はしたない声だった。こんな声、間違っても他の人には聞かせられない。

 

 ただ、違和感の出どころは分かった。

 

「な、なんか、ついてる……?」

 

 下半身、正確には股の間から、異物の存在を感じる。なんと形容すればいいのだろうか。こう、なにかが生えているような……。その謎の異物が、下着を圧迫している。さっきの痺れの正体は、この圧迫感によるものだと思う。

 

 しばらく考えてみたが、よく分からなかった。

 

 とにかく、まずは確認してみよう。もしかしたら、なにかの病気かもしれない。そう思って、下半身を覆っていた掛け布団を外す。

 

 最初に目に入ったのは、寝間着のズボンの股間の部分。まるでテントのように、四角すいの大きな膨らみがあった。明らかに異常だ。自分の身になにが起きているのか、知るのが怖くなる。ズボンとショーツに指をかけたはいいが、そこから先に進むのがためらわれる。

 

「……でも、確認しないと」

 

 様々な葛藤はあった。でも、最終的には教官としての責任感が勝った。

 意を決して、ズボンとショーツを同時に脱いだ。下半身が、丸出しになる。とても恥ずかしい格好だ。だけど、そんなことは些事だ。そう、断言できるレベルの異変が、目の前にあった。

 

「っ、嘘……これって……でも」

 

 目を疑った。それはかつて、性教育の教本で見たもの。女であるトワには、決してあるはずのないもの。列車砲のように長くて、硬そうな、竿状の物体。パンパンに膨らみ、真っ赤に充血した先端。そして胴体部に走る何本もの太い血管。かつてカイ君と一緒にお風呂に入ったとき、生物学的には同じ分類のものを見たことがある。でも、私の股間に生えているモノはそれより遥かに大きく、グロテスクだった。

 

 間違いない。それは、大人の男性のペニスだった。

 

 ここから先はしばらく、どうしていたかの記憶がない。でも、叫び声をあげるのをこらえたことは覚えている。それだけは、そのときの私を褒めてあげたい。

 

 

 

 

 私に男の子のアレが生えている。それが、私の身に起きた異変だった。

 最初は、染色体関連の病気を疑った。でも、その予想はすぐに外れる。原因は、病ではなかった。

 

 アンちゃんのせいだった。

 

 アンちゃんが大陸一周旅行のお土産としてくれた物の中に、東方由来の香木があった。疲れた時の良い気分転換になるだろうと、特に勧められていたものだ。今にして思えば、怪しいくらいに熱心だった。

 それを、昨日試した。念の為、くらいの気持ちで調べたらまさかの大当たりだった。香木の入っていた包みにメモが仕込まれていたのだ。そのメモには、香木の効能が記されていた。

 

『これは東方に伝わる、一時的に女性に男性器を生やす効能を持った香木だ。きっと、未知の体験ができるよ。効果は1日程度だから、安心していい』

 

 一体なにが安心なのか。私は男性器を生やしたいと思ったことなんて1度もない。病じゃなかったのはよかったけど、さっきまで生きた心地がしなかったのだ。本当に、本当に怖かった。

 すぐに連絡を入れたが全く繋がる気配がなく、諦めるしかなかった。次会ったら、絶対に問い詰めようと心に決めた。

 

 目下の問題は、効能が切れるまでの間、どのように過ごすかだった。こんな、顔から火が出そうなこと、誰にも言えないし、誰にも知られるわけにはいかない。知られてしまったら、社会的にもそうだけど、単純に恥ずかしすぎて生きていけない。

 

 最初は、仮病でやり過ごすことも考えた。しかし、それは指導する立場の人間としてはまずい。制服の上からではさすがに気づかれないだろうと思い、通常通りに出勤することにした。

 

 それでも、不安なものは不安だった。一日中、しきりにスカートの裾を押さえたり、丈が気になったりしていた。制服のスカートの短さを気にする日が来るとは思わなかった。

 

 さらに、もう一つ問題があった。痴女だと思われるかもしれないけど……実は、少しばかり、えっちな気分になっちゃっている。具体的には、おち○ちんがムズムズ? ムラムラ? するのだ。

 

 あの香木には男性器を生やす以外に、催淫効果みたいなのもあったんだと思う。時折、頭が熱に浮かされたようにボーっとなるし、気づいたらおち○ちんのことばかり考えていたりする。触りたいという欲求に駆られたことも1度や2度ではない。煩悩を振り払おうと両頬を力の限り両手で叩いたりもした。

 

 それに、当然だけどショーツのサイズが合っていない。だから、とてもきつい。ぎゅぅう、っと締め付けられて、歩いたりする度にぴくっ、ピクン、と淫らな波動がジワリと広がる。くすぐりのような弱い刺激を小刻みに送ってくることもあれば、鞭を打ったような大きな波が襲ってくることもある。そのため、強い刺激で不意に動きを止めてしまうことが何度もあった。はたから見たら、腰をクネクネさせているように見えたと思う。

 

 これらの行動は、周囲には怪しく見えていたのだろう。たびたび、声をかけられては体調などを心配された。あの主任にまで、具合が悪いなら休んだらどうだ、と言われてしまった。気持ちは嬉しかった。でも、私はバレるかもしれないという不安でそれどころじゃなかった。心臓は常にバクバク。手袋の中は、汗で気持ち悪かった。

 

 だけど、私はなんとかやりきった。お手洗いであたふたしたり、リィン君にものすごく心配されたりもした。それでも、私は誰にもバレることなく、本日のHRまで終えることに成功したのだった。

 

 後は、効果が切れる朝まで寮の自室に閉じこもっていればいい。少なくとも、私は寮に戻るまでは、本気でそう思っていた。でも、違ったのだ。本日の最大の試練は業務中ではなく、業務後に待っていたのだ。

 

 気づいたのは、すっかり空が暗くなった夜のとき。私はふと思った。お風呂、どうしようかと。

 

 

 

 深夜。消灯時間は過ぎていて、廊下の明かりは避難などの一部を除いて全て落とされている。そのため、とても薄暗い。まるで、夜中の病院みたいだ。

 

 そんな中、私は足音を立てないように注意しながら、そーっと歩いていた。両手には、着替えの寝間着を抱えている。体のラインを隠すために、ゆったりとしたタイプを選んだ。

 

 私が目指しているのは、1階の浴場。こんな時間に入ろうとしているのは、絶対に誰もいないであろう時間を狙ったから。

 お風呂は、裸にならないといけない。つまり、下半身の男性器を隠す手段がないのだ。もし浴場で誰かと遭遇しようものなら、一発でアウトだ。

 効能が切れる翌朝に入ることも考えたが、明日は朝早くから準備を進めないといけないことがある。それを考慮すると、お風呂に入る時間はなさそうだった。今日、入るしかないのだ。

 

 幸い、分校長の計らいで、お風呂はかなり遅くまで開いている。だからこそ、消灯時間を過ぎるのを待った。ついでに、みんなが寝静まる頃合いを見計らってから、私は部屋を出た。

 

 曲がり角の先に誰もいないのを毎回確認しつつ、先に進む。なんだかコソ泥みたいで情けないけど、仕方ない。そうこうしながら先に進んでると、ようやく浴場の入り口までたどりついた。

 

 ちょっとだけドアを開けて、そーっと中を確認する。よし、誰もいなさそうだ。ささっ、と体を中に滑り込ませてドアを閉じた。ようやく、一息つける。とはいえ、のんびりしていたら誰か来るかもしれない。急いで入浴を済ませてしまおう。

 

 脱衣所に着替えを置いて、手早く衣服を脱ぐ。だけど、残りがショーツだけになったところで手が止まる。お手洗いのときに同じことをしたけど、やっぱり緊張する。

 

 あまり下を見ないようにしながら、ショーツを脱いだ。

 

「っ、ふう……なんだか、ジンジンする……」

 

 見なくても分かる。絶対、ガチガチに硬くなっている。朝を除けばずっと大人しかったのに、夜に入ったあたりから全然自重してくれない。催淫効果は、時間を経るごとに強くなってるみたいだ。相変わらず体は不自然なくらいに火照っている。

 

 チラ、と視界の端の方で下半身を見てみる。先っぽの、ふっくらとしたキノコみたいな部分が見えた。確か、亀頭と呼ばれる部分だ。カイ君のと違って、太いし、皮もめくれちゃっている。たまに、私の意思とは関係なく勝手にピクピクと震えている。まるで、なにかをおねだりされているみたい。

 

 それにしても、やっぱり大きい。というより、大きすぎる。比較対象はないけど、小柄な私には不釣り合いなサイズだ。少なくとも、私の中には……。

 

「って、なに考えてるのかな、私っ!?」

 

 ブンブンと首を振って、よこしまな思考を振り払う。気を抜くと、すぐに思考がえっちな方向に傾いてしまう。きっとこれも、催淫効果のせいだ。このままだと、とんでもないことをしてしまいそうだ。

 

 早く、入ってしまおう。小さなタオルを1枚持って、私は浴場に入った。

 

 ちらりと、気持ちのよさそうなお湯が張られた浴槽を見る。残念だけど、ゆっくり浸かっている暇はなさそう。まっすぐ、シャワーの前に移動した。近くのお風呂用の椅子に、腰掛ける。

 シャワーからお湯を出して、さっそく体を洗い始めた。髪の毛、腕、胸、背中と順番に洗ってゆく。ここまでは、順調だ。

 

 問題は、やはり下半身の男性器だ。羞恥心うんぬんを抜きにしても、洗う必要はあると思う。でも、そのためには、直接触らないといけない。物欲しそうに、脈動するソレを。

 

「と、とりあえず、他のところから洗おう……」

 

 私は誰に言い訳しているのだろうか。ひとまず、男性器以外の部分の下半身を洗う。

 でも、もともと体を洗うのにそんなに長い時間はかからない。すぐに、残りが男性器だけになる。

 

 触ってほしい、触ってほしい、とえっちな波動が強くなる。お腹の奥がチリチリと疼く。そろそろ、本当にまずい。

 

「うう……洗わないと、だもんね」

 

 そうだ、これは清潔を保つためには仕方ないのだ。いわば医療行為と同じだ。やましいことなんてなにもない。気を紛らわせるために、自分にそう言い聞かせた。

 

「ボディソープで、いいのかな……」

 

 手のひらにボディソープを出し、両手で伸ばしていく。視線は明後日の方へ向ける。男性器を少しでも隠そうと、内股で脚を閉じる。おそるおそる、両手を根元の方へと添えた。

 

「っ、すごい熱い……」

 

 冷えた指先をお風呂のお湯につけたときのような、鋭い熱さ。思わず、指を離してしまった。

 もう1度、両手で包むように握ってみる。やっぱり、熱い。それと、片手では覆い切れないほど太い。意外と外側は柔らかくて、指先に力を込めると、ゴムのような弾力が返ってくる。これが、男の子のおち○ちん……。

 

「っ、じゃなくて……洗わないと」

 

 なにを真剣に感触なんて確かめているんだ。なんだか、耳の先まで熱くなってきた。なにも考えないように、無心で洗わないと。今、私が手で握ってるのは、ただの棒。ただの棒なのだ。

 

 やや強めに握り、下から上へと手のひらを滑らせる。ヒダヒダになっている部分は、親指でなぞるようにして隙間をこする。

 

「……ぅ、っ」

 

 微弱な電流が、集中を乱す。無心に……無心でいないと。

 

 親指の付け根の部分が、なにかザラザラとしたものに引っかかった。多分、亀頭の境目の部分まで来たのだ。

 次にそこを洗おう。そう思って、何気なく指でこすった。

 

 その瞬間、腰が大きく跳ねた。

 

「ァ、んんっ!? な、なに……!?」

 

 不意打ちだった。尿意を催すほどの、強烈な刺激。ぎゅっ、と目をつむると同時に、変な声が漏れた。浴場内で、その声が反響する。思わず、誰もいないか改めて確認してしまった。もちろん、誰もいない。

 

 迂闊だった。ココが、こんなに敏感だったとは。もっと、優しく洗わないと。そっと、そーっと指を這わせる。触れるか触れないかの、ギリギリの力加減。優しく、いたわるように親指で撫でる。

 

「っ……ふぅ……ん……」

 

 ゾワゾワっとした刺激が断続的に走る。2度目なので、声は我慢できる。それでも、不慣れな男の子の感覚は私には強すぎる。どうにか刺激を逃がそうと、腰をくねらせる。

 

「ぅ……次は、先っぽの方……」

 

 細かい突起状の部分を終えた私は、いよいよ亀頭の本体の方へと意識を向ける。こっちの方も、きっと敏感なのだろう。慎重に、手のひらで覆う。でも、その慎重さをもってしても予想は簡単に裏切られた。

 

「ぁ……ぅ……あっ!!」

 

 比喩ではなく、腰がとろけた。ただ、触っただけなのに。一瞬感じた、なにかが漏れそうになる感覚。それは一体なにか。

 

 ――快感。

 

 その一言が、頭の隅をよぎる。でも、それだけは認めちゃいけない。認めちゃったら、きっと戻れなくなる。

 

「すぅ、はぁー……」

 

 深呼吸。意識を、呼吸に集中させる。呼吸だけに意識を向けながら、作業的に手を動かす。亀頭全体を揉むように、両手で先っぽを挟みながら丹念にこすっていく。

 

「っ……ん……んぅ」

 

 意識を、呼吸だけに……そう思うも、それは逆効果だった。作業に集中すればするほど、性に対する欲求が高まってくる。先っぽから発するいやらしい波動が、体の奥底まで響く。さなぎが孵化するような緩やかな速度で、本能が理性の殻にひびを入れる。官能的な疼きが、体中を暴れまわる。

 

 深呼吸をしていたはずなのに、いつの間にか息が荒い。吐息が、切なげに漏れる。衝動を押さえ込もうと体を丸める。でも、性器に目を向けていなかったことが仇となった。

 一際敏感な部分を、偶然こすってしまった。腰のモノが、大きく震えた。

 

 ――もう、ダメだ! こんなの、気持ちよすぎる……っ! 我慢なんて……できない!!

 

 亀頭をいじると、誤魔化しようのない強烈な快感が走る。いけないと知りつつ、もっと強い刺激を求めて手の動きが加速する。

 

 1日中、香木の催淫成分に理性を揺るがされていた私は、もう本能に抗う力がほとんど残っていなかったのだ。最後はあっさりと、快楽の前に屈した。

 私の中のスイッチが、切り替わる。トワ・ハーシェルから、発情したメスへと。

 

 気持ちいい。我慢できない。切ない、物足りない、触りたい、こすりたい。そして……出してしまいたい。

 

 出す、ということの意味を正確には理解していない。でも、きっとそれは射精のことで、とても気持ちのよいものだということは察することができた。あるいは、期待しているのかもしれない。

 

 そもそも、今は浴場に私1人しかいないのだ。そして、他に誰かが来る可能性も低い。なら、別に我慢する必要なんてなかったのだ。それに、誰かが来るかもしれないというこの状況は、とてもイケナイことをしている気がして、ドキドキしてくる。さっきまでの不安要素は、たがが外れた途端、一転して興奮材料と化した。

 

 外していた視線をペニスに向ける。ボディソープが塗りたくられ、ヌルヌルで、妖しく光っていた。

 もう、目が離せない。

 

「確か……クロウ君の本では、こう……あっ、ん」

 

 男の子のやり方は、実は知っている。私だって、21なのだ。そこまで初心じゃない。自慰の経験も、ちょっとだけだけど……ある。それに、昔クロウ君から没収したえっちな本を、誘惑に負けてちょっとだけ覗いてしまったこともある。だから、どうすればよいかの知識は、あるのだ。

 

「あっ、ああ……あん、ぁ、ん、んんっ!」

 

 両手で竿をわし掴みにして、ペニスの先から根元までを勢いよくシゴく。ずっと我慢していたからだろうか。頭がおかしくなりそうなくらい、ものすごく気持ちいい。ふわふわと、雲の上に浮いているかのようだ。もっとだ。もっと、欲しい。

 

 握る手に、さらに力を込める。まるで、発情した動物のように自慰行為へと没頭していく。

 

「んんっ、ん、ぁ……っ、ぁ、ああ……!」

 

 ちゅくちゅくと、手に絡んだソープが泡立っていやらしい音を立てる。嬌声が、そこかしこで反響する。それが聞こえる度に、私が今どれだけ乱れているのかが客観的に分かる。情けなくて、はしたなくて……背徳的だ。

 相乗効果で、私の性欲が何倍にも膨れ上がってゆく。

 

「はぁあん、あぁ、あぁん……ここと……っ……ここ……いいっ」

 

 繰り返し両手でペニスをシゴいていると、だんだん気持ちのいい場所が分かってきた。亀頭のザラザラの部分――確か、カリと呼ばれる部分――それと、裏の……スジの部分。

 両手がカリを通るときは親指の付け根が強く引っかかるように、強く押し付けてシゴく。そして抽送の合間に、ときどき指で裏スジをこすってあげる。

 もう、それだけで堪らなかった。この世のものとは思えない、極上の快楽。私は、自分の男の子にますます夢中になる。

 

 まだまだ足りない。この程度じゃ満足できない。アクセルを踏み込んで、ピストンの速度を上げる。

 

「はあ、はあ、ハァ、ハア、アア、ァア……ッ!」

 

 両手の動きに合わせて、腰が勝手に前後へ動き出す。あまりの激しさに、座っている椅子まで一緒に動く。手と腰の2つの動きで刺激を送ることで、何重にも織りなす重層的な快感が絶えず送り込まれてくる。

 

 私の両手を女の膣と見立てた場合、私のしていることは性交と同じだ。セックスと同じ快感を、私は享受している。そして私は女なのに、男のように腰のモノを突き入れ、よがっている。

 

 よく、男の子はえっちだと言われるけど、今ならその気持ちがよく分かる。こんな快楽を経験してしまえば、歯止めなんて効かないに決まっている。

 

 どんどん、動きが加速していく。ますます血は下半身に集まり、より硬く、より熱く滾っていく。

 濁流のように無限に襲ってくる狂おしい快感。閉じていた筈の脚が開き、勝手に真っ直ぐ伸びる。

 指がカリに引っかかる度に、雷に打たれたような電流が走る。腰が、脚が、痙攣する。

 

「ァ、ァ、アア、ンンッ! な、なんか……出そぅ……ッ!」

 

 急激に、ペニスの感度が高まる。そして、根元から熱いものが込み上げてくる。未経験ながらも、絶頂の予感を感じた。

 

 ラストに向けて、めちゃくちゃにペニスをシゴく。同時に、私自身の嬌声にも自制が効かなくなってきた。

 

「ァ、ァ、アア、アンッ、アアッ、ンッ、アアア……ッ、来ちゃうぅゥ……ッ!!」

 

 全ての快感が先端に圧縮される。そして膨れ上がる射精感。水の出るホースの出口を押さえ続け、内部の圧力が限界まで達し、今にも弾けそうな状態。

 

 もうすぐ……出そう。出したい。出したい出したい出したいッ! 出る、出ちゃう、出ちゃうッ!!

 

 寸でのところで理性を働かせて、ペニスの出口を手のひらで覆う。直後、ドクン! と強くペニスが跳ねた。

 

「ァ、ァ、アアッ!! ン、ンンッ! 出る、出るぅッ……ァァァアアアアッ!!!」

 

 宙に浮くような開放感。それと同時に、勢いよく精液を放った。

 

 内部で温められた熱い粘液が、手のひらを汚す。2度、3度と続けてペニスが痙攣する。その度に放たれた精を手のひらで受け止める。完全に射精が終わったころには、手のひらはもうドロドロだった。

 

「ハァ、ハァ、ッ、はぁ、はぁ……」

 

 初めての、射精。意識が、地平線の彼方まで飛んで行ったような感じだった。すさまじい疲労感に、だらんと脱力する。肩で息をしながら、呼吸を整えていく。

 

「はぁ、はぁ……私、しちゃった……」

 

 手のひらに絡みついた精液を見る。恍惚感と、罪悪感の象徴だ。あろうことか、共用のお風呂場で欲情し、自分を慰めた末に達してしまったのだ。しかも、男の性器で。

 冷静になってみると、とんでもないことをしでかしてしまった。教官として、人として、失格だ。

 

 そして、救いようのないことに……。

 

「ぁ……まだ、硬いままだ……えへへ」

 

 今もなお、興奮が収まらないのだ。射精後なのに、ペニスの大きさはいささかも変わってない。

 まだまだ、楽しめる。シャワーで手の精液を洗い流したあと、ペニスの先端を軽くシゴく。

 

「っ、ふっ……そっか、射精したあとって、すごい敏感なんだ」

 

 もう1度、両手で竿を押さえて、ペニスの表面を撫でる。伝わる快感は先程と同じ。だけど、少し物足りなかった。さっきより、もっとすごい快感が欲しい。じゃないと、私の欲望は収まらない気がした。

 

 ……そしてふと、自分の女性器の存在に思い至った。陰核は、今はない。陰核が変化した結果が今のペニスだからだ。だけど、膣は今も残っている。私は、右手で亀頭部分を撫で回しながら、左手を膣の方へ伸ばした。

 

「っ……ぁん」

 

 クチュリ、と水音がした。もう、グチョグチョに濡れている。迷わず、私は人差し指と中指の2本を入れた。吸い付くように膣壁が締まり、私の指は温かい粘液に包まれた。

 

 前戯の必要はない。私は、私の弱いトコを探り当てて、グチュグチュとナカをかき回し始めた。男のモノとはまた違う、女の快楽がお腹の奥から広がる。ピーンと、つま先がまっすぐ伸びる。

 

「ぁあ、あん、んん、んっ……ッ!」

 

 同時に、右手も動かし始める。片手だけだと、ペニスを完全に覆うことはできない。なので、カリの部分を集中的に刺激する。短いストロークで、カリの上を行き来する。

 

「ぅあ、ぁ……ァ、すごぉい、これ、すごく……いいッ! ァ、アア、アアッ!」

 

 男の快感と女の快感が同時に襲ってくる。ペニスをシゴけば悦んだ膣内の締まりがよくなり、指を飲み込む。逆に、指を出し入れしてナカを攻めると、ペニスはビクビクと悦びに震える。

 

 互いの性器が互いを悦ばせ、より感度を高めていく。これは、快楽の足し算ではない。快楽の掛け算だ。常人では決して経験できない、暴力的な快感。私の喘ぎ声に、終わりは来そうになかった。

 

「ァ、ァ、アア、ァァアア、ハッ、ン、ンン、ンァァアア!!」

 

 やがて椅子が邪魔になった私は、直に床に寝転がる。自由になった腰を大きく浮かせ、動きをより大胆にしていく。ただただ快楽を貪ることに集中して、指を動かす。膣からは蜜がポタポタと床に垂れ、ペニスの先端はカウパー液と思しき透明な液体で濡れている。

 

 男と女を同時に感じるという倒錯的な状況に、僅かに残っていた理性ですら快感に溺れていく。大きな快感の波に体をよじらせ、ガクガクと脚を震わせる。

 

 ナカが気持ちいい。ペニスが気持ちいい。淫らな声を出すのが気持ちいい。快楽を我慢するのも気持ちいい。もう、なにをしたって気持ちいいっ……!

 

「ァ……ッ、またっ! またッ、来るッ……! ァ、ア、アアンッ!」

 

 2度目ということもあり、早くも絶頂の気配が漂ってきた。ペニスは急激に膨らみ、2度目の射精に備え始める。膣の内部が短い間隔で何度も痙攣を繰り返し、私の指を圧迫する。本来は、ペニスの射精を促す動きだ。

 

 男の絶頂は、言うなれば刹那の煌めき。ほんの一瞬、全てがどうでもよくなるくらいの、すさまじい快楽が体を突き抜ける。

 

 対して、女の絶頂はゆっくりと昇りつめていく感じ。弱火で煮込むように、ちょっとずつ、ちょっとずつ快感が強くなっていく。それが頂点に達すると、静かにオーガズムに至る。男ほどの爆発力はないけど、長く持続する。

 

 もし、この2つが一緒に来てしまったら、どうなってしまうのだろう。僅かな恐怖と、大きな期待。劣情に支配された私は、熱に浮かされたように一心不乱に2つの性器をいじくり回した。

 

「ッ、ァ! ァッ! ッ、ッ、ァ、ァ、ァ、ァァァ!!」

 

 頭の中でバチバチと火花が弾ける。快感が強過ぎて、嬌声が言葉の体をなしていない。体の熱の全てが、下半身に凝縮されていく。溶岩のように熱く、ドロドロに混ざっていく。噴火の瞬間を、今か今かと待っている。

 

 脚を大きく開いて、正常位の格好をとる。ペニスが近づいたことで、よりシゴきやすくなる。膣口が大きく開いたことで、指が奥まで届く。

 

 握りつぶすくらいのつもりでペニスを握る。摩擦で火が出そうなくらいめちゃくちゃにシゴク。欲望という名の風船に快感が吹き込まれ、膨らむ。膨らんで、膨らんで、さらに膨らんで、パンパンになる。

 まだ、割れない。でも、今にも破裂しそうだ。

 

 膣内の奥の一番弱いトコ目掛けて、親の仇だと言わんばかりに荒々しく指を突き入れる。体の奥に秘めた快感のツボを、炎で炙っていくような感覚。炎の熱がじんわりと外に広がっていく。ぽつ、ぽつ、と気泡が生まれ、次第に数を増やす。

 コトコト、コトコト……グツグツ、グツグツと煮立ってくる。

 

 頭が……真っ白になる。グッ、と全身に力が入る。風船が割れたのが先か、沸騰したのが先か。あるいは、同時だっただろうか。

 私は悲鳴のように嬌声を撒き散らし、大砲のように勢い良く精液を撃ち出した。

 

 

 

 

「ぁ……」

 

 気づいたときには、全身ベトベトだった。お腹、胸、顔、そして髪の毛。その全てに、濃厚な精液が絡みついていた。洗い直さないと、とは思ったけど、今はどうでもよかった。

 

 なんとなく、胸に落ちた精液に目が入った。親指で、すくってみる。ネバネバしている。

 口元まで持ってきて、間近で見てみる。変なにおいがする。興味本位で、チロッと舌先で舐めてみた。

 

「うぇ、にがい……」

 

 あまりおいしくはなかった。

 

「……はあ。私、こんなにえっちだったんだ」

 

 あれだけ乱れておいて今更な気もするけど、やっぱりショックだ。もしリィン君に知られたら、どうしよう。軽蔑されるかな。慰めてくれるのかな。それとも……ううん、これ以上は考えないでおこう。

 2度も射精をしたおち○ちんを見る。さすがに限界なのか、力を失ってヘナヘナと萎えていた。

 

 今度こそ冷静になった私は、息を整うのを待ってから、急いで体を洗う。念入りに精液などの後始末をして、そそくさと部屋に戻るのだった。ちなみに、翌朝にはちゃんとなくなっていた。

 

 

 

 

 それからも、本気で懺悔に行こうか悩んだり、香木がまだ残っていることに悶々としたりもしたけど、それはまた別のお話。

 

 

 

 

 

 

 

 




こんなことも、日々の裏ではあったかもしれません。

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