旅を休止し、それぞれの家路に向かう騎空団。疲れからか、不幸にも青塗りのリヴァイアサンに衝突してしまう……。一部の攻撃を庇い、重症を負ったルリアに対し、物語の主(人公)、騎空団団長・グランが下した決断の内容とは……?



R18初投稿です。なんかルリアの同人が少ないなと思ったのが動機です。とは言え前半は前々からやってみたかったアクションシーンが主です。どうか評価の方をお願いします。感想等で指摘を頂くと今後の参考になります。ウケなかったらウケなかったで……まぁ俺17の非リア童貞だし仕方ないね!(何故18禁を書いているのか)
この作品で抜けたぜっていう方はお気に入り登録して頂くと励みになります!(抜けなくても普通に気に入った方は是非お願いします)

注意:・この作品は原作第90〜97章くらいのネタバレをしています。
・劇中でサルナーンが登場(話の内容のみ)しますが、闇サルナーンの方です。
・ここのグランはジョブがセージでスキンが早漏の一応無課金グランくんです。

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読む前に、一応あらすじの方を先に読んでください……。
それなりに長いので、5分以上時間のない方は読破を避けるか、途中でしおりを挟むのをお勧めします。


命のリンクとヒールオールのデメリット

 

 

「アカシックレコード!」

 

奥義の名前を叫び、金色の杖を振るう。

瞬く間に金色の杖『ニルヴァーナ・トリ』から黄土色の光弾が相手の魔物に向かって発射した。

 

「グギャッ」

 

相手の魔物『エンシェントドラゴン』の腹部に奥義が命中し、古竜は底なしの地へ為すすべもなく落ちていった。

……今日は数が多い……!

エンシェントドラゴンが占めていた空間を埋めるかのように、数体の『ワイバーン』が現れ、襲いかかって来る。

 

今、俺達は騎空挺『グランサイファー』の甲板で、航路に立ち塞がる魔物を撃退していってる。

このような戦闘は冒険を始めてから幾度も経験している。

だが、今回は明らかに数が多かった。

 

「フン、ハァッ、デヤァ!」

 

「ギャウッ」

 

一体、また一体と、ワイバーンを魔法弾で駆逐していった。

魔法を使用した連続攻撃と、キリのない連戦続きで少し目眩がする。

 

「……暑っ」

 

今は白い高級のスーツと分厚くて長いローブを着ている。

当然汗もかくわけで。

戦闘行為を一瞬中断し、額の汗を拭った。

 

「あっ」

 

俺にははっきりと分かった。

背後に忍び寄る『雨切蜻蛉』が、俺の命を刈り取ろうとしていることを。

 

ダンッ! バタッ

 

そしてそのことで命を落とすことなんてないことを。

 

「グラン、あんまよそ見すんなよー」

 

銃声の発生源の方を見やると、ドヤ顔するラカムがいた。

 

「ありがとう、ラカム」

 

左手を大きく振って、無事を伝えた。

 

それにしても、やはり凄い技術だな。

左手で操縦桿を握りながら、右手だけで50メートルも離れているであろう雨切蜻蛉を、ラカムは当然のように狙撃した。

それも、少しでも誤射したら俺に当たるという状況下でだ。

その技術はラカムの実力だけでなく、俺達との長い冒険の中で築かれた固い絆が成せる技だということを改めて実感する。

 

他の団員達ともみんな冒険の中で固い絆を結んでいる。

その団員達もグランサイファー各部甲板で魔物退治に奮戦していた。

そろそろ止めを刺さないとキツイか。

 

 

みんなの実力はこのレベルの魔物達くらい容易に仕留め切れることは重々承知しているが、10分も応戦していると流石に疲れる。

ので、ラカムにこの戦闘へのピリオドを打つ為の提案をする。

 

「ラカム、ちょっといい?」ブンッ

 

「ん?なんだバニーちゃん」

 

え?は?バニーちゃん?

それは今俺が着ている『セージ』のジョブの装飾を見て言ってんの?

 

「俺はバニーちゃんじゃない、グランです!」

 

ついムカついて敬語で訂正を求める。

というか、何故敬語になったんだろう?

するとラカムは、遠目からでも分かるくらいのにやけ面を見せ、

 

「オレハバニーチャンジャナイ、グランデス!」

 

腹立つ口調で発言を真似てきた。

低俗な煽りのくせに、やけにムカつく……!

 

「そんな言い方はしていない!」

 

「ソンナイイカタハシテイナイ!」

 

あ、これ面倒くさいパターンだ。

とりあえず今はラカムはほっといて戦闘に集中しよう、うん。

すると程なくして、

 

「あー、悪ぃ悪ぃグラン。

何の話だっけか?」 ダンッ

 

殆ど反省の情を込めていない謝罪と共に、ようやく俺の名前を言い、提案を聞く姿勢を見せてくれた。

 

「面舵90度転舵した後、みんなを魔物を引きつけた状態で右舷甲板に集めてくれないか?」

 

一箇所に魔物達を集めて一気に召喚獣で仕留める。

単純な作戦だが、操舵室からグランサイファー全体にスムーズに号令できるラカムの協力が不可欠だ。

 

「いや、そんなめんどい作戦よりも、もっと楽にやれる方法があるぜ」

 

「え?どんな?」 ブンッ

 

首を傾げながらワイバーンを一体仕留めると、

 

「出番だぜティアマトォ!」

 

ラカムが思いきり叫び、彼の隣に何処からともなく小さい乱気流が発生した。

乱気流はすぐに収まり、そこから一人の美女が現れた。

俺が初めて戦った星晶獣『ティアマト』だ。

 

「ティアマト、魔物を全部縛ってくれ!」

 

ラカムが頼むと、ティアマトはコクンと頷き、三ツ首の竜を召喚した。

ティアマトはやはり、完全にラカムを相棒としているのが見て取れる。

ティアマトが両手を掲げると、それに呼応した竜達が魔物達に向かって風のネットを作って放った。

面白い具合に全ての魔物がネットに絡まり、奴等は全く動けなくなった。

 

「うし、んじゃ一発派手にやりますか!」

 

ラカムが気合を入れると、ティアマト本体が風のケーブルを作った。

風のケーブルが風のネットに連結される。

ティアマトがラカムの銃『ベネディーア』と同化し、風のケーブルが銃口に接続された。

 

「そういうことか!」

 

ようやく俺もラカムの行動が理解出来た。

改めてラカムのドヤ顔を見るが、表情は真剣そのもので。

 

「弾の嵐に飲まれちまいな!

テンペスト・ピアース!」

 

銃口から一発の弾丸。

ケーブルを直進し、分岐点でバラバラに砕け散る。

砕け散った弾丸の破片がケーブルの各進路を進んで、それはいつのまにか燃え盛る炎の弾に変化していた。

炎の弾丸が全ての魔物に命中すると同時、ティアマトがベネディーアとの同化を解除する。

 

「グッジョブ、ティアマト!」

 

ラカムとティアマトがハイタッチ。

だが、

 

ダァンッ

 

操舵室からの狙撃音が。

恐らくシルヴァさんの狙撃だ。

 

「ティアマト、ラカム!

まだ数体生きてる!」

 

二人のいい雰囲気を壊すのは申し訳ない。

ここは、俺達が止めを刺そう。

 

「船首に集めるぞ!

ティアマト、魔物を集めてくれ!」

 

ティアマトは今度は頷きもなくラカムの指示を了解した。

三頭の竜が咆哮し、残りわずかの魔物が暴風で一気に掻き集められた。

 

「ありがとう、止めは俺達が刺すよ」

 

「後は頼んだぞ、グラン、ルリア!」

 

ラカムと見えない遠距離のバトンタッチ。

直後に俺の胸から透き通る程綺麗な水色の髪が出てきた。

そのまま白いワンピースの女の子がぴょこんと飛び出る。

 

「ルリア、行くよ」

 

俺が己の身体から飛び出た少女の名を呼ぶと、

 

「はい、行きましょう!」

 

元気な返事と共に、可愛い顔を見せてくれた。

 

俺が左手を差し出し、ルリアも右手を出して、繋ぐ。

彼女の胸の宝石とリンクする感覚を得る。

白銀の竜の姿を思い描き。

そして発する俺とルリアの二人だけの能力。

 

「「バハムート!」」

 

眼前に赤い鎖で身体の各部位を封じられた白銀の竜『プロトバハムート』を召喚した。

 

「お願い、バハムート」

 

ルリアが指示を出すや否や、バハムートは口の鎖を破壊。

ガバッと開かれた口に光が収縮されていく。

そして咆哮と同時に眩い光線が数体の魔物に放たれた。

魔物達は遺言の鳴き声も出せずに光線に掻き消されていく。

しかしバハムートは上手いこと船首に光線を一切掠らせなかった。

 

戦闘が終わったのかと団員達が駆け寄ってくる。

 

「みんな、お疲れ様!」

 

団長として、船全体に聞こえるくらいの大きな声で労いの言葉を。

例え雑魚の相手でも、誰がいつ命を落とすかわからない。

それが空の掟だと重々承知しているから。

だから、精一杯笑顔で叫んだ。

 

「グラン!お疲れ様でした!」

 

横を向くとルリアが右手を大きく上げていて。

 

「うん、お疲れ!」

 

それに応えてハイタッチをした。

 

 

 

 

「少しでも負傷した人は、俺のところに来てください」

 

俺が呼びかけると、程なくして2、3人の団員が来た。

恐らく今回の戦闘でもう少し多くの負傷者が出たはずだが、その人達は自身の回復スキルがあるのだろう。

目の前で並んでるのは回復スキルがない人だった。

ニルヴァーナ・トリを両手で構え、静かに詠唱する。

 

「ヒールオール」

 

現在の俺のジョブであるセージの特殊スキル『ヒールオール』。

セージでなくても、伴侶系統のジョブが使う回復スキルだ。

大抵のヒールオールは、使用者の体内にある魔力回路から使用武器を通して治癒魔法を対象に拡散する方法を使っている。

治癒魔法を相手の傷口に押し付けて治しているのだ。

 

だが、俺は違った。

俺のヒールオールは味方への『治癒魔法攻撃』ではなく、味方への『細胞の活性化』だ。

治癒魔法をぶつけるのであれば、外傷の、皮膚や筋肉の浅い層の治癒しか出来ない。

でも細胞の活性化は細胞の中から活性化させることによって傷害を内部から治療することができる。

それに免疫力を高めるので、微量のリジェネ効果が期待できるのだ。

ただ、自身も活性化するので使用中は感覚がとても敏感になる。

細胞の活性化と言えどとどのつまり魔法だので、精神がすり減らされると言うデメリットも孕んでいる。

 

「ふぅ、終わったよ」

 

団員の回復が終了し、自室に戻ってようやく一息つける。

 

キィィ……バタン

 

「あ、おかえりなさいっ、グラン」

 

部屋に入るや否やルリアが出迎えてくれた。

 

「ちょっと疲れたあぁ」

 

ベッドに向かって全力ダイブ。

何度もこの身を優しく包んでくれた感触が心地良い。

汗で濡れていくことに罪悪感を覚えるほどだ。

 

「今日は凄い多かった……」

 

「そうですね、私も戦闘に参加したかったです」

 

「いやいや、最後に一緒に全滅させたじゃん。

十分にみんなの役に立ってるよ」

 

今回の戦闘について、二人で話し合う。

今日グランサイファーはちゃんと開拓された安全な航路を進んでいた。

それなのに、あの魔物の数は少しおかしい。

グランサイファーが七曜の騎士無しに空域を越えたからだろうか。

せっかくの帰郷なのに気分が悪くなる。

 

俺達の騎空団は星の民の島『イスタルシア』を目指して旅をしている。

その過程で今いる『ファーダ・グランデ空域』から『ナル・グランデ空域』を渡ることすらした。

そこで、『イデルバ王国』と『レム王国』との騒動に巻き込まれたが、無事に解決して、またファーダ・グランデ空域に戻ることが出来た。

そして一度騎空団の冒険を休憩することにしたのだ。

欲を言えば、もっと先へ進みたい。

でも、流石にみんな疲れた。

なので、グランサイファーで各島を周り、各団員にも故郷でひと時の休息を取らせているところだ。

 

「もうすぐですね、ザンクティンゼル!」

 

「うん、ルリアは楽しみ?」

 

「もちろんです!

また美味しいご馳走をいっぱい食べる為に、今日は何も食べてません!」

 

マジかこの少女。

ただでさえ大規模なこの騎空団の食費の1割を消費するルリアが、断食だと……?

反動で晩餐が食器ごとヒュゴォォと吸われていかないか?

うちの島の備蓄は十分か?

 

「まぁ、ほどほどに……な」

 

ほらもう顔がじゅるりあになってるよヤバいよ!

ザンクティンゼルへ降りる団員達が餓死しないことを祈るばかりだ……。

 

 

ポォォォ

 

船笛が鳴った。

どうやら着いたみたいだ。

 

 

 

 

「うし、係留完了っと。

忘れ物するなよ」

 

ラカムがザンクティンゼルに降りる団員達に呼びかける。

全員準備は万端だ。

 

「それじゃ、残りの団員をよろしく、ラカム」

 

ザンクティンゼルで降りる団員はサラ、アイル、オイゲン、ルリア、そして俺だ。

グランサイファーにはあと十数人の団員が残っていて、それらは全員ポートプリーズ群島で降りる。

 

 

「おう、任せとけ!」

 

いつもの返事が返ってきた。

それはいつも全く調子を変えないが、だからこそ信頼できるわけで。

 

「あー、それとだ」

 

プラスアルファ

 

「カタリナやビィがいないからってお二人さん、行き過ぎるなよ」

 

……だいたいラカムは一言余分だ。

反射的にルリアの所在を確認する。

……オイゲンといっしょに集会所に向かったようだ。

ルリアも歳頃なんだからよしてくれ。

そう言おうとした時には、既に彼は操舵室に戻り始めていた。

今度ティアマトに「ラカムの視線は常に胸にいってる」と教えてあげよう。

 

 

グランサイファーがザンクティンゼルから離島するのを見送って、集会所へ向かう。

振り返ると目の前にアイルがいた。

その少し奥にルリアも。

何か言いたげな表情だ。

なら、オイゲンとサラよりもゆっくり集会所に行くとしよう。

 

アイルが言うには、俺がこの島でしていた修行を教えて欲しいとのことで。

そういえば、我流の修行を父さんの手紙を貰ってから長いことやっていたな、と思い出される。

かつてのエルステ帝国出身のユーリが行なっていた訓練の倍はハードだろう。

あの時はビィもたまに手伝ってくれたっけ。

 

『ビィ』というワードから、先刻のラカムの発言が思い起こされた。

ビィとカタリナさんは今は灼熱と鍛治の島『フレイメル』に滞在している。

カタリナさんは武器や鎧に休息を与えたいとのこと。

ビィはカタリナさんに「私に癒しをくれ♪」という暴行により、今頃は籠手の餌食になってるだろう……。

つまりはビィは拉致られたのだ。

再び会う時にはビィは脳が剥き出しになってる気がする……。

彼の身体的危機も理由の一つだが、やはり里帰りさせてあげたいという気持ちもビィを連れて来たかった理由の一つだ。

 

カタリナさんもルリアの一番の保護者として同行して欲しかった。

しかし、今回の休暇は個人の意志を尊重することにしている。

カタリナさんがルリアと距離を置くと言い出したのは初めは驚いたが、カタリナさん曰く「ルリアには君がいるから何ら心配はいらない」そうで。

それを言われて素直に嬉しかった。

心の底から嬉しかった。

だから、カタリナさんとの一時離反を許可した。

ビィにはリンゴを沢山土産に持って帰ってあげよう。

 

 

雑談を三人で交わしている内に集会所へ到着した。

先に着いていたオイゲンとサラに合流する。

 

「おいグラン。俺達は来るのがちと早すぎたみたいだぞ。

誰もいやしねぇ」

 

オイゲンの言う通り、今は誰も来ていない。

まあ、アポなしだし当然だろう。

 

「そうだね、うーん……どうしようか」

 

「団長さん、私この島の皆さんとお話したいです」

 

そう主張してきたのはサラだった。

サラはよくルリアと一緒に遊ぶ可愛げな姿を見れるから、同行してじっくり眺めておきたい。

 

「よし、じゃあサラの提案に乗ろう。

みんなで村長の家へ向かおう」

 

そう呼びかけるも半数は許諾の表情を見せない。

アイルとルリアだ。

 

「ちょっと待て。

俺との約束が先だ。

団長の修行を教えてくれ」

 

「そうですよ、アイルさんの言う通りです。

私もグランの修行見てみたいです!」

 

アイルの言い分も分かる。

アイルは後で一緒に山まで同行してもらおう。

だが、ルリアがアイルの意見の方につくのは珍しいな。

ルリアとサラは二人で一セットのようなイメージがあったから意外だ。

サラも少し驚いた表情をしている。

 

「ルリア、サラと一緒じゃなくていいの?」

 

「はい、今日はグランとずっと一緒がいいんです。

……ごめんねサラちゃん。

旅を再開したらまたいっぱい遊びましょう」

 

何故かはわからないが、決意は固いようだ。

ルリアは一度決めたことに対しての執念が凄まじい。

既に決心したようだし、もうテコでも動かないだろう。

 

「うん、わかったよルリアちゃん。

じ、じゃあオイゲンさん、一緒について来てくれませんか」

 

「おうよ。それじゃ夕方くらいにここで集合って感じでどうだ団長」

 

「うん、そうしよう。

村のみんなに宜しくね」

 

というわけで、俺とルリアとアイルは山へ修行に、オイゲンとサラは村長の家へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

「何も今泣く必要はねぇだろ……」

 

小型砲のようなサイズの銃を担ぎながら歩く一人の老兵は一人の純真無垢な幼き巫女を慰めていた。

 

「だ、だって、グスッ……。

ルリアちゃんに、あん、な風に嫌わっれ、るなんて思いもしなかった、もん」

 

普段は年齢とやや不釣り合いな程丁寧な敬語で話す彼女が、年相応の口調で嘆いている。

 

「いやだから嫌われてねぇって。

そりゃ嬢ちゃんの悪い思い込みだ」

 

対して老兵は、同じ慰めをただ延々と繰り返すしかなかった。

苦笑いを繰り返すうちに、顔が段々と引きつってきている。

 

「団長さんも、一緒に、してく、れなくて……スンっ。

私、そんなにダメな子なの、かな……」

 

ある決意をした老兵は慰めるのをやめた。

 

「……なぁ嬢ちゃん、聞いてくれ」

 

銃を置き、真剣な表情になった老兵を見た巫女はふと泣き止む。

老兵は一つの真実を告げることにした。

 

「サラはグランのこと、好きか?」

 

すると、すぐに巫女は頰を赤らめ、

 

「えっ!?

…………好き、です」

 

恥ずかしげに返事をした。

 

「そうかそうか。

そんだら、ルリアのことは好きか?」

 

聞くや否や、表情を変えて肯定の頷き。

そこまで聞いて老兵は表情を少し曇らせる。

 

「俺にはアルルメイヤのような能力はないが、嬢ちゃんの気持ちは読めたぜ」

 

「ち、違うんです!

別にルリアちゃんに怒っているわけじゃないんです!」

 

しかし老兵が読んだことはそれではなくて、

 

「グランへの好きとルリアへの好きは違うんだろ?」

 

難解な問いに巫女は首を傾げたが、しばらくして理解したのか、両手で紅潮した顔をガバッと隠す。

 

「……ルリアちゃんにも言ってないんです。

内緒にしてください」

 

「安心しろって!

秘密はちゃんと守るからよ」

 

老兵はニヤッと笑ったが、少ししてまた表情を曇らせた。

 

「んまあ、えーっと……なんだ。

俺が何を言いたいかというとな」

 

少し気分に余裕ができ、少し下を向く老兵を覗く巫女は、

 

「ルリアもサラと同じようにグランが好きなんだ……」

 

予想だにしなかった真実を告げられた。

巫女の全身が砂像になる。

涙は、出ることはなかった。

老兵もまだ早かったかと後悔する。

二人は第三者による衝撃を食らわないと、恐らく動かないだろう。

 

 

ドンンッ!

 

しかしその衝撃は唐突に、且つ物理的に発生した。

 

「何だ!?」

 

「山崩れ?」

 

老兵と巫女は瞬時に発生源を見る。

発生源は恐らく山の裏側だ。

 

「オイゲンさん、あの山ってもしかして……!」

 

「ああ、グラン達がいる山だ!」

 

二人はほぼ同時に山に向かって駆け出した。

二人はつい先の話題なんて覚えていない。

仲間の恋愛事情と命のどちらが大事なんて、

 

「急ぐぞ!」

 

「はい!グラフォスも準備をお願い!」

 

火を見るより明らかだからだ。

 

 

 

 

 

 

 

あー、やらかした……。

完全に油断していた。

妨害スキル『ミゼラブルミスト』を詠唱しながら後悔している。

パワースポットや曰く付きの場所でのルリアは、地雷扱いだということを完全に忘れていた。

こういう場所でビィがいれば、ルリアが祠に不用意に触る前に「おい何やってんだ!危ねぇ!」って注意をしていて、こんなことにはならなかったのに。

 

「は、はわわわ……」

 

「はわわ、じゃねえ!

早くなんとかしろ!」

 

アイルがキレるのも分かるが、修行に熱中していた俺らもあまり怒れないぞ。

 

「とりあえず、今は俺達だけでなんとかしよう!

オイゲンとサラは多分もう少ししたら来る!」

 

ルリアが勝手に触った祠からあんなに大きな衝撃を起こして現れた敵だ。

遠くからでもきっと気付いている。

 

「お願い、リヴァイアサン。

起こしてしまったことは謝りますから、落ち着いてください!」

 

ルリアが相手の星晶獣『リヴァイアサン』に呼びかけているが、効果がない。

いや、よく見るとリヴァイアサンではない。

オリジナルより一回り大きな巨体、全身を覆う硬くて綺麗な青い鱗。

リヴァイアサンの上位互換、言うなれば『リヴァイアサン・マグナ』だろうか。

 

「ギシャア!」

 

咆哮と共にリヴァイアサンの口から超高圧の水柱が放たれる。

水柱もとい、水の光線がアイルを襲う。

だが、アイルは抜群のフットワークでことごとく躱していった。

むしろ徐々に己の拳のレンジまで迫っていく。

 

「ルリア、一度リヴァイアサンを鎮めよう。

ギルガメッシュを召喚する!」

 

ルリアに手を差し出す。

 

「分かりました。召喚、行きます!」

 

手を繋いで、イメージで像を描く。

 

「「ギルガメッシュ!」」

 

眼前に神速の英雄王、『ギルガメッシュ』を召喚した。

 

「お願い、ギルガメッシュ」

 

ルリアが命じると、ギルガメッシュはすぐさまルリアを手にすっぽりと収めた。

同時に俺は彼の髪に捕まる。

 

ドゴォン!

 

アイルの一撃が命中したようだ。

鈍い音が鳴り響き、リヴァイアサンが少し仰け反る。

 

「今だ!」

 

アイルの合図を受け、ギルガメッシュは剣を持った。

そこからは何も見えない。

それ程までに、彼の神速は速いのだ。

ルリアは彼の手で守られてるし、俺は髪の毛を命綱のように巻いていたので安全に神速を体験出来た。

 

瞬きすると、ギルガメッシュが消失した。

ギルガメッシュは既に攻撃をし終わったようだ。

彼の身体が全てルリアの胸の宝石に吸い込まれた刹那、リヴァイアサンに幾千もの剣閃が光った。

その全てがリヴァイアサンを斬りつける。

 

「ギシュアアア!」

 

今度こそは大きく仰け反り、その巨体を地面にぶつけた。

 

「修行の続きと行くかァ!」 ゴッ

 

すかさずアイルが追撃をぶち込む。

 

「俺も負けてられないな!」 ブンッ

 

こちらもリヴァイアサンに迫りながらニルヴァーナを振るう。

徐々にリヴァイアサンのもがきが弱くなっていく。

……もう少しだ!

 

「そろそろです!頑張ってください!」

 

少し後ろのルリアに応援されて、俄然やる気が出る。

 

「「うおおおおおお!」」

 

二人のラッシュが激化してきた。

轟音が周りの音を掻き消していく。

 

「……い!……ン!」

 

え?今なんて言った?

ラッシュ音しか聞こえないので、ルリアが何を言っているのか分からない。

少し距離を取り、ルリアの方を向こうとした。

が、失敗した。

 

「っ!?これは何だ?」

 

俺達の周りに謎の破片が浮遊していたのだ。

 

「あ?何だこりゃ?」

 

アイルも同じ感想を言い、追撃を止めて大きくバックステップ。

この破片は何なんだ?

いや、これは見覚えがあるぞ。

確かエルステで……見た、ような……。

 

「スケールショット……」

 

ルリアの呟きが聞こえた。

ああ、そうだ、これは鱗の弾丸『スケールショット』だ!

瞬時に背に嫌な汗が噴き出る。

この攻撃はこんなに距離が近いと避けられない!

アイルはなんとかなるかもしれない。

だが、俺は被弾するかもしれない。

それに、何よりルリアは絶対避けられない。

 

「ルリア!防げ!」

 

全力で叫ぶ。

全速で庇いにいく。

全方向から鱗の弾丸が襲ってきた。

 

「っ!ゴッドガードブローディア!」

 

ルリアは両手をこちらにかざし、防壁を召喚する。

星晶獣『ゴッドガードブローディア』を召喚すれば、より安全に攻撃を防御出来る。

だが、全く持って時間が足りない。

なのでルリアには、防壁だけを召喚させた。

 

ルリアの隣に滑り込んだと同時、防壁が展開された。

直後、鱗が防壁に命中する。

 

ズガガガガ!!

 

凄まじい音が響くが、防壁が壊れる気配はない。

俺も両手を防壁にかざしてルリアを支援する。

ふとアイルの方向を見ると、彼はノーガードで回避に徹底していた。

流石だ。一発も当たっていない。

 

「ダメーッ!」

 

「え?」 ー

 

よそ見をしているうちに、斬られた。

確かに人が斬られる音がした。

俺が敵を斬った時に聞く、皮膚や筋肉や臓器が斬り刻まれた音。

すぐ近くで聞こえた。

俺が斬られた。

……俺が斬られた?

痛みは感じる。だが、よろめかない。

防壁も消えていく。それなら俺じゃん。

腹部をチラッと見る。

白いスーツは綺麗なままで。

なら、俺は斬られていない。

じゃあ、誰が斬られた?

 

「ルリアアアアアアッ!!!」

 

ルリアが斬られた!

防壁の死角から斬り裂かれた!

なすすべも無く倒れた!

白いワンピースが真っ赤に染まっている!

悲痛な顔をしている!

スクランブルエッグのようになった内臓が丸見えだ!

 

「ヒールオール!」

 

本気で詠唱した。

俺の口からも血が流れる。

俺にもヒールオールをかける。

汗が鬱陶しい。

だが今は拭う暇なんて無い。

 

俺の痛みはすぐ引いた。

だが、ルリアは今絶対に痛い。

だって凄く感じるんだ!

命の繋がりが断たれそうな感覚なんだ!

ルリアには死んで欲しくない!

 

「速く塞がれ!」

 

自分で発動している魔法に何を言おうが速度は変わらない。

だからって、叫ばずにはいられない!

 

「ぐぁっ、テメェ!」

 

アイルの悲鳴も聞こえた。

被弾してしまったのか。

でも今は彼にヒールオールをかけるという気にはなれなかった。

何としてでもルリアを治す。

その意志に全身が支配されているのが分かった。

 

「ギリュシュアア!」

 

リヴァイアサンが復帰したのも分かった。

咆哮をしたということは光線がこちらに来る。

ルリアを連れて避けないと。

だが、身体がオブジェのように動かない。

ヒールオールすることは出来ている。

ただ、何故かそれしか今は出来なかった。

光線が放たれ、こちらに迫ってくる。

 

「……ダメかッ」

 

そして光線が俺を死に追いやった。

 

 

はずだった。まだ俺は死んでいない。

目の前の人が、俺達二人を守っている。

 

「サラか!助かった!」

 

砂神を操る幼き巫女、サラだ。

砂神『グラフォス』が展開する堅牢な防壁が3人を完全に外部の攻撃を防ぐ。

 

「おうおうおう、何嫁のコスプレしてんだおい!」

 

遠くから怒号と銃声が響いた。

命中したのか、光線が消えた。

防壁が崩れてそのままグラフォスが形作られる。

 

「オイゲン!ありがとう!」

 

「礼はいいから、ここは任せとけ!」

 

オイゲンが撤退を促す。

 

「でも、2人だけじゃ」

 

「勝手に1人抜くな!」 ドゴッ

 

聞き覚えがある鈍い音。

アイルはまだ戦闘続行出来る状態だった。

 

「団長さん……お願いします」

 

サラが何かを訴える。

 

「何を!?」

 

「ルリアちゃんを連れて下がってください。

戦えない状態でここにいると……その、邪魔です」

 

珍しく辛辣な言葉で撤退を促された。

一旦ルリアを見やる。

なんとか皮膚の表面の傷は全部塞がり、ダメージを負ったようには見えないくらい回復した。

ヒールオールを中断し、ルリアを背負った。

 

「ごめん!皆、後は頼んだ!」

 

「「おう!」」

 

「死なないで!」

 

「ハッ、さっき死にかけた坊主が何言ってやがんだ!」

 

そこからは彼らの声は聞こえなくなった。

全速で下山。自宅を目指す。

今は思考をやめろ!

ルリアを助けることだけを考えるんだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ったく、さっきの攻撃痛ぇじゃねえか!」 ゴッ、ドゴッ

 

少年は自分に痛手を負わせた巨龍を憎んだ。

その所為だけじゃない。

大事な仲間を傷つけられた。

それだけでも、十分に少年の闘気は満ちた。

 

少年はもう、孤独を愛する狼なんかじゃない。

 

 

 

「よくも……ルリアちゃんを……」

 

巫女は静かに激昂した。

傷つけられたのは、恋敵。

関係を把握した時は、微かな憎しみさえ生まれた。

 

「お願い、グラフォス……」

 

だが今は、ひたすら彼女の無事を祈った。

二人のうちのどちらかが死ぬと、もう片方も死ぬという『命のリンク』の性質を知っているからではない。

 

彼女の優しさが喜ばしい悲劇を拒んだのだ。

 

 

 

ダァンッ

 

新調されたロングレンジライフル『AK-4A』が巨龍に向かって火を噴く。

 

「グァゥン」

 

巨龍は水のベールをその身体を覆うように展開した。

急所を狙った弾丸が水の障壁に掻き消される。

老兵は落胆することなくAK-4Aを真上に構えた。

 

「ほんとお前にはつくづく縁があるなぁオイ」

 

老兵は苦笑し、巨竜との思い出に浸る。

巨竜は老兵の愛娘の命の恩人であり、そして、姿を変えた妻だったのだ。

なので、他の星晶獣と対峙するのとはまた違った心持ちになって。

 

「いや、でもお前は格好が似てるだけで何ら関係はないよな」

 

そう、目の前のリヴァイアサン・マグナは家族と何の関係もない。

それどころか、第二の家族を傷つけた。

それは到底許されることじゃない。

 

「頼むぜ……アルテミシア」

 

AK-4Aの引き金が引かれる。

発射された弾丸は弾ではなく、竜だ。

オリジナルの『リヴァイアサン』が顕現して。

 

「喰らっちまいな、リヴァイアサン!」

 

老兵は竜に水の障壁を壊させた。

障壁の形成にエネルギーが必要なのか、壊された巨龍は地に身体をぶつける。

 

「今だお前ら!畳み掛けるぞ!」

 

老兵が仲間に号令を掛け、それぞれが奥義を放つ。

 

「技の名前でも叫んでみるかぁ……?

デッドリー・シン!」

 

「グラフォス、どうか私に力を!

テラ・イラエ!」

 

「こいつが母なる海の怒りだァ!

ディー・ドラッヘン・カローネ!」

 

直後、黄土色の爆発が周囲を包んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……だいぶ走った。

周りには懐かしい緑がいっぱいだ。

まともに物を考えられなくなってきている。

息が絶え絶えになる。

ルリアが瀕死の状態だったためだ。

命のリンクにより互いの命を共有している以上、互いのダメージもある程度は共有される。

お陰で腹部が内側から煮えるように熱い。

 

「ルリア、起きてくれルリア!

……何で意識が……ッ」

 

さっきから覚醒してくれる兆しがない。

もう一度足を止め、ルリアを降ろす。

 

「ヒールオール!」

 

……ヒールオールを掛けても掛けても、目を開けてくれない。

 

「中で直接内臓に当てられたら……」

 

ルリアは俺の体内に同化する能力を持っている。

同化している途中の段階で結合部はどうなっているのかはよく解らないが、臓器に直接触れることは出来る。

……はずだった。

俺がやっても、ただルリアにボディーブローをかましてしまうだけだった。

俺からルリアに同化することは無理なのか。

 

「…………中にあなたの手を入れたらいいんですか?」

 

「っ!?ルリアっ起きてくれたか!」

 

ついにルリアが目を覚ましてくれた。

だが、俺の腹部はまだ痛いということはダメージは消えきってない。

さっきの発言が脳内で復唱される。

 

「君の内臓を治したい。

どうすれば直接触れる?」

 

「それなら、私から入ります」

 

ルリアが俺の両手を掴み、彼女の胸に触らせる。

 

「えっ、ちょ、それは流石にマズイって」

 

治療だからって触診の権利の乱用すぎる。

 

「大丈夫、です。

貫通していきますから」

 

あ、本当だ。

両手は音も立てずルリアの胸を貫通した。

そのまま肋骨の感触を確かめる。

 

「ん、んぁっ」

 

「ルリア?痛むのか!もう少し辛抱してくれ!」

 

ん?いや待てよ。

内臓の破損箇所は殆ど治っている。

この状態だと普通に生活する分には問題ないレベルだ。

 

「ルリア、他にどこが痛む?」

 

視線をルリアの顔に向ける。

苦悶の表情を浮かべている。

頰を赤らめ、辛そうだ。

 

「くっ、どうすれば治る……」

 

 

瞬間、ルリアが俺から距離を取って俺の両手を身体から抜いた。

 

「えっ?何、で……」

 

そこで気付く。

彼女の服が最早肌を隠す機能を失っていたことを。

背負って走った振動でほぼ脱げていったのか……。

今ルリアが身に付けているのは手足の金具と胸の宝石付きの金具だ。

ぶっちゃけると、小ぶりで可憐な乳房が露わになっていて……。

 

「…………っ」

 

「あああっ、ごめん見てない見てない!」

 

すぐさま180度反転。

我ながら世界一分かりやすい嘘をついたな……。

……くそっ、さっきの光景が頭を離れない。

何をやましいことを考えるんだ俺は!

ルリアは今苦しんでいるんだぞ!

 

……苦しんでいる?

気付くと腹部の痛みは消えていて。

ヒールオールのリジェネ効果で治ったのか?

 

「もう、大丈夫です……」

 

すぐ後ろからルリアの声が聞こえる。

 

「そ、そうか!なら良かった」

 

反射的に振り向いた。

それがまた命取りになるとも知らずに。

 

「!いやっ、全然大丈夫じゃないって!」

 

大丈夫っていうのはダメージの方だけだったか!

服装的には全く持って大丈夫じゃない。

歳相応の胸を両手で隠すだけだったらダメだってルリア!

 

「ッ、ブラインド!」

 

自分に視力妨害スキル『ブラインド』を掛けた。

これでしばらくは何も見れない。

 

「これだったらルリアと向かい合って話が出来るよ」

 

「あ、あの……私言いたいことが……」

 

はい、分かっています。

不慮の事態の所為とはいえ団員に粗相をしました。

取り繕う気はありません。

 

「……何でしょう?」

 

思いっきり敬語口調だ。

そして来る蔑みの言葉が、

 

「ごめんなさい!」

 

なかった。謝罪の言葉がやってきた。

 

「何で!?謝るのは俺の方じゃ」

 

「そうじゃないんです。

さっきまでのこと、全部私が仕掛けたんです!」

 

え?え?え?

何を言っているかわからない。

 

「と、とりあえず順を追って話してくれるかい?」

 

「はい……。

アイルさんが修行に行きたいって言った時からです」

 

まだよくわからない。

目の前でルリアはジェスチャーしながら説明しているかもしれないが、ブラインドの効果はまだ続いている。

 

「この山でしようってグランが言ってましたよね。

実はこの時から、星晶獣の気配があったんです」

 

何だって?そんなに早くから気付いていたのか?

 

「そして修行中に居場所を見つけて……。

それで、わざと起きてもらったんです。

攻撃もあの時は私でも避けられたかもしれません。

でも、わざと庇ったようにしました」

 

「ちょ、ちょっと待ってくれ!

何でそんな危険なことを?」

 

正義感が強いルリアでも、危険な攻撃をわざと庇うのはおかしい。

一体何の意図があって?

 

「……ルリア?」

 

返事がない。ルリアは本当に何がしたいんだ?

 

数瞬ののち、肩にルリアの手が置かれた。

 

「グランがきっとこんな風に助けてくれるから、わざと攻撃を受けました。

皆に討伐を任せて、安全な場所まで運んでくれるのも、解っていました」

 

「いや、だから何で」

 

俺の発言が止められた。

顎を持ち上げられ、口を塞がれた。

そして、唇に暖かいものを押し付けられた。

 

「…………」

 

それらのことが余りにも急で、且つ視認できないので反応が出来ない。

 

「ぷはっ……」

 

唇への圧力がなくなってルリアの声が聞こえて、初めて自分が何をされたのかを理解する。

唇への圧力源は、ルリアの唇だった。

俺はルリアに接吻されていた。

 

「もっとあなたの側にいたかったからです!」

 

突然泣き噦るルリアの声が聞こえて。

だが、口調はそれなりにはっきりとしていた。

 

「サラちゃんと同行しなかったのもそう、私がグランを、独り占めしたかったからです!

アイルさんも修行中はあまり周りが見えないから、チャンスだと思ったんです!」

 

疲れが出ているのか、熱弁されてもよくわからない。

 

「私はあなたより命のリンクの能力を使いこなせるから、あなたの気持ちも分かっていたんです。

でもあなたは、団長だから……皆を平等に見てきた」

 

俺の気持ちが分かっていた?

 

「本当は私達、相思相愛……です、よね?」

 

……そのことか……。

ああ、俺はルリアが好きだ。

でも騎空団は、俺とルリアだけの団じゃない。

何があっても、平等に接するべきなんだ。

 

「でも私、それは嫌になってきて……。

グランが遠くの存在になったら、好きでいてくれないんじゃないかなって……」

 

段々と、ルリアが元の謝罪の話から脱線していってる。

でも、それを指摘する気分にはなれない。

 

「だから、置いていかれた時に後悔がないように、今のうちでもあなたにより近づきたいって!思って……」

 

やめてくれ、そんな話は聞きたくない。

 

「今日がチャンスだと思ったんです。

でも、こんな酷いことになるなんて、思っても見なくて!」

 

再びルリアの泣き声が聞こえる。

同時に、自身に掛けていたブラインドの効果が切れた。

目の前に下を向いて泣いているルリアを見つけた。

 

「ルリアっ!」

 

「えっ?なっ、んむっ!」

 

さっきのお返しだ。

思いっきりルリアに抱きつき、口づけをする。

数分前に感じた、暖かい感触。

それが、俺の心を抉る。

 

「………………っ」

 

今度は俺の方からゆっくりと唇を離した。

 

「ごめん、ルリア。

俺からも謝らせてくれ。

ルリアの気持ちを蔑ろにして本当に済まなかった!」

 

抱きつく手に自然と力が篭る。

ルリアも俺の背中にそっと手を添えてくれて。

 

「……もう一度、キス、してもいいですか?」

 

消え入りそうなルリアの声。

彼女の本当の気持ちに気付かなかったら断っていただろう。

だが、もう知ったのだ。

 

「決めたよ、ルリア。

俺は団員全員に平等に接することを、もうやめる」

 

ルリアだけは、一番大事に接する。

一番の愛情をぶつけてやる。

 

ルリアの要望に応えて、再度口づけする。

それもさっきの唇と唇を当て合うライトなキスではない。

 

「んっ、むんっ!?くちゅ……んぁむ、あ……っ、はぁ……れちゅっ……んぱっ!」

 

舌を絡めた愛するもの同士の接吻、ディープキスだ。

いざしたらしたで、やらしいなこれ……。

 

「俺は、君の気持ちに全力で応えたいと思う。

もし少しでも嫌なら、遠慮なく拒絶してくれ」

 

最後に保険をかけてみる。

今ルリアに求められたら、引き返せる自信がないから。

 

「ううん、あなたの全てを下さい。

……私も、全てを……あげたいから……」

 

そう言ってルリアはボロボロのワンピースを脱ぎ捨て、己の秘部を露わにした。

もうここまで来ると、絶対に引き返せない。

ルリアだけに恥ずかしい思いもさせたくない。

なのでこちらも泥がついた白いスーツズボンのファスナーに手をかける。

が、そのとき一つの疑問が浮かんで、手が止まった。

 

「一応聞くけど……そんなやらしいことどこで覚えたの?」

 

好奇心旺盛とはいえ、独学で学ぶ機会などなかった筈だ。

誰だ、純真無垢な少女に入れ知恵したのは?

 

「えっと、グランのことで相談してて、その時に教えてもらいました」

 

「どこの誰にだ!?」

 

「い、イングウェイさんに……」

 

あんの絶倫クソジジィが!

今度合流したときには、空域開拓班に移ってもらおう。

 

「だから、こんなことも知っています……」

 

そう言ってルリアがこちらのズボンのファスナーを下ろし、素早い手つきで脱がす。

「恥ずかしいからやめてくれ」と言いたいが、ルリアはもう既に全裸なのだ。

抵抗する権利はない。

だので俺はローブを取って上のタキシードも脱いだ。

 

「グラン、立って下さい」

 

言われるがまま立つ。

ボクサーパンツのゴムを掴まれたそれは一気に下に降ろされた。

 

「えっ、そんな……何で棒になってないんですか……?」

 

全裸になった俺の下のモノに疑問を投げかけられる。

 

「そりゃ、ちょっと前まで戦闘中だったし、今でもまだ動揺してて萎縮してるからだよ……」

 

好きな相手に己が勃たない訳を説明する。

これ以上の辱めはないだろう。

 

「えっと、こうすれば良いですか……?」

 

そう言ってルリアはそっと俺のモノをしごき始める。

手に持つモノの感触を確かめながら。

 

「うっ、うぁ……」

 

思わず声が漏れてしまう。

今、目の前で乙女座りをする想い人が俺を想って淫行をしている。

その事実が俺のを一気に昂ぶらせて。

いつしか、ルリアの手に収まりきれない程大きくなっていた。

 

「大きくなって来ましたね……。

ふふっ、可愛いです」

 

ルリアがしごきながら立ち上がった。

……いくら気持ちいいからって、こんなに大きくなるのか?

己の剛直を見やり、自分自身で戦慄する。

するとルリアが、

 

「グラン、ちょっとごめんなさい」

 

唐突の足払い。

更に、バランスを崩したところに彼女の全重量が乗る。

 

「ちょ、危な」

 

当然のように倒れてしまった。

ルリアは一体何を?

ルリアの方を向くと眼前にいやらしくなってきたルリアの顔が。

 

「今度は私が……んんっ……ちゅっ、はぁ……ちゅぷ♡」

 

ディープキスをやり返された。

ルリアの舌を伝って甘くて熱い唾液が入り込んでくる。

 

「んごくっ……んぅっ!?」

 

ルリアの唾液を飲んだと同時、再び己をしごかれて。

倒れた状態で踏ん張ることが出来ず、モロに快感を感じてしまう。

 

「ぷはぁ……えっと、次は確か……んしょ」

 

口と俺のモノでいやらしい水音が立ってきて、ルリアはパッと口と手を離した。

そして仰向けの俺に跨って180度反転した。

俺の杖が快感を求め上下にビクンビクンと動く。

 

「?……ルリア?

一体何を……ああっ!」

 

ふぅっと温かい吐息がモノに当たる。

 

「恥ずかしいけど、失礼します」

 

そして、ピチャッという音が下腹部で鳴った。

俺のそこが、ルリアの口の中に迎え入れられた。

何だこれ?気持ち良すぎて、どうにかなりそうだ……。

 

「はぁ……んむ、ちゅぷ♡……ちゅっ、んふぅ、ちゅるる……んんっ♡」

 

ルリアの口淫はどんどん速く、深くなっていく。

その度に腰が前後に小刻みに震える。

 

「あ、ルリア!離れて!

んあっ、これ以上はマズイ!」

 

限界が近づいている。

今すぐ止めて離れてくれないと、出てしまう。

 

「?……ふぁひはひゃふひんへふは?」

 

口に含まれながら、モゴモゴと喋られる。

口内の振動がモロに伝わり、より発射が促されて。

 

「……ぅぁ、離、れて」

 

右手をルリアの肩に、左手を鎖骨に当てて力の限り引き剥がそうとする。

瞬間、左手とルリアの胸が連結された感触を得た。

……今のは一体……。

 

「あっ、はむっ、ちゅっ、……ちゅるる、はぁんっ♡んじゅるる、れろっ……じゅるりゅ♡」

 

ちょ、その勢いはマジでイ

 

「っ……あ!ああっ!」

 

止めることが出来なかった。

純真無垢な少女、しかも意中の女の子の口の中に精を解き放ってしまった。

精通ではないが、ルリアと出会う数週間前以来だ。

出る量も尋常ではなくて。

それをルリアはゴクゴクと喉を鳴らしながら全部飲み干した。

 

「んぷっ……はぁ♡

これ、オパールエヴィに合いそうな味ですね!」

 

……マジで言ってんの?

絶対寿命縮まると思うよ?

 

「も、もういいかなルリア……。

もう多分暫く勃たない……」

 

さっきまで威勢の良かったそれは、今はまるでサルナーンのようだ。

 

「いえ、まだ策はあります!」

 

そう言われて手を握られる。

急に脳内に像が描かれた。

 

「セイレーン!」

 

少し離れた場所にあるルリアの宝石から、セイレーンが召喚された。

 

「はっ!ルリアまさか」

 

気付いた時にはもう遅い。

目の前がピンクに染まる。

セイレーンの攻撃による魅了効果を喰らってしまった。

 

「さあ、もう遠慮しないでください。

もっと……私を求めてください」

 

魅了状態で俺まで淫行に及んだら、どうなるか分かったもんじゃない。

理性をしっかり保つんだ!

今にも勝手に動き出しそうな手を必死に抑える。

 

が、

 

「やっぱり、私の我儘はやりすぎでしたか……?」

 

天使のような彼女の悪魔のような呟きが聞こえて。

 

雄としての本能が、理性を喰らい尽くした。

華奢なルリアの両脚を持ち、秘裂を顔にぐいっと近づける。

 

「っひゃぁっ!グ、グラン!?」

 

悲鳴が聞こえたが、もう止めない。

改めて考えてみろ。

相思相愛なのに、男の方が行為に及ばないなんて失礼だろう?

 

そして、口づけをした。

口づけと言っても、俺は下の口へキスをしてやったのだ。

 

「ふあぁぁあぁん♡」

 

ルリアのとても可愛く淫らな声が漏れた。

もっとしてやりたいという衝動のままに乙女の入り口を舐め回す。

その度にルリアは快楽から逃れようと腰を跳ねさせた。

……逃がさない。

両脚から手を離し、日焼けを知らない尻をホールドした。

 

「ひぁっ、うんっ♡お尻ぃ……」

 

胸と大差ない大きさの両尻を大胆に揉みしだく。

それは、面白い程に柔らかくって。

 

「あっ、ダメェ……ひゃうんっ、はぁーっ♡あんっ♡」

 

甘い声を漏らした彼女はもう一つ漏らした物があった。

それが今俺の口内に広がっている。

ルリア特製のメープルシロップだ。

 

「……お漏らしちゃった?」

 

「グランの……えっち」

 

先に仕掛けた子が何を言ってる。

全く可愛いなルリアは。

そんな可愛い彼女特製のシロップを製造元から舌を入れて味わうことにした。

 

「あっ、ああんっ♡吸っちゃ、あっ……また出、ちゃいっ……まあぁっ♡」

 

止めどなく溢れ出てくる。

美味しい味がするし、可愛い反応が見られるから、いつまでも続けたい。

 

「ーっ♡」

 

言葉にならない声を叫んだルリアの秘部から、スプラッシュのような愛液が俺の顔目がけて飛んできた。

それで一時製造はストップした。

シロップサーバーはヒクついて淡い桃色に充血していた。

 

「はぁっ♡はぁ、やり返しです」

 

やり返し?だからまだ暫く勃たないって

 

「えっ、もう勃ってる。

これは……セイレーンの魅了効果が」

 

成る程、単に欲情させるだけじゃないのか。

反り返りそうな竿を包まれ、水音を立て、擦られる。

 

「ここはフニフニなんですね♡

はぁむ♡……ん、ちゅぷ♡れろ……ちゅ♡」

 

二つで一つの玉をしゃぶられる。

まるでデミグラスソースのかかったミートボールを美味しそうに食べるかのようだ。

出したばかりで敏感になったそこがビクンと震え、また射精が促される。

また、イカされる……!

 

「んっ?は……あぁ♡そんな、指なんてぇ♡」

 

こちらもルリアの敏感な穴にゆっくり指を挿入する。

ぐっちょりした愛液が指にまとわりつくが、構わず弄ってやる。

女の子の最も弱い突起にも指を当てて、撫でるように擦る。

 

「あ、ああぁ♡お豆っ、お豆ダメェエ♡はぁあんっ♡」

 

甘い声を上げるルリアが愛おしくて。

幾らでも弄ってしまう。

指を離して再度むしゃぶりついた。

それと俺の竿が吸われたのは同時だった。

 

「っ……ぅあっ」

 

「はぁああああぁあっふぅぁぁん♡」

 

二人同時に盛大にイった。

俺は精を解き放ち、ルリアは蜜を垂れ流した。

互いの器がいやらしく汚れてしまうが、これはこれで妙にそそられる。

 

「綺麗にしないとね……はむっ」

 

「あっ、あなたのも綺麗にしないと……へへ……。

はぁっ……んっ……ちゅぷ、ちゅる……♡」

 

互いに恥部を舐め合い、残液を味わった。

俺がルリアの下の口から舌を離した後もルリアはまだ続けていて。

唾液でヌラヌラにコーティングされた俺のモノがヒクついている。

 

また直ぐに勃つだろうと思っていたが、隆起する途中でセイレーンの魅了効果が切れてしまった。

先程までの勢いが一気に失われた。

 

「はわわ……ど、どうしましょう?」

 

「本当に暫く回復を待たないとダメかも……」

 

試しにルリアがしごいてみるが、勃起どころか快感さえ感じない。

それと対象に、ルリアのそこは俺の愛撫を待ちわびるかのようにグチョグチョに濡れていた。

セイレーンが再召喚可能になるまで待たないといけない。

 

「回復……ポーションとかエリクシールではダメなんですか?」

 

「いやダメに決まってるでしょ」

 

エッチを戦闘に見立てるんじゃない!

そんでもってエリクシールとかで勃ったりしたら、実際の戦闘に集中出来ないから!

いや、エリクシールがダメでも他の回復手段……。

あるかもしれない……。

 

「ヒールオールなら、いけるかな?」

 

生命力を直接向上させるヒールオールなら、あるいは……。

 

「……ヒールオール」

 

自身の下半身に直接掛けてみる。

先刻の戦闘と撤退の際に生じた乳酸が除去された。

そして俺のモノの疲労も多分抜けた。

 

「ルリア、もう一回頼めるかい?」

 

ルリアは頷き再び竿を包んでいやらしく擦った。

するとどうだ、瞬く間に威勢を取り戻したじゃないか。

 

「わぁ!やりましたグラン!

それじゃもう一回舐め合」

 

「もっと先まで進もう、ルリア」

 

「えっ?」という彼女の返事が返ってきて。

イングヴェイも流石に最後までは教えなかったんだなと少し安心した。

 

「もっと先って何ですか?

私達いけるところまで行けましたよね?」

 

「いいや、まだだよ。

後一つやっていないことがある」

 

勝手かもしれないけど、今度はこっちから行こう。

ルリアは確かに『私に全部ください』と言ったのだから。

乙女座りでしごいてくれたルリアを肩を押して倒した。

 

「ひゃあ!いきなり何するんですか!」

 

何をするって?

それは、セックスだよ……ルリア。

 

「もう、挿れるから」

 

そう宣言して己を、ゆっくりとルリアの純潔へと押し込んでいった。

 

「え……あっ……」

 

さっきは愛撫をする度に乱れたルリアも全く想定外だったのか、動揺しか出来なかった。

クチュリと水音が鳴ってすぐに一度挿入が停止された。

ルリアが生まれて一度も破られることのなかった本当の乙女の純潔。

 

「これを破ったら、本当に元の俺達には戻れない。

これが最後だ、行くよ」

 

この事を理解するのに数秒かかったルリアはこれ以上ないくらい顔を赤らめて、

 

「はい、グラン……。

あなたの為なら、全てを捧げます」

 

そして優しく微笑んだ。

 

許容の言葉を聞いて、俺は一気に押し込んだ。

ズプズプっと音を立てて奥へ奥へと進んでいった。

純潔の証が俺の挿入を阻んだが、無駄だ。

プツンと破った感触を得た。

その刹那、もうルリアの最奥まで到達していて。

 

「うっ……ぬぅっ、くっ」

 

ルリアが苦悶の声を上げる。

そりゃ仕方がない。

視線を下げて互いの結合部を見ればわかる。

愛液ではない体液が流れ出していた。

 

本当に俺が初めてを……。

俺もルリアに初めてを……。

世界で最も淫らなギブ&テイクをしたことを実感する。

その途端一気に何かが俺を支配して。

何かとは。いや、何かじゃないな。

 

「ふぅーっ、ぁ……ああ♡」

 

俺の杖がとろけるような熱に締め付けられるように包まれてる。

その快感と限界を越えた背徳感が俺の人間味を消し去っているんだ。

彼女の可愛い両胸を揉みしだきながら腰をゆっくり振る。

下からはパチュパチュと水音が鳴り、悦びから逃げるように藁を掴む。

 

「はぁっ、んっ……はぁんっ♡……グランっ♡……ああっはああぁっ♡」

 

「うっ、ふ……くぁっ」

 

こちらも声を漏らしてしまう。

まるでストローで飲むかのように絡みつく感触が精神をも犯していってる。

 

それに先程ヒールオールを掛けたんだ。

ヒールオールには、強力な回復力がある。

故に、それを受けた対象はかなり敏感になる。

そして俺がピンポイントで掛けた箇所は股間。

なので、この快楽を我慢出来るはずがないのだ。

 

「はぁん♡あっ、胸ばっかりぃ♡揉ま、ないっやぁんっでぇ♡」

 

仕方ないな、分かったよ。

一度手を離す。

そして今度はルリアのピンク色のタピオカ二つをつねった。

更に、抽挿のスピードと激しさを上げた。

いやらしく且つリズミカルな音が鳴り響く。

 

「やっ……乳首ぃ♡……はっ、ぁ、ぁ、あっ、はぁっ♡ダメ!激しああ♡ふぅぁぁんっ……はぁ♡」

 

より一層ルリアが乱れる。

その姿がとても可愛く見えてきて。

もっと乱したくなった。

 

「ああ♡あっ……イクっ、イキ、イぎぃ♡イキま、すぅ、ぅ、ぅあん♡」

 

段々締め付けがキツくなってきた。

こちらもそろそろ限界が来ていて。

気付けばルリアを貫いた代償の血は、ルリアの愛液と俺の我慢の汁ですっかり洗い流されていた。

泡立ちそうなくらいいやらしく水音が鳴っている。

 

「グラァン♡手、手を……ぁ、あっ」

 

とろんとした目でこちらに懇願してきた。

それに応じて手を繋ぎ、

 

「っ、ああっ!一緒にイこう!」

 

一緒に感じよう。

その意志に応じて、竿が徐々に膨れ上がり。

ルリアもそれを搾り取ろうとせんとキュウキュウ締め付ける。

 

「ルリアっ!ずっと直接言えなかったことがある!」

 

腰を激しく振りながら呼びかけた。

だがルリアは喘ぎながら呼吸するのに精一杯のようで。

構わず続けた。

 

「今更だけど、俺、グランは!

ルリアが大好きだ!

一生俺のものになってくれ!」

 

ルリアは不意に呼吸を止めて驚いた。

ぱかっと開いた口を見て、それを証明してやる。

 

「んんっ、はぁむ……ちゅ、ちゅぷ♡」

 

愛を確かめるようにキスをした。

さっきよりも数段熱く激しいキスが俺の官能を一気に昂ぶらせて。

 

「ぷはっ……ルリア!出る!」

 

ルリアの奥に止めを刺した。

限界を越えた俺のモノがドクンと大きく脈打った。

直後、ルリアの中に熱い俺の愛液が浸透する感覚を得て、

 

「あぁっ……はぁぅん♡ああぁああああああぁああぁああっ♡♡」

 

彼女は大きく海老反りして絶頂した。

……まだ、止まらないっ!

ルリアがイっても、まだ止まってくれない。

思わず己をルリアから抜いてしまった。

抜いても勢いは収まらず、ルリアの顔から腹にかけて汚してしまう。

 

「んあっ♡こんなっにいっぱい……♡」

 

ようやく収まり、ルリアの下の口から出したばっかりの白濁液が溢れてきた。

 

「また、お掃除させてください……はぁむっ、ちゅ……れろぉ、ちゅぴ♡」

 

俺自身からルリアの処理を望んでやらせた。

そして俺もルリアの膣に溜まった残液を掻き出す。

だいたい掻き出したところでまたお互いの性器を愛おしく舐め合い。

 

「ヒールオール」

 

互いの下半身にヒールオールを掛けた。

たちまち勢いを取り戻し、早速二回目に取り掛かる。

 

「グラン、今度はずっとキスしながらがいいです」

 

ルリアの要望に応えて対面座位の形をとる。

そしてすぐさま二度目の挿入。

一度目とは違い、思いの外すんなりと受け入れられた。

 

「んむっ、ちゅ♡……はぁっ、あむ……んっ♡やぁ、ちゅるり♡」

 

互いに上下の口で激しく求め合う。

上の口では舌をいやらしく絡ませ、下の口では膣が竿をキツく絡ませた。

途中で上の口を離す。

そしてルリアの左胸を激しく吸ってやった。

 

「ふぁあん♡グランっ、赤ちゃんぅみたいです……あっ♡」

 

優しくルリアに髪を撫でられて。

本当に赤ん坊になってしまったのではないかと錯覚しそうだ。

だが、下腹部の熱い衝動によってそれは妨げられた。

 

「ちゅぱっ……ルリアっ受け止めて!」

 

もう一度出る!

今度は出したら全部ルリアの膣にぶっかかるだろう。

多分ルリアもそれが分かって対面座位を望んだんだ。

そして、もう限界が来て。

ルリアの乳首を甘噛みしながら俺は達した。

 

「はぁああぁああああああぁぅあんっ♡熱いっ!ふぁあああ♡」

 

ドバドバと二人の液が溢れる。

ミルクとシロップが混ざり、世界で一番やらしいカクテルが完成した。

再度己を抜き、ルリアの恥部をしゃぶる。ルリアもほぼ同時に俺のモノにむしゃぶりついていた。

 

「ちゅぴ、れろ……はぁむ、美味しい♡ちゅ」

 

味覚が機能しなくなったかもしれないルリアは舐めきってもしゃぶり続けた。

こちらも負けじと中に指と舌を入れて吸ってやった。

 

そのまま三度目の発射を二人同時にして。

気が付いたら二人とも互いの残液で身体がベトベトになっていた。

ルリアもその事に気がついたのか、

 

「グラン、仰向けになってください」

 

仰向けにさせられた。

そして行われたのは、ルリアセルフの舌での清掃。

全身をくまなく舐められ、その度に感じてしまう。

もう既にそんなにいやらしい感度になってしまった。

またいきり勃った己を見たルリアは嬉しそうで。

 

「私、お馬さんやります!

……えいっ!……ぁ、あぁん♡」

 

だんだんと性行を愉しんでいった。

 

 

 

 

「はぁああああぁっ♡あっふぁあん♡」

 

何度射精しただろう……。

セイレーンを再召喚してから二人とも獣のように盛ってしまって。

えと、確か……。

騎乗位を数回やった後、交互に口淫をして……。

ルリアの背後からも突いたりしたかな。

背後といえば2回だけルリアの尻の穴でやったりもした。

立ったままルリアの脚を持って逆立ちさせた状態でも何回か……。

本当に数えきれない。

 

「これまでに何度も同化してるのに、いざ交尾するとこんなに気持ちいいなんて思いもしなかった」

 

「はい……そうですね」

 

「でも、もう二人とも身体がもたないと思うんだ。

俺も魔力がそろそろ底をついてヒールオールできなくなる」

 

「私は、まだいけます」

 

ルリアだけが大丈夫では意味ないじゃないか。

段々とこの状態に嫌気がさしてきた。

疲れたからだけじゃない。

一線を越えてもやはり俺達はれっきとした人間としているべきなんだ。

 

「嘘、ですよね。

グランはまだ出せますよね」

 

無理すればまだ出せる。

だが、ここまで必死にする必要はないはずだ。

二人の愛はもう確かめ合った。

もう絶対に添い遂げるって約束もした。

だから、こんなに盛らなくてもいいんだ。

 

「ルリア?周りをよく見て。

日が暮れているだろ?

きっとオイゲン達も心配しているから、帰ろう」

 

そう言って肩に手を置く。

だが失敗した。

ルリアが手から中に同化していったのだ。

ちゃんと分かってくれたんだな。

 

それは間違いだった。

火傷するような快感が股間を襲い、瞬く間に射精していた。

 

「うあっ、ルリア何を!?」

 

直ぐに理解した。

ルリアは俺の身体の内部から前立腺を直接刺激して射精させたのだ。

ぴょこんとルリアが俺の身体から飛び出て、くるんとこちらを向く。

いつもの可愛らしい笑顔を携えて。

 

「ほらグラン!ちゃんと出るじゃないですか!」

 

そうか。もう二人だけで生きてきたいんだな。

分かったよ。それなら、ずっと交わってオコウ。

二人が死に絶えるマデ、何度デモ何度デモ。

ずっと、ズット、ズットズットズットズット!

 

「おいでグラン!

もっとおちんちんで突いてください!ふふふっ♡」

 

「ソウダナ、ルリア」

 

「何をしているんですか!団長さん!ルリアちゃん!」

 

声ガ聞コエタ。

ルリアじゃない、他ノ女ノ子。

アレは、サラだ。

 

……コッチニ、来タイノカ?

 

「「君モ、コッチニオイデ!」」




サラは清潔でいて欲しいのでこれにて完!です。
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