それらに挑んだ女冒険者達の末路の描写となっております。
凌辱・暴力・猟奇行為に関する描写が極めて多分に含まれます。閲覧の際は注意して下さい。
そういった表現が苦手な方は閲覧を避けることを推奨します。
なおグロテスクな描写については(R-18G↓)(R-18G↑)という記載の間が主となります、
陵辱描写のみをお望みの方はそちらを飛ばしての閲覧を推奨します。
なお登場人物にはモチーフがありますが、原典とは一切の関係がありません。
隣国から親善のために訪れた王族が、道中で小鬼に襲撃を受け護衛の生き残りごと拉致された――
国境付近の、しかし自国の領にてその事件が起きたことを伝令から告げられた国王は顔を蒼白にしたという。
建国から代を跨がぬこの国にとって、外交上の破局になりかねないこの事件は致命的とさえ言えた。
「ゴブリン?ゴブリンだと?護衛にカカシでも連れていたのか!?」
他国の重鎮が通るとはいえ国の端から掃き清める如く安全確保する余裕はない。
故に事前の小鬼の目撃情報程度は子細なしと看過されていたのだが――
それが人間の動きの騒がしくなった街道を襲撃するため、妖魔の集団が立てた斥候であったと発覚したのは事後のこと。
「救出部隊を出せ、至急だ!……くそっ、自ら行けぬのが歯痒い!」
異常を感知した国境駐屯の兵らが駆け付けた時、現場には既に下手人の姿はなかった。
統率の高い迅速な襲撃と撤退――優れた指揮官の存在が示唆されている。
王がふと視線を向けた窓の外の曇天は、まるでこの国にかかる苦難を暗示する如く暗雲を孕み始めていた。
「――と言う訳で皆さんには事前にも説明した通り、国軍の皆さまがたと共に迷宮に潜って頂きます。」
国境沿いの森林にてぽっかりと木々絶えた広場に口を開いた、小鬼らしき足跡が続いた遺跡の前。
揃いの鎧兜姿の兵士らの傍ら、思い思いの装備に身を固めた若者達――冒険者の集団の姿がある。
彼ら彼女らに声をかけるのは冒険者達を束ねる組織、冒険者ギルドの職員の制服を纏った女性だ。
「皆さんへの依頼は遺跡にもぐることに慣れていない兵士さんらに迷宮での先導、案内を行うこと――」
人の外敵を討つのが軍人の仕事ではあるが、遺跡に潜りその奥に潜むものを始末するのは本業ではない。
にも関わらず遺跡漁りの専門家たる冒険者のみでなく、国軍が投入されたのは政治的な事情である。
『自国の治安も維持できぬなら兵を貸そうか』とまで隣国に言われては国も“本腰”を見せなくてはならなかった。
「そしてあなた方を含めた皆さんで王女様と共に迷宮より生還することです。」
国としての本気を示しつつ不慣れな遺跡探索と並行した小鬼の掃討及び救出を達成する――
その解決法が迷宮の先導役として起用した冒険者を部隊規模に分けた正規軍に随行させることであった。
軍の側でも冒険者と協働することに私情や蟠りは捨てて任に挑めと兵らに檄が飛ばされている。
「敵首魁は推定ゴブリンロード。危険な依頼ですがこの場の皆さんなら達成できると信じております。」
亜麻色の長い髪を纏めた溌剌とした言動の女性は冒険者達を見回しながら強く言葉をかける。
非戦闘員な受付嬢ながらここまで出張った彼女、その役割は軍や隣国の観戦武官と折衝する冒険者側の代表。
本来より上の席の人間が務めるべき役目であるが、その人物が突然に“急病”を患ったため彼女が代行を務めていた。
「何もかもが唐突である急務ですが、どうかお努めを果たして下さい――よろしくお願いします!」
一糸乱れず号令に応える軍とは違い、思い思いに……しかし士気高く呼応する冒険者達。
組織を交えて行われる打合せを経て、各隊に分けられた軍の兵らと冒険者達は遺跡へと突入していく。
指揮本部に残った受付嬢は不安を押し殺した表情で彼らの背を見送るのだった。
「ゴブリンスレイヤーさんがいてくれたら……ううん、彼抜きでも大丈夫。私が皆さんを信じないと。」
小鬼狩りのスペシャリスト、小鬼殺しの名で知られる冒険者は今回折悪く不参加なのである。
命に関わりかねぬ高熱を患った彼はそれでも秘薬の類で無理やり体を動かして参戦しようとし、
自宅代わりの家宅の寝室にて寝台に縛りあげられて療養させられている最中らしい。
「小鬼殺しさんは来てないですか、面白いって聞いたから見てみたかったのです。」
「辺境最強っていう冒険者さんは見れたからいいじゃない、レディの扱いも分かってるみたいだし!」
一人思案する受付嬢の耳に届く雑談を交わしたのは本部警備の年若い少女兵士達。
この場に残った彼女らは新兵らしく聊か頼りなげではあるが、ここまで反攻を受ける時点で任務は既に失敗だ。
迷宮に突入した精鋭らが無事に小鬼らを掃討し、任務を遂げることを不安に耐えて待つより他に無い。
「私は、重戦士さんだったかしら。包容力ありそうで格好いいと思ったわ!」
「しー、見てる見てる。任務中だよ、どやされるよ。」
「……大丈夫、よね。」
隣国の観戦武官と相談事をしていた軍側の責任者が眼鏡奥の瞳を鋭く光らせ、慌てて配置に戻る兵士ら。
特に敬虔な宗派がある訳ではないが受付嬢はそっと心中で聖なる印を切り、兵と冒険者らの無事を祈るのであった。
----------------(R-18G↓)--------------------
「へえ、この作戦って銀等級って連中ばかり集めてるのかと思ってた。度胸あんねーアンタ。」
「その、御心配おかけしているならすみません。ですが、癒しの力とそれに自衛くらいは……」
「んー、早速アンジャッシュみたいですねー。私達は癒し手の重要さも貴女の勇気もとても買ってるんですよぉ?」
命がけの救出作戦の最中とは思えない空気漂う迷宮の道すがら。
隊長である黒髪で片目を隠した勝ち気な女性兵士と隣を歩きつつ、通路の罠を警戒する聖職者の少女――女神官。
無謀に対する皮肉にも聞こえる言葉に、髪を後ろで纏めた快活な女性兵が後方から道化た調子で一言付け加える。
「そそ。喧嘩っ早く見えて脅かしてるように思えそうだけど、これでも褒めてるつもりなの。」
「ソレ全然あたしのフォローになってないと思うんだ……」
「あははは……、そこ。恐らく鳴子です、足元に気をつけて下さい。」
後方警戒しつつ最後尾を歩いていた左右二つ結いの髪型の少女兵の言葉に顔を顰める隊長。
こんな緩さで良いのかと思う調子に苦笑していた女神官の表情が引き締まる。
罠の発見解除は彼女の専門ではないが小鬼と遭遇した経験はこの中の誰よりも多く、その手口にも長じていた。
「おっと。冒険者の人は目端が利きますねー、お陰で楽できちゃうよ。」
「いえ、戦闘では支援と自衛程度で精一杯ですから。その際には是非頼らせて頂きます。」
もう一人、義眼なのか片目が金瞳である兵士が足元の鳴子を踏み越えながら女神官に笑顔を向ける。
軍隊のイメージからかけ離れた彼女らにこういうものかと尋ねれば、人、そして隊によるとのこと。
冒険者でも一般人並の感覚の人間から小鬼殺しの如き唯一存在まで幅広い……そういうものかと女神官は思った。
「扉……罠は、ゴブリンの仕掛けた物はなさそうです。待ち伏せの様子もありません。」
「小鬼は頭悪いって聞いたから武器持った猿くらいだと思ってた。さっきの鳴子といい罠もつかうんだねぇ。」
「……。」
確かに小鬼らは酷く愚かな一面がある……だがそれは知恵を使わないことを意味しない。
風評による誤認がまかり通っており、彼女らもそれを鵜呑みにしてるようだが訂正する時間はなかった。
兵らが手をかけて室内に踏み込んでいくその背を追いつつ、無言で警戒の意思を固める女神官。
「あれは……まさか王女様!?こんな所でいきなり見つかるなんて……!!」
室内に踏み入った一行が目にしたのは、正面に扉一つきりある部屋の中央で床に転がった金の長髪を持った女性の姿。
身なりまでも合致したその人物は背を向けたまま微動だにせず、子細を知ることはできない。
……あまりに不自然であった。女神官の背に怖気が走る。
「気をつけて下さい!恐らく罠です!!」
「分かってる、囮に喰いついた所を不意打ちするくらいはやってくるだろーさ。2人、ついてきて!!」
「了解でっす……ま、さっとお姫様を浚ってくるだけです。それより、治癒魔法の準備お願いしますよ?」
2つ結いの髪の兵を女神官の護衛に残し、伴った部下に周辺警戒をさせつつ女性に近づいていく隊長。
奇襲、確かにあるだろう。だが悪辣な小鬼がそれだけで済ますものだろうか……?
女神官は床や壁の仕掛けを警戒し……見当たらぬそれ以外の罠に思考を回したその時、脳裏に閃く危険の予兆。
「動かさないでっ!ソレに罠が――!」
「……え?うわぁぁっ、死んでる……いや、姫じゃない!?」
抱き起こされた女性――王女の服を着せられただけな無残な屍の深く喉を抉られた頭部が傾ぐ。
頭部からばさ、と金の長髪が――内側に頭皮を貼り付かせた人間の一部だったものが剥がれ落ちた。
覆いを失い曝け出された頭部が、頭頂と中身を失った内を覗かせ……かちり。代わりに詰まった何かが立てる異音。
「ッ……!いと慈悲深き地母神よ、か弱き我らを、どうか大地の御力でお守りください!」
轟く爆音。その寸前に唱えられた詠唱により不可視の壁が女神官らの前に生じ轟炎を防ぐ。
迷宮の扉か宝箱に罠として仕掛けられた爆薬を解除して剥ぎ、死体に埋めたのだろうか?
部屋の中央で炸裂した衝撃波による噴煙が立ちこめ、内部の様子は伺えない――いや。
「隊長、みんな……ひっ、あぁぁっ!?」
べちゃり、かつり。不可視の壁に湿った音を立てて貼り付いた肌色と朱色混じりの塊。
それが半壊した人間の頭部であると察すると同時、金瞳の義眼が塊から落ちて床を叩く。
室内の物がどうなったか……障壁の根元に落着して滑稽に弾んだ乳房の残骸、それを含めた肉片がその答えを示していた。
「気を、つけて……ください。敵、が……」
「gob!gobgob!!」
数秒前まで隣にいて、会話していた相手が死体の原型も留めぬ屑肉と化した末路。
経験から敵の追撃を予測しつつも、女神官は思わずその身を固まらせてしまい……障壁が消失する。
粉塵に吐き気のする鉄臭さが混じった空気を震わせ、部屋の奥で扉が開かれ不快な鬨の声が響き渡った。
「退き、ましょう……囲まれます。」
女神官にとって、語り合っていた人間が惨死する様を見たのはこれが初めてではない。
その時には堪え切れず盛大に嘔吐してしまったが、今取り乱せば確実に命を落とす。
必死に冷静さを振るい起こさせ、隣にいた女兵士に撤退を促し――
「ん、早く逃げなって。足止めは引き受けちゃうから。」
「そんなっ、どうして……!」
「どっちか足止めしないとすぐ捕まるって。私さん軍人だからさ、逃がすとしたら民間人でしょ。」
拒絶する言葉を残して一歩踏み出し、盾を構え剣を抜く兵士。
煙の向こうから迫ってくる怒声と床蹴る音までもう幾ばくの距離もない。
彼女を説得しようとし、そのための言葉が浮かばぬ女神官。
「順番間違えないで?多分王女様もただじゃ済んでないし、治すのに必要なのは神官だから……行って。」
「~~~~~!貴女に、慈悲深き地母神の加護のあらんことを!!」
「gob!gob!!」
零れかけた涙を拭って駆けだした女神官を女兵士は横目で見送る。
煙を切り裂いて、汚らしい足を鮮血に染めた小鬼どもが飛び出した。
その様に視線を戻し、凶暴に唇を歪ませながら刃を振り抜く。
「gob――!?」
「誰を足蹴にしたか分かってるぅ?全員私さんが道連れにしてやりますよぉっ――!」
「gobgob……!?!?」
突出した一頭を切り倒す女兵士。更に一頭を返す刃で唐竹に切り伏せた。
呼吸を整える間もなく更に一頭が切りこんできて切り結ぶ。
その間にも煙の向こうから響き渡る足音――それが途切れる様子は、ない。
「せ、やぁッ……!!今、何匹目……だっけぇ?」
10を超える小鬼を切り伏せた女兵士、しかしその身に負った傷は軽くはない。
四肢の切り傷は数え切れず、脇腹を貫く槍は柄をへし折ったまま突き立っている。
突き抉られた片目は瞼の下で鮮血の涙を流しつつ激痛で脳を苛んでいた。
「gob――gob!?」
「いい加減、しつこい――が、へっ!?」
切り下ろしを防ぎ、足が止まったその瞬間……目の前の小鬼を貫いて槍の穂が飛び出す。
目を白黒させ苦痛に喘ぐ小鬼から生えた刃は女兵士の乳房の間を突き抉っていた。
血の塊が喉から溢れ、力の抜けた膝が床を打ち……目が眩んで霞む視界。
「あ゛、みんな……今、そっちに……ぐ、あ゛――」
いつの間にか晴れていた室内の煙、その床に転がる小鬼の死体の向こう――人体であった残骸が覗く。
そこに見知った顔が半分ほどながら残っているのを見つけ……唇から漏れ出る最期の言葉。
掲げる手柄首を欲しがった小鬼が彼女の喉を狙い、一撃でその命を狩り取ったことが彼女にとって唯一の幸いであったろう。
「gob!gobgob!!」
「gob……gobgob」
仲間ごと獲物を貫いて更にとどめを刺した小鬼、その剣が乱雑に抜き刺しされればゴキリゴキリと異音立てる頸椎。
やがて生気を失った生首が小鬼の手に掲げられ、首無しの胴が倒れて床で鈍い音を立てる。
手柄を奪い損なった他なる小鬼らが死体漁りを始めるその室内に、生きた人族は一人も残ってはいなかった。
「疾――!!」
「gob――!?」
「gobgob!!」
積んだ背嚢を即席の土塁とした影から身を覗かせる、長く艶やかな黒き長髪の弓手――その指の弾いた矢が小鬼の眼球を捉える。
次いで、片側に髪を結った寡黙な弓兵、母性溢れる雰囲気な妙齢の女弓手、悲惨な胸部の平坦さを持ったもう一人。
いずれも並々ならぬ弓の腕を持つ一隊は次々に通路奥の小鬼に矢を浴びせかけ、優勢を保っていた――しかし。
「ねぇ、なんかさ……この通路おかしいと思うんだけど。」
「伏兵を仕込めるような壁の厚さではありません、怖気づいたのなら下がっていて……これだから冒険者は。」
「……。」
弓使いである兵らの最も小柄な一人、それと同等に悲惨な発育の胸部を持った長弓を手にしている森人――妖精弓手は溜息を吐く。
彼女が随行したのは特に射撃の技能に卓越した兵を集めた隊であった。
各々白兵の装備は持つものの、それを抜くこともなく小鬼どもを圧倒する彼女らの技量は評価に値しよう。
(同じ得意分野だからって思ったけど、なんかやたら敵視されるし……オルグボルグって聞き訳良かったのね)
彼女らの射撃手としての練度は高い……妖精弓手が小鬼5頭を狩る間に並の冒険者は1頭射殺すのが精々だ。
それが2頭仕留めるまでに各々が1頭を射殺す彼女らは、それだけで卓越した弓の遣い手と言えよう。
そんな彼女らだからこそ天性の弓の才を持つ森人を殊更に疎むのだが、妖精弓手には理解できない。
「やっぱり変。アイツら臆病だから勝ち目がないと逃げるのよ、今この状況がおかしいの。」
「論拠があるなら言って下さい。確証なく撤退をせよなどと……冒険者にとって任務は酷く軽いのですね。」
「うー……」
オルグボルグ――小鬼殺しを追い掛けて幾度も小鬼の巣に潜ったからこその、罠を感じさせる奇妙な挙動。
彼ならば違和感を伝えるとなるほどと何を仕掛けたか見抜くだろうに、妖精弓手と彼女らは絶望的に隔絶していた。
粗末な弓で無駄な反撃をしている小鬼らは敗勢で数を減らし、間もなく突破は可能になるだろう――しかし。
「変な物音……!?下がって!多分罠!!」
天井辺りで聞こえた微かな音、それを感知し元々警戒寄りに立っていた妖精弓手は瞬時に飛び退く。
一方、警戒していた伏兵もなく勝利を確信していた兵らは対応が一手遅れ――それが命運を分けた。
物音が石の擦れる轟音に変わった直後、飛び退った妖精弓手の眼前に落ちる石柱状の鎧戸。
「なんや、閉じ込められたんか!?オイ、平たいの!そっちからなんとかできへんか!?」
「こんなもの持ちあげる方法ある訳ないでしょうが!?それより――!」
お前だけには言われたくないという言葉を一切の膨らみ無き胸に収める妖精弓手。
更なる罠の存在を予期したその耳が地鳴りの如く重い塊が滑り出す異音を捉える。
直後、石柱の向こうから甲高い悲鳴が木霊した。
「この厚さの壁を動かすなんてどんな技術……いえ、それより!総員突撃!このままでは潰されるわ!!」
小鬼どもはこの仕掛けを動かすための時間を稼いでいたのだ、と気付いてももう遅い。
石柱の向こうに閉じ込められた兵達は決死の突破を図らざるを得なくなった様子である。
――しかし、弓を主力とした彼女らが保有する突破力は待ち受ける敵に対し酷く脆弱であった。
「とにかく前進を――あ、があ゛ッ!?」
「隊長――ぎい゛ッ、膝に矢がっ!助けて下さい、置いていかないで……ひぃぃっ!!」
遮蔽を捨てて通路を一直線に走る弓兵など、いかに小鬼の射撃の腕が粗雑であっても的も同然。
肉を深く抉る音が地鳴りの中に微かに響き、隊長であった弓手の檄が途絶えた。
次いで射転ばされたらしい女弓手が普段の淑やかさも忘れて怯えに引き攣った声を上げる。
「なんとか、コイツらを――がひゅっ!?ぐげっ、がはあ゛ァッ――!?」
「いぎっ、抜けへんっ!ああっ、壁がっ!壁がぁぁぁっ!!」
元より得意にあらぬ接近戦、それを数で勝る側が待ち受ける中に挑むことになった弓兵。
その豊満な肢体を容赦なく刃物で突き抉られたらしい、湿った貫通音と断末魔を残し無言へと変ずる。
通路奥に辿りつく前にやはり射抜かれたらしいもう一人の慟哭が痛切に響いた。
「ひいい゛ッ、死にたくありません!誰か、誰か助け――ぐ、げが……ごぼえ゛ッ!?」
「あ゛あ゛あ゛あ゛ッ、なんでやっ!なんでウチがこんな目に……クソがっ――ぎっ、お゛げッ!ぶ、ぐべッッ!!」
いよいよ石壁の地鳴りの響く空隙が失われ、そこに遂に断末魔が添えられた屠殺場。
身を圧された兵らの悲嘆の叫びが、骨肉の拉げて行く破砕音が石材の巨大な軋みに混じる。
先に妙齢の女弓手の絶叫が潰え、体躯の薄い分か遅れてもう一人の末期の嘆きもやがて押し潰された。
「……戻らないと。」
上手い説得法が、より深い洞察をする機会が、彼女らに他にしてやれることが――何かあったのではという後悔。
胸に突き立つような慙愧の念に苛まれながら妖精弓手は来た道へと踵を返す。
その背後。閉じ合わさる石壁により石柱の向こうにあった空間が完全に消失した末、齎された静寂だけが残った。
「Hey!急いで欲しいネ、アドベンチャラー!プリンセスが無事な内にクリアーしないと意味ないヨー?」
「隊長殿、冒険者さんは罠を警戒しながら歩いてますので……気が急くのはわかりますけど、ね?」
「……こちらに先んじられると警戒の意味がない、連中が仕掛ける他に遺跡自体の罠もある事を忘れないで貰おう。」
本当に軍人かどうか疑う能天気な兵隊長に率いられた一隊と歩を並べるのは女騎士。
部下である流れるような黒髪の女槍兵に窘められようとも先を急ぎたがるその姿に思わずため息が漏れる。
彼女自身、突進しがちな所はあるがそれ以上の突撃狂いがいようとは予想だにしていなかった。
「まだるっこしいネー。穴倉探りなんてハリー済ませてティータイムにしたいデース!」
「隊長、落ち着きを持って下さい。殴りこむのは……敵を発見してからです。」
「すみませんね、冒険者さん。なにぶん慣れない任でして、私もですがどうも気が急いてしまうんですよ。」
小隊分隊規模での隠密偵察の任務は軍でもあるだろうが、それも大半が屋外にて従事するもの。
迷宮に潜るという行為は彼女らには慣れ難いものであるようで、焦りや苛立ちが見て取れる。
隊長を窘める黒髪を短く切り揃え眼鏡を付けた槍遣いも、こちらに外跳ねな茶髪の頭を下げる槍兵も歩が先走るようだ。
「私も気持ちは分からんでもない、罠を調べることなど普段は人に任せきり……切り込みが本業だからな。む――」
「――gob!?」
心情は分かるが、だからこそ先走ってくれるなよ……と付け加える女騎士。
と――罠一つも見つからず、弛緩しつつあった一団の空気が急に引き締まった。
前方にある十字路の壁に身を隠す小鬼が、覗かせていた顔を発見された事に気づいて慌て姿を消す。
「スカウト発見デース!マニュアルは!?」
「斥候は、情報を持ちかえらせず叩き潰すべし……隊長!」
「分かってるネ、総員スピアー構え!チャァァジング、ラァァァム!」
足音を残し逃げ去る小鬼の存在に、ようやく鬱屈を晴らせるとばかりに槍を構える兵士ら。
愚昧な小鬼が様子を伺いに来て尻尾を掴まれた、それだけの状況の筈だ……しかし。
小鬼の巣とギルドを往復することを趣味にする妙な知人、その口から聞く噂の小鬼はそこまで間抜けだったろうか?
「待て、逃げた先に罠があるかもしれん!落ち付け……くそっ!」
止める暇もあらばこそ、瞬く間に四辻の先に姿を消してしまった兵らを追う女騎士。
歩兵としては比較的軽装な彼女らと重鎧を纏う女騎士では走る速さに差が出るのは必然である。
必死に駆けれども、辻の先にて逃げる小鬼を追う一団との差は開く一方だった。
「あのっ、冒険者さんが待つようにと……仰ってますがっ!」
「ノープロブレム!ゴブリンが通ってるウェイデース!ノートラップなのは明らかネー!」
「そうですね、他の敵と合流される方が厄介です。仕留めましょう。」
真っすぐ愚直に逃げる小鬼だが、駆け脚は追う側に軍配が上がるようであった。
徐々に詰まる両者の距離。槍の一振りが今にも届きそうに小鬼の背が迫る。
絶体絶命の小鬼の姿……が、突然に跳躍する。後方を振り返り、嘲りを残して。
「――いかん、戻れ!床だ!!」
「……え?」
がごん。小鬼の背に追い付かんとした兵らの足元の床が開き、宙に浮く彼女らの身。
開いた床の対岸にしがみついて這い上がる小鬼を茫然と見上げたまま、自由落下するその体。
小鬼が足取りを注意していた様子は無い。別の誰かが仕掛けを作動させたのか――
「槍衾……!?ひぃぃっ、いやぁぁぁぁっ!!」
「シィットッ!!ワタシが、ワタシがこんなっ――!!」
重量――小鬼一頭より遥か大きな重みが載った床が抜ける仕掛けであったと彼女らは知る由もない。
仮に知ったとして、落ち行く先に剣呑に尖る槍の剣山が待ち受けている彼女らの命運は今更変わらないが。
僅か1秒余りの余命で必死に発せられた悲鳴は鈍い衝突音によって途切れさせられた。
「大丈夫かっ――うっ!?」
「―――――」
「あ゛……あ゛、え゛ぁ……」
絶叫する喉に滑り込むように槍の穂が潜り込んだ兵隊長、その臀部から突き出す鮮血と糞にまみれた槍穂。
その横で足から落ちた槍兵の肛門を貫いた槍が豊満な胸の谷間を突き破り、視線の先に血染めの穂先を晒す。
勇敢な兵士らに突然に訪れた無残な最期の光景に女騎士は息を飲んだ。
「ごべ、ぶぇ――」
「だず、げ……いだ、ぁっ!あ゛、あ゛ぁ……」
背から落ちた槍遣いは黒髪を貫いて眼孔を突き破った槍先を残った目で凝視しつつ事切れる。
急所を外れ四肢や脇腹をまるで標本の如く貫かれた女槍兵の喉から漏れる痛切な呻き。
助け上げる手段のないこの状況では運悪く死に損なったと言うよりなかった。
「これ以上は進めんか……!」
逃げた小鬼が通路奥に呼び声を発し、そちらから弓持つ小鬼らが駆けてくる。
暗い穴底を墓標とした勇敢な女兵士達を一瞥し、背を向け走り出す女騎士。
果たしてこのような致死の罠に招かれたのは己の隊だけか――?心中の暗雲を晴らす材料は何もなかった。
「すっごぉ、隊長達より大きい女性は初めて見ましたよ。冒険者さんは食べてる物が違うからですか?」
「結構、疲れる、のよ?」
「こら、他所の組織の人員なのよ。軍の規律を疑われる発言はやめなさいな。」
歩く度に大きく開いた着衣の胸元から零れそうな、量感ある胸部を持った魔女。
その胸の高さに視線を合わせてブロンドをリボンで左右に縛った女兵士が歓声を上げる。
比較の対象に出された隊長が、金の滑らかな長髪と負けず劣らず豊穣な胸元を揺らしつつそれを窘めた。
「槍を振るのに邪魔だし、男どもの目線も時折気になるからな。私程度でも持て余す。」
「……正直、羨ましいです。皆さん。」
後方警戒をしていた白金の長髪を二つ結いした女性兵が、ちらりと視線を前方へ向けつつ肩を竦める。
女兵士含め十分すぎる発育を持った女性らに囲まれ、金髪ごと項垂れる唯一控え目な矮躯を持った少女兵。
発育に食事が影響するなら、鉄床の如く柔軟性皆無な胸部持つ森人など冒険者にはおらぬ筈なのだが。
「ミステリアスな美女って感じだし、正直羨ましいです!やっぱりモテるんですか?」
「そう、そう……上手くは、行かない、もの、よ?」
「非礼はやめなさいと。帰ったら覚悟なさいね……む。」
余人の目こそ惹くものの、肝心要の男は岡惚れしており魔女を袖にし続けている。
曖昧に微笑む魔女へと快活に喋り続ける女兵士、その態度を強く窘めた女隊長。
その視線が正面に戻りながら表情を強く引き締めた。
「……血の臭いね。罠があるかもしれないわ、警戒をお願い。」
「まかされた、わ?なにか、いる、わね?」
通路の奥に更に続く闇わだかまる空間から漏れ出る強烈な鉄錆の臭気。
賑わいなど一瞬にして消し飛ばす不穏な気配に兵達は刃抜き、顰めた歩調で前方を伺う。
やがて、警戒の末に辿り付いた昏き闇の領域。そこで彼女らが目にしたものは――
「な、なによこれっ……!!」
「う゛……酷すぎます、こんなの。」
薄暗く奥に伸びる回廊、その床は冒涜的なオブジェで舗装されていた。
松明で照らされる範囲の床に何人分あるかも分からぬ腕・胴・脚・首――人間の残骸が転がる光景。
王女の護衛達か、それ以前に捕まった近隣の村民だろうか?無念に固まった生首と視線が交わる。
「gob……!?」
「ゴブリンっ……お前らはぁぁぁっ!」
松明の灯りの端に動く影が映り、その主……小鬼が怯えた様子で後ずさった。
その口元から零れ落ちた小ぶりな人の臓器、それが足元の未成熟な胴体から抉り出された子宮であると分かる。
弔われぬ哀れな死者に唾棄する行為に激昂し怒声と共に刃翳す女性兵。
「gob!gobgobgob!!」
「逃がすか……全員ついて来なさい!魔女殿は敵射撃手に備えて!!」
「待って――多分、罠、ある、わっ!」
魔女をその場に残し、無残に刻まれた人間であった塊が投げ散らかされた回廊を駆け抜ける一団。
血で足元が滑り走り辛いが、それはよたよたと逃亡する小鬼も同じ事だ。
鍛え上げられた健脚で走る追手と逃げる者の差は瞬く間に縮まっていく。
(奥は隘路、兵を隠すならそこ……追手を迎え撃つ気だろうが、囮を先に潰す!)
敵の算段を推測し駆け足の速度を速める隊長、それを追って部下達も勢いを上げる。
このような惨状を産んだ犯人を容赦なく伏兵の前で嬲り殺す、それで出てこないならそれでもいい。
こちらには魔術師がいる。いずれにせよ、始末するのは容易――
「なん――あ゛、え゛?」
その時だった。ふと視界の中に真っ黒な線が不自然にも宙に浮いて見え――
それが丁度喉元を通る高さにあると気付くと同時に回る視界。
線の浮いた宙を通り過ぎた隊長は、世界がくるくると回転していることに気付いた。
(あ、れ――?わたしの、からだ――みんなも、どうしてそこに?ぁ、ぇ――)
首から上を失った自身の体が足元の残骸に躓くように倒れ、頸部断面が血を噴く。
それを愕然と見た部下達の表情を一瞬移した視界が血染めの床を向き――
湿った音と共に地面へ落着した衝撃と共にその意識は永遠に断絶した。
「たいちょ――!?ひっ、止まれない゛ッ……あ゛ッ」
「滑るッ……あ゛あ゛あ゛――!?」
松明で照らし切れぬ暗い回廊が無数の残骸で奥へ下っていると見抜けておらず、
磨かれたスロープのような床が血塗れでより脚を掬うようになっている……と気付くその前に。
倒れた背を追っていた部下2人は隊長の鮮血の滴を浮かせた黒い鋼線に頸部を絡められた。
「あぁぁぁっ……やあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!」
信頼する指揮官、先達らを目の前で斬首死体に変えられた少女兵が慟哭を上げた。
数秒前まで共に駆けていた彼女らの鍛えられた体躯が、教えを説いてくれた顔が、個別に床へ叩きつけられる。
幸いにも小柄であったため、軍帽を鋼線に弾かれただけでその下を潜り抜ける少女兵。
「――あ。」
だが不幸中の幸いもそこまで。
無残な末路を遂げた同僚らの残骸を大きく行き過ぎた、傾斜の下にてようやく止まった滑走の先。
待ち受けていたのは隘路から槍構え飛び出してくる小鬼の群れ。
「く……サジタ、インフラマラエ、ラディウス――!」
「gob――!?」「gobgob――!!」
目の前で床を覆う細切れ人体の仲間へと、その豊満な体躯を加えられた女性兵達。
更に生き残りが小鬼の殺意を向けられる様を見た魔女、その指が魔術を解き放った。
怯え身を竦ませた矮躯に迫る小鬼らを炎の矢が襲って数匹を火達磨に変える。
「gobgobgob!!」
「gob!gob!」
「いやぁぁぁっ!?ぐげっ、おごっ……が、あ゛ぁぁッ!ぎ、ぁ……」
それも時間稼ぎ以上にはならず、生き残った小鬼の群れが小柄な胴に次々槍を突き立てる。
薄い胸部に、細い腰に、柔らかな下腹部に、繊細な太股に、折れそうな喉に――
血色の薄い皮膚を貫き肉を突き抉る小鬼達の槍先。
「――――」
「gobgobgob!gob!!」
「くっ、なんて……こと。」
何本もの槍先を後背まで突き立てられた少女兵の無残な屍を、旗印の如く掲げる小鬼の群れ。
回廊を挟み一人残された喰いでのありそうな獲物、それに目をギラつかせた新手が坂を上り始めた。
血に双眸を滾らせた野獣が勇ましかった女性兵らの身を踏み躙り、死に顔晒す頭部を蹴り飛ばして迫り来る。
「――退く、わ。ごめん、ね。」
彼女らを静止し切れなかった無力に歯がみし、撤退にうつる魔女。
残された血に満ちた回廊にて、逃げた獲物を追う者を除いてその場に留まる小鬼ら――
それらは新たに得た餌に刃を、牙を突き立てて蛮行の限りを尽くし始めるのであった。
----------------(R-18G↑)--------------------
「皆さん、無事でしたか!……あの、他の方々は――いえ、すみません。」
「どうなってるのよ、この迷宮は!作った奴はオルグボルグくらい性根が曲がってるわ!」
交差路の入口側を除く各々から駆けつけ、互いの安否を確認する4人の女冒険者。
その酷く憔悴した様子、そして行きに居た同行者らが失われてる様を目にし女神官が印を切る。
どうやらこの迷宮の罠は彼女らの想像を超えて凶悪なようであった。
「……知った顔だけでも生還を喜びたいが、そんな暇もないらしい。」
「ええ。上、おかしい、わ?」
生還の安堵か失策と亡失の落胆か、どちらを表すかを決める暇すらなく。
入口側を上がった地上の方から響く剣戟と喧騒に意識を向ける冒険者達。
彼女らは暗澹とした予感に心を苛まれながら階段を駆け上っていくのであった。
――その先に待ち受ける惨状と、己らを待ち受ける悲惨なる末路を知ることもなく。
----------------(R-18G↓)--------------------
地獄の迷宮から舞い戻った先の地表すらも地獄の続きに過ぎなかった。
掠奪品から厳選したらしき槍兜で身を固めた小鬼、それも流れや小鬼英雄など上位種を含む剣呑な群れ。
小鬼らの首領――ゴブリンロードに率いられたそれらが人族を包囲し刃を振り下ろす。
「あ、嘘……げほっ、あ゛ぁ?血が、止まらない……寒い、よ――」
「いやあぁぁぁぁっ!!ひっ、来ないで……いっぎゃあ゛ぁぁぁッ!?」
形勢は小鬼率いる首領の側に圧倒的に傾いており、人の手勢は大半が血に沈んでいた。
決死の覚悟で戦っていた少女兵が背に突き抜けた刃にて銀の長髪を染めて倒れ伏す。
それを見て悲鳴を上げた黒髪の新兵へ瀑布の如く大刀を振り下ろし、身を左右に断ち割る巨躯の小鬼。
「こんな、こんな酷い……っ!」
「皆さん!?こちらは、すみません……全滅寸前です。後背から敵が……!」
茶の髪色をした兵士の少女らが断たれた胴から腸管を地に零し、息絶え血の海に沈んだ凄惨極まる戦場。
絶句している女神官らに気付いた受付嬢が蒼白な表情で駆け寄ってくる。
隠された出口が他にどこかにあったのだろうが、状況は最悪であった。
「くっ、殺せ――ごへっ!?ぐえ゛っ、おぶあ゛ぁぁッ……!!」
「あ゛ぁぁぁッ、腕がっ……私の腕ぇぇぇっ!付かないっ、くっつかないぃぃっ!!」
投網で身を絡められた上で腹を蹴り潰され、嘔吐した内容物で自らの白い着衣を汚濁する桃色の髪の観戦武官。
その傍らで剣を振るっていた軍士官が利き腕を斬り落とされて絶叫を上げる。
澄ましていた平時の理知的な振る舞い、それは途絶した腕を抱えて蹲る醜態には一片も残されてはいない。
「せめて首領を……くたばりなさいっ!!」
「サジタ、インフラマラエ、ラディウス――!!」
「――gob!?!?」
首領を狙って放たれた鋭い一矢と焔の弾丸――それが小鬼の体で遮られる。
鷲掴みで盾とされた小鬼は絶叫と共に絶命するも、それを構えた首領には掠り傷一つない。
歯がみし後ずさる冒険者らへ、首領は矢より鋭い眼光を向けてみせた。
「――GOBRO!!」
愉悦に吊りあげられた口角から漏れる残忍な声音の号令。
一斉に包囲を狭め始めた小鬼らに気丈に冒険者と生き残りの者らは身構える。
しかしそれは、火に落ちた羽虫の命運の如く儚き抵抗でしかなかった。
彼女らが奮戦空しく押し寄せる小鬼に蹂躙され捕えられたのと時を同じくし、
より凶悪な罠と苛烈な追撃により男性冒険者らと男兵士らの隊は全滅し無残な屍を並べていた。
その事実を彼女らは生涯知る事はなかったが、或いはそれは幸せなことだったのかもしれない――
「来ないで……あ、あぁぁぁぁぁぁぁッ!!」
迷宮の奥深く。闇蟠る空間に無数の喘ぎが、悲鳴が、人ならざる醜い罵声が響いていた。
声の元には冷たい床に並べられ小鬼らに犯し嬲られる人の女性達の姿。
その四肢は一様に手首足首で断たれており、粗末な蓋が施された悲惨な様を晒す。
「やめてやめてやめて死んじゃう、やめ――あっぎゃあ゛ぁぁぁぁッ!熱い゛ィィィッ!!
「返してよぉ、私の……手ぇっ!あ、あぁ……うぐえ゛っ、げぶっ!?ごぼ、ぶごぉ……」
時折焚き火から薪を取った小鬼が犯す女の背や尻に焔を押し当て……響き渡る悲痛な絶叫。
股の締まりを堪能するため頸部を締めつつ犯す者もいるが、加減を誤られた女が頸椎を折られ絶命する。
闇の奥深くに転がる膨らんだ腹の女達は犯されている女性らより前に捕まった近隣の村娘だ。
「ひゅー……ひゅー……だじゅげ、で……あ゛ッ――」
「まーま、ぱーぱぁ……えへ、ひへぇ!?がっ、げぷお゛ッ……!!ひゅ、う゛――、――」
力尽きた女、或いは戯れに屠殺された少女が乱雑に身を引き千切られ食肉と化される。
血と臓物の臭いに満ちた闇の中にて繰り広げられる人にとっての地獄。
終わりなく繰り広げられる惨劇の宴には、捕まって間もない者達の姿もあった。
----------------(R-18G↑)--------------------
「gob!gobgob!」
「い゛ッ、ぎゃあ゛ぁぁぁぁッ!?さけぢゃう゛ッ、いだぁっ!ぐっぎぃぃぃッ!!」
「その子は元服したばかりなのっ!私がその子の分も……ひっぎあ゛ぁぁぁぁッ!!」
年若いながら軍の一員として必死に訓練に耐え国を護る存在として認められた少女兵士。
今それは小鬼ら、その厳つい体躯と凶悪な生殖器持つ流れ者に股を貫かれ凌辱を受けていた。
姉妹なのか栗色髪を揃いのひとつ結びにした乙女らは苦痛の中で散華させられ悲痛な声を上げる。
「gob、gob!gob!」
「もお゛、殴らないでぇ……ひ、い゛ッ!あ゛ッ……ひぎゃう゛ぅぅぅッ!?」
「うぶッ、おごっ……むぶう゛ぅぅぅぅ!?ごほっ、がへっ……はがぁぁぁッ!!」
頬に痣の残る少女兵が割れた眼鏡の下で大粒の涙を流す双眸を服の袖で押さえつつ、強姦の痛苦に必死で耐える。
その横で手綱の如く緑の三つ編みを掴んだ小鬼が、揺すっていた股間が少女の喉に吐き気を催す風味の種汁を吐いた。
思わず噎せ込んだその新兵であった少女の股を下から別の小鬼が突き、喉から逆流する白濁液と濁った悲鳴。
「gob~~~!!」
「いぎぃぃっ、なに急に……ひっ、やだぁ!?いやいやっ、いやぁぁぁっ!!」
「待って……あ゛ぁぁぁぁッ!?やめてっ、赤ちゃんできちゃう!やぁぁ、入ってきてるぅぅぅっ!」
突然に速くなった小鬼の動きに瞠目し、そして本能的に意味を悟った少女兵士が身を捩り叫び声を上げる。
隣り合った2人は同時に股に不快な粘つく熱さを覚え、姉妹揃った悲嘆の叫びが澱んだ空気に唱和した。
胎に汚濁を浴び泣き咽ぶその惨状は軍人であった娘らに留まらない。彼女らの後背で悲鳴が上がり――
「gob!gob!gob!」
「んぎい゛ぃぃぃッ、壊れる゛ぅっ!手、動かさないでっ……ひがあ゛ぁぁぁッッ!!」
「ごめんなさいぃっ!嫌ですっ、こんな酷いこと……やめっ、あぐぉッ!?ひぎゅう゛ぅぅぅッ!!」
首領の率いる小鬼らの包囲に必死で抗った女神官と妖精弓手、彼女らもまた小鬼の餌食になっていた。
排泄孔を小鬼英雄に凌辱される妖精弓手の秘部を抉るのは深々と埋まった女神官の腕。
捻じ込まされたその腕先は女神官が処女孔を小鬼の肉槍で抉られるたび暴れ、妖精弓手を責め苛む。
「gobgobgob!gobgob!」
「ふぎゅう゛ッ!?体揺すらないでぇっ……奥がっ、引っ掻かれてぇっ!うぐぅぅぅッ!!」
「すまん!だがぁっ……こいつらが、あ゛ッ!やめろ、突くな……うあ゛ぁぁっ!!」
その光景を横目に悲鳴を上げるのは互いに背を向けた姿で肌合わす女騎士と受付嬢。
先の二人とは違い豊満な肉付きの肢体、そのたわわな臀部を互いの排泄孔を貫く異物が連結していた。
腰を逃がそうとする動きを遮る如く小鬼らが各々の膣を突き犯し、その度に尻穴からの刺激に二人は悶える。
「今、どこ……いる、の?このまま、だと、私、もう……ッ、~~~~~~~~!!」
傍で犯される2人と比べても過剰なほど肉付きの発達した魔女には無数の小鬼が群がっている。
膣に尻に口腔と、孔だけでは飽き足らず乳房の谷間や太股に毛髪まで生殖器の刺激に用いる小鬼ら。
休む間無き輪姦に意識を朦朧とさせれば白い肌に噛み痕を刻まれ、想い人を想起する間も与えられない。
「あぐえ゛ぇぇっ、な……によぉ?ひっ――ぐっぎあ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」
「あ……?やめてっ、そんなことしたら死……いやぁぁぁぁぁッ!!」
荒涼とした胸部を持つ妖精弓手の細い胴、それを小鬼英雄の剛腕がへし折らんばかりに締め上げた。
同時。身じろぎすら出来ぬその身の股、そこに捻じ込まれた腕の肘を横から割り入った小鬼の膝頭が蹴り上げる。
怖気の感触と共に女神官の腕が胎に肘まで埋まり――白目を剥き絶叫する妖精弓手。
「がへぇっ、うぶっ……もう、殴るのはっ!やっ……ぐふっ、おごぉぉぉっ!?お腹がぁぁっ……!」
「ぐっ、この程度の暴力程度では……ひぃっ!ッ、ぐっ……おぶぁッ、げぷっ!?」」
互いに排泄器同士を嬲らせる無様を嗤いつつ犯すだけでは飽いた小鬼が拳を振るう。
鍛えられてない柔らかな腹部を拉げられ、尻の異物に腸管を抉られて苦悶の悲鳴を漏らす受付嬢。
棍棒まで振るって腹腔内を拉げられた女騎士は、込み上げた吐き気を必死に堪ええずくことしかできない。
「ぎっ……あ゛っ、裂け、ちゃう……!動かな、いで……!?あ゛ァァァァァァァァッ!?」
膣口を突き抉る小鬼の処理が済まぬ事に業を煮やした別の一匹が横から割り入る。
性器の粘膜を蹂躙する異物の太さが倍になり、滅茶苦茶な動きで胎を嬲り回すその痛苦に悶える魔女。
下卑た笑顔をした一匹が焚き火から薪を引き抜き、燃えるソレで乳肉を嬲ると悲痛にすぎる悲鳴が周囲に響いた。
「あ゛、が……いぎっ、え゛ぁっ!お゛っ、どくどく……き、てる゛ぅ」
「ごめんなさい、ゆるして……ひっ、あぐっ、あ゛?これって……いやっ、やめて下さいッ!?あ――」
痛苦に必死に耐える彼女らが致される行為も終わりがやってくる……凌辱者にとっては必然に。
犯される側にとっては突然に訪れた禁忌の出来ごとに、双眸を見開いて怯え泣き叫ぶ女神官。
身を必死で逃がそうとするもそれは叶わず、粘膜に不快な粘りが叩きつけられ総身に怖気が走る。
「げほっ……あぁ?これ、やだ……小鬼のが、私にっ!いや、できちゃう……デキちゃうからぁぁっ!」
「よせ、やめろぉっ……あ、あぁぁっ!殺して、やるぞ……貴様らぁっ!う、うぅぅっ……!」
女騎士と受付嬢も凌辱の結末から逃れることは叶わなかった。
恋心を抱いていた男に捧げることの叶わなかった初穴に汚らわしい小鬼の種が注がれていく。
胎を満たす熱を持った怖気に、排泄器を抉る痛苦に、腹部の鈍痛に、悶え泣き叫ぶ2人。
「うぶ、げほっ……お、えっ!はぁ、はぁ……あ。なんて、こと……たす、けて――」
胎に尻に、体外体内問わず異臭放つ黄ばんだ種汁を浴びせられ、苦悶の呻きを発する魔女。
女の聖域で人になるため生み出された命の素に群がる穢れた子種の存在を朦朧とする意識でふと感じる。
そして……両者が決受した瞬間にそれがおぞましい黒き胎動に変じた事を理解し、彼女の心は絶望に堕ちた。
「う、そ……。こんなに、小鬼のが……私のナカに?いや、妊娠しちゃう……いや、いやぁぁ――」
恋に恋する如き年嵩の乙女にとって受け入れ難い身の災難――
自らの胎に嫌悪する凌辱者の下劣なる子種が宿されてしまった絶望に嗚咽する女神官。
ずるり、粘膜の腫れ上がった孔から性器が抜ければ鮮血混じりの異臭放つ粘液がそこから溢れ出た。
----------------(R-18G↓)--------------------
「あ゛ッ、が……!?は、へぁぁ……すーすーすりゅぅ、はへっ!あ、あ゛ぁ~~~~~……」
ぐぼぐぼり。尻穴から汚れた陰茎、膣からは他の女性同様手首で断たれた腕が抜け落ちた。
断面を覆う粗雑な蓋で子袋の中まで掻き毟られ、破瓜か裂傷か分からぬ鮮血を溢れさせる膣口。
子袋の中まで外気に晒させられた妖精弓手は元の気丈さなど片鱗もなく失神し、無様に失禁する姿を晒す。
「あ゛――終わっ、た……?あ、はは……捕まってた人、みんなこんな……ふふ、ははは……」
「殺す、殺す、絶対に……ぶっ、ごぼお゛ォォォッ!?げぼっ、ぐへえ゛ぇぇっ……!!」
ようやく身を圧迫する凌辱から開放された受付嬢の尻から抜ける異物――切断された誰かの腕。
再び棍棒で腹を潰された女騎士が尻穴から腕の逆側を出産しつつ吐瀉物を吐き散らす。
切断面の骨と爪先に掻き毟られた無残な肛門を晒し、膣から汚汁を吐きつつ両者は崩れ落ちた。
「あ゛、う゛……?やけど、しみ、て……あ、は。あった、かい、わ……ぁ――」
全身に汚濁の無い場所などなきほどに精液を浴びせ掛けられて横たわる魔女。
普段の妖艶さは欠片すらなく仰向けに崩れ失神する彼女へと、小鬼らが催していた尿意を開放した。
噎せ返るような汚臭のする小水を腹に乳房に顔に浴びつつ、彼女は白目を剥いた無様を晒し続ける。
「貴様、らぁ……王女殿下に、指一本でも……!お゛ッ、もうやめ……お゛、ぐあぁぁぁっ!?」
冒険者達同様に捕えられた武官は純潔を奪われながら小鬼達の小水を尻から続けざま注がれていた。
まるで孕んだかの如く腹を膨らませ、強烈な便意を堪える武官。
しかし荒々しく腹を蹴り潰されれば堪えられず尻の下に敷かれた自らの鎧具足へと粗相してしまう。
「gobgob……gob!!」
「やめ……ぎい゛ッ!?あ゛、あ゛、お゛……で、る!あ……あ゛ぁぁぁッ、見るな!見ないでぇぇぇぇぇぇッ!!」
けたたましい音を立てて肛門から撒き散らされた小鬼の小便の濁流。
それに続いて茶褐色の汚物が産み落とされ、彼女が武人であった証を異臭と共に汚濁する。
己の半生を小鬼の下劣な戯れと自らの失態に穢し尽くされたような屈辱感に零れる涙を必死に堪えた。
「う、うぅぅっ……!こんな、屈辱を……う、あぁぁぁっ!!」
「――GOBRO」
その勇敢に戦った女達が尊厳を奪われ尽くす悪夢の宴に、静かにしかし威圧感のある声が響き渡る。
首領――この場全ての小鬼を従えるこの空間の王。その懐には異物が抱かれていた。
「……あ?なに、あれ……え、まさか?」
「……ひっ!」
一瞬、首領が抱えたそれが何なのか理解できず困惑した女性ら……その表情が引き攣った。
あまりに無残な有様で、それが人間女性であるなどと頭が理解を拒む肉の塊。
暴虐の限りをその身に施され、今なお死の安息を得られぬままソレは首領の腕に抱えられている。
「あ゛ーあ゛ー、う゛あ゛っ!あ゛ぇ、あ゛~~……」
髪は、瞳は何色であったのか?頭皮と眼球を失い頭蓋を、眼窩を無残に晒した頭部。
老人の如く窄まった口元が苦しげに開いたその内に、歯列は一欠けらも残っていない。
無残な口腔とそして眼窩までもが異臭放つ白濁を垂れ零す、人の頭部のなれの果てがそこにあった。
「GOBRO!」
「お゛ッ!う゛ッ!う゛ッ……!あ゛、う゛~~~……」
豊かな丸みを描いていたろう胸のラインは片側は無残に抉られて肉の断面を晒しており、
逆の乳房も殴打痕が深く刻まれて痛々しく腫れ上がり、乳頭が食い千切られて失われていた。
四肢を付け根から断たれた、小鬼に生殺与奪を支配された悲惨にすぎるその有様。
「ひ、酷過ぎるわ……あんな、あんなのっ!う、ぐ……!?」
「ぐ、ぶ……お゛ぇぇっ、ごぼっ!うっげぇぇぇぇっ……!!」
胴に痣のついて折らぬ場所はなく、臀部の肉は片側が齧り取られている。
性器は膣が完全に体外に捲れ、精液垂れ零す子宮頚を異物が……断たれた人の片腕が貫いていた。
そのあまりのおぞましい眺めと異臭の不快さに吐き気を催し、吐瀉物で床を汚す女性らの何名か。
「GOBRO!GOBRO……GOBRO!!」
「え゛あ゛ッ、おう゛ッ……う゛、ぐっ!?ぶ、ひゅ……ぐ、へ――ごぼぉぉっ!?ぷごぉぉぉっ……!」
最早苦痛を感じる神経も脳機能も正常には働いていないのだろう。
その小鬼の玩具として廃棄寸前まで壊し尽くされた扱いを受けつつ、その喉は悦びにも聞こえる喘ぎを放つ。
首を締め上げられながらどくりと肛門へと肉茎からの精を浴びつつ家畜の如き奇声をソレは放った。
「お゛あ゛ッ……!い゛、ひゅうぅぅ……お゛!?んお゛~~~~~~……」
「あれ、は……あの指輪は、姫殿下の……王族の、なぜ?え、あ……ぁ、ぁ?」
ずるり、性欲処理を終えた首領が肛門を塞ぐ肉杭を引き抜けば響き渡る悲鳴と下水の如き排泄音。
どぼどぼと白濁した粘液にまみれた糞便が片尻だけの臀部から吐き出され……その便塊に混じった装飾品が鈍く光る。
探し人――姫君の持ち物を目にし、武官の脳内で似付かぬ二つの人物像が奇妙に重なる。
「――姫、殿下?」
「ひゃひぃ……ふぁれぇ?わひゃひぃ、ふぁ……ひゅぶぉぉぉっ!お゛、んげへぇ~~~~……」
「あ、あぁぁぁぁぁぁ……!」
指輪を付けていた腕がどこへ消えたか、その持ち主の今の姿が、目の前の無残な小鬼の性玩具が誰なのか――
その答えが脳内で集結してしまい、麻痺する喉で探し人の名を呼ぶ武官。
その呼びかけに、人としての尊厳を奪われ尽くし糞便垂れ流す肉塊が反応した瞬間……武官の中で何かが切れた。
「あ、あ……うわぁぁぁぁぁぁッ!!殺してやる!殺してやるぞ貴様らッ……あぐえ゛ッ!げぼぉっ!!」
手首足首の末端をもがれているにも関わらず、腕の力だけで身を跳ね上げ喰いかかる武官。
しかし忽ちに再び組み伏せられ、身に殴打を足蹴を受けて苦悶の呻きを搾り出させられる。
哄笑を放った首領は一国の姫君であった肉袋の股を貫く腕を引き抜き、そこから溢れた種汁を武官に浴びせかけた。
「ぶぎゅっ!?ぷぎっ、えげっ……ひゅい゛ぃぃぃっ!?お゛っ、ひゅぐぅぅ……!」
「うぶぅっ、おえ゛ぇっ……姫、殿下ぁ――うぅぅぅぅっ!」
「GOBRO?――GOBRO!GOBROGOBRO!」
肉袋の身を返させ、裏返った子袋へと肉棒を捻じ込み手淫の如く擦り立て始める。
豚が屠り殺されるような絶叫を放つ肉袋を嬲りながら周囲に命を下す首領。
更なる狂宴を命じたものであるのか、小鬼らの目には爛々と嗜虐の炎が燃え盛った。
「gobgobgob!gob!!」
「あぁ、神よぉっ!どうか我らをこれ以上の苦難より――ひ、いぎゃぁぁぁぁっ!!」
「お父さん助けてっ……母さん、誰でもいいっ!誰か誰かっ……いやぁぁぁぁぁぁッ!!」
凌辱の苦痛、そして自らを待ちうける凄惨極まりない末路を明示したような肉袋の姿に絶望する女達。
その身へと野蛮な喝采を上げつつ小鬼が群がって再び暴力と汚辱の宴の続きを始める。
心身を、人としての尊厳を蹂躙し尽くすような災禍を浴びる女達の悲鳴は果てず闇に響き続けるのだった。
……
…………
………………
----------------(R-18G↑)--------------------
月日は流れ――酷く汚れた肌晒す人の女性であった存在が乱雑に転がされた空間。
そのいずれもが息も絶え絶え、或いは生きているかも不明な様相で膨らんだ腹を抱えている。
迷宮を踏破するべく勇ましく挑んだ女性らは今や小鬼を繁殖する孵卵機でしかなかった。
「あ゛……うごいて、あぁ……!ゆめだよぉ、なのにぃ……なんで、なんでっ!いたくて、さめないのぉ……!」
「おねーちゃん、がんばる……から。いっしょにがん、ば……あ?あぁ……いないん、だった。ははは――」
大きく歪な丸みを持つ腹部に至るまで生きていられた者、それはさして多くない。
妊娠してなお苛烈な凌辱を、愉悦のための暴力を受けて臨月に至る前に多数が命を落としていた。
生き残れていることが果たして幸運なのかはその生気ない瞳からは読み取れないが。
「あ゛っ、やめるでありますっ……あんな風になりたくっ、あ゛!?ひっ、気持ち悪いのがナカにぃぃっ……!!」
壊滅した救助隊の救援に訪れた部隊までもが迷宮の罠の錆と消えていた。
命を落とした多くの兵らの生き残りは、新鮮な餌食となり小鬼らに身を貪られている。
愚直な武辺者さに不釣り合いな豊満なる乳房を嬲られつつ孕まされ、悶え喘ぐ女士官。
「さけ、ちゃ……あ゛ッ、ぎひぃぃっ!?うまれ、る゛……あ゛ぁぁぁぁぁッ!!」
その傍らで悲鳴が上がる。結った髪がほどけ、それも生臭い汁にまみれた無残な姿の女。
それが勇ましく剣振るい巨大な魔獣に挑んだ女騎士であると旧知の誰が気付くだろうか?
ぬるま湯を噴く黒ずんだ性器を内から抉じ開けられ、耐えがたい苦しみに喘ぎつつ緑の塊を股より覗かす。
「うぎっ、えへぇ~……あなたのこ、うむから……ぎっ!ふたりで、みてひぇぇ……ひゅ、うぐう゛ぅぅぅぅッッ!!」
その隣の壊れた笑みを浮かべて苦痛に耐えつつ分娩を行うのは清純な少女であった女神官。
孕めない胎になっていた友が処理されるのを見た彼女の心は砕けてしまった。
愛しい男の子を生んでいると錯覚したままイキみ、ずるりと醜い妖魔の胎児を産み落とす。
「お゛んっ、もお゛すぐっ……パパと、あえる゛かり゛ゃっ!がんばっへ……んぢゅう゛っ、ぢゅる゛ッ!ん゛、お゛ぉぉぉッ!?」
人の心は負荷に弱く、あまりに長く尊厳を穢され続けるとそれに順応する動機を作ってしまう。
自らの排泄孔を貫く卑しい顔の小鬼を愛おしい伴侶だと信じ、浅ましく口付けを貪り交わす女――受付嬢。
夫を悦ばせるように浅ましく腰を振り、小鬼をヒリ出したその表情は傍目には幸福そうであった。
「――――、――――ぶ、ご……げ、へぁ―――、――――」
雄の劣情をそそる量感の肉付き持つ魔女は孕んでなお執拗に輪姦され続けていた。
死体のような、生きているかも不明な様の肉体に陰茎を擦り付けなお性欲を晴らす小鬼。
別の一頭が腕を子宮内まで捻じ込み、胎児を引きずり出すとその唇は搾り出された呼気を僅か漏らす。
「……GOBRO。」
「ひゅー、ひゅー……ひめ゛、ひゃま゛ぁっ!あ゛、お゛っ……ひゅ、おぶへっ!?」
人としての全てを踏み躙られ人の仇敵を殖やし続けるその無残な末路――
それを口の端を愉悦に歪めて眺めるは小鬼らの首領であった。
使い潰た肉袋の代替、同じように加工した桃色の髪の肉袋の使い心地を愉しみつつ未来を懸想する。
「GOBRO――GOBROGOBRO!」
派手に牝を使い潰しすぎたがそれでも順調に手勢は生まれ、育っている。
頭数を揃えたら打って出て人の都を蹂躙してやるもいいだろう。
その先の無限の血と快楽の愉悦を想い浮かべ、首領は哄笑を上げるのであった。
闇の中に響く小鬼の愉悦の猛り、人の女達の苦悶の嘆き――それを断つ存在は、現れない。
「――ンだそりゃっ、やってられっか!!」
「最後の隊は……(コロコロ)男は生きているが即屠られ、(コロコロ)女は7日ほどは生かされるな――まあ全滅だ。」
揺らめく灯りに照らされた一室に憤る男の声と次いで賽を卓に叩きつける硬い音が響く。
卓の上に広げられたるは、繋げると迷路になる溝の掘られた木札で出来た盤面。
その上に残るのは黒い駒ばかり、白い駒は全て除かれ哀れにも墓地に眠っていた。
「……ゴブリンだから、などと侮ればこうもなる。出そうとした助言役を断ったのはお前だが。」
賽を投げだして転がり頭を掻き毟る男――槍使いとその隣でげんなりした様子で頬杖を突く大男――重戦士。
対面に座る人物、卓上遊戯の進行者(マスター)がにべもなく癇癪の内容を否定してみせた。
室内でも安っぽい兜を脱がぬ小首を傾げつつ、彼――小鬼殺しは盤上の駒と板を回収していく。
「うっせぇ、お前の助言なんているか!熱病拗らせてくたばっとけ!!……おい、お前からも何か言え!」
妖魔の巣食う迷宮に姫を救出に向かった軍勢とそれを阻む小鬼――という状況を模した卓上遊戯。
それは救出者側の駒が支援人員分まで含め、見るも無残な壊滅を遂げた結果で終わっていた。
ハメ手のような手酷い仕掛けの連続にて負けを喫し寝そべった槍使いががなる。
「ま、お前の作った迷宮だし鬼畜なのはある程度は想像していたが……どういう風の吹きまわしだ?」
「……どういう?意味が分からないが。」
遊戯であればこそ駒が除かれた結果で済んだもののこれが現実の作戦であれば――
救出対象の姫君も女性兵を含んだ勇ましき救出隊も、想像力逞しき者の脳内には姿の思い浮かぶ末路を遂げていたろう。
そんな中で憮然としていた重戦士の言葉を測りかね、小鬼殺しは首を捻りつつ尋ね返した。
「酒の話に出てきた遊戯をお前が『やってみるか』なんて言い出したことが、だ。」
「……。」
凶悪なる『小鬼』、勇敢に挑み散った末路を晒す『勇士達』、致死の罠の並んだ『迷宮』――
現実なら無残な惨禍の末路を晒し終わっていた冒険の末路を片づける小鬼殺し。
その手が思案げに止まり、やがて一拍置いて答えを返す。
「ゴブリンを始末する依頼がない時に、連中のやり口を広める道具に使えるのではないかと思ってな。」
「……それで何で俺らなんだよ。お前には身の回りに嬢ちゃんや他の仲間もいるだろうが。」
ようやく身を起こした槍使いがじろりと小鬼殺しを睨む。
この場の男達はそれぞれ冒険者の一党を率いるリーダーたる存在であり、互いに協働する機会は滅多にない。
遊戯の卓を開いた小鬼殺しも付き合いのいい神官の少女や姦しい森人の弓手など近しい仲間を持っていた。
「あいつらは連中の手口を幾度も直接見て、俺の対処も知っている。今更机上で伝える必要もあるまい。」
「それはお前の仲間内でやらない理由であって俺らを誘う理由じゃあないだろ。」
小鬼殺しへ重戦士がぐびり、とすっかり気の抜けたエールを煽りつつ問いを返す。
この偏屈な男は頭の中で理屈が完結してしまっており、周囲が理解できぬ突飛な行動をすることがあった。
顔見知りになってそれなり長い2人も彼の行動の真意を測るには至っていない。
「腕前がある。生存を掴み取る勝負強さを持っていて、伝えた知識を無駄にしない才覚もある。」
「……。」
そもそもこの変わり者と酒の席を囲む冒険者は、一党の他にこの2人を除いてはいないのだが。
照れ隠しでなく、言葉通りの理由で2人を誘ったと思われるこの判断基準が変人の評を不動とする由縁であろう。
ともあれ世辞など一切知らぬこの男のこと、述べた言葉通りに2人を評しているのは間違いなかった。
「ンだよ。腕買ってて酒飲む仲だから知ってほしいことがあったって言うんなら、信頼してるから!くらい言ってみせろ。」
常日頃から小鬼について考えてばかりで余人について滅多に語ることをしないのがこの男だ。
そう意図してではなかろうとはいえ、上の上の評価をされて妙な照れ臭さを覚える槍使い。
むず痒さを誤魔化すように、ぬるまったエールを煽ると皮肉げに言葉を投げ返す。
「うん?……ああそうだな、お前達を信頼しているから伝えようと思った。」
「ぶっほ、げほっ!テメッ……」
自分の意図を腑に落ちる言葉に訳された、といった態で素直に追認する小鬼殺し。
煽り文句のつもりで述べた言葉をよもや認めて口にされるとは思わず、槍使いは杯を落として噎せ返る。
茹でられたように顔色を朱に染めた相手を見やり、意図を測りかねたように小鬼殺しは小首を傾げた。
「ぶくくくくっ!お前らっ……笑わせるなっ、うはははははっ!」
「笑い話をしたつもりはないのだが。」
噛み合っているようで見事に噛み合わぬ道化劇のような会話に爆笑する重戦士。
真面目に困惑した様子の小鬼殺しの様子が更に笑いのツボに入ったか抱腹し卓を叩く。
哄笑し、或いは赤面して頭を掻く2人を見て小鬼殺しは更に言葉を続ける。
「……もし俺が死んだとき、ゴブリンどもに打つ手を教えられる人間は多い方がいい。」
「あァ?」
小鬼殺しは2人と比べて生来の戦士としての資質は随分劣る。
それでありながら彼は小鬼を狩るために相当に無茶な依頼の遂行を重ねていた。
2人の方が普段挑む敵の格は上ではあるが、一党として動かぬ単身でも平気で無茶をする彼の危険は底知れない。
「……おい、受付嬢さんを気落ちさせること前提の話してんじゃねえ。死ぬ気で生還しろ、いいな?」
「??……何故そこで彼女の名前が出るか分からんのだが。それに、あくまでもしもの話だぞ。」
槍使いが常日頃必死に自己の魅力を売り込んでいる冒険者ギルドの看板受付嬢――
その槍使いを鼻であしらう彼女が、小鬼殺しとの間には他者が近づき難い空気を醸し出すことに皆気付いている。
……このやたらに人の情動に疎い朴念仁本人を除いてはだが。憤る槍戦士。
「いいから生きて帰ると言えっての!仲間も家で待ってる奴もいるだろうにテメェは……」
「お前の生還を望んでる奴は自覚してるより多いって事だ……ウチの相方も知った顔が減るのを嫌うんでな。」
冒険者など好き好んで死の危険のある場所へ踏み込む自殺志願者、と口さがない者は言う。
死んでしまうのも自己責任と言ってしまえばそれまでだろう。
だがそれでも……いや死と隣り合わせだからこそ、自分が或いは知った顔が無事に還ることを冒険者は強く望むのだ。
「そうか。確約はできん、が……心掛けはする。まだまだゴブリンはいるからな。」
「そこでゴブリンか、ったくお前はよぉ……」
「まったくだ、こんな頭がゴブリン漬けの奴になんだってどの女も……俺の方がイイ男だろうによぉ。」
神妙にも見える黙考の末に小鬼殺しが口にした言葉に脱力する重戦士。
その横で……自身が執心中の女性も含め存外に異性よりの好感の高い小鬼殺しを見やり、槍戦士が溜息を吐いた。
いずれにせよ、言質は取った。違えて死んだら『間抜けなホラ吹きここに眠る』と墓碑に刻んで笑ってやろうと思う。
「ええい、くそっ!さっきのゲームもう一回出せ!やっぱりお前には負けてられねえ!」
「……確かにな、負けっぱなしは性に合わねえ。次こそ参ったと言わせてやらねぇとな。」
「ふむ、いいだろう。構造と配置を弄るから少し待て……こんなものか、手抜きだが。」
ガラガラと迷宮が、危険な妖魔が、勇ましき探索者が、そして運命を司る賽が、卓に広げられる。
雪辱に気炎を上げて先の反省点から対策とそのための編成を練り始める2人。
やがて室内に駒を動かす音と宣言、そして賽の転がる音が響き始めた。
――暫しして。男2人の悲鳴が響いた室内にて、繰り広げられた遊戯についてはここでは割愛させて頂こう。
※本作品は著作者様よりの苦情、権利申し立てなどが届いた場合即時削除する予定です。
私信:国を追われた王女姉妹が豚小屋で全裸飼育され片方が豚の胃袋に消えた話を拝読などしておりますと
こういった作品を書いております身としては勇気その他が湧いてきます