晴れ渡る空に煙突から煙が伸びる。牧歌的で、有り触れた長閑な風景。
カルネ村──リ・エスティーゼ王国に属し、トブの大森林の南端外縁部にある人口120程の小さなどこにでもあるような村。しかし、この村には他所の村にはない特徴があった。
普通の村にはない、村を囲うように木製の防護壁が作られ、建てられた高い櫓からは物見が村の外を監視している。それはこの村が過去に国外の騎士から襲撃を受けた事があるという事情が関係しており、それ以降、村の防衛意識が高まったという経緯があった。
そして、そこに住む住民も普通ではない。
多くは通常の人間種であったが、それに混じる形で亜人種であるゴブリンやオーガーの姿が見える。
ゴブリンは国外の騎士に襲撃を受けた際に、村を助けた魔法詠唱者から譲り受けたマジックアイテムにより呼び出された者たちで、共に廃村の危機を立て直したという過去もある。加えて、オーガは人間とゴブリンが共存するという村に集まって来た者たちであった。
村の中央にある広場では屈強な肉体を持つゴブリンが村の自警団と共に剣や槍を持ち互いに訓練を行っていた。
彼らは普通の会話をし、互いの存在を恐れる事も無い。異種族故の文化の違いは存在するのであろうが、そこには村の立て直しに貢献した隣人に対する寛容さもまた存在していた。
村の周囲の耕作地でも村と同じ様に異種族同士が働き、互いに理解し合い、助け合いながら食料の生産に力を注いでいた。オーガが鍬を振り下ろせば硬い土壌であろうと、簡単に掘り返せた。人間がそこに種を播き、水を撒き、繊細な管理を行うようだ。
狩人やゴブリン達が村の近くにあるトブの大森林で採取してきたのであろう獲物を捌き、同時に木の実や薬草を分け合っている姿もある。皆が皆、自分のすべき仕事をこなしながら普通の生活を送っていた。
そんな光景を騎士鎧に身を包んだ男は眺め、隣に立つメイド服姿のユリ・アルファへと問いかけた。
「素晴らしい光景だとは思わないか、ユリ。略奪もなく。誰かを害することも無く。異なる種族が手を取り合って日々を生きている」
「はい、御方様。私もそのように思います」
その言葉に、ユリは目の前の至高の存在が嬉しそうにしている事で口元を緩め、同意するように頷いた。
「……今のこの関係を築くまでには苦労も大きかったのではないか?」
そんな騎士の言葉にカルネ村を案内していた、村長エンリ・エモットが答えた。
「あ、はい、そうですね……確かにこのカルネ村でも最初の頃、色々な問題もありました。特にジュゲムさん達──ゴブリンの仲間達のことですが、彼らはゴブリンという事もあって、やっぱり最初は村の皆も警戒していたんです」
「だろうな」
「でも、ジュゲムさん達が……獣を狩ったり、トブの大森林から出て来て村を襲うモンスターを退治したり、木の実や果実を分けあったり……皆と助け合って協力して生活していたら、いつの間にか信頼関係が築けていました。きっとその積み重ねのお陰で、皆もジュゲムさん達のことが信頼出来ると分かってくれたんだと思います」
「なるほど。信頼関係か……」
騎士──男は考える。それはナザリックで考えた場合、どうなるであろうかと。ナザリックに所属する者の殆どは人間に問わず、ナザリック外の存在に対して見下した感情を持っている。
守護者達は性格もそれぞれであるが、基本的にカルマが低く、人間を下等だと思っているのは共通の認識であるし、一般メイドにおいても至高の存在に創られなかった憐れな存在として見ている。
つまるところ、ナザリックの配下達にとっては人間とは共存可能な相手という認識ではなく、管理すべき家畜といった認識の方が強いのかもしれなかった。同様にゴブリンやオーガに至っては雑魚モンスターという認識が殆どだろう。
「確かに、異種族同士の共同生活には信頼関係は必要不可欠なのだろうな……」
恐らくは、このままこのカルネ村を参考にしたとしても将来、ナザリックが表舞台に立とうという時に他種族との共存を考える上で、ピッタリと当てはまるモデルケースになる事は無いだろう。
多種族が協力しあって生活している姿は、異世界情緒があって素晴らしい。ただ、異種族同士が信頼関係を築くのには苦労も大きいというのが男の考えだ。
とはいえ……実際にナザリックの配下達が人間の事を完全に理解する必要性は無いのかもしれないとも考える。前世、世界を支配していた一部の人間は、人間の形をしてはいても自分とは全く異なる生き物であったから。それこそ、異次元の権力や資金力という点では、今の自分たち人外に似ている部分もある。
見ている物も異なり、住んでいる世界も違う。社会は階層ごとに分断されている。前世の社会構造を参考にするのであれば、姿形など実は些細な違いに過ぎないのかもしれないと男は思う。
──それでも、こうした異種族同士が手を取り合う事が出来るという現実が存在する事を知っているのは、いつか為になるかもしれなかった。
「互いに生活様式も文化も違うだろう。そこはどうしている?」
「はい。そこは……やっぱり話し合ってですね。お互いを知る所から始めて、ある程度のルールは決めるんですけど」
「ふむ」
それは当然だろうと騎士は頷いた。いきなり異種族に生活のあれこれを全て合わせるのは不可能だろうし、それこそある程度同じ意識を共有していなければ共同生活など不可能だろうから。
「後はですね……どうすれば相手の文化を尊重する事が出来るのか、色々と話し合いもしたりします。相手の文化に興味を持つことも大事な気がします。それに狩りのメンバーだったり、自警団のメンバーは関わる機会も多いですから。普段から話すことは多いですね」
「話し合うか……相互理解と相互尊重には地道な努力が必要になるという事だな」
文化の違いを認め合い、互いに譲歩しあう事。それは簡単なようで難しい事だ。前世の社会でも様々な国や地域でその地域独特の文化があったのだ。互いに文化の違いは理解していただろう。それでも人は自らの世界が全てであると固執し、異文化を受け入れられずに争い合っていた。
男はユリを伴って、村を歩きながら考える。村の中では彼方此方でゴブリンやオーガ、人間が協力しあって生活している。
中には10歳くらいの小さな女の子がオーガの肩に乗って楽しそうに笑っている場面もあった。その光景を見て男は面頬の下で笑みを作る。
「……この村は面白いな。ユリ」
「はい、御方様」
「人間という弱い種族が、他種族を排除する事なく互いを尊重しながら生活している……その努力は評価すべき物だ」
「はい」
「いつかこの光景を何処でも見られるようになれたらいいな」
「はい……御方様とアインズ様ならばいつか必ず」
何気なく呟いた言葉であったが、ユリはその言葉に込められた想いの強さを感じ取ったのか、目を細めて頷いたのであった。
「お姉ちゃーん!」
そこに高い子どもの声と共に、小さな子どもが一人、エンリの方に向かって走ってきた。エンリに向かってお姉ちゃん、と呼びかけているからには彼女の妹にあたる存在なのだろう。
「あ、こ、こらっ、ネム! 今は大切なお客様をご案内してる最中なのよ!」
「ご、ごめんなさいっ……私もごあいさつした方がいいかなと思って……」
「ネム……騎士様、騒がしくして申し訳ありませんでした」
申し訳なさそうに頭を下げるエンリに、騎士は鷹揚に頷いた。それからネムに視線を向けて自ら挨拶した。
「いや、何も気にすることは無い。私は君たちとも縁のあるアインズの友であり仲間、配下達からは不死の騎士とも呼ばれている者だ」
ネムは緊張しているのか、少し顔を赤くしながら騎士に向かって頭を下げる。
「ゴウンさまの……はい! 私はネム・エモットです! よろしくお願いします!」
「よろしく、ネム。君はさっきオーガの肩に乗っていたな……いつも一人で遊んでいるのか?」
「みんなお仕事で忙しいから……それにこの村には一緒に遊べる年の子もいないから……」
「む、そうか……」
確かにカルネ村にはネムと同年代くらいの子どもがいない。精々が20数世帯くらいの村だ。過去に他国の騎士の襲撃を受けたことで人口を減らした事もある。ゴブリンやオークがいることで数が多いように見えるが、人間はそう多いとは言え無い。
「隣のお姉さんも、よろしくお願いします! ネム・エモットですっ」
「こんにちは、よろしくね。ネム」
「私、お姉さんの事気になってたの! すっごく綺麗だなぁって!」
「あっ、それは私も思ってました! とっても綺麗な方だなぁって……ナーベさんとルプスレギナさんみたい。あ、ナーベさんというのは、アダマンタイト級冒険者モモンさんの相棒の方で……」
「……そう。ありがとう、嬉しいわ」
ユリは妹たちと同じくらい綺麗だと言われ嬉しくなったのか、ネムの目線に合わせてお礼を言った。そんな反応にネムは満面の笑みで返す。
「えへへ。でも、本当にきれいです! お肌も真っ白で、ぴかぴかで、えらい人のおくがたさまみたい!」
「……そ、そう?」
「はい! 私なんかこんなにそばかすがあるのに……」
偉い人を見た事があるのかどうかは分からないが、ネムにとっては偉い人=凄い人=アインズ(モモン)、アインズ(モモン)の隣にいつもいる人=アルベドorナーベラルのような式になっているのかもしれない。それが実際に奥方なのかは別として。
「大丈夫よ。大きくなって、大切な人が出来たらきっと自然と綺麗になれるわ。あなたのお姉さんみたいにね」
ユリはそんな意味深げな事を言うと、ネムの頭を優しく撫で微笑むのだった。
□
村の様子も大体見終わった後、次なる目的地に向かう為に男はエンリへと声をかけた。
「……このカルネ村にはポーション職人のンフィーレア君がいる筈だな。彼の工房を見せてくれないか?」
「はっ、はい、勿論です! こちらです、ご案内します!」
男がエンリにンフィーレアの工房に案内を頼み、一行が工房に向けて動き出そうとすると、ネムは少し変な顔をして男とユリに挨拶すると逃げるようにして離れていってしまった。
その様子に男とユリは互いに視線を合わせて不思議がった。
「本当にネムが申し訳ありません……」
「いや、まぁ……子どもなら、そういうものだろう。だが何故慌てるように逃げたのだ……?」
「それは……工房は薬草の臭いがキツイですから。ネムはどうも工房の臭いが苦手みたいで」
そう話しながら暫く歩いていると、冷や汗をかいた様子のエンリが男とユリを村の奥にある、他の家からは少々離れた場所にある工房へと案内してくれた。
「ンフィー、いるー?」
エンリが勝手知ったるとばかりに玄関の扉を開き、中にいるであろう人物に声をかける。エンリが扉を開けると共に、中から薬草を潰した青臭い臭いが流れてきた。
「うっ」
その強烈な臭いに思わずユリが眉を顰めた。
その工房では、丁度、ンフィーレアとその祖母のリジーがポーションの精製を行っていた。ンフィーレアは騎士の姿を見ると慌てて立ち上がる。
「あ、あの! 初めまして! ンフィーレア・バレアレと申します! こんな所にまでご足労いただいて、ありがとうございますっ」
「初めまして、ルプスレギナからは聞いていると思うが、少し見学させて貰う」
ンフィーレアが慌てていたのは、ルプスレギナから男が大恩あるアインズ・ウール・ゴウンの盟友だと聞いていたからだった。
ンフィーレアもエンリと同じくアインズに恩を感じていた。過去に凶悪な殺人鬼に攫われ、魔法を扱うだけの道具にされそうになっていた所を助けて貰ったという恩を。それからは恩を少しでも返すべく、アインズの求める新たなポーション開発に協力していたという経緯があった。
ルプスレギナから聞いていたのは、目の前の人物があのアインズの友であり仲間であること。アインズと同じく、ルプスレギナの上位者にあたる存在なので決して失礼な事をしてはならないということ。ルプスレギナにしては珍しく圧を感じる真剣な様子で言われたので、相当大事なのだろうと緊張していたのだ。
「アインズからは紫のポーションのことは聞いている。劣化しづらいポーションは非常に有用だからな。アインズも私もンフィーレア君には期待しているんだ」
「あ、ありがとうございます!」
ンフィーレアは騎士からの期待しているという言葉に深く頭を下げた。
「それではそのポーションを見せて貰えるか?」
「はいっ、どうぞこちらへ」
男はンフィーレアの案内で工房の奥へと進む。そこには様々な色のポーションが並んでいた。赤、青、紫。赤が最も少なく、次いで紫、青と数が多くなっていた。
「赤は兎も角。やはり、紫のポーションの量産は難しいか……」
「はい。赤は残念ながらまだ僕の技術では再現は出来ていません。紫については材料には高品質な薬草が必要で……それに、職人の技量も必要になります。今のところ僕と祖母以外には現段階では作ることすら難しいかもしれません──」
□
日が傾き、風が冷たくなってきた頃。暖炉に火を入れたのか、村の家々からは煙が登り始めていた。
エンリとンフィーレアが村を訪れたお客様が帰るのを見送り、ホッと一息ついていた所にゴブリン集団のリーダー格であるジュゲムが近づいて来た。
「姐さん、お客人はお帰りになったので?」
「うん、ついさっき。すっごい緊張したよー! ね、ンフィー?」
「そうだね……厳しい方ではないようだったけど、やっぱりゴウン様の盟友と云われる方だけあって、雰囲気のある人だったね」
そもそもがアインズの盟友の時点で只者の訳がないのだ。エンリとネム、ンフィーレアはアインズの正体がアンデッドであると知っている。そのアインズの盟友であるなら……と、口には出さないものの、エンリとンフィーレアは騎士鎧で隠したその正体がアンデッドのものなのだと薄々勘付いていた。
「それにユリさんって、すっごい綺麗な人だったなぁ……」
「そうだね……ルプスレギナさんもそうだけど、ゴウン様の元にはああいった方たちが集まるものなのだろうね」
ンフィーレアはぼそりと呟いたエンリの言葉に笑って同意する。ンフィーレアはユリのあまりにも完成された美に気後れしかせず、一言も会話せずに終わったので、それくらいしか言えなかった。そして、やっぱり僕にはエンリが一番、と内心で思った。
それから二人が会話を弾ませていると、ジュゲムが緑色の耳を下げ、言いにくそうに口を開いた。
「楽しそうな所すいやせんが……あの人達には気をつけた方がいいですぜ。此方を害する気はなさそうでしたが、今でも身体の震えが止まらねぇ……その気になりゃ、こんな村なんてあっという間に……」
「ジュゲムさん……?」
「なぁんだ、ちゃんとわかってるんすねー」
背後から突然現れたルプスレギナが3人を脅かすようにして声をかけた。
「うわぁっ」
「わっ、びっくりしました、ルプスレギナさん」
「やっほーっす、エンちゃん、ンフィーっち」
「ルプスレギナの姐さん……茶化さないでくだせえ。とにかくあの人達は普通とは違う……人の姿をしていましたが、存在自体が根本的に違う感じがしやした」
ジュゲムの抱いた感想に、他の2人が不思議そうにした。ジュゲムの感じたそれは本能的なもので、上位者を畏れるの野性的な本能の現れであった。
ルプスレギナはその感想を聞いても怒ることは無かった。至高の御方々は他とは異なる唯一無二の存在という認識であり、上位者を畏れるのは命有る者として当然の事だと思っていたからだ。
それに加えて、あの二人の種族の本質がアンデッドであり、生命を持っていない事が、生物としてゴブリンの違和感に繋がったのだろうと考えた。
「そっちのゴブリンは本能的に何となく分かってるみたいっすけど──かの御方は、アインズ様に並ぶ至高の御方々のお一人。無礼な言動は決して許されません」
普段のおちゃらけた雰囲気を消して、一転、猛獣のような鋭い視線を向けたルプスレギナ。その視線に2人が身を硬直させ、一体が表情を険しくして警戒した。
「ルプスレギナさん……えっと……」
「まぁ、御方様は優しいから。よっぽどのことして怒らせなきゃ大丈夫だと思うっす。なんせ、素行の悪い襲撃犯を調教して身内にしちゃうようなお方っすから……ただ、その優しさに甘えて、馴れ馴れしい言動はくれぐれも慎むようにするっすよ!」
「は、はぃ〜!」
ルプスレギナがいつもの調子に戻ると、そう二人に注意した。エンリとンフィーレアはこくこくと頷いたのだった。
□
ナザリック地下大墳墓、執務室。
モモンガは自らの机で、ユリより提出された報告書を読んでいた。それはカルネ村での生活──異種族同士の生活を簡単に纏めたものだ。
「ふむ……」
モモンガが見ていたのは、報告書に書かれていた友人の様子。というより一言一句、友人の発言を逃すことなく書かれていたので議事録みたいな物になっていた。
「これは……ちょっと恥ずかしいぞ」
モモンガがそう呟くと、くすりと笑った。友人もまさか此処まで詳細に言動を記録されているとは思うまい。モモンガはユリが書いた報告書を読みながら、その友人に想いを馳せた。
どうやら友人はあのカルネ村のことが気に入った様子だった。特に異種族同士が互いに手を取り合い、協力しながら生活を送っていることに強い興味を示していたとある。それから、いつかこの光景が何処ででも見られることを期待していると。
そしてそれはアインズが目指すものでもある。かつてのユグドラシルのように。玉石混交とした世界をこの場所で再現するということ。友人達との思いでの世界を作り出すことを夢見ているのだから。モモンガはふ、と笑い、機嫌よさげに机に肘を着いた。
そこまで報告書を読んでモモンガはふと昔を思い出した。
それなりに付き合いの長い、あの友人は、昔から既にリアルでは滅びた自然を模したフィールドの探索だとか、現実にはあり得ない異世界情緒溢れる街を隅々まで探索するのが好きだった。
共に時間を忘れてフィールドを探索したことも、新たなイベントを求めて街を隅々まで徘徊したこともある。
昔からそういうところは変わらない。冒険好きで、未知の光景を見る事を欲している。
モモンガは過去に思いを寄せて心の内で微笑む。それらは全て、モモンガにとっても楽しい思い出だ。そして、恐らくはギルドメンバー全員にとっても。
「懐かしいな……ふふ……あの冒険の続きを、またしたいものだ。今度はナザリックの皆と。そうだな……アゼルリシア山脈の探索など皆でしたら楽しいかもしれないな」
あの時の仲間たちの殆どは此処にはいない。それを寂しく思う気持ちは変わらずにある。だが、寂しくても楽しかった記憶までが無くなったわけではない。
それに、今は仲間たちが残していった者たちがいるのだ。配下達は紛れも無く、仲間であり、楽しみや苦労を共有する事の出来る友人達と同じ、同志でもある。
「そうか。この世界なら……また皆と一緒に冒険が出来るのか。今迄、警戒ばかりだったが……そう思うと楽しみだ」
モモンガはそう呟き報告書を机に置くと、機嫌よく椅子から立ち上がったのだった。