※この作品はR-18です。

罪の向こう、愛の絆   作:千野 伊織

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今回(No.1)は、樹×芙蓉です。登場人物は、千手柱間、千手扉間、千手樹。

芙蓉が記憶を失くす前、扉間と暮らし始めて暫くしてから(本編23~24あたり)が舞台の設定です。

※女性同士の性描写です。苦手な方はご注意下さいませ。

ひな祭りということで・・・って違うか(^^;)


【 if you XXX 】は基本的に、
芙蓉×誰かの濡れ場がメインです。
ですが、「芙蓉が誰とでもしちゃうイケナイ子」なのではなく、作者の都合で色んな相手とさせられていて可哀想って思ってあげて下さい。(芙蓉、ごめんね…)
また、「if」ということで、「もしも」がテーマなので、本編の話に沿いながらも、本編の展開とは関係ありません。



【 if you XXX No.2 】芙蓉と樹のすれ違い

 

「オシャレな雑貨屋が出来たんだってさ。芙蓉新しい食器が欲しいって言ってたじゃん。明後日の夕方一緒に行ってみようよ?」

「あ、ごめんね・・・明後日はうちは私塾の先生方と勉強会があるの。」

「塾は休みなのに?へー。皆さん熱心なんだね・・・」

樹は明らかに不機嫌になっている。

この一ヶ月、芙蓉を何度誘っても断られてばかりなのだ。ようやく今日、買物帰りの芙蓉と三十分ばかり会えたのだが、またも誘いを断られた。

上忍である樹も忙しく、任務で里を不在にすることもあり、なかなか休みが取れず自分自身も芙蓉と予定を合わせるのは難しい。

仕方ないと解ってはいても、せっかく自分に時間や休みがある時に芙蓉から断られるのはそれだけで落込む。それが続くと寂しさともどかしさで、つい不機嫌さが表に出てしまうようになっていた。

「今日もこれから扉間さまとお出掛けする予定なの。ごめん、もう行くね。樹ちゃんも風邪引いたりしないようにね。それじゃまた!」

芙蓉はそう言うと足早に家に向かって坂道を走って行ってしまった。

“風邪引いたりしないようにね”

芙蓉の優しい気遣いも、今の樹には、“また長い間会えないから”と言われている様に感じられてしまう。そして、これから扉間と一緒にでかけるという事もどこか許せない気持になる。

冷たい冬の風が樹の束ねた金色の髪を揺らし、ぶるっと震えた。

・・・このまま風邪引いちゃおうかな・・・

樹は芙蓉の姿が消えた坂道を睨んでいた。

 

◆

この日、樹は芙蓉に誘いを断られたため、残業をして溜まっている仕事をこなすことにした。

他の秘書たちは合コンがあるとかで、いつものように定時でさっさと帰って行った。

 

「おっ。いつも定時ピッタリで帰るお前が残業とは、めずらしいのう!台風でも来るんじゃないか?ワハハハ!まだ暫く本部に残っておるか?」

「…あ、ハイ。」

「いま作っている書類を警備部に届けてほしいのだ。そのまま直帰してくれて構わん。頼まれてくれるか?」

「…別に構いませんけど。なるべく早くお願いします。」

樹は柱間の方は見ず、書類を眺めながら明らかに不機嫌な口調で答えた。

「なんだ、なんだ?今日は機嫌が悪いのう!俺で良かったら話を聞くぞ?」

「結っ構です!」

樹は完成した資料を下の階の部署へ届ける為立ち上がり、秘書室を出て行った。

柱間は苦笑しながら不機嫌な樹の後ろ姿を見送った。

 

十九時前。

樹は柱間から頼まれた書類が入った封筒を手に、足早に大通りを歩いていた。

この日は特に冷える。芙蓉が編んでくれたマフラーをしっかり巻き直した。

・・・芙蓉、寒がりだから大丈夫かなぁ。風邪引かないといいけど・・・

大通りから店の立ち並ぶ路地に入った。警備部の施設まではこの道が近道だ。

ふと大きな窓ガラスに映る自分の姿が目に入った。

気にせずまた前を向いて歩き出そうとした時、目を疑った。

その窓ガラスの向こう、店内で芙蓉が見知らぬ女と二人で楽しそうに話をしているではないか。

樹は立ち止まり、窓ガラスに近づいて芙蓉の様子を眺めた。店の中央付近の席に座る芙蓉は全くこちらに気付かない。

「なんで・・・今日は塾で勉強会だって言ってたじゃん・・・」

芙蓉は向かい合って座る、自分たちよりも少し年上と思われる二十代後半の女性と何度も笑い合っている。

樹の脈が上がり、拳に力が入る。

店に入ろうとも考えたが、一度目を閉じて俯き、そしてまた前を向くとそのまま走り去って行った。

 

◆

 

「樹ちゃん!」

芙蓉が里本部の廊下で樹を呼び止めた。

樹は反射的に振り返ったが、すぐに芙蓉から目線を逸らした。

「樹ちゃん…最近家にも来てくれないし、なかなか会えないから心配してたんだよ?元気だった?」

芙蓉と会う、いや、芙蓉を目にするのはあの夕方以来、一週間ぶりだった。

「…うん。どうしたの?扉間様に何か用?」

「う、うん…。ちょっと、ね…。樹ちゃん、この後時間ある?お昼ごはん一緒に食べない?」

「ごめん。忙しいから無理。芙蓉なら、他に一緒にご飯食べてくれる女友達、居るでしょ?」

「え?」

樹は芙蓉に背を向けて足早に歩いて行ってしまった。

しかし、本当は芙蓉に会いたくて堪らなかった。

芙蓉から声を掛けてくれたことも、食事に誘ってくれたことも嬉しかった。そして、先日のことを芙蓉に訊きたかった。しかし訊けなかった。

芙蓉への憤りと、訊きたいことを訊けないもどかしさについ意地を張ってしまった。

秘書室に戻って自分の椅子に座った途端、激しい後悔が襲ってくる。

・・・芙蓉に嫌われたら、どうしよう・・・

肘をついた両手で顔を覆う。

沸き上がる衝動に、気づけば立ち上がり、走って先ほどの廊下へ向かっていた。

・・・もう、居るはず無いよね・・・

樹は先ほどの廊下に着き、先ほどよりも行きかう忍の数が増えている廊下を見回した。しかし、その中に芙蓉の姿は無かった。

樹はさらに激しい後悔に襲われ、両膝に手をつき前かがみになった。そして大きなため息を吐く。

暫くして体を起こし、うな垂れたまま、目だけで廊下を見た。

すると、人波が途切れた隙間から、廊下の端の窓際に立っている芙蓉が見えた。

樹は急いで人波をかき分け、芙蓉の所へ向かった。

すると芙蓉も樹に気が付いた。

「樹ちゃん!お仕事は?大丈夫??」

「・・・うん。ごめん。私・・・あんな事言っちゃって。」

「うん…ちょっとびっくりしたけど、大丈夫。でもね、私には一緒に食事してくれる人は居るかもしれないけど、一緒に食事したいお友達は、樹ちゃんしかいないんだよ?」

芙蓉はそう言って微笑んだ。

「芙蓉!」

樹は人目も気にせず芙蓉に抱き着いた。

「…実はね、樹ちゃんが戻って来てくれる気がして待ってたの。やっぱり私たち、テレパシーが使えるのかな?フフフ。」

 

◆

「樹ちゃん、本当にごめんね。嫌な想いさせて…」

「ううん!私が勝手に勘違いしただけだし、芙蓉は全く悪くないのに…私こそ本当にごめんね…」

樹は仕事を終え、芙蓉の部屋に来て先日の事を打ち明けた。

そして、芙蓉があの日会っていた女性は、今度私塾に新しく入る教員で、塾での勉強会が早く終わり、一緒に参加していたその女性に私塾の話が聞きたいと言われ、あの店に入って話していたと判った。

それが分かると、樹は自分の子供っぽさと愚かさに落ち込んだ。

そして芙蓉の前でいま、落ち込みまくっている。

「それにね、最近芙蓉から断られることが多くて、なかなか二人でゆっくり会えないことにイライラしてたんだ…。芙蓉にだってそう言う時もあるのにさ…それに扉間様と暮らして居たら尚更だよね。ほんと、ガキっぽくて自分が情けないよ…」

「そんな顔しないで!樹ちゃんの気持ち、よく理解できるから。私も樹ちゃんとすれ違いばかりで、なんとなくイライラしてたもん。もう!なんで会えないのぉーって!」

「え?ほんとに?芙蓉でもそんな風に思うの??」

 

芙蓉は天然な性格ゆえに、人を和ませ愛される反面、時に人を笑顔で傷つけてしまう所が唯一の欠点であると樹は思っていた。

それ以外は嫉妬したり、苛ついたり、恨んだり嫌ったりしない、聖女のような女性だと思っていた。しかし、芙蓉でも、正当な理由に対して個人的な感情だけでイライラすることもあるのだと、驚いた。

 

「アハハハ。思うよ?どうでもいい事、どうでもいい人に対しては『仕方ない』で終わるけど、大切な人の事になると、頭では理解できるんだけど、心はイライラしちゃうんだよね…本当はそんなのダメなんだろうけど。」

「芙蓉・・・」

樹は、芙蓉も自分とまったく同じ心と思考回路を持っていることに嬉しくなった。

そして芙蓉にとって自分が他の誰よりも特別な存在であり、理性や正当性よりも感情が先立つほど情を注いでくれている相手であることに感激した。

「だって私、樹ちゃんのこと、だーい好きなんだもん!!」

そう言って芙蓉は樹の胸に抱き着いた。

 

『樹ちゃん大好き』・・・

樹にとって昔から最強の言葉だ。

その言葉に喜びが溢れ、励まされ、底知れぬ力を貰った。

また時には、怒りを収め、悲しみを隠し、耐え、目をつぶったこともあった。

そして、時には・・・

愛情の奥にある、欲情が引きずり出されるのである。

 

樹は芙蓉の顎をそっと支え、顔を上に向かせると、何も言わずに口づけをした。

芙蓉もそっと目を閉じ、その優しく甘い感覚に浸っている。

「芙蓉、愛してるよ。」

「…今日は扉間様、会食があって夜遅くなるの…」

それを聞くと樹は、芙蓉を抱きかかえ寝台に運んだ。

芙蓉は抱きかかえられながら、樹の美しい顔を見上げ、まるで絵本の中に出てくる白馬の王子様のようだと思い、うっとりとした。

樹は芙蓉の頭を支え、ゆっくりと横たえた。

そして左手を芙蓉の頭の上につき、右手で芙蓉の左手を握り締めながら口づけをする。

チュッチュッとわざと可愛らしい音を立て、芙蓉の唇を吸う。

「…フフッ。」

唇が離れ、樹と目が合うと芙蓉が笑った。

樹はその少女のような顔を見て愛おしさがこみ上げ、両手で芙蓉の顔を優しく包み、確かめるようになぞった。芙蓉は快感でぶるっと小さく震え、目を閉じる。

それを見た樹は芙蓉の腰紐を解いてスカートを脱がせ、上着の薄手のセーターを脱がせた。純白の絹の下着で支えられている白い胸は、しっかりとした谷間が出来ている。樹はその谷間に顔をうずめ、舌で優しくなぞる。

「あんっ・・・」

芙蓉の甘い声が洩れると、今度は下着と胸の境目を舌で丁寧になぞってゆく。

気持ちは良いのだが、芙蓉はその行動がじれったく感じてしまい、更にその先を期待する。

そしてやっと下着のホックが外され、芙蓉の白い胸が露になった。乳首は赤く、固くなっている。樹も自分の服と下着を脱ぎ、裸になった。

そして樹は芙蓉の乳首をそっと撫でた。

「もうこんなに固くなってる・・・」

「樹ちゃん・・・」

ねだる様に自分の名前を呼ぶ芙蓉は可愛らしい。芙蓉の左乳首に吸い付いた。

「ああああっん・・・」

口の中で芙蓉の乳首を弄びながら、もう片方の乳首を右手で愛撫する。

「あっあっあっ・・・あぁぁんっ・・・いやぁ・・・」

芙蓉がいってしまいそうになるところで止める。

そして芙蓉の腹からへそ、そして下腹部までを一直線に舌で舐める。

ハァハァと芙蓉の息は上がり、腹も上下している。

下着の上から芙蓉の股間の堅い部分を何度も舌で刺激すると、その度その部分は固く膨らんでいく。芙蓉の純白の下着が自分の唾液で汚れる様を見て、樹は更に興奮する。

そして下着を脱がせ、股間をじゅるじゅると音を立てて吸い始めた。

「やっ・・・樹ちゃん、恥ずかしいっ・・・ああんっ・・・」

「芙蓉は本当に恥ずかしがり屋だね。そこも可愛いけど。もっと恥ずかしくしてあげるよ…」

そう言って芙蓉の膝を立て両足を思い切り開くと、膣の中に舌を入れる。

「んっ・・・・・!!!」

芙蓉は男根とは違う挿入の感覚に痺れる。膣がきゅっと締まり、樹の舌を押し戻す。それでも樹は構わず舌をねじ込み、刺激する。

「あんっあんっああぁ・・・もっと、もっと奥までして!」

そう言う芙蓉のいやらしく歪んだ顔を見ると、樹は少し不敵に微笑んだ。

・・・今、紛れもなく、芙蓉は私だけのもの。私を欲しがってる・・・

樹は左手で芙蓉の腰を掴むと、右手人差し指と中指を芙蓉の膣の中にゆっくりと入れた。そしてゆくりと出し入れを繰り返す。

「はぁ・・・・っ・・・ああああんっ!」

膣の中央当たりに指がたどり着くと、芙蓉の腹側に指を曲げ、その部分を刺激した。

「あああああっんっ!!!」

芙蓉は大きく腰を逸らせ、身悶える。

「芙蓉、すっごくいやらしくて、恥ずかしい顔してるよ・・・」

「やだっ・・・やめっ」

「だめ、もっともっといやらしくならないと・・・ね?最高に気持ちよくしてあげる。」

無意識に動いてしまう芙蓉の腰をぐっと抑え、その部分を更に激しく刺激する。

「あああああっん!!あんあんあんあっ・・・もう、だめぇ!!!いっちゃうよぉ!!」

樹は左手で芙蓉の乳房を鷲掴みにして揉みしだきながら、更に芙蓉を追い詰める。

「ああ、なんていやらしい子なの・・・恥ずかしいね、芙蓉?」

「樹ちゃん!樹ちゃんっ!!・・・ああああああっんっっ!!!・・・・」

芙蓉は樹の名前を何度も叫びながら激しく果ててしまった。

息を切らし茫然とする芙蓉の唇に、樹はそっと口づけをする。そして自分も芙蓉の隣りに横になり、芙蓉を自分の胸に抱き寄せた。

 

暫く呆然としていた芙蓉が、おもむろに、樹の乳首に吸い付いた。

「あんっ・・・」

樹は声を洩らすと、自分の乳首を優しく吸い続けている芙蓉の頭を優しく撫でた。

「樹ちゃん、気持ち良い?私、下手でごめんね」

「そんなことない。すっごく気持ち良いよ・・・最高。」

芙蓉は起き上がり、横になっていた樹の身体を仰向けにし、その身体にまたがって乳首を吸い始めた。

樹は快感と愛おしさに、その芙蓉の背中に手を回して優しく愛撫する。

「・・・あんっ・・・」

樹の愛撫に感じてしまい、芙蓉が乳首から口を離し、軽く身悶えた。

「芙蓉、続けて・・・ほら。」

そう言って芙蓉の頭を再び自分の胸に近づけた。そして芙蓉は、舌でチロチロと子猫の様に樹の乳首を舐め始めた。樹も芙蓉の性感帯である骨盤周りを優しく愛撫する。

芙蓉はその快感に体をピクンピクンと動かしながら、必死に舐め続けている。

「可愛い・・・本当に可愛いよ・・・芙蓉。」

樹は身を起こし、股の間に芙蓉を座らせた。そして自分は両手を後ろにつき、胸を張った。

「私の可愛い芙蓉・・・もっと可愛いところ、私に見せて。」

芙蓉は少し恥ずかしそうに微笑んだ後、左手で樹の乳房と乳首を触りながら、右手は樹の股間に伸ばし、固く勃起した部分を擦り始めた。

「私、樹ちゃんが気持ち良くなるためなら、なんでもするよ・・・?」

「ああっ・・・芙蓉・・・あんっあんっあああぁ・・・」

芙蓉は片方の乳首に吸い付いた。樹の感じる部分三か所を同時に刺激する。

「はぁぁんっ・・・芙蓉っ愛してる!!!・・・あああああああっん・・・!!!」

樹は芙蓉の拙い愛撫であっという間に果ててしまった。

二人は横たわり抱き合った。

「芙蓉・・・ありがとう。すっごく気落ち良かったよ・・・ああ、幸せ・・・」

「ホント?私、樹ちゃんの為にもっと上手になるね!」

「ふ、芙蓉・・・ありがとう!!愛してる!!!」

樹は芙蓉が自分への愛情表現の為に努力すると言って貰えて、この上なく幸せを感じていた。

間違いなく、いまは、芙蓉は樹だけのものだった。

 

二人はいつの間にか眠っていた。気が付くと、もう二十時半を過ぎていた。

「うわっ!ごめん!寝すぎちゃったね。」

「うん。でも気持ち良かったし…扉間様も遅いし大丈夫だよ。お腹空かない?簡単な物しか作れないけど晩御飯作るから食べて帰って。」

「わーい!ありがと♪」

 

ガラ!

「帰ったぞー。…ん、樹が来てるのか?」

一階の玄関の扉が開き、扉間の声が聞こえた。

 

「うっそ、マジ!!ちょ、早く服・・・」

「は、はーい!お帰りなさいませ、扉間さま!いまちょっと手が離せないので、暫くしたら下に下りますね!」

「?・・・。ああ。」

トントントン・・・

階段を上がって来る扉間の足音が聞こえる。

二人は音を立てないように、必死に急いで服を着る。

「まったく、くだらん会食だったぞ。お前のことも気になるし、早く切り上げてきた。」

芙蓉の部屋の前で立ち止まった扉間が、扉越しに話しかけてきた。

二人はビクッ!!とする。

「あ、あらあら。そうなんですね・・・あはは・・・それは大変でしたね・・・」

服を着ながら芙蓉がなんとかそれに返事をする。

・・・早く帰ってくんじゃねぇよ!!!馬鹿っ!!!・・・

樹は心の中でそう叫びながら、なんとかズボンを履き終えた。

「・・・?」

扉間はなんとなくいつもと違う雰囲気を感じつつも、自室に入り着替えを始めた。

 

「で、お前はいつから家に来てたんだ?」

「えぇ、あ、仕事定時で終わってすぐ来たんで、十七時半くらいかなぁ…」

「飯も食わずにこんな時間まで二人で何をしてたんだ?」

台所に立ち、鍋でうどんを茹でる為の湯を沸かしている芙蓉と、扉間と向かい合って座っている樹が同時にドキっとする。

「じ、実は、二人で部屋で話してたら途中から眠たくなってきてしまって、お昼寝しちゃってたんです…あはは…私たち最近疲れるみたいで。あ、扉間さまはいつも通り、うどんは柔らかめで良いですよね?樹ちゃんは固めだっけ?コシがあるのが好きなんだよね?」

芙蓉がなんとか誤魔化した。

「ああ。いつも通り、腰砕け(コシが限りなく無い柔らかい麺・九州地方でよく食べられている)で頼む。」

「扉間様って腰砕け派なんだぁ~フフッ!お子ちゃまだなぁ~!ていうか会食してきたのにまだ食べるんですか?」

「黙れ。自分の家で何を食おうがお前に関係無い。文句あるなら今すぐ帰れ!会食なんてのはな、会話と酒がメインでじっくり食事などできんのだ。」

「でも、忍で“腰砕け”とか、なんか縁起悪~い。クククッ…」

「なんだと、てめぇ・・・」

「もう二人共!仲良くして!樹ちゃん、扉間さまはうどんは腰砕け派だけど、扉間さまの腰はすっごく強いんだから!」

 

「「・・・・・・・」」

 

「…ん?二人共どうしたの?なんか顔が赤いけど?」

扉間と樹は顔を少し引きつらせながら、ううんと首を振って笑顔を見せた。

 

・・・芙蓉、天然すぎっ!!!・・・

 

 

                                          おしまい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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