最終回の登場人物は、うちはマダラ、千手扉間、燕尾(o.c)、橘芙蓉(o.c)、千手柱間です。
遂に尾獣の眠る場所に到着したマダラと扉間。
早速二人で協力して捕獲・仮封印を始めますが・・・
無事に尾獣を仮封印し、二人は部下が居る三隅村へ向かいます。
しかし、倒したと思っていた忍犯罪集団の親玉が現れて・・・
マダラと扉間VS燕尾の激しい戦いが繰り広げられます。
マダラと扉間の共闘の行方は?
※表紙イラスト、描いてみました(^0^)
※オリジナル忍術があります。
※『封神演義』ネタが入っています。
※本編の関連話:(8)~(10)および、(15)、(16)をぜひお読み下さいませ♪
「何て邪悪なチャクラだ…しかもまだ覚醒前でこの強さ…やはり九尾の可能性が高いな…」
そう言って、扉間が目の間にそびえ立つ大きな岩の壁を見つめて息を飲む。
「ああ。その可能性が高いだろうな。まぁ何にせよさっさと捕獲してやるぜ。」
マダラは腕を組み、不敵な笑みを浮かべている。
「手筈通り、これから俺がこの山全体を囲む結界を張る。そのあとは貴様に任せるが、この岩をどうやって砕く?派手に砕けば尾獣が暴れ出し、俺の結界と言えども長くは持たないかもしれん。どういう方法でやるんだ?」
「“火遁・灰塵隠れの術”を使う。これは印を結ぶ必要が無い上に、岩と言えども灰に変える。その高熱で尾獣を攻撃するだけではなく、灰で目をくらますことが出来る。だが結界内も高温になるし俺たちの視野まで無くなるから、そこでお前の出番だ。水遁で俺とお前、そして尾獣のラインだけをクリアにしてくれ。」
「…いい案だな。了解した。では早速封印を始めるぞ。」
扉間は飛び上がり、マダラの後ろ10mほどの所へ着地すると、その場で印を結ぶ。
「結界・封不祥陣!!」
ズズズズズズ・・・・
透明だが表面にパチパチと電気を帯びた結界の壁が、尾獣が居る箇所を中心に半径50mほどの円筒形が空へ伸びていく。そして上空50m辺りで結合し天井を作った。
扉間とマダラはその結界の中に居る。扉間も結界内に居るのは勿論、万が一の時にマダラをサポートする為である。
「火遁・灰塵隠れの術!!」
結界が完成したのを確認すると、マダラは印を結ぶこと無く、術を発動した。
バチバチ!ボォオ!!
瞬時に勢いよく辺りの木や草が燃え上がったが、余りの高温で直ぐに燃える音は消えてしまった。そして遂に、岩も灰と塵に変わっていった。
それを確認すると扉間も術を発動させる。
「水遁・水衝波!!」
扉間は口から水を吹き出した。
その水は尾獣の居る場所まで一直線に伸びてゆく。水が通って行った後は灰と水が蒸発して二人の目の前をクリアになる。
『!!!』
遂に、二人の目の前に尾獣の姿が現れた。
そして、そこに現れた尾獣は、九本の尾をもつ“九尾”だった。
「・・・グルゥゥウウウウゥ・・・誰だ・・・」
「よう。バケモノ」
瞬足で九尾の目の前に移動したマダラは、万華鏡写輪眼が浮かんだ目で九尾に声を掛けた。
「…⁉…」
すると、マダラと目が合った九尾の動きがピタリと止まる。
そして九尾の目にも、同じく万華鏡写輪眼が浮かび上がり、そのまま瞼を閉じてその場にうずくまってしまった。
「…本当に写輪眼だけで九尾の動きを止めるとは!…マダラの瞳術はどこまでの力なんだ⁉」
柱間と対等に闘える唯一の忍とも言えるマダラなら、一尾から九尾まで、どの尾獣であろうと捕獲する事は可能だと、扉間も確信はしていた。
しかし流石に九尾相手とあってはマダラも少々手こずるだろうという予想に反し、マダラはあっさりと九尾の動きを封じてしまい、扉間は驚いた。
「扉間、こいつはもう動けん。これから俺の作った異空間へ仮封印する。もう結界を解いても構わんぞ。」
「しかし・・・ああ。解った。」
まだ封印前とあり、扉間は結界を解く事に少々戸惑ったが、マダラの幻術により九尾のチャクラの荒々しさは消えており、この後の行動を考えて結界を解くことにした。
・・・親玉三人は潰したが、この後再び忍集団の手下との戦闘が起こる可能性もある。それに・・・
扉間は印を結び、結界を解除した。
マダラは、扉間が結界を解いたと同時に、九尾を異空間に仮封印をする為に印を結び始めた。
「子・丑・酉・酉・丑・・・」
仮封印といえど、封印術の印は複雑である。マダラは集中し、慎重に一つ一つ印を結んでゆく。
扉間は、そのマダラの背中を、ジッと見つめた。
・・・今なら・・・
扉間はぐっと眉間に力を入れると、マダラの背中を睨みつけ、腰にさしている刀の柄をそうっと握った。
そして静かに深呼吸をした。
刀を握る右手に、徐々に力がこもってゆく。
しかし―――。
『本当です!扉間さまを責めないで!!喧嘩、しないで…』
一瞬。
あの夏の日、柱間と自分の間で泣き出す芙蓉の姿が蘇った。
「終わったぞ」
気付けば目の前のマダラは九尾の仮封印を終え、扉間に振り向いて告げていた。
「ああ」
マダラは涼しい顔をしてこちらに歩いて来る。
扉間も何事も無かった様に腰に手を当て、先ほどまで九尾が居た場所を眺めた。
チラッ。
扉間の横をすれ違う瞬間、マダラは横目で一瞬だけ扉間の眼を見たが、また前を向き、先にもと来た道を歩き出す。そして、背中で扉間に向かって言う。
「ほら、さっさと三隅村へ向かうぞ」
「そうだな…急ごう」
そう返事をすると、扉間もマダラの後ろを歩き始め、二人揃ってその場から姿を消した。
◆
ザッザッザッザッザッザッ・・・ザザッ!!!
草原を走っていたマダラと扉間は足を止めた。
九尾を封印したことで天候が回復し、強風は止み、空は晴れ、青い空に眩しい太陽が輝いている。
しかし、目の前に邪悪なチャクラを感じる。
「このチャクラは…!!」
「君たちだね。僕の超絶可愛い妹たちを弄んだのは!うちはマダラ、そして千手扉間!」
『⁉』
二人の目の前に突然、マダラたちと同じ年くらいの青年が現れた。
その姿は、派手な金髪に青いビロードで仕立てた燕尾服に、白いブーツカットパンツを履き、腰に鞭を携えている。ちなみに、声はやけに良く通る“ええ声”である…。
「…また変なのが湧いてきた…」
扉間は遠い目をして肩を落とした。
「もしかして、お前が犯罪集団の本当の頭か?」
マダラは腰から刀を抜き、男に向けてそう訊いた。
「僕の名は、燕尾!美しきダークサイドプリンス☆そして美しき青蘭・青藤・青柳三姉妹の兄さ!」
「燕尾が燕尾服…って、そのままかっ⁉てかやっぱ兄妹か!」
「ぶっ!…美しき、プリンスって…自分で言うかよクククッ」
扉間がツッコみ、マダラは顔を背けて笑った。
「ドラゴン・キャッチ・ウィップ!!」
ビシィィィィィンンン!!!
『!!!』
燕尾は腰に携えていた鞭を握って振うと、鞭は長く伸び、マダラと扉間に勢いよく襲いかかってきた。二人は互いに左右に飛び、何とかそれを避ける。
「君たち!初対面の人間に対して失敬だな。マナーを知らない輩には、こちらもそれ相応の対応をさせて貰うよ!」
「うっせえ!悪党に対して失敬もマナーもあるかっ!」
「貴様が妹たちを使って三隅村を支配していたのか?答えろ!」
マダラと扉間、二人が燕尾を10mほど先の両側から挟み、叫んだ。
しかし燕尾は焦る様子は無く、胸元にさしていた赤い薔薇を手に取り顔に近づけ、愛おしそうに目を細める。
「すべては超絶可愛い妹たちの為さ!妹たちに一生エレガントでビューティフルな暮らしをさせる為、僕が愚民どもに奉仕させてやっているのさ。支配なんて人聞きが悪い…超絶可愛い妹たちに奉仕できるんだ。愚民どももさぞ幸せだろう!あはははは!」
燕尾は天に両手を広げて笑った。そして手に持った薔薇を飛ばして、術を発動する。
「ラブリールーム・黄河陣!!」
そう叫ぶと、燕尾の頭上に不透明なピンク色の直方体の空間が現れた。
「あれはさっきの異空間忍術!」「二度も同じ手に引っかかるか!」
扉間とマダラがそう言って身構えると、不透明な空間はだんだんと鮮明になり、その空間の中に先ほどの三姉妹の姿が現れた。
「妹たちよ、お前たちを弄んだこの二人を殺してあげるから、そこでしっかり見ていなさい」
すると、燕尾に対して三姉妹が声を揃えて叫ぶ。
『止めてお兄様!!“マララさま”は私のフィアンセなのよ!』
「ま、マララ?」
扉間が苦笑しながらマダラの方を見た。
「幻術の中だったし適当に刷込んで、写輪眼で記憶を書き換えといた」
マダラはケロリとした顔で答える。
「な、なぜだ!幻術は解いたはずなのに…お前たち!しっかりしないか!こいつらは野蛮なオオカミ、我々の敵なんだよ!」
「青藤、青柳、マララさまは長女の私と結婚するのよ!」
「いいえ、私と結婚するって言ってたわ!」「違うよ私と結婚するんだよーっ!!」
言い合いをしていた三姉妹はついに、掴み合いのケンカを始めてしまった。
「・・・・・。」
スゥゥ―――・・・
三姉妹が居る黄河陣は、三人の姿と共に消えた。
「ご、ゴホン! …で、私の役目は妹たちの邪魔をし、狙う敵を薙ぎ払う事…でも、妹たちには最低限自己防衛の術を教えて来たんだけどね…君たち、なかなかやるじゃないか。久しぶりに楽しめそうだよ。フフッ!ハハハ!」
「あ、こいつ誤魔化しやがった」「ああ、完全に無かった事にしたな」
マダラと扉間が呆れた顔をしていると、燕尾は空中に飛び上がると同時に鞭を振ってマダラと扉間の足をすくおうとした。しかし二人は素早くそれを避けて姿を消す。
「須佐能乎!!」
最初に燕尾に仕掛けたのはマダラだった。半透明の巨人が剣を燕尾に振り下ろす。
ガシィィン!!!
燕尾は空間から取り出した2m近程はある大きな銀の鉈(なた)で、更に大きな5mはあろうかという巨人の剣を受け止めた。
「須佐能乎の剣を武器一つで受け止めやがるとは…やるな」
「君、とても禍々しいチャクラをしているね。素晴らしい…」
そう言うと燕尾は剣と交わっている鉈を思い切り振り回した。
ザシュッ!!!・・・・・ドズサッ!!
巨人の剣は真っ二つに斬れ、こぼれた刃は勢いよく地面に突き刺さった。それとほぼ同時に燕尾も地面に着地する。マダラは上空からそれを見て悔しがる。
「くそっ。須佐能乎の剣を斬りやがった!」
「飛雷神斬り!!」
「⁉」
今度は扉間が刀で燕尾の背後から切りつけた。燕尾は驚いた顔を見せる。
ギシィィンンン!!!
しかし、燕尾は先ほど巨人の剣を斬った鉈とは別、もう一本の鉈を空間から取り出して扉間の刀を受け止めた。
扉間は無言で刀を離し、その場から姿を消す。
ガッシィィンン!!!
消えたと思った扉間は、今度は燕尾の頭上に現れ再び飛雷神斬りで切りつけたが、燕尾は二本の鉈をクロスさせてそれを防いだ。
「ワ~オ☆速いねぇ、君!」
しかし、既に燕尾の目の前には扉間の姿は無い。
「火遁・豪火減却!!」
マダラが燕尾の眼の前に現れ、口から業火を吹き付けた。
燕尾は後ろの空中に飛び上がってそれを避けると、二本の鉈を合体させハサミにしてジョキッと空を切った。
「金蛟剪!!」
すると交差している二本の鉈から七色の大きな龍が現れ、猛スピードでマダラの放った炎に向かってゆく。そして、龍は口を開けて炎に突っ込むと、全ての炎を食べてしまった。そのままの勢いでマダラの頭から食らいつく。
「うちは返し!!」
マダラは神器うちはを盾にし、その龍を逆に跳ね返そうとした。しかし、龍の勢いの方が圧倒的に勝っており、マダラは片膝を突いて後ろに押されてゆく。
「水遁・水龍弾の術!!」
扉間の放ったいくつもの龍のかたちをした水が七色の龍に向かって襲いかかり、水の龍たちが全員でそれに絡みつくと七色の龍は暴れながら小さくなってゆく。
マダラはその隙にうちはを振り、七色の龍を跳ね返した。するとその龍は、空中で水の龍と共に蒸発してしまった。
「あの龍も火遁の一種か…」
扉間がその様子を見て呟いた。
「⁉」
空中に居た燕尾の目の前に扉間が現れた。後ろを見るともう一人、扉間が居る。
燕尾が鞭を構えようとしたがその瞬間、二人の扉間は消えた。と、思ったとたん、今度は燕尾の左右両側に現れ、同時に燕尾を殴りつける。
ドゴッッ!!!
「ぐあっ!!」
燕尾は後ろに倒れ、地面に落ちてゆく。
「片をつけてやる」
マダラが刀を構えて地面から飛び上がり、落ちてくる燕尾に振りかぶる。しかし。
「ドラゴン・キャッチ・ウィップ!!」
燕尾は空中でくるりとバック転をすると鞭をマダラに向かって振った。マダラは急いでその鞭を刀で振り払い、その場から姿を消す。
…ストン。
燕尾が地面に着地し、地上に居た扉間と対峙する。
「…この僕の、美しい顔に傷をつけるなんて…殺してやる!!」
鬼の形相の燕尾は、口から流れる血をハンカチで拭きながら扉間にズンズンと歩み寄る。
しかし扉間はそんな事は気にせず、印を結ぶ。
「水遁・水陣壁!!」
ズズズザザザザ・・・・
扉間と燕尾の間に分厚く巨大な水の壁が現れた。
「そんな水の壁で僕の攻撃を遮る事など出来ない!!くらえ、究極・金蛟剪!!」
燕尾が再び鉈を交差させると、頭が三つある先ほどよりも巨大な七色の龍が現れ、水陣壁に向かって飛んで行く。
「水遁・水龍弾の術!!」
水陣壁の壁から水龍が現れ、燕尾の放った龍に向かって飛んで行く。
「そんな水の龍じゃ、この究極体・レインボードラゴンに敵いは…なんだと⁉」
「火遁・龍炎放歌の術!!」
よく見ると水の壁には丸く穴が開いており、そこからマダラの放った龍のかたちをした炎がいくつも飛び出し、扉間の放った水の龍と交差しながら七色の龍に向かって飛んで来るではないか。
ズバッシャァアアアア!!!・・・シュウウウウウ・・・・・
燕尾の七色の龍に、扉間の水の龍とマダラの炎の龍が激しくぶつかり、全ての龍がその場で蒸発して消えてしまった。
「くっ…僕の究極金蛟剪が…」
「火にはもっと強い火をってな」
「火には水ではなく、高圧の水を」
水陣壁の向こうで二人が呟いた。
「いくぞ扉間!今度こそこれで片をつける!!」
「解っている!…起爆札・起爆!!そして、水遁・水龍咬爆!!」
バァアン!バアァァン!!
「ぐあああぁっ!!!」
先ほど扉間が燕尾を殴った際、燕尾の両肩の裏に張り付けておいた起爆札が爆破した。それと同時に、燕尾が浮いている下の地面に水が湧き出し、そこからの二匹の水龍が伸びて燕尾を包み込むと動きを封じた。
扉間の後ろにいるマダラは写輪眼を発動し水陣壁の向こうの燕尾の姿をしっかりと見据えつつ、須佐能乎を纏っている。
そして、一瞬、扉間の背中を見た。
ブンッッ!!!
須佐能乎の巨人が槍を投げた。
「⁉」
バシャアッ!!・・・グサッ!!!
「⁉・・・ぐっ!!!・・・・」
ドサァッ!!・・・
巨人が投げた槍は水陣壁を突き抜け、一直線に燕尾を射抜いた。
燕尾は地面に仰向けに落ち、動かない。即死だった。
それとほぼ同時に水陣壁は薄くなり、消えてしまった。
「・・・マダラ、貴様ぁっ!!」
マダラは、うずくまり左腕から血を流す扉間に歩み寄る。
「悪いな。俺としたことが、手元が狂っちまった」
そう言うマダラの口角は僅かに上がっているが、目は笑っていない。
そして、少し顎を上げて、まるで扉間を見下している様にも見える。
「流石、速さにおいて右に出る者は居ないと言われる男だな…お前じゃなかったら避けられずに死んでた。お前と来て良かったぜ。フッ」
そう言って扉間の横を通り過ぎる。
しかし、三歩ほど歩いた所で足を止め、再び口を開く。
「その傷だ。自分で回復できるだろうが無理はしないほうが良い。三隅村の事は俺に任せて、お前は先に“兄者”の所へ帰ってるといい。」
「…何故だ…なぜ殺さない!」
「お前に俺は殺せないさ…絶対にな。」
マダラはそう言うと走りだし、直ぐに姿を消してしまった。
「……くそぉっ!!!」
扉間は、骨がむき出しになった左腕を回復術で処置しながら、怒りに身体を震わせた。
◆
ガコオォォンン・・・・
「ふぅー。これで一安心だのう!本当にご苦労だったな、マダラ!」
ここはマダラと扉間の帰還を待つ間、柱間が木ノ葉の里から少し離れた山の洞窟内に木遁で作った尾獣封印用の施設。
そして、無事に今、マダラと柱間二人で九尾を封印した。
「いや、大したこたぁ無かったぜ。だが扉間には悪い事をした…すまない。」
「強力な敵と戦闘中だったのだろう?仕方ない。今はすっかり回復して、家でもう仕事しとるぞ!まぁ見舞いにくらい来てやってれ!美味い酒を持ってな!わははは!」
「ああ。」
二人は並んで洞窟の出口へと歩いてゆく。
マダラは、にこやかな柱間の横顔を見た。
・・・これで九尾は、俺のものだ・・・
◆
扉間が負った怪我は思ったよりも深く、不本意であったがあのまま里に先に帰還した。
マダラと部下たちは三隅村の残党の逮捕、そして村の復興へ向けての準備をする為に、木ノ葉の里に帰還するのは五日後と聞かされた。
そして今朝マダラが帰還し、先ほど柱間と九尾の封印を終えたと連絡を受けていた。
今回の件でうちはのスパイ部門に伝えるべき事があり、いま、扉間は書類が入った木箱を手に歩いている。
途中、思いもよらない場所に差し掛かってしまった。
そこは以前、芙蓉とぶつかりそうになったノウゼンカズラの咲く坂道だった。
『扉間さまには感謝しているんです』
想い出したくない言葉が否応なしに思い出され、扉間は立ち止まる。
「⁉」
その気配に、扉間は急いで生垣に身を隠した。
「マダラさま!おかえりなさい!!」
「家で待っていりゃいいのに」
「だって、少しでも早く会いたかったから…でも本部には行けないし…それに扉間さまがお怪我をして先に帰還されたって聞いて、マダラさまのことが心配で…」
「フンッ。これしきの任務で死ぬかよ。ほら早く家へ帰るそ。腹が減った!」
「もぉマダラさまったら…ハイハイ。ちゃーんといなり寿司、作ってありますよ~うふふっ」
「あっ、お前、また俺のこと小馬鹿にしたな!」
「してませんよ。フフフフ!」
「ほら、その笑いだよ!」
マダラと芙蓉は仲良く並んで角を曲がり、二人で住む家に帰って行った。
扉間は二人の姿が消えた坂に立ち、もう居ない二人の後ろ姿をみつめた。
「・・・あの時、殺しておけば良かった・・・」
おしまい