今日は僕の両親がいないから、幼馴染のルルちゃんの家に泊めてもらっている。ついさっき夕ご飯をご馳走になって、今はルルちゃんと一緒に一番風呂を頂くところ――。
「結衣ちゃん、お着替えある?」
ルルちゃんに言われて、下着の類いを持ってきていないことに気がついた。
「忘れてきちゃった」
しゅんと呟くと、ほらこれとルルちゃんが自分の下着を貸してくれた。特に胸の大きさがルルちゃんに劣るからちょっと大きいけれど、ルルちゃんが着た下着というだけで価値はプライスレスというもの。ありがたく使わせてもらおう。
浴室の戸を開けると、水面に深紅の薔薇が浮いている。
「どう? ママが張り切っちゃったみたいだけど」
どうやら、ルルちゃんのお母さん――ルフナという名前の――が気合いをいれてくれた様子。
「ルルちゃんに似合うね」
お母さんゆずりの茶髪で、あまり日本人らしくないルルちゃんと薔薇は絶妙にマッチする。ルルちゃんを褒めるつもりで言ったはずだけど、恥ずかしさで顔を赤くさせてしまった。
「は、はやく入っちゃおう!」
やはり恥ずかしかったみたいで、慌ててシャワーの温度を調整し始める。洗いっこしてみたいな、ルルちゃんに伝えると、僕を椅子に座らせて、シャンプーをしてくれた。
「痒いところ、ない?」
「全然ないよ、ルルちゃんうまいから」
綺麗な手で僕の髪を触られると、変な気分になってくる。天使にシャンプーしてもらったんだから、格別の髪質になってるんだろうな。妄想が膨らんだその時、今度は身体ねと言って僕の身体を流しだした。流石にこれは我慢が出来ない。お肌に気を遣ってか、柔らかいタオルで洗ってくれている。といっても、タオルである以上はちょっとがさつきを覚える。それを癒すようにルルちゃんの手がやってくるのだから、冷静ではいられない。
「る、ルルちゃん……今度は僕の番だよ」
これ以上は僕の貞操に関わるし、ルルちゃんを不快にさせるかもしれないから、限界が来る前に交代した。ルルちゃんの髪、綺麗だなぁ、毎日匂いを嗅いでたいなと、雑念ばかりが脳に現れる。身体を洗っている間も、お胸柔らかいなぁとか、とにかく下心に直結する。更にルルちゃんは終始顔を赤らめているのだから、いよいよどうしようもない。浴槽に浸かって気を紛らそうとも考えたけれど、実際にそうしてみると限界を突破する寸前に。
「ルルちゃん、ね……いい?」
薔薇の中で向かい合って乞う。直球過ぎたかなと少し反省するけれど、今考えうる中では最悪の選択肢ではなかったと思う。
「だっだめ、そんなこといけないから」
ルルちゃんは顔を両手で覆って答える。そんなこと、が意味するところは、「行為そのもの」なのか「女性同士での行為」なのかは分からないけれど、せめて前者であって欲しいと願う。
「ご、ごめんね」
拒絶されたことに若干傷ついたのを感じた。俯いて謝り、その後は髪を乾かしあってルルちゃんの部屋に移った。
ルルちゃんの部屋には結構お邪魔したことがあるけれど、最近模様替えをしたみたいだ。純白の壁には真新しいエレキギターが掛かっていて、前よりロックな印象がする。
「このギターどうしたの?」
「ママに買ってもらったの」
なるほど、ルルちゃんはいつもお金があるけれどお母さんにねだったということは、かなり値が張ったのだろう。
「弾けるの? もしそうなら聴いてみたいな」
ルルちゃんは器用だから、楽器も人よりはやく覚えられそうだと思って聞く。
「ロックな気分なの? そういう風には見えないよ」
少し悪戯な表情で返され、もしやと悟った。そのまま静かに床に伏せられ、ルルちゃんの目が怖くなった。
「せ、せめて……その、ベッドで……ね?」
恐怖か羞恥か、原因は定かでなくとも出にくくなった声を絞る。手を繋いでベッドに腰を掛け――この時のルルちゃんの手つきがやけに女性的だったので――ルルちゃんを押し倒そうと試みた。でもルルちゃんに抱き寄せられ、なされるがままに。つまり、ルルちゃんに主導権を渡してしまった。
ルルちゃんが顔を近づけ、僕の口の中に舌を入れる。目を合わせてみるとあまりにも怖くて、それを甘んじて受け入れるしか道は残されていなかった。
「んっ……ぅっ」
このままじゃあ、息が持たない。苦しくてもがくと、ルルちゃんは僕の鼻をつんと突いた。鼻があったと思って呼吸をしてみるけど、これはこれで卑猥に思える。お互いに鼻息を掛け合っていると思うと、興奮が収まらなくなった。
「ぷはっ……結衣ちゃん、かわいいっ」
どうしてルルちゃんは余裕があるの、僕は自分のことでいっぱいいっぱいなのに。休憩する暇はなくて、僕の胸の先端を舐められながら、大事なところをルルちゃんの手に乱される。くちゅくちゅと鼓膜に張り付く音を出していて、悦んでいることを実感する。あっあっと嬌声を漏らすと、ルルちゃんは手を動かす速度を速くした。聴覚と触覚が一度に刺激され、もう声にならない悲鳴をあげる。直後、僕の体液が吹き出した。野暮な表現をすれば洪水という感じ。一気に頂点に達し、ルルちゃんが何かを言っているのは分かっても内容を把握できないほど、快楽が脳を占拠していた。
「ルルちゃん……ゆるしてっもうだめっ」
僕の快楽は長引くようで、これ以上は理性を失いそうだった。それに反してルルちゃんは棒状のものを取り出す。女性同士での時に使うものみたいで、ルルちゃんはちょっとだけ苦しそうにしてそれを自分に入れ込んだ。ルルちゃんに収まりきっていない部分は、目測で20センチ前後。僕がからかってた男の子のは15センチくらいだって聞いたことがあるから、素直にえげつない大きさだと思った。形は弧を描いていて、先の方だけは歪。あの部分が引っ掛かると気持ち良さそうだ。
「結衣ちゃん、いいよね……? 痛いかもだけど、気持ちよくなってくるから、ね?」
うん、来て。それ以外は言えなかった。潤んだ目で懇願するしかなかった。ルルちゃんはじっくりと卑猥な形をしたそれを僕の中に入れる。
「こんなのっ……やだ、はいっちゃだめっ」
僕は口だけみたいで、僕の身体の中で一番女の子なところはその異物を心底嬉しがっている。
「あっ……しゅごいぃっ……これ、おかしくなるっ」
ルルちゃんの腰の動きで身体の中をまさぐられて、かきみだされて、これ以外考えられなくなるみたいだ。段々に呂律も回らなくなって、全身の力が抜けていく。
「どう、どうっ……気持ち、いいでしょっ」
ルルちゃんも必死に細い腰を動かして、僕の腰に打ち付ける。ルルちゃんも感じているらしく、息が乱れていた。
「ね、ねぇっ、あっもう、もうムリっ……んっ、いっしょにぃっ」
「私も、私も……一緒にイこっ」
ルルちゃんにお願いすると、また少しだけ腰の動きが速くなった。僕はそれに堪えられなくて、ルルちゃんにしがみつく力を一層強くさせようとした。あんまり強くはならなかった気がするけれど、ルルちゃんと密着できて嬉しい。気分が高まって、もっと敏感になったところでまた達しそうになる。
「いくっあぅっ、いくっ……いっちゃうっ」
声が高くなって、最後には聞こえないほどに。そして奥の方から体液が勢いよく流れ出て、二人で同時に絶頂した。
「ねえ……どう、だった……っ」
「いわなくてもっ……わかるでしょ」
二人で抱きしめあって、余韻を楽しんだ。
翌朝。
「結衣ちゃん、ルルが何か悪いことしなかった?」
ルフナさんはいつも通り笑みを湛えている。でも声色がいつもより色っぽくて、そんな風に聞かれて焦った。
「な、なにも! おかげでよく眠れました!」
どうしてもわざとらしくなってしまう。この人には見透かされていると確信したけれど、色々な形があっていいじゃない? とウインクされたから安心した。