世界はまぁまぁ平和になった。そして――。
RA15年 12月
砂漠の真っただ中に位置する交易都市シャングリラ。
未開の境地だったのは今は昔。
その市場は多種多様な種族が行き交い活気に溢れていた。
「う~~ん。ここはいつも賑やかでいいわねお姉様」
ハウハフと熱々のアカメフルトを齧りながらご機嫌にナギが志津香に話しかける。
遅めの昼食を食べながら姉妹がシャングリラの市場を歩いていた。
「そうね」
ホルスの蜜を混ぜたミルクシェイクを飲みながら気が抜けた返事で返す志津香。
「あっ、あれ見てお姉様」
ナギの指差す先には観光向けに分かりやすく演出したJAPAN風の出店があった。
「もっちもっちになるモチ米だよ~~お正月には必須だよ~~」
商人の呼び込みを遠巻きで聞きながら姉妹は今回シャングリラに来た目的を思い返す。
「……新年会か」
「手紙読んだけどリセットめちゃくちゃ気合入ってたね。今年は絶対やるんだって」
姉妹がシャングリラを訪れたのはリセットによる新年会の準備の手伝いをお願いされたためであった。
「いったい何をお願いされるやら」
「まぁあの子が我が儘言うなんて珍しいし、手伝ってあげましょう」
「いやいやお姉様、リセットは案外無茶言うよ……」
やれやれと肩をすくめるナギに志津香が微笑む。
そんなやり取りの最中、ふと志津香が遠い目をする。
「あいつが……元に戻ってもうすぐ半年か」
「……あそこで別れてからまだ私達ランスと会ってないね」
「私は別に――」
の後が出てこない志津香。ふふっと、笑いながらナギが志津香の腕に抱きつく。
「私は会いたいなランスに。新年会に来るかな?」
「ハァ、来たら来たで絶対大騒ぎになるわよ」
(来てほしくないとは言わないお姉様であった)
「なんか言った?」
「いえいえ何も。アカメフルトお姉様も食べる?」
「……まったく」
呆れた風に溜息をつく志津香。
と、突然立ち止まる。
「どうしたのお姉様?」
ナギが志津香の視線の先を伺うと――。
「さぁ好きなものを選びなさい。何でも好きなもの買ってやろう!」
「え~~ホントですかぁ♪」
そこには露店先でいちゃつくカップルがいた。
露出が多めの服を着た少女と。
少女の肩に手を回しながら商品を選んでる冒険者風の男。
「ってランスじゃん!!」
びっくりするナギ。近付こうとするが姉に止められる。
「このネックレスなんかいいかな? ムフフ、俺様が付けてあげよう♪」
ネックレスを後ろから付けて――。
「あ、てがすべったーー」
そう言って胸にタッ~~チ。
「きゃ~~おにいさんえっち~~♪」
黄色い声を上げる少女。
「がははは! 君いいねぇ~~♪」
上機嫌のランス。
「なにやってんだか……お姉様!?」
「炎の矢」
ボゥ!
「あんぎゃーーーー!!??」
「あぁーーお姉様! プチ付けてない!?」
ガチ炎の矢で燃えるランス。ゴロゴロと情けなくのたうち回って火を消す。
「何すんじゃーーーー!!」
「あんたこそ何やってんのよランス!」
「な、志津香!?」
「私もいるよ!」
突然の再会に驚くランス。
「ナギもか!? ぐぬぬ、相変わらずベタベタした姉妹だな。不健全だぞ?」
「もう一発いこうかしら?」
バチバチと志津香の手に魔力が込められる。
「お、お前なぁ……俺様以外なら間違いなく丸焦げだぞ!」
「大丈夫よ、あの時に比べて大分レベルも落ちたから」
「と言ってもまだレベル100以上あるけどね」
急な展開についていけない少女が先程の言葉に狼狽える。
「あのさっきこの人のことをランスって……」
「ぬ。いや違うぞ俺様はランスというスペシャルカッコいい男とはまた別のスペシャルカッコいい男であって――」
「そうよ元魔王のアレよ、『元』だけど今も十分アレだから逃げなさい」
「ぐぬぬ、人を言っていけない人扱いしがって」
「わ、私、そんなこと知らなくて……ごめんなさいーーーー!!」
そのまま走り去ってしまった。
「あっ!? コラ! せめてネックレス分のおっぱい揉ませろーーーー!!」
「うわ最低……」
「まったく……」
「くそぅ、お前らのせいでナンパに失敗してしまったではないか!こうなったら――」
「……?」
ランスはそこで言葉を区切るとバツの悪そうな顔で疑問を口にする。
「……ふん。というかなんでお前たちがここにいるんだ?」
「……。それはこっちの台詞だけど……私達はリセットに呼ばれてきたの」
「新年会の手伝いを頼まれてさ」
「何? お前達もか?」
「ランスも?」
「新年会は知らんがリセットにど~~しても会いたいと手紙でせがまれてな。わざわざ来てやったのだ」
「これは……」
「まさか……」
「相変わらずお前達は騒がしいな」
「ん? おお!! イージスではないか!」
徐々に出来ていた人混みからイージスが現れた。
「何やらボヤ騒ぎが起きたと来てみれば……久しいなランス」
「うむ、久しぶりだな。しかしカラーほんと全然変わらんな~~」
「人間基準でいえばそうだが……それを言うならばお前も全然変わっていないぞ。魔王の影響か?」
「まぁそんなところだ」
「ねぇ、私達リセットに呼ばれて来たんだけど」
「ああ、話は聞いてる。案内しよう」
スタスタと前を歩くイージス。ランス達もそれに付いていく。
歩きながら志津香がランスに疑問をぶつける。
「ねぇ、さっきから気になってるんだけど……シィルちゃん、なんで一緒じゃないの?」
「あ、そうそう私も気になってた」
「……あいつは留守番だ」
「え? なんで?」
「ふん。ハイパー強くなった俺様にへっぽこ奴隷はついて来れないからな」
ランスの言い分に怪訝な顔で顔を見合わす志津香とナギ。
シャングリラ城 応接室
「あ、来た来た。お父さん久しぶり! お姉ちゃん達も!」
「おうリセット。――あれ?」
「どうしたのお父さん?」
「いや、こう、抱きついて来ないのか?」
「も~~お父さん。私もう子供じゃないんだよ?」
「な!? 前はあんなにお父さんお父さんって抱きついてきたのに……」
愕然とするランス。
「はいはい。久しぶりねリセット」
「久しぶり~~。うーーん相変わらず小っちゃいままね」
「もうナギちゃんは!」
穏やかな談笑がしばらく続く。
「あれ? そういえばシィルお姉ちゃんは?」
「……今日は留守番だ」
「え? なんで? 一緒に来てって書いたのに」
「まったくどいつもこいつも。奴隷一人いてもいなくとも何も問題なかろう」
「えーー」
「もしかして……連れてきたくても連れてこれないんじゃ……」
志津香が何となく思っていたことを口にする。
「? どういうこと?」
「…………あ」
ピンとくるナギ。
「シィルお姉ちゃん……おめでた?」
「え? えーーーー!!」
ざわつく女性陣に対しランスは一人しらけ顔で耳かきをしている。
「どうなのよランス!?」
「うーーん、最近忙しくて耳掃除してなかったから耳垢が溜まって聞こえづらいな~~」
「うわぁ大人げない! いやでもその態度! これは……」
「あわわわわ」
「ついに……」
「こいつは新しい火種の予感!」
「ほう、あの子が妊娠したのか。めでたいな」
「えーーーーーーいうるさい!!!!」
ギャーーと暴れるランス。
「いいから話を進めろ! 用がないなら帰るぞ俺は! 俺様は忙しいのだ!」
「え? どうしよう、そうしてもらったほうがいいのかな?」
「ぬ、なんだ? どういうことなんだ?」
「えっとね、今日お父さんを呼んだのは新年会に出席してほしいからなの」
「新年会?」
「うん。私達兄妹とその家族で集まって新年を祝うの。とっても楽しいよ!」
「アホらしい……そもそもまだ新年になってないではないか」
「うん。でももうすぐでしょ? お父さんすぐどっかに行っちゃうから新年が始まる前に会っておかないと、と思って」
それまで聞いていた志津香が口をはさむ。
「ねぇリセット、もしかして私達にしてほしい新年会の手伝いって……」
言いづらそうにモジモジするリセット。
「え、えーーっとね……新年会までお父さんを見ていて欲しいの。新年会に必ず来れるように」
絶句する志津香。
「いや~~さすがリセット。こういう時ランスの血を感じるね」
うんうんと一人納得するナギ。
「今回お父さんにはぜっ~~~~たい参加してほしいの。魔王を倒して、お父さんも元に戻って……ほんと信じられないくらい良い事があったんだもん」
リセットは心の底から思っていた願いを打ち明ける。
「家族以外にもね、一緒に冒険したみんなや魔人の人達も呼んで。できればあのランス城でお祝いしたいの」
「…………」
「今まで家族揃って新年会やってきたけど、本当の意味で家族全員が揃うのは今回が初めてだから……お願いお父さん!」
しばらく沈黙していたランスだったがリセットに顔を向けると真顔でハッキリと言う。
「いや、俺は参加せん」
「お父さん……」
どうして、とリセットの言葉が続く前に背を向けカツカツと歩き出す。
「話は済んだな、俺は帰るぞ」
「待ちなさいよ!」
志津香の静止を無視して扉を開け出ていくランス。
「どうしたんだろランス……せっかく久しぶりに会えたのに……」
「……あの馬鹿」
以前来たときとは比べ物にならないくらい綺麗になったシャングリラ城を歩くランス。
ずんずん廊下を進んでいると――。
「むっ」
「……久しぶりじゃな」
廊下の柱の陰からゆらりと一人のカラーが現れる。
そして仁王立ちの恰好でランスの前に立ち塞がった。
「なんだパステルか。大物ぶって現れよってからに」
「くっ!? 相変わらず腹の立つヤツじゃな貴様は!」
「なんだ? どけ、俺様は帰る」
「リセットから新年会の誘いがあったわけじゃが?」
「断った」
「……今回の新年会、リセットは本当に楽しみにしてたぞ。国家間の予定も合わせねばならぬから外交官としてここしばらく働き詰めでな。それも貴様に来て欲しかったからじゃ」
「……知らん。別に俺抜きでも構わんだろ」
冷たくあしらうランス。
「……ははーん。さては貴様ビビッておるのか?」
「なんだと?」
「魔王になって暴れまくったからのぅ。迷惑かけた人間に今更まともに向き合うのが怖いのか?」
どうなんじゃ?と挑発的にランスを伺うパステル。
「黙れ。ぶん殴るぞ?」
「わらわはお前のことなどな~~んとも思っとらん。むしろ嫌いじゃが」
「喧嘩売っとんのか?」
一息置くとパステルはしっかりとランスを見据えて言葉を紡ぐ。
「だが……他の女王達はお前のことを心配しておった。お前の元仲間もな。お前に犯されながらも、お前に殺されようとされながらも、どんな形であれ、お前を魔王から解放しようとした。『お前のことを救おうとした』」
「…………」
「それとも一人一人、はっきり言われんと分からんか?」
「…………ふん」
ランスはそのまま何も言い返さず歩き去る。
さっきまでパステルとランスの様子を遠巻きに見ていた志津香がパステルに近寄る。
「……ありがとう」
「別に、じゃ。……さっさとあのバカの目を覚まさせてやれ」
志津香は頷くとランスを追っていった。
「うふふ、パステル。いい子ね」
「うむ。いつもと立場が逆じゃな」
ゆらりと英霊のモダンとビビットが現れる。
「いやホント」
後から来たナギがそれに加わる。
「お主はいいのか?」
「うーん。……悔しいけど私じゃ役不足かな。多分これはお姉様じゃないと」
…………………………………………。
………………………………。
……………………。
…………。
BGM Nostalgic
シャングリラの中庭で志津香はランスを捕まえた。
「ランス」
「うるさい。犯すぞ」
「いいわよ」
「む――」
足を止め志津香を見る。
しかし何もしてこない。
「どうしたの? さっきのナンパを止めたときもそうだったけど、いつものあんたなら代わりにお前とさせろーってうるさいはずなのに。……らしくないわよ」
ランスは肩を揺らすほど大きく息をはくと中庭に置いてあったベンチに座る。
志津香も一緒にランスの隣に座る。
「お前はどうなんだ?」
「私?」
「いつもなら散々暴れといて調子に乗るなとか、あれだけ乱暴しといて都合のいいこと言うなとか、コテンパンに言ってくるだろ」
「それは――何に対して? 私達を追い回して犯したこと? 魔王城で酷いことしたこと?」
「まぁ……そういうの全部だ。正直魔王やってる間の記憶はイマイチでな。戻ったばかりの頃はなんも思わんかったが……」
ベンチに肩掛け空を見上げるランス。
「最近になってだんだんと思い出してきてな。ふとした時に頭の中に蘇るもんは……大体が胸糞悪いことばかりだ。血と悲鳴と泣き叫ぶ女の子。下らん雑魚やむさ苦しい男共などどうでもいいが……。俺様の女や可愛い子ちゃんの悲鳴は……正直しんどいな」
ベンチで項垂れる。珍しく弱気な態度を見せる。
「それで? 迷惑かけた私達に遠慮して新年会に出ないわけ? もしかして私達のこともずっと避けてたの?」
何も答えないランス。
志津香は、はぁ~~と長い溜息を吐くとまたその分息を吸った。
「ほんっ~~とアンタって自分勝手ね! 今までだって散々人に迷惑かけてた癖に、自分が苦しんでからそうやって拗ねたみたいな態度とって!」
いつも通りランスを罵倒する志津香。
「むぅ……」
「何篇死んでも足りないくらい悪行を積んで、あげく魔王になって、世界中滅茶苦茶にして……はぁ」
息を吐き、罵倒を止めると、志津香がそっとランスの膝に手を乗せる。
「志津香?」
志津香の手のぬくもりがゆっくりと優しく伝わる。
「でも……それでも……私はあんたを慰める……慰めてしまうんだわ」
思い詰めるわけでもなく。誰かを慮(おもんばか)ってでもない。
素顔の魔想志津香のまま。彼女はそこにいた。
「どうしようもなく自分勝手でも。元魔王でも。あんたが落ち込んでる時の私は、あんたに優しくしてしまうの。許すとか、許さないとかじゃなくて。今回みたいにどんなに酷いことされても、自分よりもあんたを救いたいと思ってしまう。ナギや他の人の気持ちも無視しても、あんたには……ランスにはいつもみたいに笑ってほしいって……そう願ってしまうのよ」
それは――慰めの言葉というよりも志津香の独白。
遠回しの愛の告白だった。
ランスの顔を見ず、ただ正面だけ見て淡々と語る志津香の横顔を驚いた顔でランスは見る。
「そういう意味じゃ私も自分勝手ね。ほんとバカな女……」
しばらく二人して黙る。
いつの間にか日が沈み始め、夕陽が赤く中庭を照らす。
志津香がん~~と伸びをする。
「どう? 少しは元気出た?」
「お前……あれで慰めてるつもりだったのか?」
ケロッとした表情の志津香に対し呆れるランス。
「なんと下手な……すごく遠回しに気にするなと言われた気がするが……」
ランスは顎をぽりぽり。
「うむ、まぁ、なんだ……」
フッといつもの顔に戻る。
「お前のそのくそ恥ずかしい告白に免じて……新年会は出てやるか」
夕陽に照らされベンチに座る二人。
ムードに溢れ、ロマンチックな雰囲気。
「…………」
「どうした?」
じーーとランスを見る志津香。
「――え? う、うん。何でもない」
「? じゃ戻るか。リセットもナギも心配してるだろう」
立ち上がるランス。
「え?」
「どうした?」
「え? いやその? え? 帰るの? あ、もしかしてまだへそ曲げてる?」
「はぁ? いやなんでだ。 新年会には出ると言ったではないか?」
「あ、うん、そーよね。えーと…………戻りましょうか」
BGM♪ おまぬけ
ピピーーーーーーーー!!とホイッスルが鳴る。
「ランスOUTーー!!」
「おぉナギ!?」
「あんた……覗き見してたの?」
「お姉様怖い――じゃなかった。ランスもだけどお姉様もダメよ! そこはもっと強気にいかないと!」
「そう言われても……」
「まったく。恋愛に関してはダメダメね二人とも!」
「あんたもでしょう……」
「ムムム、恋愛マスターの俺様に向かってなんて失礼な」
「だったらこの後の流れは分かるでしょ!」
「うう~~ん……セックス?」
「正解!!」
「ああもうバカ二人……」
「いやしかしなぁ……今日の志津香は怖いくらい素直でな。こう、あんまりそういう気にならんというか」
カチーンとなる志津香。
「あ、ヤバ」
ガシッとランスの襟首を掴む。
「へ? お、お、お、」
そのままズルズルとランスを引きずっていった
「ああ!? お姉様待って!?」
…………………………………………。
近くの宿屋
「いたたたたっ!? おい! いい加減――っとわああ!?」
ばふっとベッドの上に置かれるランス。
「ん、ありがとうバイタルさん――チェックイン済みましたお姉様!」
業務員から鍵を受け取りしっかりとドアに鍵をかけるナギ。
なぜか軍隊の敬礼で報告する。
「うん。じゃあ始めるわよ」
「はーーい♪」
「へ? おお♪」
ランスの前で脱ぎだす二人。
突然美人姉妹のストリップが始まりランスは思わず身を乗り出す。
「えへへ。さすがにちょっと恥ずかしいかも」
「ふぅ、どう? ここまでしてまだごちゃごちゃいうつもり?」
自分から迫っておきながら恥ずかしそうな志津香達を見て、
ぐ、ぐ、ぐと立ち上がるランス。
そして――。
「お、お、おおおおおおおおお!!!!」
「わぁ!?」
すぽぽーーんと服を脱ぎ捨てる。
ガシーーン!! ぺシーーン!!
「がははは!! 言うわけなかろう! ここまで迫られて勃たない男などいないわい! 遠慮なくいくぞ!!」
「あははっ! これでこそランスだね♪」
「もう――」
BGM♪ 甘エロ、、
立ったまま二人を丸ごと抱きしめる。
「ぬほほ♪ やわやわだ~~」
腰から手を回し姉妹のお尻を撫でる。
押しつけらた二人分のおっぱいがランスの硬い胸板にプニプ二当たる。
「えへへ、どう? ランスが言った通りムチムチのボインボインになったよ」
「がははは! グッドだーー! さすが俺様の娘!」
ナギの頭をなでなでするランス。
あっ、と志津香が小さく声を上げる。
「ふ、ふわぁああああああ~~!!」
一番言われたかった言葉を一番言って欲しかった人に言われナギが甘い嬌声を上げる。
心の底から溢れる歓喜と褒められた感激がミックスされ、とめどない多幸感に支配される。
ナギの瞳がみるみる潤いだし、顔ものぼせたように惚けだす。
「ちょ、ちょっとランス!?」
慌てる志津香。
「はっはっは、何を慌ててる。本当の娘なら変態野郎だが血が繋がってないから全然オッケーなのだ!」
「え、ええ……」
二人の会話をまったく聞かず骨抜きになってるナギ。
「ランス!ランス!キスしよキス!」
発情したニャンニャンみたいにぴょんぴょん飛び跳ねランスにキスをせがむ。
「がははは、甘えん坊め! ん、ん」
ナギにキスするランス。それだけでナギの全身がビクンと跳ね体温が上昇する。
顔だけ見ればもう夢中で、心のままにランスの唇をむさぼっていた。
「ん、好き、大好き、ランス、ランス――」
「…………」
間近で見せられた志津香がランスの肩をぐいぐい引っ張る。
「お?」
「……私にはないの?」
志津香には珍しく自分からキスをせがむ。
「むむ、なんかちょっぴり感動するぞ、こんな素直な志津香は……」
志津香の顎に手を当て傾ける。
「あ……」
「なら俺様も応えねばな……。志津香、愛してるぞ」
恋人に囁くように呟くとランスは優しく口づけをした。
「ん……」
素直に受け入れる。お互いが通じ合ったかのような大人のキス。
遠い昔、木漏れ日の木の下でしたときのような優しい口づけだった。
舌を絡めるでもなく、そのままお互いあっさりと唇を離す。
「むぅ、なんかこうムズムズと……」
「…………」
「うわ、お姉様、顔真っ赤!? こんなお姉様初めてかも……すごい……かわいい……」
「おぉホントだ」
「――――っもう」
恥ずかしさに耐えきれずランスを押す。
「おっと」
二人を支えるようにベッドの上に静かに倒れる。
ランスは姉妹二人に押し倒される形でベッドの上に寝転がった。
「ふふふ、ランスもいっぱい気持ち良くしてあげる」
ナギが待ち焦がれた情婦のようにみだらに微笑む。
ランスの脚の上に跨ると勃起したハイパー兵器に顔を近づけた。
ハイパー兵器はバキバキの硬さを保ったままビンッとそびえ立っている。
「うわぁ、散々見たけどやっぱり凄い。魔王のときは犯されっぱなしで、ゆっくり見られなかったからすごく新鮮」
「コラコラ萎えること言うんじゃない」
「はーいごめんなさい。んじゃ、ペロペロ」
ナギがアイスでも舐めるかのように舌でランスのモノを舐める。
「おおーー♪」
「……しょうがないか」
志津香もそれにならいランスのハイパー兵器に口づけする。
「おお!? マジか!?」
「もう、黙ってなさい!」
志津香は優しい手つきで袋の部分に触り亀頭から一気にくわえ込む。
「うおおおお!?」
堪らず声を上げるランス。思わず腰が上がってしまう。
「あはは、負けないぞ~~」
ナギも片側の袋を掴むと根本に甘く歯を立てる。
「のおお!! こ、これは、すぐ爆発してしまいそうだ! むむ、へベターが一匹、へベターが二匹――」
姉妹の献身的なフェラチオを少しでも長く味わいたいと必死に我慢するランス。
「ん、――んんっ」
深くサオを飲み込み、また舌を絡めながら強く吐き出す。
志津香のフェラチオは魔王時代に少しでもナギの負担を減らそうとして覚えた、ある種必要に迫られての技であった。
そしてそれは今の元に戻ったランスには効果テキメンだった。
「へベターが――へベターがっ――ぬぅ、もう限界――」
あっけなく果てそうになるランスが口で射精を言う前に志津香の唇がランスの限界を感じ取った。
ズズッと唇をすぼめ、亀頭をきつく吸い込む。
「お!?――おおおおおお!!?」
――どぴゅどぴゅどぴゅ!!
恐ろしいくらい大量の皇帝液が発射され志津香の咥内を汚す。
「んんっ!? んっ、んんっ――」
ぴったりと唇でハイパー兵器を抑え込み、射精の脈動を口全体で感じる。
志津香はそのまま射精が終わるまで口で受け止め続けた。
「おお、出る出る……き、気持ち良すぎる……」
とめどない快楽にランスが痺れる。
「ん、ん……」
長い射精が終わり、志津香が唇を離すと溜まった皇帝液がドロリとこぼれた。
「うわえっちぃ……はい、お姉様タオルとお水」
志津香は吐き出した皇帝液をタオルで吹くと水でうがいした。
「ふぅ……ありがとナギ」
「うおおおーーーー志津香ぁーーーー!!!!」
「きゃぁ!?」
起き上がったランスがそのまま志津香を押し倒す。
例のBGM♪
「ああっ! ランス、がっつきすぎっ!」
すっかり出来上がっている志津香の秘所にあっという間に臨戦態勢になったハイパー兵器を挿入する。
「うおりゃああ!! なんだこのフェラテクはどこで覚えたああ!!」
「な!? あ、あんたよ! あんた!」
「なにーー! 俺は知らんぞこんな志津香ーー!」
「はは、お姉様と私を抱くときのランスってほとんど魔王化してるもんね」
ランスの力強い挿入に志津香が身悶える。
「だ、だめ、はやい、もっとゆっくりっ! じゃ、じゃないと――」
「うおおお魔王の俺様めっ! 許せんっ! 俺の志津香をこんなエロエロにしてしまうとは!!」
激しく腰を志津香に打ち付ける。パンパンと肉同士がぶつかる音とさっき出した精液、志津香の愛液がぐちょぐちょと卑猥な音を立てる。
「おりゃああーーーーー! 絶対許さーーん魔王の俺っーーーー!!」
「あはは! 自分に嫉妬してる! 馬鹿だーー!」
ランスの滅茶苦茶な嫉妬にバカ受けするナギ。
「あ、ああ! もう、バカっ!」
ランスを罵倒するがランスの強引なセックスで身体の余裕があっという間になくなる。
「んん!――ああっ――!!」
「この志津香のおっぱいもまんこも全部俺様のもんだ! 絶対に誰にも渡さん!!」
「ラ、ランスっ――」
「お前も魔王の俺なんて忘れろ! どんな俺だったか知らんが! 前の俺なんかより! 今の俺の方が! 絶対にお前を幸せにしてみせる!!」
「ああっ――!!」
ランスの熱い告白が志津香を更に高ぶらせる。
それに応えるように志津香がランスの首に手を回し抱きしめる。
身体の方もランスのペースに徐々に合わさっていき、お互いがお互いを求めるような恋人同士の激しいセックスが生まれる。
「うわうわ、ランスもお姉様もすごい……」
呆然と二人のセックスを見つめるナギ。
「はぁ、あ、あ、あっ! もっと、もっときてランスっ!」
「志津香! お前は俺の女だっ! いいなっ!」
「うん、うん、だいすき、ランスっ!!――――あぁっ!!」
「いくぞぉ!! 志津香っ!!」
ランスが力強く志津香を抱きしめ、また志津香も精一杯の力でランスを抱きしめる。
「ああああ!!」
絶叫に近い声を上げ志津香が達した。
そのままランスもとめどない精液を志津香の膣に注ぐ。
「あっ! あっ! あっ!?」
絶頂が何度も志津香を襲い止まらない。
ランスへの愛情、ランスが戻って来た喜び、ランスが自分を大切にしてくれること。
その全部がこの瞬間に溢れ出た。
「ああぁ……」
いつの間にか流れてた温かい涙をランスの指が拭う。
「これで志津香は俺の女だ」
全力を出したランスがどてーんとベッドの上で大の字になる。
「ほへほへ――大、満、足。いや~~しかし長い道のりだったなぁ……」
腕に志津香の頭を乗せやりきった男ランス。
「――って私! 私を忘れてるよ!」
「お、おお、そうだった」
「うう、酷いやパパ」
「パパ言うな。うーーんしかし俺様も全力で出したからしばらく回復せんぞ?」
「うう~~ん。えい!」
ナギが自分のふくよかな胸をランスの顔に押し当てる。
ぽよよーーん
ジャキーーーーン!!!!
復活するランスのハイパー兵器。
「わっ!? ホントに復活した!?」
「がははは! おっぱいおっぱい!!」
ナギに飛びつくランス。
「きゃ~~♪」
嬉しそうなナギ。
そんな二人を寝ながら見つめる志津香。
恋人のような――姉のような――母のような――。
魅力的で、安らかで、優しい表情を浮かべていた。
「もう……馬鹿ね」
…………………………………………。
………………………………。
……………………。
…………。
「さーてアイスに戻るが……本当にお前達もついてくるのか?」
「まぁね。リセットにお願いされたし」
「いいじゃん、私とお姉様、両手に花だよ!」
「うーむ。まぁ、シィルも会いたがってたし構わんか」(ふふふ、帰りの宿屋でまた姉妹丼が食えるな……)
「顔に出てる、顔に出てる」
「がははは! よーーし出発だ!!」
うし車がシャングリラのハイウェイを走り出す。
外の一番風が当たる特等席でご機嫌にうし車を楽しむランス。
「お姉様」
「ん?」
うし車の中で姉妹が寄り添い話し出す。
「私、今幸せよ。となりにお姉様がいて、ランスがいて。また一緒に旅が出来るんですもの」
「……うん。私も幸せよ」
「……でもね。やっぱり私って我が儘なのかな……シィルお姉ちゃんの話を聞いて、私も……」
「ナギ、それは――」
「ははは、ごめんなさい。やっぱりなし。今でも十分幸せだもん」
「…………そうね。姉妹で子育ても楽しそうかもね」
「お姉様!?」
「今まで散々あいつに振り回されてきたんだもの。ちょっとした復讐……かな」
『復讐』という姉妹にとって忘れられない言葉を使う志津香。
しかし今の姉妹にとってその言葉すら幸せに繋がる魔法の言葉。
「あ、あははは! そうねお姉様! うん、やっぱり私達って姉妹よね!」
ナギが無邪気に志津香に抱きつく。
「こらーーーー!! 姉妹でイチャイチャなど不健全だぞ!」
窓から顔を出したランスがぶー垂れる。
「ふふーん、それを言ったら今のランスが一番不健全だから」
「ぬっ? なぜだ?」
その時、うし車が急に止まる。
「ぬわああああああああ!!??」
うし車から転げ落ちるランス。
「お、お客さん、前方にモンスターが!?」
「ありゃりゃいきなり?」
「ハァ――多分だけどランスが乗ってるからだわ」
「――ぶはぁっ!! ぐぬぬ、クソモンスターめ! 八つ裂きじゃーー!!」
モンスターに一人突っ込むランス。
「ぷはははっ!! 最高!! ――行こうお姉様!!」
「まったく……フフ。――ええ!」
姉妹はいつも通り仲良く飛び出していった。
前の話ぐらいにまとめよう思ってましたがランスとまそーさんが並ぶといっぱい喋りますね。
二部が始まって色々驚く間もなく進めて現れたまそうさん、ナギ。こうきたか~~と私は思いました。全然読めませんでしたね9の時点で。ほんとこういうポジションに来るなんて過去作やってても分かりませんよ。
Hシーンも二つだけでしたがなんかすごく贅沢に感じてしまいました。
姉妹でのシーンしかなかったのでここでは個別に……とか思ってましたがこうランスとまそーさん二人きりだとガチ感がパないというか、二部後だと超真面目しかあり得ないと思ったのでそれはなんかちゃんとお出しされたものを頂きたいなぁと思い可愛いナギちゃんに合いの手打ってもらいました。
長々と書きましたが、もっと書きたいですが、それはまた今度で。
読んでいただいてありがとうございました。