「何か、とんでもない勘違いをされたみたいね……」
「うん。……あっ、善子ちゃんそろそろどいてくれると……」
自らの口元に手を当てると、ルビィはもう片方の手を私の肩に押し当て抗議する。
その小さな手のひらは幼さを感じさせる可愛らしいものだったが、こうして間近で見る彼女の顔はやはり同年代のそれで、上気した頬も合わさり、私はどこか色っぽさを感じた。
……というか、ルビィのまつ毛ってこんなに長かったのね。肌もきめ細かくて綺麗だし。
「ごめんっ」
「ううん、ルビィは大丈夫」
体に残る彼女の体温に一抹の淋しさを感じながらも、私は体を起こし、ルビィの手をとる。
「―――」
……が、ルビィはその体を起こすことなく、一点を凝視している。その表情はとても険しく、彼女のファンにはとてもお見せ出来ないような―――
「―――って、なんて表情してるのよ、ルビィ?」
「いや、その…善子ちゃん、それ……」
「それ?」
ルビィは視線の先を指さす。……その先にあったのは、私の下半身…いや、股間にあたる部分で、一体どういうわけか、その場所は大きく膨らんでいた。
「なっ……!?」
何で、どうしてという疑問よりも先に、私は大きく肥大したそれを隠し、前かがみになる。…先程まではスカートの中身を見せようとしていたのに、いざ予期せぬ事態によりスカートがめくれそうになると
「ね……ねぇ善子ちゃん、ひょっとしてそれ、おちん………!?」
「ううぅ……えっと、これは、そのー……」
正直もう、消えてなくなりたい。
私はスクールアイドルなんてものをやっているが、いくらアイドルといえど年相応に性知識はある。今私のリトルデーモンが大きくなってしまった原因は、恐らくルビィだ。
そしてそれは、私が親友である彼女に対して性的に興奮したということで………。
「……さっきルビィに下半身を触らせようとしたのは、これが理由だったの?」
「……そうよ」
ここまでくると最早隠す意味もないか。
「……ちょっと待って。善子ちゃんって、女の子だよね?」
「あっ…そう来る?……えーと、あぁもう!」
こうなればヤケだ。
私は制服を脱ぎ、ブラのホックを外す。
「ちょっ、何してるの善子ちゃん!?」
「いいから!ほら、見てルビィ!ちゃんと、僅かだけど胸に膨らみがあるでしょう?私は正真正銘女よ!」
「あっ……ほんとだ」
「何なら触ってみる?」
「それはいいかな」
「……そうよね」
「でも……じゃあ、その……下半身の膨らみは何なの?」
「……見る?」
私の小さな問に、ルビィもまた小さく首肯する。
それを確認した私は、スカートを脱ぎ、その下の下着を―――
「ごめん、ルビィ。やっぱりかなり恥ずかしいから、少し後ろ向いててくれる?」
「おっぱいは見せつけたくせに」
「うるさいっ」
小さく文句を言いながらも、ルビィは言うとおりに後ろを向く。
「―――」
その事に安心した私は、引き続き下着を脱ぎ、遂にその下のリトルデーモ…男性器が露出する。それは今朝見たときよりも更に大きくなっていて、上向きに反っていた。
「……いいわよ、ルビィ」
「う……うん」
私の言葉に、少し緊張した様子のルビィがこちらを向く。
そしてすぐに彼女はその口元を両手で隠し、「ピギィッ」と小さな悲鳴をあげた。
「おっきぃね……。善子ちゃん、苦しくないの?」
「わかんない…けど、何か……ルビィが近くにいるとドキドキする」
「そ……そぅなんだ…それは、大変……だね」
視線はあくまで私の性器から逸らさずに、ルビィはどうにか言葉を紡ぐ。
「ごめんね……ルビィ」
「どうして善子ちゃんが謝るの?」
「だって…ルビィにだってわかるでしょ?……私がこんなになってるって事は、ルビィに興奮したせいなんだって!」
「それは……」
「親友なのに……ごめんね、私…親友失格だよね」
本当に、散々だ。
私はただ、皆と幸せに…そう、笑いあって生きていければ、それで良かったのに。
突然こんなものが生えて、親友に性的に興奮して。
穢らわしい、本当に穢らわしい……。こんなものさえなければ、私は今日の今頃は皆と練習に励んでいて、一日の終わりには心地良い疲労感の中で
「ごめん……ごめんね、ルビィ………ッ!」
初めは、変な人たちだと思っていた。
でも、千歌さん達は私のことを、そのままで良いって、津島善子という人間そのままで良いんだって、そう教えてくれて。
だから、グループの中にいるときは、何の気兼ねもなく私の好きな私を表に出すことが出来て。
正直、練習はキツイし…最初の数週間は毎日筋肉痛だった。…けど、そういう痛みは私一人だけのものじゃなくて、皆一緒で、一つだった。
そして、いつからか、その痛みや苦しみは、私の中で宝物になっていて。
「あぁっ……ああぁ………ッ!」
あふれ出した思いは透明な雫となり、私の頬をこぼれ落ちる。
だって、全部、本当に全部、宝物なんだ。
私が入った時には6人だったAqoursというグループは、ダイヤ達三年生が入り、今では9人のアイドルグループとなった。
千歌さんも、曜さんも、リリーやルビィ、ずら丸に、私の後に入った果南、マリー、ダイヤも。きっと誰が欠けても、ここまで頑張って来れなかった。
大切で、宝物で、毎日が輝いて、楽しくって、だから誰かと離れるのは嫌で。
「―――大丈夫だよ、善子ちゃん」
「―――!?」
―――と、涙が止まらなくなってしまった私を、ルビィは抱きしめる。
「なんで……?だって、私は………」
「どうしてそんなものが付いてるのかは分からないけど、大きくなってたってことは、善子ちゃんがルビィの体にドキドキしてくれて、それでえっちな気分になったって事だよね?」
子供のワガママを
「ルビィ、嬉しいよ。知らない人ならともかく、私は善子ちゃんのこと、大好きだから」
「ルビィ……」
「流石に、こんな話してる時もずっとおっきいままなのはびっくりだけどね」
「ううぅ……」
恥ずかしさと、申し訳なさと、感謝の気持ちと。色々な感情でいっぱいになってしまった私は、そのまま彼女の胸に顔をうずめる。
「善子ちゃん、可愛い♪」
「ルビィの方がもっと可愛いわよ。…というか、ルビィにそういう台詞言われるのって何か屈辱的ね」
「……む。どういう意味?」
「さぁね」
私の言葉に、少しムッとした様子のルビィは、私の頬を指でつつく。……どんな怒り方よ、それ。
「ねぇ……善子ちゃん?」
「なによ」
「その、善子ちゃんのおちん……んと、」
「リトルデーモンでいいわよ」
「……リトルデーモン。触ってみても良い?」
それは、全く予想外の提案だった。
盛り上がって参りました。
正直、善子のリトルデーモn……もとい、ち○ぽを見せるだけなのになんでここまで良い話風に書いたのか自分でも謎です。
当初は、さっさと善子とルビィを交わらせる予定だったのですがねぇ……。面倒くさい行程を描きたがるのは、物書きの性というやつでしょうか。
まぁ、兎にも角にも。
次回、いよいよです。お楽しみに。