皆さまのご好評の声のおかげでついにゴールデンに進出!
普段の生活では気にも留めないあんな仕事やこんな仕事にこれからも潜入して参ります!
次にカメラが捉えるのはあなたの職場かも?
※この作品は『ノクターンノベルズ』にも投稿しています。
あなたはご存知だろうか。
世界には様々な仕事が無数に存在する。
時代の先を行く仕事。反対に時代に逆行した仕事。
仕事の数だけドラマがあり、仕事の数だけのロマンがあり、仕事の数だけの職人が存在している。。
当番組では日常生活では中々知る事の出来ない、意外な仕事を紹介していく。
今週ご紹介するのはかつての男性たちの憧れだったとあるモノを制作する仕事だ。
◇◆◇◆
『生体オナホロイド』。
十数年前までは成人男性が今まで買った一番高い物は? というアンケートでベスト5にランクインしていた、かつての男の憧れであり、国内だけで数百の製造工場が存在していた。
しかし現在では工場は国内に僅か三件、今回当番組は国内に流通する生体オナホロイドのおよそ七割を手がけている工場に取材を行った。
十一月某日 早朝 都内の喫茶店
取材を快く引き受けてくれた工場の工場長が指定した喫茶店で待つ事数分、工場長が現れた。
──おはようございます。
「おはようございます。いやぁ、朝早くからですいませんね」
工場長という響きからツナギ姿を想像していたが、現れたのはスーツを華麗に着こなした男性だった。
「さっそくなんですが行きましょうか」
喫茶店を待ち合わせ場所に指定しながら工場長は席に着くことなく、外を指した。
──いつもこんな朝早くから仕事を始めてらっしゃるんですか?
「いやぁ、普段はもっとゆっくりですよ。ただ今日はちょっと……行けば分かると思います。すぐそこですから、行きましょう」
何やら少し焦ったような工場長に先導され、喫茶店から歩く事およそ十分、辺りに工場らしいものは見えないが、男性はとあるマンションの前で立ち止まった。
「此処です」
──此処?
『スタジオの疑問の声』
「意外でしょう? でもこういう環境の方が良い製品が出来るんですよ」
工場長の言葉にはどんな意味があるのか。その真意を確かめる為、番組スタッフは工場長の後を追い、マンションのエントランスからエレベーターへ乗り込んだ。
慣れた様子で最上階のパネルを押し、エレベーターが上昇していく。
──何かトラブルですか?
エレベーター内でも何やら落ちつきのない様子の工場長。その表情は何処か不安気にも見えた。
「トラブル、といえばトラブルですね。あまり珍しくもないんですが……っと着きましたね、行きましょう」
スタッフの問いに曖昧に笑い、エレベーターの扉が開くとすぐに工場長は駆けだした。
オナホロイド工場でどんなトラブルが発生するのか、番組スタッフも想像出来ないまま、その後を追う。
進んだ先の通路で立ち止まった工場長は何かを指さした。
「見て下さい」
言われるがままカメラを向けたその先には想像もしていなかった景色が広がっていた!
「時代ですかね、年に何回かはこういう事があるんですよ」
オナホロイドが壁に寄りかかるようにして通路に打ち捨てられていたのだ。
──あれはこの工場の製品?
「ええ。自分たちが手がけたものは全部覚えてますから……よしよし、大丈夫か?」
工場長はバッグから毛布を取り出し、何も身につけていないオナホロイドへとかける。
まるで父が娘にそうするように、優しい声音で語りかけながら背を擦っていた。
「寒かったよなぁ。さ、中に入ろう」
工場長たちが丹精を込めて制作したオナホロイド、職人たちにとってそれはもう自分たちの子供のようなものなのだろう。
その深い愛情を感じたからか、オナホロイドは堰を切ったように泣き出し始めた。
「うっ、うぇぇええん! ごめ、ごめんなさいっ、ごめんなさいぃ!」
「大丈夫、大丈夫だから」
工場長は鍵を開けてオナホロイドを抱え上げ、部屋の中へと運び込んだ。
「あっ、こっちですこっち。すいません、鍵だけ閉めてもらえます?」
◇◆◇◆
──さっきのオナホロイドは一体……?
「捨てられたんでしょうねえ。うちは返品は受け付けてませんから」
──捨てる? あんな高価な物を?
「ええ。年々増えていってますよ。どうしても最近の人たちには馴染みがないみたいで。しっかりと説明はしているんですけどねぇ」
──どういった原因で?
「うーん、色々ありますけど、一番多いのは維持の大変さでしょうかね。個体によって変わってきますけど、買った後の手間や維持費が想像と違ってた、っていうクレームはあります」
──維持費というと?
「大きいのは食費ですね。やっぱり人型オナホロイドと同じ感覚で購入される方が多いので、そのギャップで……」
──食費が掛かるんですか!
「勿論ですよ! なにせ生体オナホロイドですからね」
『スタジオが驚く声』
工場長の話によると現在流行している人型オナホロイドと違い、この工場で手がけている生体オナホロイドは人と同じように食事や排泄までも行うのだという。
生体が人型に取って代わられたのはそういった面での負担や手間が省かれているからだと工場長は語った。
「よく勘違いされている方も多いんですが、生体オナホロイドは人間とほとんど変わらないんです。人型オナホロイドと違って電気じゃ動きませんし、72時間連続稼働なんて絶対に出来ない、食事も睡眠も必要で、不便なものなんですよ」
──それに本体そのものの価格も人型と比べると……
「そうですね、安いものでも生体オナホロイドを一つで人型の倍はします」
──では生体オナホロイドの購買層というのは?
「人型が発明される前までは今の高級人型オナホロイドを購入されているような方たちでしたね」
高級人型オナホロイドとは、一般的な人型オナホロイドと違い、政府の認定を受けた企業が制作し、人権を認められたオナホロイドの事である。
ちなみに以前、当番組にゲスト出演した●●さんは世界初のオナホロイドアイドルとしてデビューした。
他にも女優として活躍していた××さんがオナホロイドであるとカミングアウトした事は記憶に新しい。
「今は人型から入ってハマった人が二台目に、と求められる事が多いです。それ以外は昔買えなかった世代の方が今になって、ってパターンですね。後はほとんどがリピーターの方々です。安価な人型オナホロイドだと年齢と共に段々使われなくなっていくんですが、生体オナホロイドは一度ハマると人型以上にハマるんですよ」
──俗に言うオナホ離れが少ない?
「ハマれば、ですけどね。こんな事言うのは少し恥ずかしいんですが、生体オナホロイドは道具としてではなく、ペットみたいに家族として見て欲しいです。そうすればきっと愛着が湧いてきますよ」
──オナホロイドが家族、ですか。
「ええ。生体オナホロイドの素材ってどういったものかご存知ですか?」
──いえ。
「昔で言う3Bの子たちなんですよ、ってもう死語ですかね?」
3Bとは馬鹿(Baka)、ビッチ(Bitch)、牝豚(mesuButa)の三つが揃った状態を指す言葉であり、約二十年ほど前に起きた一部の企業や学校で起きた受け入れ拒否騒動の際に作られた造語である。当時は流行語となったが、現在はあまり使われる事はない。
──どうして3Bの子たちを素材に?
「元々生体オナホロイドは学校や社会から捨てられた子たちの使い道を模索する中で、国家事業として始まったんですよ。今は完全に民営化してますけどね」
かつては国家事業だったという生体オナホロイド制作。
だがその製造コストの問題や安価で便利な人型オナホロイドの開発により事業は縮小、先に述べたように現在はこの工場を含めて僅か三件のみとなっている。
──では慈善事業の側面もあると?
「それは違います。世の為だって言うなら今は公衆便女(※)って使い道もありますし……。少なくともこの工場で働いている奴らはみんな、僕も含めてですが、オナホロイドが好きなんですよ。好きじゃなきゃこんな仕事やってられませんって」
(※三月三日に放送した公衆便女に関しての映像)
工場長は少年のような笑顔でそう語った。
と、その時だった。
『映像が乱れる』
番組カメラスタッフの腰に衝撃が走る。何事かとカメラを向けると先ほど捨てられていたオナホロイドがスタッフの腰にすがりつき、ズボン越しにペニスを撫でていた!
──これは一体……?
「ああっ、すいません! 向こうで大人しくしてるように言ったんですが……。捨てられて戻って来たオナホは大体そうなるんですよ。自分たちはまだ使えるよ、気持ちよくさせられるよ、ってアピールしてるんです」
もしかするとそれが人型と生体の一番大きな違いなのかもしれない。
廃棄された人型オナホロイドは完全に機能を停止し、朽ちていくばかりだが生体オナホロイドは与えられた役割を、オナホロイドの本分を果たそうとするというのだ。
そのオナホロイドの健気な姿がスタッフの胸を打つ。
『静まりかえるスタジオ』
「あの、もしよかったら使ってみてくれませんか?」
──このオナホを、ですか?
「ええ。さっき水洗いはしましたし、確認した限りでは欠陥はありませんでした」
工場長の言葉に、スタッフの一人が手を上げた。
普段は失敗が多く、要領も悪いADのTである(参考映像)。
『スタジオの笑い声』
「ぼ、僕で良かったら……」
「本当ですか! 是非お願いします! 良かったなあ! 使ってくれるってよ!」
「はい……! 精一杯、ご奉仕します!」
黒髪のおかっぱ頭のオナホロイドがその瞳を輝かせ、ADのTのベルトに手を掛ける。
後から聞いた話によるとこのオナホロイドは日本人形をイメージして制作されたオナホロイドであり、元は和服姿で出荷されたという(後日撮影した和服姿の写真)。
『着飾った姿に湧くスタジオ』
今の姿からは想像もつかないが、見た目はともかく工場長が自らが教育(この工場では設計ではなく敢えて教育という表現をしている)した技巧はまさに匠の逸品だった。
「ん……あっ、もう、こんなに……」
※視聴者の方々によりオナホロイドの良さが伝わるよう、ADの音声はカットして放映しています。
ベルトを外し、パンツを口にくわえて下ろすと既に勃起していた男根を目の当たりし、オナホロイドはうっとりとした表情を浮かべた。
「椛、教えた通りにするんだよ?」
「はい。それではご奉仕、させていただきます」
このオナホロイドの個体名は
まだ未成熟な少女をイメージした個体であり、肉体年齢は人間に換算すると十代前半だという。
性格は臆病で気弱、しかし性処理に関しては積極的であり、使えば使う程に味が出るように設計されたそうだ。
「生体オナホロイドには初期設定は必要ありません。届いたその瞬間からすぐに使えます」
──では呼び名や禁止行為(使用者に対しての)の設定はいつ?
「勿論、使用しながらです。試してみましょうか。設定方法は個体によって違って、いくつかありますが、たとえばこの椛の場合」
何やらADに耳打ちする工場長。Tは驚いた表情を浮かべるが工場長は大丈夫ですと自信に満ちた笑みで答えた。
「んっ、ちゅ、じゅるっ……兄様のおちんちん、すっごく固──きゃん!」
うっとりと男根に頬をすり寄せていた椛の髪をTが掴み上げる。
「うっ、うっ、ご、ごめんっ、なさっ、ぶたないで……」
Tはそそり立った男根で執拗に椛の頬を叩く。まさかこれがその設定方法だと言うのだろうか……?
「申し訳ありませんでした……」
何事かをTに囁かれ、解放された椛は深々と頭を下げて謝罪をした後、再び男根への奉仕を再開する。しかし、その様子は先ほどまでとは打って変わっていた。
「……もう兄ちゃんったら、あたし相手におちんぽ様そんなに勃起させて恥ずかしくないの? あたしは恥ずかしいなー、妹相手に大事なおちんぽ様をおっきくして、兄ちゃんの性癖を疑うよ」
──これは……?
「いい設定ですね。ご存知かも知れませんが人型オナホロイドだと複雑な設定やこういった使用者を下に見るような設定というのは中々大変なんですよ。万が一プレイが行き過ぎて怪我をしないように、メーカーによっていくつもの禁止事項が設けられていますから。だからその行為に抵触しないように設定する必要があるんですが、生体オナホロイドにはそういう1か0かの設定はありません。これはユーザーと我々との信頼関係あってこそです」
事実、この工場から出荷されたオナホロイドの不具合は今まで一件も報告されていない。椛のように捨てられるのは購入者の知識、理解不足が原因なのだ。
「兄ちゃんはどうでもいいけど、おちんぽ様は貴重なんだからね。まったく……勃起しちゃったんならあたしが処理するしかないじゃん……んむっ、じゅるる! じゅっ、ずるるるるる!」
奉仕を再開した椛を満足げに見ながら、工場長は語る。
「人型はアップデートや追加データを購入、インストールする事でプレイや性格の幅が広がりますよね。けれど生体の場合、そもそもアップデート機能というのは備わっていないんです」
無料アップデートや有料の追加データによって人型オナホロイドは購入後も日々進化する。しかしその一方で後に有料データを全て収録した完全版を発売する、いわゆる完全版商法にユーザーからは不満の声も上がっている。
しかし生体オナホロイドにはそれがないという。一体どういう事なのだろうか。
──それでは購入以後のアップデートはない?
「うーん、ないというか、必要ないんですよ」
──?
「もしもこの椛のような容姿の人型オナホロイドの場合、こういう設定(※)は初期実装されていない事がほとんどですよね」
(※生意気妹+おちんぽ奴隷設定)
スタッフの調べたところ工場長の言う通り、この設定が初期実装されている人型オナホロイドはいくつかあったが、そのどれもが椛とは全く違っていた。
金髪であったり低身長、または目つきが悪いなど、この設定に合う容姿の物にしか実装されておらず、それ以外の機体では有料コンテンツとなっている。
「椛の容姿だったら無知設定や素直な妹、単純な肉便器設定、後は精々花魁設定ぐらいしか実装されていないと思います」
これも工場長の言葉通りである。ライバルとなる人型オナホロイドの知識も相当のようだ。
「うちの工場ではどんな個体であっても発送前に基本的なシチュエーションに対応できるだけの知識を詰め込んでいます。その淫語やプレイ、呼称の組み合わせ設定はまさに無限大ですよ。ただそれでも求めていた設定がない! という方も居るでしょう」
──それも可能にする何かがあるんですね?
「はい。というのも簡単です、購入したユーザー本人が教えてあげればいいんです。複雑な内容になってくると教え込むのも大変ですが、そこは調教プレイだと思ってその苦労も含めて楽しんでもらえれば(笑)」
──成る程。
「簡単な内容だったらすぐに覚えますし、それに性処理以外でも色々と融通が利きます」
──というと?
「そうですね、ちょうど今この部屋にもいるんです」
工場長はそう言うと足で床を二度軽く叩く。それを合図にデスクの影から別のオナホロイドが這い出てきた!
「……」
しかし何やら様子がおかしい。何も言わず、俯いたままでスタッフや工場長の姿も目に入っていないようにも見える。
そして四つん這いの体勢で工場長の後ろでぴたりと制止した。
「よいしょっと……こういう風に合図を教えればすぐに椅子代わりになってくれるんですよ。個体差はありますけど中々の座り心地なんです。中には女体盛りみたいに皿代わりにする方も居るんです……が、あまり推奨はしていません。人型と違って体温調節が出来ませんから(笑)。けど料理だって教えれば出来ますから、料理を作らせて皿じゃなくお箸代わりに食事の手伝いをさせたりも出来ますよ」
──本当に無限大の可能性を秘めているんですね。
(感心の声が上がるスタジオ)
「この部屋の外にも何体か置いてます。まあ試作部屋みたいなものですから。トイレに一体、お風呂に二体、寝室にも二体。日々新しい使い道を研究してます」
工場長の研究に余念はない。彼の試行錯誤がこの国の生体オナホロイド業界を支えているのだ──。
「あっ、おちんぽ様びくびくってしてるよ? 妹相手にザーメン射精しちゃうの? いいの? 貴重なおちんぽミルク、妹に恵んじゃっていいの? あっ、あっ──ずゅるるるるる!」
AD Tの射精とCMの後はいよいよ生体オナホロイドの製造過程にカメラが迫る!
淡々とした狂気的な話を書きたかった
あまりエロくはない……けど刺さる人には刺さるんじゃないかなと