「……遅いな」
時計を見ると、待ち合わせの時間はもう過ぎていた。いつもなら待ち合わせの5分前には来ているのに、珍しく今日はまだ姿を見せていない。
何かあったのだろうかと不安に思い始めたところで、ようやく彼女が現れた。
「ごめん、遅くなって!」
「いや全然大丈夫、俺も今来たとこ、ろ……」
俺はそう言おうとして、思わずフリーズしてしまった。
なぜなら。
「ど、どうかな……変じゃない……?」
現れた彼女が、見慣れた格好ではなく、浴衣を着ていたからだ。
改めて彼女の浴衣姿を眺める。白を基調に、薄い紫色の花が描かれたその浴衣は、彼女の魅力を最大限に引き出していた。
「すごくいいと思う。似合ってるよ」
「ほ、褒め過ぎだって……。……ありがとう」
俺が褒めると、彼女は少し顔を赤くしてそう言った。その様子もまた可愛くて、俺は今日の約束を取り付けた自分を褒めた。
夏祭りのことを知ったのは、つい先日のことだった。商店街に貼られたポスターを見て、週末に開催される夏祭りの存在を知った。
夏祭りなんてしばらく行っていないが、彼女と一緒ならきっと楽しいだろう。ただ、こんなイベントをハロハピとして何もしないなんてことがあるだろうか? きっとハロハピの面子で何かするに違いない。
その中で彼女だけを借りるというのは少し申し訳なさがある。それになにより、俺は彼女にはハロハピを優先して欲しい。
そう思って、今年の夏祭りも不参加にするつもりでいた。
ところが。
『土曜日、空いてる?……夏祭り、一緒に行かない?』
意外にも、彼女の方から誘いの電話がかかってきた。
「俺はいいけど……てっきり、美咲はハロハピの面子と行くのかと」
『そ、それが……』
なんでも彼女の話によると、今年の夏祭りは土曜と日曜の2日間開催なので、ハロハピとしては2日目に参加し、1日目は各自で参加ということになったらしいのだ。
……弦巻さん、こういう気の回し方してくれたりするからなぁ……。彼女にはこれまでもちょくちょく気を使って貰ってるので、頭が上がらない。
『だから1日目は一緒に行けるんだけど……どう?』
「もちろん喜んで」
『ん、おっけ。じゃあ土曜日の午後5時に待ち合わせで』
「わかった」
『はい、よろしく。……えっと』
「?」
まだ何か伝えることがあったのだろうか。
『……楽しみにしてるから。……じゃあね!』
それだけ言って、通話は切られた。
「……楽しみにしてくれてるんだ……」
お互いに楽しみにしていることが分かって、俺は嬉しくなってしまった。
その約束をしてから当日までが待ち遠しかったのは言うまでもない。
「でもまさか浴衣で来てくれるなんて思ってもみなかったよ」
2人で祭りの会場である神社へと歩いて向かっている。周りにも、同じく夏祭りへと向かうであろう人達がたくさんいる。
「いや、あたしも最初は着るつもりなかったんだけど……みんなに『浴衣のほうがいい』って言われて……」
そうだったのか。浴衣を推してくれた人達、本当にありがとうございます。今度何かお礼をしないといけないな……。
「でもありがとね、わざわざ着て来てくれて」
「こっちこそ、褒めてくれてありがと」
2人で話しながら歩いていると、すぐに祭りの会場が見えてきた。
「おぉ、やってるやってる」
神社の境内に出店がいくつも並んでいる。そしてたくさんの人で賑わっていた。
「やっぱりすごい混んでるね」
「だねー……じゃあ、そしたらさ」
彼女がおずおずと、俺の手を握った。
「こうしてないと、はぐれそうだから……ダメかな?」
普段あまりくっ付いてきたりしない彼女にそう言われて、断るはずがない。
「ダメなわけないよ」
そう言って、彼女の小さな手を握り返した。手のひらから伝わってくる彼女の温もりが、とても心地よかった。
それから2人で、いろんな出店を見て回った。『定番だよね』なんて言いながら焼きそばを食べたり、2人でりんご飴や綿あめを分けたり、なぜかミッシェルのお面が飾ってあったお面屋を冷やかしたり。
2人で少し日常から離れたひと時を楽しんだ。
「はいおまたせ、ラムネ買ってきたよ」
「ん、ありがとう」
俺たちは人混みに疲れたので、境内の外れに2人で逃げてきた。彼女の分のラムネを渡し、階段に座る彼女の隣に腰を下ろす。ここはすぐ裏が雑木林になっていることもあり、人の通りはほとんどない。
遠くに祭囃子の音を聞きながら、2人静かに夜空を見上げる。
「……今日はありがとね、来てくれて」
「俺の方こそ、誘ってくれてありがとう。楽しかったよ」
「あたしも。こんな楽しい夏祭り初めて」
「そっか。それならよかった」
ゆるゆると言葉を交わす。夏の熱気を帯びた風が吹き抜けていった。
この時間がいつまでも続けばいいのに。そう思いながら、ゆっくりと彼女に顔を近づけた。
「美咲……」
「……ん……」
ほんの少し唇を触れ合わせるだけの、優しいキス。
口付けは、ラムネの味がした。
「……は」
唇をゆっくりと彼女から離す。何度しても、このドキドキには慣れそうにない。すると、つい、と服の裾を摘まれた。彼女の方を見ると、耳まで赤くして俯いた彼女がいた。
「……もっと」
気がつくと、俺は彼女を雑木林に連れ込んでキスの雨を降らせていた。それもさっきまでのような優しいものではなく、彼女の全てを求めるような激しいキスだ。
「ん……んむ……んっ……」
絡める舌に愛情を込めて、丹念に彼女の口内をなぞっていく。彼女もそれに応えるように舌を出してくる。それが更に俺を欲情させた。
「んっ……あっ、やっ、だめっ……」
浴衣の裾から彼女の下半身に手を伸ばすと、彼女は抵抗するように手を抑えてきた。その手を押し退けて、下着越しに彼女の秘部に触れる。そこは既に湿り気を帯びていた。指でなぞると、更に湿り気は増していく。
「キスだけでこんなに感じちゃったんだ?」
「う、うるさい!」
「美咲はこうやって外でキスされるの好きなんだね」
「そんなこと……ひゃん!」
下着をずらして秘部に直接触れると、彼女は驚いたような声を上げた。人差し指で筋に沿ってなぞり上げると、彼女の身体がビクビクと反応した。
「やっ……あんっ……あっ……」
かなりほぐれてきたことを確認して、指を中へと入れる。彼女の秘部は簡単に指を飲み込んでしまった。指を上下させると、ニュチニュチと淫靡な音が鳴り出した。
「ほら、聞こえるでしょ?凄い濡れてるよ」
「んんっ……んっ……んぅ……」
美咲は口に両手を当てて、必死に喘ぎ声を抑えようとしていた。しかしそれが逆に俺の加虐心を刺激した。中を弄る指の動きを速くしていく。
「んぁ……やっ、だめ……だめだからぁ……」
それでも俺は弄るのをやめない。水音と彼女のこもった喘ぎ声だけが響く。
「も……だめ……イクっ……!」
やがて彼女が絶頂を迎え、身体ごとビクンと大きく跳ねた。そしてそのままへたり込んだ。
「はぁっ……はあっ……腰、抜けちゃった……」
座り込んだ彼女に、俺は大きく腫れ上がったモノをズボンから取り出して近付けた。
「ほら休んでないで、今度は美咲の番」
「うぅ……なんかいつもより大きくない……?」
そっとモノに手を添えながら彼女が言う。
「美咲がいつもよりかわいいから」
「うっさい、ばか」
俺がそう返すと、彼女は照れながらも愛撫を始めてくれた。つつ、と唾液を垂らし、それを塗り込むように丹念に扱いていく。その手つきに、より興奮させられる。
「わ、また大きくなった」
今度は彼女がモノの先にチロチロと舌を這わす。先端を局所的に刺激され、快感がどんどん高まっていく。
「っ、それ気持ちいい……」
「れろ……ん、ならいいけど……」
やがて彼女がモノを咥え始めた。俺は彼女の口の中の温かさに腰が砕けそうになる。
「ん……あむ……んっ……」
彼女が献身的に咥え込むのを見て、自然と腰が動いてしまう。
「じゅる……んっ……じゅぷっ……」
奥まで咥え込まれたりして、俺はあっという間に限界まで高まった。このままではすぐに射精してしまう。
「美咲、向こうを向いてそこの木に手をついて」
「こ、こう……?」
所謂立ちバックの姿勢を美咲にしてもらう。そして彼女の下着を下ろして、片足にひっかけた。これで彼女の大事なところがよく見える。
「挿入るよ……」
既にぐちゃぐちゃになっている割れ目に、モノを押し込んでいく。力を少し入れただけで、一気に1番奥まで入ってしまった。
「こんなに簡単に咥えこんじゃったけど、フェラしながらずっと濡らしてたんだ?」
「んぁ……う、うるさい……」
「じゃあそんな悪い子にはお仕置きをしないと……なっ!」
俺はそう言って、最初からかなり激しく動き始めた。正直長く保ちそうになかったからだ。
「ひゃぁ?!むりっ、そんな、激し……!」
美咲の腰を両手で掴んで、激しく前後のピストン運転を続ける。彼女の膣内を行き来するたびに気持ち良さが増していく。
「ふぁ……んん……だめ、だめぇ……」
彼女も何とか声を抑えようとしているが、甘い声が抑えきれず漏れ出ている。
「美咲、美咲っ……もう出るよ……!」
「んんっ……!わたしも、もう、らめ……」
最後に渾身の力を込めて腰を動かす。彼女の足腰ももうガクガクしてきている。
「あっ、もう、イっちゃう……!」
「俺も、イク……!」
彼女が絶頂を迎え、膣内が強く締まった。俺はそれに合わせるように、1番深いところで射精した。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
愛液と精液の混ざった液体が、彼女の太腿を伝っていった。
「はぁ〜……疲れた……」
「ごめんごめんって」
夜の街を手を繋いで歩く。まだお互いに少し気分は高揚したままだ。
2人で盛り上がりすぎてしまった所為で、帰るのはもう出店を片付け始めるような時間になってしまった。
「ホントもう、いきなりあんなところで、あんなこと……」
美咲は言いながらさっきの事を思い出したようで、顔を赤くした。
「でも俺は、楽しかったよ、とっても。2人で一緒に過ごす夏祭りが、こんなに楽しいなんて知らなかった」
「……まぁ、それは、あたしもそうだけど」
「また、来年も来ようね」
「……暇だったら」
「そっか。ありがとう」
月に照らされながら、2人夏の夜道を歩く。
こんな時間が、いつまでも続いたらいいのになぁなんて思った、夏のある1日だった。