創造戦士ガンプラダイバーズSide:Genius 作:JNEXEL
リョウマ・アルキメデスこと水崎 諒馬は、ダイバーズにてかつての同僚である比良坂 舞夜と再開を果たす。彼女により、仮想世界に生まれた亀裂"クラックゾーン"なる物が存在しているという事実を知る事に。ビルドレイザーに搭載されているビルドシステムを使い、クラックゾーンの修復をしていくが何者かがこれを監視していた。
今日から「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2」の稼働開始!どんなゲームになるかワクワクしてくるよな....最っ高だ!...何だよ舞夜....あ!?そろそろ9話始まるぞ!
青い閃光が宇宙を駆け抜ける。ナイトシーカーの目は敵を確実に捉え、鷹が狩りをするように正確かつ素早く目標を貫いていく。百式がメガバズーカランチャーを構え、慣性移動を利用しながらナイトシーカーに狙いを定める。もちろん、射線の延長線上にはビルドレイザーも位置している。纏めて消し去ろうという魂胆だったが、そんな目論見は舞夜にも見抜けていた。メガバズーカランチャー砲身の真下を潜り抜け、シグルスレイヤーを振り抜き両断、百式が急いで離脱しようとするのを見逃さず、足にマウントした短剣"スパロクナイ"を投擲、顔面を貫き爆破させた。そのままナイトシーカーは宙返りし次の目標めがけ、最大速度を保ったまま突き進む。全ての動きが速すぎる。そしてある種の美しささえあった。その様子を遠くから見ていたスワンも弘も、言葉を発する事すら出来なくなった。
「舞夜一人でやってるのか....こっちにも近づかれたらどうするんだ....!」
クラックゾーンの修復完了まで残り僅かだが、身動きが取れない状況に変わりはなかった。リョウマはF91-Mとドラグハートの動きが悪くなっているのに焦りを覚えた。そして悪夢が襲いかかる。ガンダムグシオンが真正面からやって来、グシオンハンマーを大きく振り上げようと構えていた。2秒もしない内に攻撃範囲内に入ってしまうのをリョウマは察し、機体の大破を覚悟した。ビルドシステムを戦闘用に切り替えるのにも時間がかかる影響だが、ここまで状況が悪くなるとは思っても見なかった事であった。
「ぶっぱがしてやるッ!!」
「させっかよ!うぉおおおりゃあッ!!」
グシオンハンマーがビルドレイザーの脇腹に向けて振り上げられる刹那、ドラグハートの炎を纏った拳が玄翁を凹ませ、その勢いを利用して柄を圧し折った。そしてF91-Mが全速力で突っ込み、ジェットペネトレイターをグシオンの腹に突き刺し、マシンガンで蜂の巣にした。辛くもビルドレイザーは難を逃れるが、リョウマとしては生きた心地がしなかった。ビルドレイザーが触れていたクラックゾーンは完全に閉じられ、消失した。
「間に合ったから良かったものの....」
「ごめんなさい、水崎さん!修復はどうなってますか?」
「今ので何とか終わった。だけどこの辺だとまだありそうだな」
レーダーに映るクラックゾーンの反応を頼りに、周囲を見渡すリョウマ。コクピットも普段通りインテリアが正常運転に戻っていた。
「まだあんのかよ。一体どんだけあるんだろうな」
「それだけ事件がやばかったって事だよ」
程なくしてナイトシーカーも敵の殲滅を済ませて合流した。
「やはり連中は、アーネストの誰かに指示されているようですね」
「だろうな」
もう1つのクラックゾーンが存在する宙域への移動の最中、リョウマは"生きていないはず"の舞夜について考えていた。そして共通性のある、ダイバーズに閉じ込められたと言う弘の後輩についても、何かしらの仕組みがあると見ていた。開発時点でもその様な仕様は無かったのだが、現にこうして起きてしまった以上否定する事も出来ない。仮想世界でしか生きられなくなった人間を知るには、舞夜に聞くのが近道のように思えた。しかしその行動が、彼女に深い傷を与えてしまうのではと言う恐怖もある。
「水崎さん?」
黙り込んでしまったリョウマを心配したのか、スワンが声をかけた。
「何か、元気無いみたいですけど」
「俺は大丈夫だ。君が思っている以上にヤワじゃない」
リョウマは軽く咳払いをし、気を取り直そうとするが簡単に切り替えられるものでも無かった。
とある拘置所に、一人のジャーナリストが訪れた。目的は一つ。ZeuS事件の真相を知る事である。仕事でもあり、彼女自身も知りたいと強く望んでいた。
「あ、すいませ~ん。ROMANESQUEの神宮寺です。百崎 翼さんの面会に来たんですけど、大丈夫そうです?」
守衛の警官は英梨を見るや「またですか」とため息をついた。
「その名前の人間はここには居ません。何度言えば分かるんですか」
「でも、こっちはそのタレコミを掴んじゃってるんですよねぇ〜....?いいんですか?ここの課長クラスの人が、職場内不倫をしている事も知ってるんですよ?」
英梨が笑みを浮かべながら一枚の封筒を警官にちらつかせた。警官はぎょっとして英梨を凝視し、一度目を逸らした後に彼女を守衛室に招き入れた。
「どこからそんなネタを掴んだのか知りませんが、警察全体の信用に関わるので余り口にしないで頂けませんか」
そう言うと、英梨は甘えるような声で選択を迫りつつ、封筒を開けようとした。
「だったら教えてちょ〜だい?百崎 翼がここにいるんでしょ?教えてくれたらこの封筒は貴方にあげてもいいけど....どうします?」
相変わらず嫌な女だ、と警官は言い出しそうになりながらも収監者名簿のコピーを取った。
「確かにいます。ですがあれ程までの地位の人間が起こした事件も、相応の規模なので特別に警戒しているのです。だから世間に対しても、記者クラブに対しても規制をかけている....にも関わらずどうしてこんな」
「私は知りたい事があれば徹底的に明らかにしないと気が済まない性分なの。そんじゃ、これはそのお礼という事でよろしくね〜」
「あ、コラ待て!面会は許可しない!」
警官が慌てて回り込み、英梨を敷地から追い返そうとする。だが英梨はひょいと警官の腕の下を潜り、施設の中へと向かった。その折に警官に電話がかかってきた。
「済まないが大杉君、百崎 翼への面会予定がある人が来ているそうだ。名前は確か神宮寺...」
「はぁ!?面会許可出したんですか!?それならもう来て....!」
上司からの連絡に腑に落ちない顔をしながらも、警官は守衛室に戻った。英梨は玄関を抜けると受付を済ませ、近くの椅子に腰掛けた。
(とんでもない事をしているってのは分かってるけど....あの人と関わってしまったばかりに、形振り構ってられなくなったし。教授が言ってた通りに動くのね、私)
職員が案内すると言うのは受付で聞いていたので、それまでの暇つぶしのつもりで自販機コーナーへ向かった。適当なコーヒーを買って戻って来る頃に、案内役であろう職員とバッタリ会った。
「神宮寺 英梨さんですね?それでは参りましょうか」
職員に連れられ、人気のない通路を通り収監棟へと進んで行く。
「まさか百崎 翼と面会したいと真っ先に仰ったのがあなただったとは....彼の親族からも何の連絡も無かったもので、我々もかなり驚かされました」
「彼のご両親、血族共々行方知れず....なのでしょう?それに私は職業柄と性格のせいですから」
「実はあなたから面会の申し出があった時、百崎もまたその日を望んでいたようでした。何か関係がお有りですか?」
「特に関係はありません。私からしたら彼は、ただの取材対象ですので」
英梨は無意識に鋭い声音で話していた。それだけ緊張していたのだろうが、それ以上に翼が起こしていた事件で、周囲の人間が一生癒えることの無い傷を背負う事になった。その方が許せなかった。職員がドアを開けるとドラマの様な、面会室に入る事ができた。多少の差異はあれど、かなり近い。英梨は椅子に座り、翼が来るのをじっと待っていた。事前にボイスレコーダーをジャケットの中に仕込んでいて正解だったと内心呟き、カバンから手帳と筆記具を取り出した。普段ならタブレットを使うが、この場だと何かを疑われては取材どころではなくなるので、手帳とした。殊に翼レベルの影響力を持った収監者の肉声は、予想もしない方向で刺激を与え最悪の場合、社会的混乱が起きかねないのだ。10分程して向かい側の部屋に警官に連れられ、百崎 翼が入室してきた。真っ白な収監着に身を包んでこそいるが、あの事件を引き起こした人間とは思えぬ、爽やかな顔つきをしている。直接対面した事のない英梨は、彼を見て度肝を抜かれる気分を味わった。
「お初にお目にかかる...とでもいいましょうか。申し上げるまでも無いでしょうが、私は百崎 翼....世に言うZeuS事件の、謂わば首謀者....と言った所です。貴女の事は予予聞いておりましたよ、神宮寺 英梨さん」
翼は微笑みを絶やさずに挨拶を済ませる。丁寧な口調と言い、抑揚と言い人の警戒心を解かせる様な話し方をしていた。だが事実を知る英梨としては、これが余計に不気味に感じられないはずがなかった。
「私の事までご存知だなんて。それなら話が早い...単刀直入に聞かせてもらうわ。貴方が起こしたあの事件の本当の目的は何?」
「残念ですが....何も記憶していないのです。話に聞けば、私は何処かで誰かに倒されたようで、それをきっかけに私自身を失った...と」
「何なの、それ....じゃあ何故あなたまで私との面会を望んだってのよ...何か隠してるんならはっきり言った方が身の為...と言っとくけど」
「隠すも何も。少しは外界の人と話をしたかった。同じ人とばかりだと、見える世界が狭まってしまう。あなたの様な世間を記録する人であれば、いい刺激になるのではと思いましてね」
「はぁ....だったら私じゃなくても良かったでしょ」
「半年くらい前に読んだ雑誌にあなたの写真が載っていて、綺麗な人だなと」
「悪いけど、人間の精神を踏みにじろうとした人に言われても嬉しかないよ」
英梨は苛立ち混じりに返し、これ以上の引き伸ばしをさせまいとした。
「ハイラック・J、エス・ブラックベイ、ハジメ・アルファインス、ツグト・ルート、レイ・ブルームーン、ミナ・ツバクラメ、挙げたら切りがないけど.....この人達の名前に覚えがあるんでしょ?」
「変わった名前の人達ばかりですね....しかし私には覚えがありません。全てを失ったと言う事は知っていますが。それより前の事は何とも」
「.....これじゃ何の為にここに来たのか分かんないじゃない....最悪」
翼の口振りからして、嘘ではないと分かると英梨は途端に気落ちした。かつての知り合いから翼の逮捕を聞いた時には、これで恋人や親友達が巻き込まれたJOKER、ZeuS両事件の真相を暴き出せると期待していた。勿論彼女独自のルートで情報を集めてもいたが、やはり得られる物は限られてくる。知り合いの中にも関わった者は居るが、全員口を噤んでしまう程だった。やはり凄惨極まりない事件を起こすのだから、その首謀者を詰めていけば真実に辿り着けると言う確信があった。しかし今の翼を見る限り、とても話が通じるとは考えられなかった。英梨は失意を感じながら面会室を後にし、拘置所を出たところで電話をかけた。
「あ...大丈夫かな?今百崎 翼の面会が終わったんだけど....ごめん、何も聞き出せなかった。記憶が無いってさ.....本当、勝手もいいところよね」
「きっとそうなるんだろうとは思ってました。こちらこそ申し訳ないです。神宮寺先輩に無理させました」
「いやいいんだよ、私はね。でも何か、皆に申し訳なくってさぁ....私このまま帰るから、記事の続き頼まれてくれないかな?ごめんね、自分の仕事まで押し付けて...それじゃ、また明日」
英梨は無理に平静を取り繕い、電話を済ませると公衆トイレに駆け込んだ。悲しみと怒りと悔しさが同時に伸し掛かり、洗面器の鏡に拳を打ち付けた。泣きたくて仕方が無かったが、それを忘れさせる程の無力感が彼女の心を占めた。
「こんな終わり方....納得出来るか....皆あれで傷つけられて、人生まで奪われてるって言うのに....こんな仕打ち、あるわけ無いでしょ....!畜...生....!」
リョウマ達のクラックゾーン修復も、このバトルエリアに存在する物の90%程は完了した。残るは後2つ。
「思ったより順調ですね!」
「大きな物が無かったからな。にしちゃあ、スワンも見つけるの早くなって来たし、その方がびっくりだぞ。助かる」
リョウマに褒められ、スワンは素直に嬉しくなり思わず笑みを浮かべた。ドラグハートの動きも宇宙に順応したらしく、ビルドレイザーの補助を必要としなくなった。これもリョウマにとっては有り難い事だった。そんな折に、不可思議な物が目に飛び込んできた。
「ビームなのか....何かに繋がっている....」
「うぁあっ!?何かこれ痺れんぞ!?」
ドラグハートが緑の光線に接触した瞬間、電撃が走り一時的な制御不能に陥った。リョウマは急いでビルドレイザーの手を引かせ、光の進む先にじっと目を凝らした。やはり何かに繋がっているようだが、この光線は一本だけでは無かった。ぼんやりと浮かび上がり、やがてハッキリとした線になる。真っ先に舞夜が状況を捉え、声を上げた。
「ビームカーテンの可能性があります、既にこちらの行動を読んでの事と思われます!」
「ビームカーテン....水崎さん、あれ...!」
F91-Mの視線の先、力無く漂うプロヴィデンスガンダムの姿があった。ツインアイだけはぼんやりと光を灯しており、稼働中にあるという事は見て取れた。
「プロヴィデンス?にしては動いてないな.....まずい、常岡離れろ!」
「あ?何だよいきなり....うぉわっ!?」
ドラグハートが近くまで来た瞬間、プロヴィデンスの内部から光が漏れ出し、起爆した。間一髪ドラグハートが離れたお陰で大事に至らずに済むが、これであのプロヴィデンスは罠として使われた事が確定した。
「レーダーに気を配れよ....あれは罠だ」
ビームカーテンが消失してからが、本番だと捉えた。リョウマは周囲に神経を張り詰め、すぐに対応出来る体勢に入った。他の3人も同様に、あらゆる方向からの襲来に警戒した。突然、かなりの数の岩石がこちらへ流れて来た。リョウマはレーダーと照らし合わせ、その岩の正体を把握した。
「だ、ダミーバルーン....!そいつに触るな!爆発するかもしれない」
「ここまであからさまな罠を撒くなんて....諒馬。私は外に出て先行します」
舞夜はそう言い残し、ダミーバルーンの間を縫って罠の主を探しに向かった。
「おい、どうすんだよ?このままじゃ俺達何にも出来ねぇぞ」
「慌てんじゃないよ。方法はある。ウェポンビルドアップ」
ビルドレイザーの両手に現れたのは、巨大なハエ叩きの様な物体だった。これをドラグハートとF91-Mそれぞれに渡した。スワンはこの道具を見てピンと来たのか、納得したように頷いた。
「あぁ...これってGレコで見た事あります!これでデブリ掃除してましたよね!」
「その通り。これを使えばダミーバルーンを爆発させないで退かせられる。少しは進路を作っておかないとな」
「マジでこれでやんのかよ....かっこ悪りぃのな」
3機はデブリ掃除用の器具を使い、ダミーバルーンを除けた。確かにリョウマの言う通り、ダミーバルーンに余計な刺激を与えず、安全な方向に放り出すことが出来た。一方の舞夜は、偽装した隕石群の上を航行しながら、罠の主の捜索の真っ只中だった。唐突に舞夜は肌に走る、ピリピリとした感覚に眉を顰めた。何か来る。そう確信した。
「そこか!」
ナイトシーカーが振り向きながら、シグルスレイヤーを突き出した。刃先から火花が散り、敵が姿を見せた。ファルシアとギラーガを足した姿を持つ、黒い薔薇。ガンダムノアールロータスだ。
「うふふ....久し振りね、比良坂 舞夜さん?グロックが本当に拘束を解いたって、聞いたから驚いたわよ?」
ミニウィンドウが表示され、ジプシーが笑っているのが見えた。舞夜は唇をきゅっと結び、戦いだけに意識を集中させた。茨の剣を弾き返し、一旦後退して上昇しながらへの字を描き急速接近、右腕のシグルスレイヤーをアクティブにし斬撃を浴びせる。しかしノアールロータスも靭やかな身のこなしで、それを受け流すと本物の隕石にぶつけようとした。ナイトシーカーは衝突する寸前で姿勢制御を行い、逆に隕石を踏み台にして跳躍、再びシグルスレイヤーで突きを放つ。ノアールロータスが茨の剣を交差させこれを防ぐが、素早くナイトシーカーが踏みつけて離脱、左大腿にマウントした鉈型の剣"シグルスラッシャー"を抜き放ち、袈裟斬りの要領で叩きつけた。ノアールロータスはすぐに茨の剣にかけている電磁拘束を解き、ウィップ状にして薙ぎ払った。鞭と鉈がぶつかり合い、スパークが散る。
「でもあなたも可哀想な人ね....あなたを殺した人間であっても、守ろうとするなんて」
「何がッ!私は彼に殺されてなどいない!貴様らの勝手な想像には、もう付き合えないと言ったはずだッ!」
「あら、そうなのね」
ジプシーにとっては安い挑発のつもりだった。しかしこれは舞夜には、諒馬への侮辱に他ならない。故に彼女の怒りを買う形となった。下から潜り込む形で斬り込むナイトシーカーの腕を蹴り飛ばし、ノアールロータスは右手のビームバルカンを斉射した。ナイトシーカーは止む無くシールドモードにしたシグルスレイヤーで受け止めるが、同等の機動性を有したノアールロータス相手に、大きな隙を晒したも同然であった。ノアールロータスが鞭に電磁拘束をつけ、レイピアの如く構え素早く打ち込んだ。僅かに舞夜の反応が遅れ、ナイトシーカーは数発直撃し宙を舞った。
「そこか!......お前は....そうか、この罠はお前だったんだな」
超弾速の光弾が目の前を横切り、ジプシーは飛んできた方に目を向けた。ビルドライフルを構えるビルドレイザーが現れ、多少ながらも都合の悪さを感じた。
「お久し振りですね....リョウマさん。いいえ、水崎 諒馬さん?」
「生憎、慣れ始めたから大して驚かねぇぞ」
ビルドレイザーはビルドライフルを撃ちながら接近し、ノアールロータスを追い返しつつナイトシーカーの前に立った。
「背中からあなたを刺すかもしれない女を、どうして庇おうと思うのでしょうね.....そんなあなたを奪うのもアリ....と言えばどうします?」
「ああ、命を奪われるのは御免だ」
ノアールロータスはビルドライフルの一撃を防ぎつつ、隕石を飛び移りながら背後に回り込む。ビルドレイザーも左手にZガンダムのビームライフルをビルドすると、ノアールロータスの行く先にある隕石を次々に撃ち砕いた。
「舞夜、どうした!何で何も言わない!」
救援に入ったはいいものの、ナイトシーカーが一切動きを見せなくなった。舞夜は後悔に塗れた顔で、ただビルドレイザーの戦いを眺めていた。ある時からずっと誓っていた、何があっても諒馬を信じると言う約束。ほんの一瞬でも舞夜は彼を疑いそうになり、自己嫌悪に陥る。
(これでは諒馬を守れない....なぜ私は彼を疑おうとした....!!奴の言う事は嘘だと分かっているのに....何故私は....!)
舞夜のグリップを握る力が強くなり、いきなり前に倒した。シグルスレイヤーをアクティブにし、ナイトシーカーが勢いよく飛び上がりノアールロータスめがけ突き進み、殺意を込めて劈いた。予想外の速度と威力を見せた攻撃にジプシーは目を見開いた。
「急に動き出した....!?」
ナイトシーカーがノアールロータスを踏みつけ、両足からクナイ型爆裂ナイフ"シグルクナイ"を飛ばして起爆させ、止めにシグルスレイヤーで隕石ごと貫かんと迫った。リョウマはその様子に焦りを感じ、やめるように言い聞かせたが舞夜の耳には一切入らなかった。
[次回予告]
暴走する舞夜を止めるべく、リョウマは戦闘に介入する。だがジプシーのノアールロータスの新たな力に、翻弄されてしまう。アーネストがクラックゾーンを保護したがる理由とは一体。一方の神宮寺 英梨はかつての仲間の元へと向かう。そこで彼女が知る真実とは。
次回、創造戦士ガンプラダイバーズSide:Genius
File.10 悪意のTRIGGER
次回もお楽しみに!