※この作品はR-18です。

創造戦士ガンプラダイバーズSide:Genius   作:JNEXEL

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[これまでの創造戦士ガンプラダイバーズ Side:Genius]
リョウマ・アルキメデスにして元ガンプラダイバーズ開発者の水崎諒馬は、封鎖エリアへの進入する為の手がかりを得る為にダイバーズへ飛び込むが、運の悪い事に初心者のダイバーに戦いの手解きをする事になった。しかし相手のウヴァルの動きが豹変し、ダイバーのグロックと言う男はアーネストの人間だと暴露し、ビルドレイザーに対し攻撃を始めた。そこへリョウマが少し前に助けたダイバー、スワン・マスターピースのガンダムF91-Mが介入したお陰で、何とか危機を脱した。まぁスワンと言う娘にまで本名を調べられるわ、何か諦めそうにも無かったから仲間にしてみたけど、常岡より頼りにはなりそうだよなぁ....向こうの目的を達するまでは協力関係くらいつけとくか!

と言う訳で第6話、どうぞ!


File.6 PAINFULな制裁

「お前ロリコンか?」

ダイバーズから戻ってきて早々、弘にそのような事を問われ諒馬は、飲んでいた水を噴き出した。

「何でそうなんだよ....うへぇ.....床が汚れちまったじゃねーか」

「明らかにあの娘、中学生になったばかりだろうが」

やけに小さい背と顔立ちから、スワンがその辺りの年齢だと弘は見ていた。

「ダイバーと生身の人間が一致するなんて、そっちの方があり得ないよ。実力ならお前より余程当てになる」

諒馬がモップを掃除道具入れから引き出し、掃除していると、インターホンが鳴った。手早く水を拭き取り、大急ぎでラボを飛び出して行った。

「何だ?また誰か来るってのか?」

弘はため息混じりに呟き、リュックサックからエナジードリンクを取り出し、プルタブを開けた。程無くして諒馬が戻って来たが、連れてきたのは弘の見立て通りの、やや幼げな少女だった。

「お待たせ。彼女がスワン・マスターピース....んで、本名は」

諒馬の紹介から奏が続けた。

「白鳥 奏です!こう見えて21歳です....あ、よろしくお願いしますっ」

「あ!?マジかよ!?見た目の割にガキっぽいのに....」

弘が無神経に感想を漏らしたせいで、奏は苦々しい顔をした。無論弘はそれを気にせず、若干困惑したまま椅子にドカリと座った。諒馬は余っている机と椅子を引っ張り出し、いつの間にか購入していた模型用工具セットと、デスクトップマシンを設置し始めた。奏もそれを見るや急いで手伝いに回った。

「ごめんね白鳥さん。アイツ、バカだからさ」

馬鹿じゃねぇ!と弘から抗議の声が上がるが、二人は気に留めず作業に集中した。

「いえ....そう言えばさっき黒いウヴァルと戦ってましたけど....ただのバトルですか?」

「奴も恐らく俺達を狙っている。ビルドシステムと、俺の目的を把握していなければ、いきなり牙を剥く事はないし....」

ビルドシステム?と奏が聞き返すと、諒馬は待ってましたと言わんばかりに笑顔になり、指をパチンと鳴らした。

「ガンプラダイバーズの未来を切り拓く、唯一の力だ!君に分かりやすく言えばコロニービルダーの仮想世界版ってとこだ」

「つまり.....どういう事ですか?」

「元々ダイバーズは開発段階で....オープンワールドになる予定だったんだ。だけどリリース直前になってそれが廃止され、ビルドシステム自体も凍結された。理由は不明だが、これには間違いなく百崎翼ら一派の思惑がある」

百崎 翼と言う聞き慣れぬ名前に、奏は首を傾げた。そもそも事件中は日本から離れていた上、それどころではなかった。

「そう言うことがあったんですね...」

「そんで俺は、この会社の監査法人から頼まれて、最終的な被害状況の調査をしているってわけ。俺自身としては、それじゃ何の贖罪にもならないから、完全なビルドシステムを完成させて、ダイバーズを在るべき姿に変える....よし、これで白鳥さん用のデスクは完成した」

デスクトップマシンとカッティングボードを備えた、奏専用のスペースが完成した。パソコンを用意するのは奏にも分かったが、何も言っていない内からプラモ用の工具まで用意された。ありがたいと思う反面、妙な重さを感じてしまうものだ。

「組んだばかりの私にここまでしてくれるんですか?」

「本当は予備のつもりだけど、ちゃんとプラモやる人ならそれなりに信じて預けられる。自分のだと思って、使ってくれていいよ」

そう言って、諒馬はポケットから缶コーヒーを出し奏に握らせた。

「ズリぃな本当。俺には適当にする癖に女の子にはコーヒーまでプレゼントすんのかよ?やっぱお前ロリコンだろ!」

「冗談言うんじゃないよ。ダウングレード版でもビルドシステムも、機体も貸してるでしょうが。ほら、行くぞ」

3人はそれぞれの機体をスキャナに置き、ダイバーズへ意識を飛びこませた。

 

「来たか」

シューインはクリスタルの大樹の上で、モニターウィンドウを通じてリョウマ達が、ダイバーズにやって来たのを確認した。眼鏡をクイとあげ、別のウィンドウに表示されたラジオボタンをタップし、自らはバトルエリアへと転移した。

「ジプシーは手筈通り、頃合いを見てF91の方へ匿名で通信を送れ」

南米ジャブローを想起させる、大森林。一部を取り囲むように広がる、台地から落ちる瀑布の裏に、紅い一つ目を持つ紫のMSが現れる。これを操るのは言うまでもなく、シューインである。

「通報が済み次第、援護にも回りますが。如何しましょう?」

「今回は敗走も選択肢に入っている。余計な手合が来るようなら....追い払ってもらえると助かる」

シューインは通信を切断すると、ウェポンセレクタを操作した。

「ビルドシステムを完成させる為に、一度は餌にならなければならない。イフリートコラプス、行くぞ」

イフリートコラプスの両足のホルダーが展開、柄が飛び出しマニュピレーターの中へ収まった。鉛色の刀身が鈍い光を放つ。シューインはレバーを倒し、イフリートコラプスを滝のカーテンから飛び出させ、上空へと高度を上げた。

「とは言えこの機体を扱うのも初めてだ.....試せる相手を探さねば.....いや、丁度いいものが見つかった」

シューインの目に留まったのは、低空飛行中のケルディムガンダムGNHW/Rと、ガンダムヘビーアームズ改EW。調べて見ると、ダイバーのランクも決して低くなく、イフリートコラプスの腕慣らしには適当と見た。シューインは迷わず機体を加速させ、ケルディムガンダムとの距離を一定に保ちながら追跡した。そして。

「来てる!?」

先に異変に気づいたのはヘビーアームズ改だった。グルリとその場で振り向き、右腕の2連装ガトリング砲を放った。イフリートコラプスは、真横へ滑るようにして降り立ち、一気にヘビーアームズ改の距離を詰め、左手に持ったヒートサーベルで腰から両断しようとした。だがケルディムも気づき、GNシールドビットを前面に展開、イフリートコラプスの斬撃を間一髪防いだ。しかし、イフリートコラプスは目にも留まらぬ速さでGNシールドビットを叩き落とし、スライディングしてケルディムの懐へ突入した。

「させるか!!」

ヘビーアームズ改が真横へジャンプしながら、両足と両肩のミサイルランチャー、両腕のガトリング砲を斉射した。ケルディムも被弾しない範囲で、自身にGNシールドビットを張り直した。シューインは「そう来ると知っていた!」と声を上げ、地を滑り左サイドアーマーからクナイを射出、ヘビーアームズ改の足元を砕いた。着地ポイントを見事に奪われ、ヘビーアームズ改は無理矢理着地をずらして事無きを得るが、周辺の大木が次々と圧し折られ、泥濘まであと一歩となる最悪の事態となった。気がつくとケルディムが大きく距離を取り、右肩とリアアーマーの懸架ラックから、ライフル型の端末を射出していた。GNライフルビットだ。イフリートコラプスの足場と死角に取り付き、行動を制限して狙撃する算段である。

「常套手段か。まぁいいだろう....ブーストビルドアップ」

シューインが宣言すると、イフリートコラプスの両足に光が集まり、スパークと白煙を散らしながら形状が変化した。Ex-Sガンダムのブースターユニットが、通常の脚部と入れ替わるように形成された。そのまま4基の大出力バーニアが火を噴き、まさしくロケットの如く上昇した。展開していたクナイがイフリートコラプスに追従、GNライフルビットに衝突させて爆破した。

「ダートビット....やはりこの性能は本物のようだ....!」

ケルディムを足蹴にし、イフリートコラプスは、両足のブースターユニットを解除した。レーダーには、30機分は有ろうかという熱源反応が。

 

リョウマ、弘、スワンの3人は交流広場第7区画を訪れていた。当然、ZeuSが引き起こした事件の詳細を調べる為だが、ここもそこはかとなく穏やかな雰囲気ではなかった。と言うより、葬式めいたものを感じる。

「ここに何があるってんだ?何か嫌な場所だなここ」

弘はこの雰囲気が不気味で仕方が無かった。それはリョウマもスワンも同様であった。

「ここは.....犠牲になった人達の眠る....そういう場所があるんだ。もちろん国際ネットワークとしての役割しかない。同じような事になってんのは、何も7だけじゃないけど」

3人が飲食店が立ち並ぶ街並みを歩いていると、路地裏の入口に、やけに新しいカフェを見つけた。

「......これからの行動を固めておく必要がある。あの店なら好都合だ」

ドアを開けると、カランカランと鐘の音が鳴った。いらっしゃいませ、とカウンターの奥から店員が出てきた。店員に連れられ空いた席に座る。

「ここ、知り合いの人がやってるって言うんだけど、今日は来ていないのかな」

スワンは暫し周囲を見渡すが、彼女の見知った影は無かった。

「適当に注文しといてくれ」

そう言うとリョウマはノートマシンをウィンドウから呼び出し、作業に入った。スワンはやや困った様に返事し、店員に注文した。

「何やってんだ?」

弘がリョウマのノートマシンの画面を倒し、覗き込もうとしたが、手を叩かれ払い退かされた。

「お前が見たって分かるもんでもない。接触してきたグロックとジプシーについて、サーバに問い合わせてんだよ。奴らがどう言う連中か知らないと、対処の方法だって変わっちまうだろ?」

対処の方法?とスワンが聞き返した。リョウマは両手の指を組みながら画面から目を離し、二人に視線を向けた。

「ジプシーってのは、俺と弘がテストバトルしてる時に乱入して来たやつだ。彼女のプロフィール情報を見る限り、今のダイバーズを運営している"アーネスト"って会社の人間だった。その後に君が介入した時のウヴァル....アレもアーネスト側の人間。だけど俺の妨害に出る理由がハッキリしない。俺がやろうとしていることは向こうも知っているはずなのに....」

「....水崎さん、これ....!」

スワンはミニウィンドウを反転させ、リョウマに見せた。ダイバー同士の交流に使われるチャットのようだが、投稿されている内容にリョウマは目を疑った。交戦区域に出現しては、介入して無差別に攻撃を加えていると言う。戦いに介入する行為そのものは、規約違反という訳ではない。しかしダイバー達の間ではそれがご法度であると、暗黙の了解を持っている。それを突き破り破壊行動に出ると言うのは、本来の任務とは関係なく、リョウマとしても見過ごせなかった。

「最悪だ....しょうがない、やるか」

リョウマは溜息混じりに呟き、マッチングを開いてバトルエリアへと転移した。

 

ビルドレイザー、ドラグハート、F91-Mが転移した先はギアナ高地だった。ありとあらゆる場所から煙が上り、凄惨な光景が広がっていた。

「情報が上がってから、そう時間は経っていないはずだ....にしてもひっどいな。スワンさんは先に行っててくれ。このままじゃ長く飛べないんでね」

「はい....分かりました。でもどうするんですか?」

「何言ってんの?ビルドシステムはその為にあるものだよ?」

F91-Mが急加速をかけて現場へ向かうのを見送ると、リョウマはコンソールからビルドシステムを起動させた。

「おい!自分だけかよ!俺にも機能解放しろ!」

「うっさいなぁ...」

弘の抗議を他所に、リョウマはビルドアップする物を選択した。ビルドレイザーが右手を掲げると、粒子と光線が集まり赤と白に彩られた、妙に長い板を形成した。弘はそれが何なのか分からず、その板をじっと凝視した。

「何だよそれ」

「リブレードボードだ。サーフィンするガンダムって最高だろ!」

ビルドレイザーがリブレードボードに足をかけると、ふわっと浮き上がった。呆気にとられる弘に、リョウマは呆れ気味にリブレードボードに乗るよう促した。

「乗れよ!時間ないんだから!」

「サーフボードって二人乗りじゃねぇだろ!それぞれに分けられんねぇのかよ」

ビルドレイザーとドラグハートを乗せたリブレードボードは、軽快に加速して空へと飛び出した。見た目からして想像もつかないほどの速さに、弘は思わず身震いがした。ロック機構で足が固定されているとは言え、板切れの上に乗って空を飛ぶという奇妙極まりない状態だ。否応無しに恐怖を感じるのも仕方がない。

「傾け過ぎだっつーの!!落ちるだろ!」

「だったら一人だけ落ちろよ。追っつかないでヤバい目に遭っても知らねぇぞ」

 

スワンは現場に到着すると、F91-Mのセンサー感度を最大にした。神経を張り詰めるだけで、周囲からの殺気を感じる。スワンの身体に緊張が走った。

「来た!....クナイ!?」

真正面から刃が飛んできたのを躱し、着弾した場所を観察した。まさしくクナイであった。そして、左側からの反応にスワンは咄嗟にレバーを引いた。木々を薙ぎ倒し現われる赤熱化した刃。F91-Mはリアアーマーからビームサーベルを引き抜き、受け止め跳ね返した。出力の差があり、ビームサーベルが赤熱化した刃を両断した。煙が晴れ、敵の正体をようやく見る事ができたが、その姿はスワンに奇妙な疑問を抱かせた。

「イフ...リート....?」

全体的な印象はイフリートであるが、アンテナの配置や一部にGN-X系のパーツが使われている。そのレイアウトと色合いからして、妙な圧力を持っていた。

「お前に興味はない。が、現れたのなら排除するまで」

イフリートから聞こえる声は、機械で合成した音声のようだった。テレビでよく聞くような、男性用のモザイク音声に近い。F91-Mのモニターには、"イフリートコラプス"と表示された。

「見境なく壊しているあなたを、見過ごせません!」

F91-Mがジェットペネトレイターを下から突き上げ、仰け反らせた所へ穂先の根本のビームマシンガンを撃ち込んだ。イフリートコラプスはヒートサーベルで槍の一撃は抑えるも、ビームマシンガンに刃先を砕かれた。だがシューインの顔には焦りの色一つなく、むしろ余裕さえある。F91-Mが少し上昇し、ジェットペネトレイターの推力も利用して突貫しようとする。しかしイフリートコラプスはそこから一歩も動かない。ジェットペネトレイターが首元に突き刺さる瞬間、ヒートサーベルを交差させて防いだ。互いのパワーが拮抗し、ヒートサーベルの起爆で双方とも吹き飛ばされた。ところがイフリートコラプスは、即座に足裏のアンカーを地面に突き刺し踏ん張ると、そのまま一気にF91-Mへ向かい加速した。

「タックルする気....なら!」

イフリートコラプスの左肩からビーム刃らしきものが見え、スワンはペダルを踏み込んだ。急上昇するF91-Mだが、イフリートコラプスもその場で垂直に飛び上がり、ヒートサーベルの柄を振り上げた。何をしようとしているのか測りかねたスワンは、F91-Mの頭部バルカン砲で追い返そうとした。しかしイフリートコラプスはスワンの想像を容易く裏切った。

「ウェポンビルドアップ」

ヒートサーベルの柄に光が集まり、瞬く間に赤熱化した刀身を形成した。この様子を見たスワンは、リョウマと初めて出会った時に目の当たりにしたものを思い出した。

「あれって、水崎さんの!?どうして!?」

ヒートサーベルから繰り出される斬撃をビームシールドで防ぎつつ、イフリートコラプスの胸部を蹴りつけて距離を取った。

「....奴が、来たか」

シューインはレーダーに映る2つの熱源反応を確かめると、口許をニヤリと歪ませた。スワンも同じく、ビルドレイザーとドラグハートの反応を見つける。

「水崎さん!常岡さん!」

「あの野郎かよ....うぉわわわっ!?」

ビルドレイザーとドラグハートが乗っているリブレードボードが消え、2機は真っ直ぐに着地した。しかし弘は急な落下に対応しきれず、バランスを取れないまま機体を倒してしまった。

「あれが噂の、ねぇ....すんごい不気味だけど、それなりにデータが採れそうだ」

ビルドレイザーの右手にビルドライフルが形成される。イフリートコラプスの足下めがけ数発撃ち込み、牽制とするが相手はそれよりも速く駆け出し、左腕のビームバルカンを連射した。ビルドレイザーは上体を少し反らせて避け、バックパックからビームサーベルを抜き放ち居合斬りを見舞う。だがイフリートコラプスも素早く反応し、ビームサーベルでビームサーベルと切り結んだ。そこから間髪入れず、イフリートコラプスがもう片方のヒートサーベルで、ビルドレイザーの頭を貫こうと突きを放つ。ビルドレイザーはヒートサーベルを振り上げて弾き返し、仕返しにとビルドライフルを放つ。これもイフリートコラプスはヒートサーベルの斬撃で潰し、右肩からスパイク状にビームを発し、猛烈な加速をもってビルドレイザーを突き飛ばした。流石にリョウマでも反応が間に合わず、まともに喰らい、空中で受け身を取らせるので精一杯だった。

「やれやれ....これを使うか。ウェポンビルドアップ!」

ビルドレイザーの左手に光が集まり、V字型の武器を形成した。手に持っていない部分は刃状になっており、それに沿う形でビームを発振している。所謂、ビームブーメランである。

「アイツだけにいいカッコさせられっか!俺もやってやる!」

ドラグハートが飛び上がり、降下しながらイフリートコラプスに拳を叩きつける。炎を纏う拳はイフリートコラプスの胸部装甲を凹ませ、そのダメージがかなりものであると示した。

「やはり来るか。愚かな奴だ」

イフリートコラプスはグルリと回転、ヒートサーベルで何度も斬りつけ、ドラグハートを蹴り飛ばした。

「っざけんなよ!何だ....ぁあ!?」

ドラグハートの首に茨のような物が巻き付き、一気に引き寄せられた。

「常岡さん!?敵は一人だけじゃなかった!」

スワンは茨が飛び出してきた方に機体を飛ばした。ドラグハートが何とか踏ん張り抵抗している間に、どうにか正体を掴みたかった。リョウマはその様子を見るや、ある予感が脳裏を過ぎった。

「あの茨....と言う事はこのイフリートも関係があるという事か!」

ビルドレイザーはビームブーメランを投擲、そこから時間差でバーニアを全開にし、その間に別の武器をビルドアップした。クロスボーンガンダムX-0のバタフライバスターだ。銃身を畳み、切断面からビームサーベルを発振、ビームブーメランの着弾に合わせて攻撃を加えんとした。しかし、イフリートコラプスは事も無げにビームブーメランを斬り落とし、バタフライバスターの斬撃を、交差した刀身で受け止めた。

「ここまでの反応速度、褒めてやるよ。けどお前の場合は容赦できないな!データを取った上で倒す!」

「大見得を切るのは得意なようだな....水崎 諒馬」

イフリートコラプスから本名を言われ、リョウマは歯軋りをした。間違いない、奴もまたアーネストの連中だ。リョウマはそう確信した。

「よく俺の名前をご存知で!ダイバーズに来てから本名で呼ばれてばかりなのは...嫌だけどね!」

バタフライバスターがヒートサーベルを溶断し、左右から挟み込むように斬りつけようとした。しかしイフリートコラプスはヒートサーベルの刀身を再形成し、バタフライバスターを弾いて銃身を真っ二つにした。間一髪でビルドレイザーが手を離していたお陰で、マニピュレータが使い物にならなくなる被害は免れた。立て続けにイフリートコラプスがヒートサーベルを最上段が一気に振り下ろし、ビルドレイザーの頭を叩き割ろうとした。

「ウェポンビルドアップ....何だって!?」

ビルドレイザーの周囲にGNシールドビットを展開したが、ヒートサーベルにいとも容易く破壊されてしまった。少しの時間差を見つけ、ビルドレイザーを後退させ事なきを得るが、イフリートコラプスの持つ性能に恐怖を持ち始めた。

「流石の判断力だ。しかし今のお前では、どうする事も出来ない。水崎 諒馬....お前を、消す」

イフリートコラプスから発せられた、無慈悲な宣告。普段のリョウマであれば、無視するがイフリートコラプスから感じられる殺気は間違いなく本物だった。




[次 回 予 告]
ビルドレイザーとイフリートコラプスが死闘を繰り広げる最中、リョウマはある事に気付く。そして驚愕する。ビルドシステムについて、恐ろしい想像をするリョウマ。殺意と圧倒的な力を以て、ビルドレイザーとリョウマを斃さんとするシューイン。果たして真実や如何に―。
そして、弘を苦しめる敵の正体とは。

次回、創造戦士ガンプラダイバーズSide:Genius
File.7 その真実はUNBELIEVABLE

最悪だ....最悪だ最ッッ悪だ!こんな事を知らなかったんだ!
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