創造戦士ガンプラダイバーズSide:Genius 作:JNEXEL
スワンのV2セリシールがクレッセントブルームーンに着艦したのを皮切りに、デッキはより一層慌ただしくなった。ケイトが大急ぎでV2セリシールのハッチを開けさせ、スワンと共にレイをコクピットから運び出し簡易ベッドに寝かせた。医療班もすぐさま駆けつけ、彼女を医務室へと輸送する。
「何とか助けられたね....!ありがとう、スワン」
「いえ、そんな....!皆さんがここまで支えてくださらなかったら、助ける事もできなかったでしょうし。皆さんのおかげです」
そう言うとスワンはV2セリシールに飛び乗り、再出撃の準備を始める。ケージが開かれカタパルトに進み修復を終えた武装が次々と取り付けられた。
「葉山さん、バズーカを頂けますか?撃ち漏らしたのがいるといけないので!」
スワンの要望通り、V2セリシールの左手元にバズーカが降りて来た。それを装備させると速やかに出撃した。
「もう一度参ります!」
クレッセントブルームーンから飛び立ち、光の翼を雄々しく羽ばたかせながら高空へと舞い上がる。エスからは本艦の周囲を守ってくれと言われていたが、彼の思っている以上に護衛は手厚いようだった。ミサのゼータプラスが艦体に設置したメガ・バズーカ・ランチャーを使い、他のMSと連携して敵陣を瞬く間に葬っていく。ソルブレイヴス隊のブレイヴも、半数がここに来ておりモビルドール共を駆逐していた。
「やはり、私は前に行かないと!」
スワンはこのエリアで出来る事がないと判断し、素早くV2セリシールの航路を変更した。バズーカをリアアーマーにマウント、次にグラビティエッジⅡを抜き放ち更に加速する。ブリッツシャノアールが押されていると見るや、雷光一閃を放って彼女を窮地から救い出した。
「助かったわ、ありがとう」
シャノアールの安堵する声に、スワンも頷く。
「この戦場と相性が悪いと大変ですよね...」
「一応、あの二人の護衛をしていたけれど、置いてかれてしまったのよ」
「お二人の機体について行けるMSなんて、そうそう無さそうですね。シャノアールさん、最前線に出るまでサポートお願いできますか?」
「ええ、もちろん。正義を追い求める者同士、考える事は同じようね」
互いの死角から来るモビルドールに対応しながら、桜吹雪の剣士と幻影の黒猫は真っ直ぐに敵陣を突き抜けその先へと進んでゆく。遠い距離感の二人がここまで噛み合うものなのかと、双方して驚くがそれ以上は気にしなかった。強襲機と闇討特化型。難度が高い組み合わせだが、相性は良いのだ。
「空間ごと斬るアレ、使えないの?」
「雷光一閃は後30分しないと....!」
「困ったわね。敵の数がさっきの倍以上に増えて来てる...」
その傍ら、シャノアールはレーダーに目が止まった。自分の位置からはるか後方より、途方も無い数の熱源反応が現れたではないか。まさか挟み撃ちになってしまったのかと焦りを隠せずにいたが、リタから通信が入ってきた。
「世界中のトップランカーと、A.ν-Tの有志連合が救援に駆け付けてくださいましたわ!私達の戦いの意味を、世界が認めましてよ!」
「370機も....!?避難命令が出ていたのに、入って来れるなんて....」
「だけど今は、人々の力無くしては切り抜けられません!この戦いは間違いなく、人類の歴史に残る....だから!」
二振りの長剣"デュアルグラビティエッジ"を手に、V2セリシールが先行する。
「ブラッサムライト、使います!」
機体各部の増加装甲のハッチがスライド、内側から光の炎を噴出した。"クロスボーンガンダムゴースト"に登場する、ファントムの特殊兵装"ファントムライト"を再現した機能である。これに光の翼による推進力を上乗せする事で、既存のMSを遥かに凌駕する強襲力を手に入れられるのだ。現にモビルドールが放つ弾幕すらも物ともせずに突破し、デュアルグラビティエッジで八つ裂きにしてしまった。V2セリシールは光の炎により身を守られ、如何なる射撃を無力化できる鎧を持ったことになる。
「スワンが凄いことになってるんだけど...!」
BLADET-Lのエルニアは、炎に包まれながら空を駆けるV2セリシールを見、目を丸くした。
「さしづめファントムライトの亜種か....彼女が出ているうちに、次のバーストまで時間を稼ぐ!」
アイファ・ライフルでガンマンよろしく早撃ちを決めながら、自衛に徹する。ブレイダーモードを維持したまま前線に出るのも考えたが、数を増やし続けるモビルドールを相手に、どれだけ耐え抜けるのか計算できず、LINKAGE-BURSTに賭ける選択肢しかなかったからである。突然上空からバズーカの砲身が落ちて来、ウェルスは咄嗟に掴ませた。
「ここは守りに徹する!」
バズーカを構えるや否や、真横にスピンしながら一発目を撃ち、更に右へ側宙しながら二発目、そして上昇しながら三発目と連射した。相手の周りを不規則に動きながら、バズーカを撃ち込んだのだ。これにはモビルドールと言えど計算に遅れが生じ、次々とバズーカの餌食となった。エルニアも素早くGNソードビットを呼び戻し、BLADET-Lの前に展開させる。ビット同士の合間にGNフィールドを発生、敵の狙撃を打ち消しながらバズーカで狙えるだけの時間を作った。
「巻き込まれたくなけりゃ退けぇええ!!」
唐突に弘の叫び声が聞こえ、ウェルスはBLADET-Lを下がらせる。すると金色に輝く龍が目の前を駆け抜け、モビルドールの群れを尽く壊滅させた。そして龍の中から飛び出したのは、やはりドラグハートオーフレイムであった。
「ようやくか」
ウェルスが半ば呆れ気味に呟く。
「待たせて悪かったな!これでお前も暴れられんだろ!」
ドラグハートオーフレイムが怒涛の乱撃でビルゴ20機を破壊し、肉弾戦主体の機体とは思えぬ程の殲滅力を発揮。これにはウェルスもエルニアも舌を巻いた。しかしそうしてもいられなかった。
「エル....チャージが完了した。準備はいいな」
「言われなくても!」
BLADET-Lがブレイダーモードに切り替わると同時、LINKAGE-BURSTを起動させた。背面のBアームズⅢを引き抜くが、大剣を構成する刃が2つに分かれ、自身の周囲に停滞した。BアームズⅢ自体、かつての愛機の1つで使用していた兵装をブラッシュアップしたもので、謂わば"Mk-2"に相当する。そして背面のマントのように伸びる刃も分離し、エルニアの意思を受けて真下から迫るハイモックを串刺しにした。そしてBアームズⅢの中核となる細身の長剣"ミネル"は、紅い刀身をしていながらも白い冷気を発していた。
「彼女のようには行かないが....!」
ミネルを低く構え、超音速で空を駆ける。斬りかかってくるメルクリウスの胸にミネルを突き立てた。すると不思議な事にメルクリウスが凍りつき始め、完全に動作を停止する。その隙にBLADET-Lが突き通して斬り抜けた。止めにビット化した刀身が八方位から貫徹し、火炎の華を咲かせる。
「今の、まさか....!」
「参考にはしたからな」
敵を凍らせる能力には、エルニアにも思い当たるものがあった。レイ・ブルームーンの持つ力と同じだったのだ。ウェルスにその様な能力があったとは聞いておらず、どうしてこれが出来たのか甚だ不思議である。
「レイみたいな事やっちゃうなんてさ、妬けてくるんですけどっ!」
「何を言っている?今は戦いに集中しろ!」
何故エルニアにそう受け止められたのか、ウェルスには上手く解せなかったようだ。
SECTOR-ZERO、最深部。ここに来るまでの間にも、モビルドールやMAを相手取りながら戦い続けておりリョウマの体力も、かなり消耗していた。
「やっとここまで来た.....Gビットやらパトゥーリアばっかり差し向けて来やがって...冗談じゃねえ....」
少しだけ呼吸を整えて、先へ進もうとした矢先。粒子の奔流が目の前から襲いかかってきた。リョウマは反射的にラピッドスマッシャーを飛び降りさせ、難を逃れる。だが今の砲撃の正体を目の当たりにし、リョウマの背筋が凍った。
「やはりここに居たのか....徹=アルマーニュ!」
「感謝して欲しいな....君がその力を手に入れられたのは、僕のおかげなんだよ?リョウマ・アルキメデス――いや、水崎 諒馬」
黄金に彩られた終末時計の中から姿を現したのは、リボーンズキャノンめいたMS。4門ものフィン型のビームキャノンが目を引くが、似ているのはそこだけで他の部分は全くの別物。振り向くかのような動きで腰と腕が180度回転、そしてガンダムフェイスもくるりと前に向いた。躯体を黒と赤に染め上げ、禍々しさを漂わせる威圧感をこれでもかと放つ"死神"。その出で立ちは、リョウマの記憶とすぐに一致した。
「ロスト....フリーダム.....!」
「そうとも....これが僕を救世主にする力。ロストフリーダムガンダムMk-X[SiN]だ」
Mk-Xが右手の長銃身のライフル、ロストバスターライフルを放った。ラピッドスマッシャーはすぐに回避行動を取り直撃は免れたものの、SECTOR-ZEROの床を深々と抉るほどの出力の高さに戦慄した。
「余所見をしている場合かね?」
「何ッ!?」
突然真横にMk-Xが現れたかと思うと、かなりの力で蹴り飛ばされ床に投げ出された。しかしラピッドスマッシャーもすぐに立ち上がり、スマッシュブラスターで差し返す。だがMk-Xは左腕に備えた、クローアームを伸ばしてスマッシュブラスターを押さえ込んだ。
「所詮ただの人間程度では、僕の足元にも及ばない。分かっていただろうにね」
「ふざけるな!お前だって同じ事だろうが!」
「それは違うな。僕は君ら人間とは違う、優良種さ。つまり僕とてν-Typeさ!」
ロストバスターライフルを接射するが、ラピッドスマッシャーは素早く状態を逸して避け、相手の腹を蹴りつけ仕切り直そうとした。しかしMk-Xは再びラピッドスマッシャーの背後に転移し、バックパックから抜き放ったビームソードを振り降ろし斬りつけた。リョウマは反応すら出来ぬまま機体にダメージを受け、愕然とする。
「お前のようなν-Typeがいてたまるか!戦争を起こした張本人が救世主になるなんて、何を考えてんだ!」
「君に話す事は無いよ。下等な人類には分かることではないからね」
ラピッドスマッシャーが天高く飛び上がり、スマッシュブラスターを最大出力で発射しようと構えた。だがその時点でMk-Xがラピッドスマッシャーの眼前にワープし、クローアームで相手の首を掴み締め上げた。
「ビ......ビルドアップ!」
ラピッドスマッシャーの背面にタクティカルアームズⅡLを形成、即座にマガノイクタチを起動してMk-Xの動きを止めた。クローアームを振り解きソードフォーム化したタクティカルアームズⅡLと、スマッシュブラスターの二刀流で交差斬りを見舞う。マガノイクタチによって強制放電されたMk-Xだったが、徹は一切動揺せずむしろ余裕さえ見せていた。
「その程度で僕を止められると思わない事だ」
Mk-Xが再びその場から転移し、ラピッドスマッシャーの背中を踏みつけて飛び越えると、バックパックから翼を解き放つ。
「楽しんでいくといい」
大小合わせて6つの突撃砲がラピッドスマッシャーに取り付き、一斉に投射した。
「このままやられるかよ!」
リョウマの判断力が光る。ラピッドスマッシャーの左手の武器を切り替え、今度はリアアーマーにトールギスⅢのスーパーバーニアをビルド。圧倒的な加速力をもって弾幕を振り切り、無事に着地した。
「まだ来るのか....!」
先端部にクローを備えたビットも迫りくる。どうにかスマッシュブラスターで追い返すも、嫌らしい位置取りで逐一詰めてくる、フィンドラグーンにも辟易させられる。ラピッドスマッシャーのスピードを持ってしても、丁寧に詰められてしまうと一方的な戦いに持ち込まれやすい。
「僕が君たちの戦いを見ていないと思ったのかい?舐められたものだよ」
Mk-Xがジグザクに軌道を描きつつ急降下、格闘戦の間合いに踏み込みビームソードを一閃した。ラピッドスマッシャーがシールドビットを形成したが間に合わず、まともに受けて昏倒させられた。
「こっちの弱点まで予習済みってか...!」
「僕の性格を知っている君だからこそ、僕だって恐れるのさ。しかし天才と言えど、神には勝てないものだけどね」
「神.....だと!?」
ラピッドスマッシャーが起き上がろうとする瞬間を狙い、Mk-Xのロストバスターライフルが放たれる。当然防ぐ余裕すらなく、またしてもラピッドスマッシャーが吹き飛ばされた。スマッシュブラスターも半壊してしまい、ラピッドスマッシャーが解除される。
「何なんだ.....この強さは.....!」
「折角恋人を失ったと言うのに、この有様だ....まさに後追い自殺に等しいよ。しかし君が彼女の死を気に病む必要なんて、端から無かったんじゃないか?」
「人を騙して、殺した奴の言う事かッ....!」
「僕は何もしていない。彼女自身から生命を絶った、それだけの話さ。止められる道筋は何個でもあったはずなのにね。見る人によっては、美談のようにも取れるだろうけど。まぁその事はどうでもいいんだ.....僕が新たな世界を作り上げる、そのためのプロセスに過ぎないのだから」
徹が呆れた様に語る。リョウマにとっては命を賭して戦い続けた舞夜を、侮辱しているようにしか思えず怒りを募らせた。挙げ句世界その物が自分の作品であるかのように宣う、彼の思想に目眩がしそうだ。しかし、世界の終末がこの瞬間に訪れようとしていた。終末時計の分針が12の位置に触れたのだ。厳かなる鐘の音が仮想世界中に響き渡る。
「時は満ちた。終焉と黎明の刻だ!全ては僕の手で新たなる世界に生まれ変わる.....ハハハッ....ハハハハハハハハハハッ!!」
徹が終末時計を眺め歓喜する。Mk-Xがふわりと浮き上がり、終末時計と共にSECTOR-ZEROを突き破って地上へと飛翔した。クリスタルの大樹を粉々に砕きながら天に到達すると、終末時計から発せられたオーラが仮想世界を侵食し始めた。空も大地もガラスの様にヒビが走り、損壊が進行する。ブルームーンも有志連合も、この有様に言葉を失った。
「せ、世界が滅んじゃうですっ!!」
「何だよ一体.....これが人に出来る事なのかよ....!?」
ブリッジで動揺する2人。そしてリタも例外ではなく、壊れゆく世界を前に己の無力さを突きつけられ、思考が止まる。
「私達の、敗北だと言うのですか.....こうなってしまっては、もう.....!」
その時だった。懐かしい声がリタを正気に戻したのは。
「諦めるな!」
その声のする方向へリタが恐る恐る振り向くとそこには、補助器具を使いながらも歩み寄るレイ・ブルームーンの姿が。
「.....!?」
目を丸くするリタに、レイは再び発破をかける。
「まだ諦めるには早すぎる....まだ、終わってなんかない!私達には、大きな可能性が残されている....リョウマ・アルキメデス....最後の天才が消えない限りは!」
「なぜ、彼を.....?」
「私の声に気づいたのはエスだけじゃなかった.....だから何となく分かったの。彼が本当の救世主になる、世界のヒーローだと」
レイには分かっていた。リョウマと言う存在がある限り、世界は完全に滅んだりはしないと言う事を。後は彼がそれを証明できるよう、ブルームーンとしてやれる最大限の戦いをしていかねばならない。
「私が信じた人は、こんな事で諦めるような人だっけ....?」
僅かながらもレイからの視線を感じ、リタは触発される。
「言ってくれますわね....!えぇ、その通りでしてよ!ブルームーンと有志連合各員に通達!まだ決着はしていませんわ!最後の最後まで、全力で戦い抜きなさい!そして....皆で無事に帰りましょう。誰一人欠けてはなりません!よろしくて?」
リタの最後の命令が全てのガンプラダイバーに伝わる。
「ったく!既に何人か堕ちちまってるってのによく言うぜ!」
と、ドラグニルのアントニオが漏らす。しかし彼も悪い気がしておらず、更に戦意を高揚させた。
「でもそれくらい言えないと、こっちだってやる気を出しづらくなるってもんですよ!」
ジム・スナイパーⅡのポールも、若干困ったように笑いながらも、ドラグニルとヴィダールフェンサーオリジンの援護に徹する。
「お前ら......グダグダ喋ってないで敵を落せ!さっさと連中をぶっ潰すんだろうが!」
そう言うカイも、瞳をギラリと輝かせレバーを前に倒した。フットブレードでGビットの顔を劈き、フロントアーマーからマスタングを引き抜く。そしてハシュマルがこちらに向くのに合わせ銃爪を引いた。紅い稲妻を纏う弾丸がハシュマルのコアユニットを貫き、瞬く間に爆散させた。
「うわああぁああああ!!」
クロノスがビルゴⅡの群れに絡まれ、ダイバーが悲鳴を上げる。そこへV2セリシールが現れ、瞬時に敵を斬り捨ててクロノスを救出した。
「す、済まない.....!」
「困った時はお互い様ですから!すぐに下がって補給を受けてください!」
スワンはクロノスのダイバーに帰還指示を出し、後退するのを認めると追撃に出た。ビルゴⅡがビームキャノンを斉射するが、その中を鮮やかに潜りぬけ居合斬り一閃。放たれる斬撃が更に背後にいる連中を両断し、道を切り拓いた。
そして弘は、強行突破をし続けた事もあってMk-Xの居る空域に到達した。
「テメェか!世界をぶっ壊そうって奴はッ!!」
「邪魔をしないでもらおうか」
ドラグハートオーフレイムがフレイムソードを発し、横薙ぎに振るった。だがMk-Xは手をかざすだけでその動きを止め、上空へと突き飛ばした。
「畜生ッ!!どうなってやがる!だったらこれでぇえええッ!!」
激流と業火の龍を螺旋上に纏わせ、爆発的な加速力と運動エネルギーを乗じて放つ一撃"ドラゴニックフィニッシュ"での突破に出た。ところがこれ程の大技を前にしても、徹は一笑に付すのみ。
「弱い、弱いよ.....!」
Mk-Xが再び発した力場と衝突する。加速度的に増大するエネルギーが力場に食い込むが、完全に突き破るには至らない。
「ドラグハートに、限界は.....無ぇええええッ!!」
「無駄だ!」
Mk-Xが手を振り抜いた。すると虹色の光が龍の化身を霧散させ、ドラグハートオーフレイム諸共撥ね飛ばしてしまったではないか。
「何なんだよ、コイツ.....何でもありじゃねぇか....!」
何とか空中で受け身を取らせるが、今まで戦ってきた敵との次元の違いを肌で感じたのか、弘は恐怖した。そんな中、1機のMSがMk-X目がけ突き進むのが見えた。エスのストライクJOKERである。
「お前が全ての元凶か!!レイもガンプラダイバーズも....お前が全部!!」
エレクトロストライカーの推力を最大にし、ライフルモードにしたエストックを連射しながら突っ込んだ。しかしMk-Xはバリアフィールドでそれを霧散させながら、フィンドラグーンを射出した。ストライクJOKERの進行方向を予測、そこへ射線を形成したがしかし、エスの能力がそれを無為にした。
「させるかぁああああああッ!!!」
射線に飛び込んだと思われたストライクJOKERが、突然姿を消した。そして殺気のする方向へ目を向けた途端、凶刃が脳天目がけ振り下ろされようとしていた。ところが。
「空間跳躍.....君だけのものとは思わないで欲しいな」
次の瞬間、エスは絶句した。直撃する刹那、Mk-XがストライクJOKERの背後を取り、右肩をビームソードで斬り捨ててしまった。
「あっ.....うわぁああああああ!?」
「さぁ恐れたまえ、逃げたまえ。その自由は君たちの物だ」
ストライクJOKERの後頭部を突き刺し、遠くへ放り捨てると接続時間が終了したのか、Mk-Xと終末時計が完全にリンクした。