「僕から逃げられるとでも思ったんですか?」
「くっ!」
白い服を着た赤毛の美女の行く手を遮る、黒いローブを着た神官。
黒い長い髪に笑みの貼り付いた顔、何処にでもありそうな錫杖を手にしている。
名をゼロス。見た目は人間だが、れっきとした高位魔族である。
「マゼンダさん、悪あがきは止めにして、いい加減観念したらどうです?
命乞いは聞けませんけどねえ」
マゼンダと呼ばれた女性も同じく魔族であった。
同じ種族でありながら、今は敵対する立場。
「ふざけっ!」
マゼンダは無数の光球を生み出し、ゼロスに向けて放つが、そのこと如くが、錫杖の一振りによって弾かれる。
両者の間には絶対的な力の差があったのだ。
「……くっ」
マゼンダは打つ手がなく後ずさる。
もはや、滅ぼされるしかない。何か手はないものかと思案しているとゼロスが闇の帯を放った。
マゼンダはかわす事も出来ず、帯が体に絡み付く。
「なっ!」
帯はマゼンダの動きを拘束し、地に伏したマゼンダは芋虫のようにクネクネと動く事しかできなかった。
「あっはっはっ、無様ですねえマゼンダさん。
その呪縛は貴方の力じゃあ、絶対に解けませんよ」
マゼンダの表情にいよいよ、絶望の色が混じった。ゼロスはゆっくりと歩み寄ると、マゼンダの前で立ち止まりしゃがみこんだ。
何も言えずただ、睨みつけるだけのマゼンダにゼロスの笑みが深くなる。
だが、マゼンダには腑に落ちない点があった。
何故、ゼロスはさっさと自分を滅ぼさないのか? 力の関係を考えれば、拘束する必要などなく、その気になれば一瞬で消し去るくらいの力を持っているのである。
「さて」
ゼロスは錫杖を地面に置き、マゼンダの上半身を起こすとおもむろに胸を掴み、揉み始めた。
「……」
マゼンダはされるがままである。
魔族であり、人間の女性の姿をしているのものの、人間の女性とは全く異なる存在。
胸を揉まれたところでどうという事はない。
それゆえ、ゼロスのとった行動が理解できない、一体こいつは何がしたいのか?
「やっぱり、柔らかいですねえ……
参考までに胸のサイズを教えていただけますか?」
「……貴方、一体何がしたいの?」
遂に疑問に耐えきれなくなり口を開く、下手なことを聞いて相手を怒らせれば滅ぼされかねないが、気になってしょうがない。
「決まってるじゃないですか? 女が男に捕まったらされることなんて一つしかないですよね?」
その答えを聞いても理解できなかった。
いや、自分が人間で相手も人間なら理解できる。だが、双方とも魔族であり互いに性欲はない。
「そ…それは……人間の話でしょ? 私も貴方も魔族じゃない」
「まっ、それは興味本位って奴です。
最近の話ですが、人間の性行為に興味を覚えまして……」
揉み手を休めることなく、笑みを絶やすことなく語りかけるゼロス。
服の上から揉みしだいていたが、一旦手を止めると、今度は服の中に手を入れて、乳首を摘まんだ。
人間なら感じてしまうところだが、魔族である彼女はやはり何も感じない。
「わ…私は女性の姿をしているだけで、性欲があるわけでも性感帯があるわけでもないのよ?」
「わかってますよ、そんな事。僕をバカにしてるんですか?」
「ひっ!」
ゼロスにしてみれば、ムっとした程度のものであったが、マゼンダにとってその感情は恐怖でしかなかった。
「マゼンダさん、演技で構いませんから、もっとよがったり、喘いだりして貰えませんかね?
人間の性行為を見たことくらいありますでしょう?」
「わ…わかったわ。
で、では……あぁ……うぅ……くぅう……」
脅えながらも、マゼンダは性行為の演技をし始める。
「中々、上手いじゃないですか」
「本当に、私をどうするつもりなのよぉ?」
恐怖を誤魔化すように叫ぶマゼンダ。
ゼロスは問いに答えず闇の帯を消すと、両手で胸を掴み、首筋に舌を這わせた。
「はうぅぁぁあ……」
舌に合わせて声を荒げる。無論、演技で相手に合わせているだけである。
マゼンダは、少しでも時間を稼げれば仲間が助けにくるかもしれないと、あり得ない希望にすがりながら必死で演技をしていた。
「ふふ……マゼンダさん。
僕が何故こんなことをするのか、理解できないんですよね?」
耳元で囁きながら、片手をハーフパンツの上に這わせ秘所をなぞる。
「ああぁ……んあ……」
マゼンダはどうこたえていいかわからず、演技を続けた。
「それはですねこういう事ですよ」
ゼロスが語気を強めた瞬間。
掴かまれていた胸に得体の知れない感覚が走った。
「ひぃあああ!!」
思わず本当に叫んでしまう。
ゼロスをふりほどこうと暴れバランスを崩し地面に伏すと体を反転させて後ずさった。
「あ…貴方。今、私に何をしたの?」
未知の感覚は恐怖でしかない。
だが、痛みではなかった。むしろ気持ちよかったともいえる。
ゼロスはマゼンダの脅え戸惑う様を満足そうにみると。
「いやなに、エルメキアランスってありますよね?
人間の使う、対魔族の魔法ですが」
「そ…それが?」
「あの魔法は、魔族にとってはダメージを受ける魔法ですが、人間に使うと精神が衰弱するだけで肉体的ダメージはありません」
「はあ……」
「それで僕は思ったんですよ。精神にダメージを与える魔法があるなら、精神に快感を与える魔法も作れるのではないかと?
それも、人間達のいう性感をね……」
「ま…まさか……」
「その通り、今マゼンダさんが感じたのが性感です。
僕は、性感を感じさせる技を編み出したってところですね」
「一体、何でそんなことを?」
「それは、先ほども言ったように興味本位です。
人間に性感を与え続けて、観察したところ、セックス依存症みたいになってしまいましてねえ。
廃人となった人間から得られる感情は中々美味しかったですよ」
「……そ、そう」
「人間で実際、性感を感じているのは確認できましたし、今度は魔族で実験しようと思ったんですよ。
でも、そんなことを仲間相手にやるわけにもいきませんし、そんな時に都合よく遭遇したのがマゼンダさん。
貴方というわけです」
「!」
マゼンダはようやくゼロスが自分に何をしたいのかを悟った。
「それでは、今から激しくいきますね」
「ひいぃ!」
背を向け全力で逃げを打つが、すぐさま羽交い絞めにされる。
「だから、貴方の力じゃあ僕からは逃げられませんって」
「ひぃ、や…やめて、お願いゼロス」
ゼロスはマゼンダの懇願を無視して性の力を行使した状態で両胸を鷲掴みにした。
「んあああああぁぁぁ!!」
マゼンダの性的絶叫がこだまする。
甘い痺れのような感覚が全身をかけめぐった。
「どうです。気持ちいいですか?」
ゼロスは笑いながら、胸を乱暴に揉みしだく。
「い…いやっ。はなして……」
マゼンダは体をジタバタと動かしながら必死で足掻く。
感じていたが、それは未知の感覚でもあり恐怖でもあった。
「あっはっはっ!」
ゼロスは笑いながら胸を揉んでいたが、心に変化が現れていた。
人間にこの力を行使した時は、人間が一方的によがるだけで、ゼロス自身は特にどうという事はなかった。
だが、同じ魔族相手にこの力を行使すると、力が反響してしまうのか、ゼロスの手には心地よい胸の感触が伝わっていたのだ。
「くっ!」
予想外の結果にゼロスが顔をしかめる。
柔らかく温かい胸の感触に、勃起した乳首の感触。
マゼンダは背を向けている状態なのでその顔を確認することはできなかったが、ゼロスに余裕はなくなっていた。
ゼロスは性感を与えて弄ぶのが目的であったが、次第に犯したいという感情に支配されていく。
再び服の中に手を入れ、乳首を摘まんで捻り上げる。
より高い声で叫ぶマゼンダ。その声を聞いて、ますます興奮してしまう。
「服が邪魔ですね」
マゼンダの腰につけているコルセットを力任せに剥ぎ取る。
「いたいっ」
悲痛な声が上がった。
「ああ、す…すいません。服は体の一部でもありましたね」
痛みを与えるつもりはなかったため、不本意な反応に思わず謝ってしまうゼロス。
コルセット外したところで、ハーフパンツに手を入れて秘所に指を突き入れた。
「ひぃあああ!」
ゼロスは指を抜くと肩を掴みマゼンダを自分の方へと振り向かせる。
相変わらず、その表情は困惑と脅えであったが、その姿をまじまじと見つめてみる。
マゼンダは、切れ長の目に、鮮やかな紅い唇、艶やかな紅い髪、透けるような白い肌、豊満な胸に括れた腰と、細く長い美脚を有しており、さらに言えば抜群のファッションセンスも兼ね備え、ゆったりとした白い服は何よりも紅い髪に似合っている。
人間なら誰もがヤリたがるであろう絶世の美女であった。
魔族は人間の美人を見たところでどうとも思わない、だが、人間は美人を見れば性欲が刺激される。
力の影響を受け、性的興奮を覚え始めていたゼロスはマゼンダのその容姿に圧倒された。
欲望の赴くまま紅い唇を奪うと、押し倒し服を脱がしていく、露わになった乳首は程良い大きさの乳輪と薄い桃色であり、何からなにまで完璧であった。。
「綺麗な色してますねえ」
、乳房にしゃぶりつき、舌を這わせ吸い上げた後、体中を舐めまわしていった、
知っている限りの愛撫をマゼンダに対し徹底的に行い責め上げたのだ。
「ああ…あ…あ…ああ…」
マゼンダは横たわったままビクンビクンと痙攣し、放心状態である。
未知の体験と体感に、頭が追いつかないのだ。
「……では」
ゼロスは性感に打ちひしがれて動けないマゼンダを見届けると、自身が服を脱ぎ始めた。
「こ…今度は何をするつもり!?」
ハッと我に帰り、脅えた目でゼロスを見る。
ゼロスは下半身を露わにしているのだ。
「何って、ここまでくれば、やることは決まっているでしょう?」
ゼロスはにっこりほほ笑むと、逃げようとしたマゼンダの腰を掴み、力任せに肉棒を肉壺に突き入れた。
「いああああああ……」
腰を掴んでの後背位による激しいピストン運動。
パンパンパンと肉と肉がぶつかる音が鳴り響く。
「あん! あぁん! うぅ! くぅ! はああ!」
ゼロスは陰茎を突き入れたわけだが、膣内は密閉に近いため、反響した力を殆ど外に逃がすことなく陰茎に集中した。
予想外の気持ちよさに思わず我を忘れる。
だが、あくまで凄いのは力の反響とその集中であって、人間の姿をしているだけのマゼンダからの膣圧はなかった。
「マゼンダさん! 締め付けが弱いですよ! もっとなんとかなりませんかっ!」
ゼロスは怒り混じりの声を上げ、尻を両手で軽い痛みが走るくらいに叩く。
「そ…そんなこと、急に言われても……どうすればいいかわからないわよっ!」
泣き叫びながら、膣圧を強めてみるマゼンダ。
「こ…こう? 本当に何をしていいかわからないのっ!」
「ええ、よくなりましたよっ!」
ゼロスは一度、陰茎を引き抜くと、マゼンダを正面に向かせ、騎乗位の体勢に変えさせる。
そして、今度は下から思いっ切り突き上げた。
「いやあああああぁぁぁぁっ!」
体を起こし上下に大きく揺れる乳房を掴む。
マゼンダは紅く長い髪を振り乱しながら、体をくねらせよがり狂った。
陰茎はギチギチに締め上げられていき、ゼロスはもはや性感に耐えられなくなっていた。
ゼロスは最後にとっておいた。必殺技、絶頂を与える技を陰茎より放つ。
「ああああああああああああああぁぁぁぁぁぁっっ!」
絶頂を迎えるマゼンダ。
力が膣内に充満し、ゼロスの陰茎にも流れ込んでいく。
ゼロスは射精に近い感覚を味わった。
マゼンダは力が抜け、仰向けに倒れる。一方、ゼロスも極度の疲労を感じ、動かず仰向けのまま空を眺めていた。
マゼンダはぐったりとしてその場を動けない、しばらくは性感と絶頂の余韻を感じていたが、すぐさま死の恐怖に襲われた。
行為が終わったという事は、用済みであり滅ぼされる。
逃げようにも衰弱しきっており、動くこともままならない。
なんとか這ってでも、この場を去ろうとした時、再び闇の帯がマゼンダを縛り上げた。
もはや、命運は尽きた事は嫌でも理解せざるを得なかった。
「ふうっ……まさか魔族にこの力を使うとこんな結果になるなんて思いもしませんでした」
「こ…今度はSMでもするつもりなのぉ?」
再び縛られ、困惑するマゼンダ。ゼロス程の力があれば縛る必要はなく、いつでもトドメはさせる筈である。
正直、ゼロスが何を考えているのかわからない。
「しませんよ、そんな事。
それに言いましたでしょう? 貴方を野放しにすることはできないと。
なので、リナ=インバースにかけた術を解いて貰えませんかね?」
マゼンダはゼロスの要求が理解できなかった。
術を解くも何も自分を滅ぼせば、術は解けるからである。
「ええっと?」
「……頭の鈍い方ですね。
術を解かないと、冥王様の計画に支障をきたし、冥王様が血眼になって貴方を探すでしょう?
解く気がないなら、他の手を考えるまでですが?」
「ひぃ! わかったわよ。解けばいいんでしょ」
マゼンダはリナ=インバースにかけた魔法封じの術を解いた。
ゼロスは、縛ったマゼンダをお姫様だっこすると、山奥の廃村にある適当な小屋にマゼンダを置いた。
「しばらくここで大人しくしていてください。
最も、マゼンダさんの力じゃその呪縛を自力で解くのは不可能でしょうけどね」
「滅ぼさないの?」
「今はね……」
ゼロスとしては、力を試し終わったら、さっさと滅ぼして任務に戻るつもりであった。
しかし、自身の技を魔族相手に使うと、力が反響し、自身にも性的興奮を覚えさせるという思いもよらない結果になった。
これほどの快感が得られるのであれば、何度でも行いたいが、流石に自軍の魔族にやるわけにもいかず、敵側の同種という都合のいい存在をキープしておきたかったのだ。
「では、マゼンダさん。僕は任務に戻ります」
ゼロスは縛ったマゼンダの唇にキスすると小屋に結界をかけ、遠くからは見えないように処置を施す。
「これで人が迷い込むといったこともないでしょう。
もっとも、人間が来たところで、マゼンダさんを自由にする事もとどめを刺す事もできませんけどね。
ではいい子にしてるんですよ。それじゃ!」
ゼロスは縛られ動けないマゼンダを置いて去っていった。
続きは書きませんが、気が向けばその後を加筆するかもしれません。