日も傾き始めたばかりの執務室。
彼女は部屋に入るなり、高らかにそう宣言した。


※Pixivにも投稿しました。



1 / 1

ごめんなさい。


ポネキ曰く「おチンチンが無いなら生やせばいい──インディちゃんは孕ませられる」

 

 

「指揮官指揮官、聞いてくださいっ! 私、気付いたんです……いくらおチンチンが生えていても、タマタマが無いと精子ピュッピュ出来ないんだって!」

 

 開口一番、ポートランドが叫んだセリフがそれだった。

 

「……なぁ、それ今じゃないと駄目だったのか? 今言わないといけないことだったか?」

「どうしましょう指揮官!? 私、タマタマのことなんて全く念頭に入れてませんでした! 正に目からウロコ! 青天の霹靂です!」

「聞けよ」

 

 慌ただしく指揮官の横に詰め寄ったかと思えば、世紀の大発見とばかりに事の重大さを捲し立てる。すでにテンションは振り切っているようだ。

 重い身体を起こし、息を荒げながらおチンチンだタマタマだと叫ぶポートランドを尻目に、指揮官はサイドテーブルに置かれた携帯を手に取った。

 時間を確認。額に深い渓谷が形成される。

 

「……ポネキさんや」

「やはり明石さんに頼んで──あっ、はい何でしょうか?」

「君さぁ、今何時か知ってる?」

「え? えぇ〜っと、私が起きたときは……確か……うぅ〜んと……あっ、そうだ5時ちょっと前くらいでした! それから着替えてきたから──」

「まだ5時半にもなってないんですけどぉ?」

 

 我慢は利かなかった。般若のように表情を歪めて、指揮官はポートランドの両頬を強く引っ張った。

 

「いひゃいいひゃい! やめへくらはい!」

「何で気持ちよく寝てたところを叩き起こされた挙げ句、朝一番に下ネタ聞かされにゃならんのだ? ああ?」

 

 そう、ポートランドが乗り込んだのは執務室などではなく、指揮官が住まう部屋であり、完全なプライベートルームである。

 カーテンから覗く窓の向こうはまだ薄暗く、海辺より流れてきた冷えた空気が静寂と漂っている。まだまだ夢心地に揺蕩っていたというのに、あんなくだらない下ネタのために起こされたと知れば、指揮官の怒りも一入(ひとしお)だろう。

 糸のようになった目に涙を溜めて喚くポートランド。引いては緩め、引いては緩めを繰り返される。モチモチと柔らかい頬は引っ張れば引っ張るほど何処までも伸びていきそうだ。

 

「──ったく、反省しろ反省」

「はい〜」

 

 頬に赤みが差してきたところでようやく解放された。小さく唸りながら両頬を抑えてうずくまる。

 

「うぇぇ〜……いたぃ……指揮官指揮官、私の顔赤くなってないですか? インディちゃんの前に出せる顔してますか?」

「大丈夫だ。いつも通りだらしない顔してる」

「もうっ! だらしなくなんかないですよ!」

「はいはい、そうですね〜今日も可愛いよ〜」

 

 プリプリとした抗議を適当に流し、指揮官はベッドから立ち上がる。

 向かう先は洗面所。ポートランドのせいで目も冴えてきていたが、まだ粘つくような眠気も残っていて全快とは言い難い。微睡みとの別れは後ろ髪を引かれるが、どうせポートランドがいてはおちおち二度寝にも洒落込めないと、やむなく未練を洗い流すことにした。

 

(さて……朝礼にはまだ早いし、朝食でも食うか)

 

 身体を伸ばしたり回したり、軽くストレッチをしながら寝室へと戻る。

 ポートランドはベッドに腰掛け、戻ってきた指揮官をジッと見つめていた。

 

「……」

「……何だよ」

「……前々から思ってましたけど──」

 

 ジーッと見つめたまま、ポンヤリと事もなげな様子。間違いなく碌なことを考えていないと指揮官の警戒心を煽る。

 

「指揮官って──イイ身体してますよね」

 

 案の定であった。

 しかも、それを皮切りに息を荒げて発情しだしてしまった。

 

「指揮官指揮官! おチンチン貸してください!」

 

 下ネタに続き、ひどいセクハラを受けた。

 指揮官から能面のように感情が欠落する。枝垂れかかるように、甘えるようにすり寄ってくるのだが、そのお願いはなんとも品が無くて聞く気にはなれなかった。

 

「あっ、当然ですけど、タマタマもセットでお願いします」

「当然ですけどじゃねぇよ落ち着けお前。なんか暴走が激しいぞ、どうした?」

「どうしたもこうしたもないですよ分からないんですか!? インディちゃんですよインディちゃん!!」

 

 甘えてきたかと思えばいきなり怒り出す。どうにも情緒が安定していないポートランドに、指揮官は面倒くさいという本音がありありと浮き出していた。

 

「インディ? なんだ喧嘩でもしたのか?」

 

 と、ここまで言ってようやく思い出した。

 昨日の昼からポートランドが唯一神のごとく信仰するインディアナポリスを軍事委託任務で遠征に出していたことを──そして遠征部隊は、明日にならねば帰投しないということを。

 おまけに、この目の前にいるポートランドは今日、非番で自由な時間を過ごす予定だったはずだ。

 

「ああ、インディがいないから──」

「そうですよ! 指揮官、なんで私とインディちゃんの非番合わせてくれなかったんですかっ!? インディちゃんがいなくて私……私〜〜!!!」

 

 寂しさに堪えかね、ついにうずくまって床を叩き出してしまった。

 その様子を、指揮官は哀れみを持って見下ろしていた。主に、憐憫ではなく軽蔑の意を多分に含ませて。

 

「せっかくの非番なのに寂しい思いをしてるのは指揮官の采配のせいです。インディちゃんがいない穴はインディちゃんでしか埋められませんが、指揮官でなら誤魔化せます」

 

 うずくまったまま、くぐもった声でポツリとそう漏らした。

 

「代用品扱いすんな。薄い本は?」

「本だと温もりが恋しくなっちゃって……だから責任とっておチンチン貸してください」

「一日すら我慢できねぇのか、貸すわけねぇだろ。大体、チンコ貸せってどうするつもりなの? 自分につけんの? それとも玩具にして挿れんの?」

「インディちゃんがいないのにつけても仕方ないじゃないですか!! 挿れるに決まってます!!」

「インディがいればつけんのか──あっ、こら! 止めろ離せ!」

 

 否を突きつけ続けた指揮官に業を煮やしたポートランドは、ついに実力行使に出た。勢いよく起き上がったかと思えば、寝間着の短パンに手をかけ、無理やり引き下ろそうと躍起になっている。

 

「いいから貸してください! 初めてじゃないんだから恥ずかしがらないで!!」

「バカ! こっちは朝っぱらから盛ってねぇんだよ、ヤらねぇよ!」

「じゃあ先っちょだけ! 先っちょだけ取って貸してくれればいいですから!」

「俺のチンコに着脱機能はねぇよ! しつけーぞ!」

「さっき外せるっぽい感じのこと言ってたじゃないですか!!」

「言葉の綾に決まってんだろ!!」

 

 鬼気迫る勢いのポートランドと必死に抵抗する指揮官。両者どちらも譲らない。

 しかし、力は膠着していてもそれが作用する対象は指揮官の短パンであり、大の大人と艦船少女の本気の力にいつまでも形を維持できるだけの耐久力は無い。プチップチッと繊維の切れる音が鳴り、指揮官に焦りが生じた。このままでは愛用の短パンが無残にも引き千切られてしまう──。

 

「わ、わかった貸す! 貸すから一旦離せ!」

 

 指揮官、背に腹は代えられないと敗北を宣言。

 

「本当ですか!?」

「本当! 本当だから手を離せ!」

「はい!」

 

 余裕のない必死の表情から一転、ポートランドが満面の笑みを咲かせて瞳を煌めかせた。もぎ取った勝利に歓喜している。息も絶え絶えに、短パンの位置を直しながら重いため息を吐く指揮官との対照が印象的であった。

 

「ふへへ〜、それじゃあ早速──」

「待て」

 

 両手の五指を淫らに動かし、短パンに再び手をかけたところでポートランドの頭を掴んで遠退けた。

 

「せめて夜まで待て」

「え? 私もう濡れ濡れでstandby okayなんですけど」

「俺も折れたんだからお前も妥協しろ」

 

 そう言われて、ポートランドは不満そうに唇を尖らせる。

 しかし先程、自分の要求を確約させたためか、幾分か暴走は収まりをみせていた。彼女自身わがままを言っている自覚もあり、無碍にするのも憚られるようだ。

 

「んん〜……じゃあ、夜までなるべく側にいてもいいですか?」

「……やむ無し」

「なら……はい、我慢します!」

 

 少しの思案の後、指揮官の要求を受け入れた。これにてようやく交渉成立し、概ねポートランドに軍配が上がる結果となった。

 ニコニコと楽しそうに身体を揺らして共に過ごす時間、そして夜半の逢瀬に思いを馳せる様子は、まるで遠足前の子供のようだった。そういう、ポートランドの素直に感情が表に出やすいところを指揮官は好ましく思う。

 

「……まったく」

 

 ポートランドの喜色に当てられて、指揮官も口元を綻ばせた。

 二人が既に経験済みなことからも推測できる通り、何も指揮官はポートランドと身体を重ねるのが嫌なわけではない。ようは時間とムードが問題であっただけの話である。それらは料理を整える調味料と同じであり、それなくして上質にはなり得ない。

 もし、ポートランドが夜、もう少し大人しく甘えてくれば、指揮官とて行為に至るのも吝かではなかった。

 

(まぁ、夜なら気分も盛りあがってるだろうし、楽しみなことに違いはないしな──)

「えいっ!」

 

 そんな軽い声と同時に、指揮官の短パンがずり下ろされた。

 固まる指揮官。感嘆を溢すポートランド。これは後ほど、“魔が差しただけ”だと本人から語られる。

 

「……」

「ほうほう……ほう!」

 

 角度を変えながらマジマジと観察され、指揮官の額に青筋が浮かぶ。

 

「……夜まで待てっつったろ! 出てけ!」

「きゃぁ!?」

 

 バタンッと、文字通りポートランドを部屋から叩き出して扉を乱暴に閉めた。荒い自分の呼吸音だけがやけに耳に付く。

 フラフラとベッドまで戻り、重い腰を放り捨てるように下ろした。負荷のかかった嫌な軋みが鳴ったがどうでもいい。時間を確認するとまだ6時を少し過ぎたところ。にも関わらず、もうどっと疲れてしまった。

 

「……ハァァ〜……」

 

 ポートランドとの約束では、今日はほぼ一緒にいることになっている。こんなことで、これから先を乗り越えられるのだろうか──自分の身を心配しながら、指揮官は朝食より先に、まずは気を休めることにした。

 窓の向こうから朝日が差し、カーテンが明るい彩りに染まり始めた。鳥がさえずり、雑踏が活気立ち始める。

 

 大きく息を吸って吐き出す。

 また新たな一日がやってきた。

 気合を入れろ、やる気を起こせ。

 

 指揮官は己に活を入れ、休息の後、準備を整えて仕事に赴いた。

 書類を記し、哨戒を命じ、演習を指揮する。その間、ポートランドが朝方のように暴走することは無く、つつがなく執務は終了した。

 

 そうして時間は瞬く間に過ぎ去り、とうに日は沈んだ──ここから先は、待たせに待たせた逢瀬の時間である。

 

 

 ◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 時刻は9時の半を回った頃。

 指揮官の部屋には、未だ明かりが灯されていなかった。普段であれば電気が点き、部屋主の在室を知らせる光が窓から溢れているのだが、今日はそれが無かった。

 しかし、この艦隊に所属する艦船少女たちがそれを指揮官の異常と捉えることはない。

 

 何故ならそれは──指揮官が誰かとまぐわっている証明だからである。

 

「──んっ、んん〜……っぁ、むぅ……」

 

 微かな豆電球と月明かりだけの仄暗い部屋の中に、どこか甘い吐息と何かを舐め吸う湿った音、そして重なり合う二つの人影が乱れていた。

 指揮官とポートランド──二人は今、在りのままの姿をお互いに晒し合っている。指揮官がいつも身にまとう純白の軍服も、ポートランドが着ているセーラー服もビキニもショートパンツも、乱雑に床へ脱ぎ捨てられていた。

 

「ほう、れふか? ひもひーれふか?」

「っっ……ああ、いいぞ」

 

 ベッドの縁に腰掛けた指揮官の広げられた足の中に、ポートランドがすっぽりと収まっている。

 指揮官のそそり立つ一物を咥えたまま、ポートランドが上目に見ながらもごもごと口を動かすと、こそばゆい刺激が興奮を熱く滾らせていく。

 

「んんっ、んっ……んぁ、ぅぅ、ぅっ……んんぅ……」

 

 自分の股間でポートランドが懸命に頭を動かしている。その状況が、指揮官の情欲をどうしようもないほど掻き立てる。

 一物よりこみ上げてくる満足感。

 可憐な少女と致している多幸感。

 豊満に育った肢体をまさぐる充実感。

 肢体に反した幼気な面立ちからくる背徳感。

 それだけではない。発情と呼吸のしづらさで上気した頬。汗ばんだ身体に張り付き、湿り気を帯びた薄藤色の髪。時折、見上げてくる瞳の揺らめき。彼女から伝わる全てが、指揮官を火照らせ蕩けさせていく。

 

「っぷぁ、ぅぅ……ふぅ〜、疲れた……」

 

 ポートランドは口を離して呼吸を整える。

 

「おいおい、中途半端に止めるなよ?」

「分かってますよ〜」

 

 テラテラと涎にまみれた男根が外気に触れて少しばかりの冷たさを覚えた指揮官は、それを摘んでペチペチとポートランドを叩いて続きを催促した。

 ポートランドはそれに応えるように再び口を開く。

 今度はただ咥えるのではなく、優しく手で扱きながら先端に舌を這わせ、焦らしてから思い出したように吸い付く攻め方に変えてきた。

 これがまた上手い。よく感じるところ、刺激がほしいところを的確に押さえてくる。背筋を駆けて快感が脳に突き刺さった。

 

「それにしても指揮官のおチンチン、前見たときよりもインディちゃんみたいな色になってきましたね」

「例えに使ってやるなよ可哀想に。それなりに使ったからな」

 

 これには指揮官も苦笑いしかなかった。

 極楽から一転して落とされた気分になる。情欲が萎えることを言ってほしくはないものだ。

 にこやかに報告をしてきたことが逆に反応に困った。そんな所まで妹を持ち出さなくてもいいだろうにと思う。

 

「ん〜、そう思うと、なんだかコレも愛おしく見えてきました」

 

 流石にインディアナポリスが不憫だ。

 

「んぅぅ、んっ〜……インヒィひゃん……」

 

 妹の名を呼び、自分の秘部に指を充てがって撫で始めると、一層に舌の動きが柔らかくねちっこくなった。享受する側としては嬉々たるもののはずだが、いまいち釈然としない部分も否めない。妹が一番と公言しているのは知っているが、だからといってプライドが傷つかないわけではない。

 しかし、そんな彼の不満もすぐに露となって消えた。

 より激しくなった舌技が意識の全てを下腹部へと集中させ、射精に近づく解放感に思考が塗りつぶされていく。たまらず声が悶えてしまう。

 

「うっ……くぁっ……!?」

「ぷぁぅ……指揮官、一回出しておきますか?」

 

 紅潮し、発汗が増した指揮官の様子から絶頂を予期したポートランドは攻めの手を緩めた。

 

「そう、だな……だしておく」

「分かりました。じゃあ、このまま……んっ、んん〜、ぅぅ──」

 

 指揮官の了解を得て、ポートランドは深く、深く目の前の一物を咥え込んだ。固く、なだらかに反り返ったソレは喉の奥まで入り込み、ぬるりと温かい肉の圧迫を受けて膨張する。

 そして、ポートランドの空いていた手が指揮官の陰嚢に触れる。

 指揮官の身体が跳ねた。慈しむように温かい手のひらで優しく包み込まれ、じんわりと広がる快感に切なげに肩を震わせる。射精を促すならここのツボも欠かせない。

 

「んっ、んぅっ〜……んぶっ!? こふっ、こっ……んぐ、ぅぅっ……」

 

 奥に押し込みすぎて噎(む)せてしまったようで、ポートランドの両目から涙が溢れ、口端から垂れていた涎の玉が大きく膨れて落ちていった。

 それでもポートランドは陰茎を離すことはなく、激しい口淫に耽った。思うままに舐め回し、吸い扱き、陰嚢を弄ぶ。

 

「ポートランド、もう──!」

 

 指揮官が語気を強めて訴えた。射精のときは近いと……ポートランドもそのことを感じ取っていた。

 一物が固く張っているのが分かる。

 己を発散するために熱を蓄えているのが伝わってくる。

 ポートランドは既に受け入れる態勢を整えてある。後はそう──ただ受け止めるだけである。

 

「出っ──!!」

「っ〜……!!」

 

 限界を迎えた。

 快楽に浸った証が陰茎を駆け登り、ポートランドの口内を汚していく。粘っこい独特の臭いを放つ体液が、あとからあとから発射されて止まらない。

 

「──っっ!」

 

 本当に長い射精だった。呼吸も忘れるほど力んで硬直した身体の奥で、残響が木霊して燻っているようだ。まだ冷めやらない情欲が焦れったらしい。

 

「んんっ〜……ぷはぁぁ!」

 

 ポートランドは一物の奥に残ったものもキレイに吸い取り、口の中に吐き出されたものと共にコクンと飲み込んだ。今は大きく息を吸っては吐き、小刻みになった乱れを正している。

 

「……マズ」

「別に無理して飲まなくてもいいんだぞ?」

「いいんですよ。飲むの嫌いですけど、指揮官よろこんでくれますし」

「まぁ、そうだな。うん、ありがたい」

「どういたしまして、です──さて、まだヤれますよね?」

「見ての通りだ。問題ない」

 

 目を細めて挑発するように笑うポートランドに、未だ固さを失わず隆々とそびえ立っているソレを見せつける。

 じゃあ、そろそろヤりますか──楽しげなポートランドに促され、指揮官はベッドの中へと身体を横たわらせる。しかし、何故か肝心のポートランドはベッドから離れ、脱ぎ捨てた自分の衣服を探っていた。

 

「何してんだ?」

「んふふふふふ〜、ちょっと待ってください。実はですね〜……あっ、あったあった!」

 

 気になって声をかけると、やたら上機嫌な笑い声が返ってきた。お目当てらしきものを見つけたポートランドは寝そべる指揮官の上に跨がり、容赦なく体重をかける。場所が場所で体勢が体勢なだけに、一物の裏筋にしっとりとした秘部のヌメり気がまとわりつく感触がして辛抱に難い。

 

「じゃーん! はい、指揮官これ!」

「何これ……インディ?」

 

 ポートランドが持ってきたのは一枚のプリントだった。折りたたまれていたそれを広げると、一面に印刷されていたのはアップで撮られたインディアナポリスの顔。

 

「そっちは裏面なので私に向けてください!」

「裏面……こっちは?」

 

 言われた通りに紙を裏返す。

 そこには裏面の写真とは違い、文字がビッシリと詰め込まれていた。

 

『本当に、出せば……お、ぉチン……チン/// 消えるの……?』

『お姉ちゃん……/// やっぱり……はずかしい……///』

『あっ……お姉ちゃん♡♡ 気持ち、いいよ……///♡♡』

『ダメッ……♡♡♡ お姉ちゃん、抜いて……/// 赤ちゃん……出来ちゃう……から!///♡」

『も、う……げんかっ///♡♡♡♡♡』

 

 この日、二度目であった。

 指揮官の顔から表情というものが欠落してしまったのは。

 

「これはですね! 私がお昼くらいに考えたインディちゃんのセリフ集です! 今朝とは逆で、インディちゃんにおチンチンが生えたという設定で、裏の写真を見ながらセックスすることで視覚からインディちゃん! 指揮官にセリフを音読してもらうことで聴覚は指揮官! インディちゃんを見ながら指揮官の声で攻められるという実質3Pを楽しめるgood ideaを思いつきまして! それを──」

 

 職務中、大人しいなとは思っていたがこんなことを……。

 恍惚に溺れた表情の彼女に目の前の異物の説明を受けた指揮官。やりたいことが何かは分かったが、何故そうなったのかが理解できなかった。

 しかし、自分が何をすべきなのか……それについてははっきりと分かった。広げていた紙を丁寧にたたみ直し、サイドテーブルの上に置いて──。

 

「つまり、インディちゃんが指揮官の──きゃぁ!?」

 

 ──ポートランドの腕をとって引っ張り、体勢を入れ替えた。

 今はポートランドがベッドに寝転がり、指揮官が片腕を抑えてその上に覆い被さる形となっている。

 

「え? あの、指揮官……? え? ちょ──」

 

 ポートランドの唇に、強引に唇を重ねて塞いだ。

 無理やり中をこじ開け、舌を絡め取り、混乱してされるがままなのをいいことに貪り尽くしていく。空いている手で、彼女の陰部を愛撫することも忘れない。

 

「んっ、んんーっ……っっ〜〜!?」

 

 上下からくる刺激に呼吸もままならないのか、次第に息が上がって途切れるようになってきた。微かな抵抗を試みるも指揮官は止めることなく、むしろ一際強く口に吸い付き、指先で陰核を弾く扱くを繰り返す。

 

「──ふぅ」

 

 好き勝手に堪能して、ようやくポートランドは解放された。

 離された唇からは唾液の糸が、愛撫した指先からは愛液のアーチが、まだ離れたくないとばかりに繋がっていたがしかし、それも重力に負け、繋がりは絶たれてしまった。垂れ落ちた唾液はポートランドの口元から顎に滴り、豊満に膨らんだ胸部にかけて淫靡に濡らした。

 滝のような汗と快楽に浸った証である愛液で月明かりが鈍く照り返り、陰毛一本生えぬ艷やかな肢体が蠱惑を魅せて一層の劣情に唆られる。

 

「ハァ……ハァ……ゥッ、ハァ……ハァ、ッ……」

「『なんで急に?』とでも言いたげだな?」

 

 指揮官は口元に垂れた唾液を甲で拭い、息を荒げるポートランドをニヤリと口角を上げながら見下ろしていた。

 

「あの紙がちょっとしたお巫山戯なのは分かってる。その後まくし立てたことだって本気じゃないこともな。けどよ、誘ってきたのはお前だし、その気にさせたのもお前だ。なのにヤる気を削ぐような真似を何度もされちゃ、こっちも収まりがつかんだろう?」

 

 紅潮を通り越し、耳まで真っ赤に染まったポートランドの頬に手を添え、口元から垂れたままの唾液の跡をそっと親指でふき取る。

 

「だからつまり、まぁ、どういうことかというとだ──」

「ぁっ……!? まぁ……ま、待って……!」

 

 下半身を持ち上げられ開かれ、指揮官の一物が陰部に充てがわれたのを感じ取り、ポートランドが懇願するように猶予を求めた。

 口淫の際から徐々に溜めてきた発情が、先程の激しい接吻で決壊に近付き、加えてその時の余韻が脳の奥に残っている。今、挿入など刺激の強い快楽を受けてしまえば、一瞬のうちに果ててしまうことだろう。

 だから、ポートランドは待ったを要求したのだが──。

 

「『お仕置きの時間』ってやつだ」

 

 構わず、指揮官は腰を深く打ち付けた。

 膣肉が掻き分けられ、一気に奥まで貫かれる。

 

「──〜〜っっっ!!」

 

 仰け反りに大きく身体を跳ねさせて絶頂するポートランド。言葉になっていない叫びを上げて悶絶に震えている。

 

「うっ、おぉ……きっつ……!」

 

 対する指揮官も、想像以上の緊縮感を受けて身悶えていた。全身に快感の濁流が遍満して強張る。以前ポートランドとまぐわった時とは比べ物にならないほど膣(なか)はうねり、気を抜けば彼女の淫猥に引き込まれてしまいそうだ。

 

「はぁっ……あっっ……!」

「余裕なさそうだが、休んでる暇はないぞ」

 

 身体を倒し、ポートランドの身体に押し付けながら耳元で囁く。どこまでも柔らかいポートランドの肢体に体重をかけ、一物を蜜壺の更に奥へと侵入させていく。

 

「ひゃぁ!? あっ、ぁぁっ〜……あぁぁっ!」

 

 再び訪れた鋭い刺激に、今度は甲高い嬌声が漏れた。

 ポートランドの弱点はここだ。この限りなく子宮に近い場所をかち上げられるのにとても弱い。今、軽くこすっただけだというのに敏感に反応し、膣肉を震わせて緊張している。

 

「ぁぁっ、うぅっ……し、きかんっ……! しき、ぁっ……あぁっ!」

 

 何度も何度もそこを突いた。

 何度も何度も一物を往復させた。

 肉と肉がぶつかり、本能が理性の底でくすぐられる。攻められる度にポートランドは止まない快楽に身を捩り、悲鳴にも似た艷声が響く。

 指揮官の顔に、少しばかりの獰猛さが表れ出した。甘く切ない声色で呼ばれると、どうにも嗜虐心が沸き立ってくる。

 

「あっ、ぁっっ、そこ、だぁ……だめ、ぇ……ぇっ、ぁぁ……!」

 

 指揮官は腰の動きに連動して揺れるポートランドの双丘を乱暴に鷲掴みにした。押せば返る弾力やハリより、重量と沈むような柔らかさこそ売りの豊胸は揉めば指の隙間からはみ出し、形を変えても損なわれない圧倒的な存在感があった。

 手のひらを僅かにずらし、プックリと勃起した乳首を指と指の間に表出させて強く挟む。淡い桜色をしたソレは柔胸とは違い、コリコリと程よく弾力が残っていて丁度いいアクセントとなる。

 

「ああぁっ! あっ、あぁっ〜、は、あぅ……んあっ! し、しきか、んんっ……ぁぁああ!」

「おっ! ……っと、もう、限界か?」

 

 ポートランドが首を腕を回し、きつく抱き着き始めた。行為中にポートランドが自分から身体を密着させにくるのは『そろそろイク』という合図であり、そしてそれは同時に『アレをやってくれ』という合図でもある。

 余力がありそうな口ぶりではあるが、かく言う指揮官も同じく絶頂が近い。クライマックスも遠くはなさそうだ。

 

「ほら……よっと!」

「ぅっ……んんっ! んっ……ハァ、ハァ……」

 

 指揮官はポートランドの望み通り、挿入した状態で彼女の身体を抱きかかえて体位を入れ替えた。ポートランドは指揮官の股座の上に乗っかるように、指揮官はベッドボードに背中をもたれさせ座るように。

 ポートランドはこの対面した座位がお気に入りのようで、行為を致す際にはよくねだってくる。身体を密着させ、二人が溶け合うような感覚が最高なのだとか。

 

「ハァ、ハァ……んっ──」

 

 惚(ほう)けたように目尻を下げ、瞳を潤わせるポートランドは両手で指揮官の顔を包み引き寄せ、口を重ねた。自分がされたように舌を貪り、舐め回す。指揮官も負けじと応戦する。

 絡み合う舌と舌、淫らに鳴る水音、火照り蕩けた互いの呼吸。絶頂が近い二人のはずが、まるで営みはまだ始まったばかりかのような求めようだった。

 

「んっ……んふっ、ぅぅっ……んん、ぅっ……はっっ──んんぁっ!」

 

 指揮官がポートランドの腰に手を添え、動きを再開した。ポートランドもそれに合わせる腰を振る。

 一突きすれば尻肉が波紋のように揺れ、シーツに秘部から垂れた愛液が染みを作る。波紋が大きくなれば、染みが増えれば増えるほどにポートランドの密着する力が強くなっていく。

 

「はぁ、あっ、あんっ、ぁぁっ……っぁ、はぁっ、んんっ!」

 

 破裂しそうな心臓の鼓動や人肌の温もり。

 夢心地のような浮遊感の中で、お互いの全てに奪われ溺れていく。

 

「あっっ、んんっ、も……っ、ダメッ! イッ……イッッ……!」

「いいぞ、イケ……ほら、イケッ!」

 

 背中に痛いほど爪が立てられている。もう間もなく限界に達するようだ。

 喘ぐポートランドに指揮官からも腕を背中に回し、突き上げに合わせて首元を弱く噛み付いた。

 

「イッッ、クッ……ぅぁぁ──っっっっ────!!!!」

「ぐっ、ぅお、おおっ……!」

 

 抱擁と甘噛みが最後の一押しとなり、ポートランドは達した。

 それによる急激な膣肉の締め付けが、決壊寸前だった指揮官の我慢を爆ぜさせた。絶頂を迎えたばかりのポートランドの膣にドロリと精子の鉄砲が乱射される。

 

「あっ……ああぁ……」

 

 膣の一番奥で、しっかりと受け止めた。

 プルリと振動して最後の一滴までしっかりと出し切ろうと張り切る指揮官の陰茎。固さは失ったもののその残り火は健在だ。ならばもう少しと、ポートランドは皿の底まで味わい尽くすように快楽に身を委ねる。

 二人は脱力して抱き合ったまま、荒い呼吸を繰り返すばかりで動かない。

 

「ハァー、ハァー……っ、ハァー、ハァー……」

「ハァ、ハァ、ハァ──ふぅ〜……んっ」

 

 やがて、ポートランドから一物が抜き取られた。いや、抜け落ちたが正しいかもしれない。屈強な固さを無くしたソレは、ダラリと俯いて揺れていた。

 栓を失えば中身が溢れるのは必定。一物に力づくでこじ開けられ、掻き分けられて侵食された蜜壺の口から白濁の液が濡れそぼつ。なだらかな肉の曲線を辿り、落ちる様子は事後といえども滾るものがあった。

 

「ふぅ〜……待った甲斐がありました。焦らしプレイもそんなに悪くないかもしれませんね」

「朝から押しかけてお預けならそうだろうな」

 

 二人は力無く四肢を投げ出し、ベッドに並んで横たわる。

 シーツは最早どれが原因か判別できないほど様々な体液でビショビショになっていたが、二人の身体もさして変わらぬほど汚れているので気にならなかった。

 

「では早速、二回戦行きましょうか!」

「ちょっとくらい休もうぜ。水持ってきてやるから」

「休みません〜。指揮官がさっき自分で『休んでる暇なんかない』って言ってたじゃないですか」

 

 ポートランドは指揮官の上にうつ伏せで伸し掛かった。

 胸部でポートランドの双丘が潰れ、腹部にグショグショに濡れた下半身の柔らかな重みがかかる。もう体力が回復したのかと感心する一方、淫らな魅了を浮かべてまだまだヤリ足りないと雰囲気が淫奔に語っていたので、指揮官も休憩無しだろうとは薄々感じ取っていた。

 胸元にあるポートランドの頭を優しく撫でて、指揮官は笑った。

 

「だが残念だったな。俺の体力が回復しないとジュニアもジュニアのままだ」

「それなら、お(・)掃(・)除(・)してるのでその間に休んでいてください。なんなら前立腺マッサージも──」

「やめろ。絶対にやるんじゃないぞ。いいか、俺のケツに触るなよ? 絶対だからな」

 

 かくして、精液など体液にまみれた一物をお(・)掃(・)除(・)したその後すぐ、二人の情欲は再び溶け合うように重ねられたのだった。

 肉欲に爛れ、情熱が迸り、ただ本能の赴きに従って理性を彼方へと置き去りにする。互いの艷声に耳が惚け、すえた体液の臭いに酔い痴れ、目に映る扇情に悦び、触れる媚肉に絆され、口を交えるごとに色情を煩う。

 二人は何度でも、満足のいくまで双方を貪り合うことだろう。

 

 快楽に溺れ、淫靡に沈み──そして、夜は更けていく。

 

 

 

 

 

 




どうでもいい話ですが、ポネキには「Oh,Yeah! Yes,Yes! C'mon!」って言わせようかと思ってました。指揮官以前に私がグッとこなかったので止めましたが。

あと、色黒チンチン見たポネキが「インディちゃんみたい」と言ってましたが、長時間インディちゃんと離れて禁断症状のようなものが出てたせいですので、普段のポネキに「インディちゃんみたいだろ?」ってチンチン出すと「殺すぞ」って返されます。



  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。