※この作品はR-18です。

その先の一角で   作:led2zap


原作:オリジナル作品
タグ:R-18
全国で見るディスカウントチェーン店舗の一角。
興味がないと目にも止まらない、年齢制限のある一角。

そこにいる二人の男女。
手をつないだまま、一角の中にいる男女は何を見て、何を考え、何をするのか。

そんな掌編

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その先の一角で

全国展開をしているディスカウントストアの一角、条例で年齢制限がされている場所。

その場所があるのは、知っている人は多いが、入る人は少ない、そんな場所。

知っているのであれば、誰であろうと、心の奥底では興味がある場所。

 

「こんなの、なんだ…」

小さな声で、驚きの声を上げるのは小柄で可愛らいい女性。

知識はある。画像として実物も、動画として使い方も知っている。

大きさの意味も、形状の意味も、動きの意味も、全て知っている。

それでも、実物を目の前で、手に触れることができる距離で認識するのは、初めてだった。

 

「こっちのも、知ってるよね」

女性の手を取って、別の棚に視線を誘導させる男性。

いたずらをしているような、いじわるをしているような目で女性を見ながら、他の商品に興味を惹かせる。

これを使うとどうなるか、効果的に使うにはどうしたらいいか、どんな使い方が、女性に喜ばれるのか。

そんな事を考えながら、女性の横顔を見る。

 

「これ…」

繋いでいる手が汗ばんできていることに気が付かないほど、眼前にある実物に興味を走らせる。

自分の知識と同じものなのか、同じ快楽を与えてくれるものなのか。

知らないで済ませることができない、知識欲だけではない別の欲から、

 

「うん、これ、だよね」

女性の興味を誘導させたのは、男性の意図があってのこと。

秘密を共有して知り得た、共通の秘密を、好奇心を満たす器具。

普通の生活では見ることがない、本来は専門職の器具。

本来の目的以外では、恥ずかしさだけの器具

 

「いや、いや、これ、無理、いや」

何に使う器具なのかも、男性が誰に使う気なのかも、女性には全てわかる。

自身に使われたらどうなるのかをすぐに考えてしまう。

どんな姿にされるのか、どんな顔をしてしまうのか、どんな声を出してしまうのか。

どれだけ恥ずかしいのか、どれだけ喜んでしまうのか、すべて考えてしまう。

 

「うん、買おう」

男性が言った言葉に驚いてか、強い好奇心を見透かされた恥ずかしさなのか、女性が繋いでいる手に力を込めるのがわかる。

店頭にあれば買うつもりだったことは伝えていない。

今、この場で反応を見て、驚かせ、期待以上に楽しめそうだと考えてしまった。

期待には応えねば。

 

女性は下を向き、黙ってしまう。繋ぐ手は更に強くなり、少しだけ震えている。

耳まで赤くなり、好奇心の対象に囲まれているにもかかわらず、今は目に入らないようだ。

頭の中を占めているのは、これからのこと。

男性が買うと言ったものは、自分に使われる為であることに。

女性自身が期待したことは、確実に行われてしまうことに

 

「恥ずかしいことは、気持ちいいこと、だよ」

赤くなったままの女性の耳元に、囁く。秘密を打ち明けるように、悪戯をするように。

それ以上に、愛しさを込めて囁く。

 

店の一角から二人揃って、足早に立ち去る。

店を出て、ようやく女性は独り言のように小さくつぶやく。

「ばか」

 

男性はそれを聞いて、少し笑い、満足してから答えた。

「うん、ばかだよ」

 

ばかだから、ばかと言われるほど愛してるから、期待には応えたい。

それは、自然で当たり前だから。


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