「さて、これが君たちが望んだ感覚共有ナノマシンなるものだ」
コトっと、テーブルの上に置かれた四つの透明なビンの中で薄いピンク色をした液体が揺れ動いていた。
「効能については、まぁ名前の通りだ」
「どうすればいい……?」
テーブルの上に置かれたそれを、M16姉さんが片手に持ち上げ中身を覗くように見ている。
「ん? どうすれば……あぁ、そうだね。説明することを忘れてたよ」
どこか眠たげな目をこすりながら、一つ小さくアクビを携えて、私たちの作り手であるペルシカさんが説明を開始した。
「この液体には、君たちが持ち得るダミーネットワーク・システムを利用して作用するものを組み込んでいる。ダミーを操作する時のような感覚で、この液体を飲んだ相手に自分の感覚を相手に送り込むことが可能だ」
まぁ、問題は君たちの気になる想い人のことなんだけど――。と付け足して、彼女は続けた。
「指揮官君は、人形ではないからねぇ。君たちと違ってこっちは色々と大変だったんだよ」
そう言って、どこから出したのかもう一つのビンをテーブルへと置いた。
同じ色をした液体がなかで揺れ動いている。
「これは指揮官君専用のものだ。間違っても君たちが飲まないように……まぁ、飲んだところで害はないんだけど、もう一回作り直すのは億劫でね」
「…………」
「そんな深刻そうな顔はよしてくれ」
説明を続けるよ? と、私たち一人ひとりに視線を合わせて、彼女は続ける。
「でだ。指揮官君には、ナノマシンの中に演算能力を手助けしてくれるものを仕込んである。君たちと違って人間の脳ってのは存外に脆いからねぇ……。だからまぁ、くれぐれも四人同時に体全体の感覚を送りつけるのはよしてやってくれよ? じゃないと――」
壊れちゃうから――。
ゾワリと、背筋を這う嫌な感覚に、体がピタリと息を止めた気がした。
「おい、流石にそんな危険なものを――」
「そうだねぇ。君たちが自制さえすれば、指揮官君には危険は訪れないよ。もし、指揮官君に感覚を送るなら……二人が限度だ、それ以上は本当によしたほうがいい。本当にその人を想うのであればね」
「っ……」
「それにだ。この開発をお願いしてきたのは君たちだよ。私もできる限りのリスクは減らしてるつもりだ。それこそ周りの目を盗んでね。今更これをいらないだなんて言うのは、私は悲しくなるなぁ……」
「すみません。ペルシカさん……私たちのためにありがとうございます」
「ううん、構わないさ。君たちの
そう言って、また一つあくびをして笑顔を作った。
きっとほっておけば、そのまま寝てしまえるほどに……。彼女は眠たいだろうに。
私たちのために、私たちのわがままのために余計な手間すらかけて……。
「それでだね。この液体には受信と送信を補うモノを入れてある。君たちがダミー人形に感覚的に送れるのと同じモノがこの中に入ってるわけだ。ただし簡易的なものだから、デメリットがあるんだけど……。大丈夫、君たちの想い人の身に危険が及ぶものではない。感覚の受信と送信を行うと、普段より多少なりとも疲労がたまるだけだからね」
いやぁ、ホント苦労したんだよ。とタハハと力なく笑うペルシカさんに、言葉を返すことすら忘れて、私たちはそのビンを見つめていた。
これを飲めば、指揮官の思いが伝わるかも知れない。でも、それは同時に怖くもあった。
「あとは、君たちのは大丈夫なんだけど、指揮官君のは気をつけてくれよ。新しいものを体に取り入れ馴染ませるとなると、体に掛かる負荷もそれなりにある。まず間違いなく眠気が彼を襲うだろうからね。間違っても任務前に飲ませないように」
「分かった……」
「それと、正直言うとコレの実験は行えてないんだ。だから、今からで悪いんだけれど軽く試させてくれ」
「実験台になれと……?」
「なに、死にはしないし、失敗もさせない。この私の発明だよ?」
「……分かった。飲めばいいんだな?」
「あぁ……、それじゃM4、君も飲んでくれ」
差し出されたビンを手渡され、ひんやりと冷たいビンの蓋を取り除いた。
こくりと、喉が鳴る。本当に大丈夫なのかと、いやいや、ペルシカさんが作ったものだ。そこに疑いを持つのは失礼というものだろう。ここは一気に――。
「ぷはっ……、はぁ、これで……いいんですか?」
「いい飲みっぷりをどうも。それで大丈夫だ。しばらくしたら定着して感覚の送受信が出来るはずだ」
「随分と飲みやすい味だったな……」
「変に味を加えても嫌がるだろう? 君たちならいざ知らず、指揮官君の嫌がるものは極力排除してはいるつもりだよ」
何から何まで、頭の上がらないことで至れり尽くせりだ。
「さて、それじゃ……M4はこっちに……」
「は、はい?」
ちょいちょいと、こちらを手招きするペルシカさんの元へ歩み寄り、皆と数メートルの距離を置いた位置に着いた。
「ちょっと試すと言ったろう? M16はそこで待機しててくれ」
「分かった」
「それで、M4……ダミー人形を動かすのと同じ要領でM16に向けて感覚を送って見てくれ」
「分かりました……」
小さく深呼吸を一つ。目蓋を閉じて数俊。何かに繋がる感覚を覚えたのと同時、背後でおわっ!? と驚きに声を上げるM16姉さんの声が聞こえた。
「M16姉さん?」
「あ、あぁ……いや、なんか不思議なもんだな。自分が二人いるみたいな、いやこれはM4の感覚でいいのか?」
「繋がったみたいだね。一先ずは大丈夫かな。一応言っておくが、繋がる感覚は視覚、聴覚、嗅覚を除いた一部のものだ。それこそ君たちが望む胸の温かみと言った主要な部分だけ……ってことで、ステップツーに行こうか」
「え?」
「さて、M4やい……、この写真を見てどう思う?」
「えっと、なにを……ッ――!!?」
なん……だと……!?
これは、え、なに、これは……指揮官の、寝顔……?
え? なぜペルシカさんが、それをお持ちで、いやそれよりも指揮官の寝顔。
「かわいい……」
「確かに、普段は結構気楽でいて隙がないからねぇ。あまりこういった姿はお目にかかれないかもしれないが、存外それは君たちの前だけだ。この写真の提供者は君たちもよく知るカリーナが撮ったものでね。机仕事に疲れて眠ってたところをパシャリだ」
「へぇ……」
ペルシカさんの言葉を半ばにスルーして、食い入るようにその写真を見ていた。
机に突っ伏して腕を枕に寝ているその姿に、思わず心に温かみを感じてしまう。もしもその場にいたのであれば、間違いなく頬を突っつこうなどと考えていたことだろう。いや間違いなくしてる。そう確信をせざるを得ない。
それにしても、なるほど……指揮官もこういう顔をするのかと、頭の片隅に厳重に記録しておきましょう。これはもう国宝では?
いやでも本当に可愛いですねこれ。その場にいたというカリーナさんが恨めし……羨ましいです。
いやはや、人の顔のパーツとは恐るべしと言うべきでしょうか。普段は普段で凛々しい顔つきをしている顔のパーツも寝る時には可愛らしさを醸し出すとは、このギャップにやられない人はいるのですか。いたらそれはもう人間では……、そもそも私人形ですね。
ふぅ――。
「落ち着いたかい?」
「え?」
なにやらニヤニヤとこちらを見ているペルシカさんの姿がそこにはあった。
「M16、顔が赤いけど大丈夫?」
「あ、あぁ……大丈夫だ。そもそも、これは私のじゃない」
「本当に~?」
後ろでは、M16姉さんを気遣うAR-15とSOPⅡの姿があった。
「えっと……」
「ふふ、まぁ概ね薬は問題ないことが証明されたわけだし、そろそろ感覚を切ってあげることだねM4」
「あッ……」
そこではっと、今まさにM16姉さんとのパスが繋がっていることを思い出した。
「ペルシカ、いったいなにを見せたんだ」
「ん~、まぁ企業秘密ってことでいいかい?」
「……M4、なにを見たんだ」
「あぁ、えっと……秘密です」
これは、そう私のだけの秘密です。えぇ。
「そうか……まぁいい。それで、これをいつ飲ませるんだ?」
「それは……」
「あぁ、それなんだけど、近々ヘリアンと合うからその時にでも頼んでみよう。ちょっと指揮官君に飲んでくれって
「それは助かるが……大丈夫なのか?」
「大丈夫だよ。日程が決まったらM4に知らせておくから」
「ホント、ありがとうございます」
いい気晴らしになったからね――。と彼女は言う。何から何まで本当に……。
それはそうと、さて……問題はここからだ。
示し合わせたように私たち全員がお互いを見合っていた。
さぁ、誰が
「少し、席を借りても大丈夫か?」
「あぁ、構わないよ。ごゆっくり……」
M16姉さんがペルシカさんにそう言うと、私たちは来客用にと設けられたテーブル周りへと向かい合うように腰を下ろした。
お互いを見つめ合う八つの目。あるはずもない火花がチリチリとほとばしっている様にさえ感じる刹那の時間。
頭の中で思い思いの考えを持ち前の頭を駆使して繰り広げているであろう。けっしてそれを無駄遣いなどとは言わせない。そこにあるのは、想い人を思う
これから行われるのは、皆がこの一週間に為に溜め込んだ想い人への愚痴というなの惚気である。
決して、これを仲間内以外に知られてはいけない。
もしも聞かれでもしたら、AR小隊総出で口止め(オブラートな表現)をしなくてはいけないレベル。ペルシカさんは除く。
「今日で何度目だったか……」
「確か、五回目じゃなかったかしら」
「今週も指揮官はいい匂いだったなぁ……」
「SOPMODは……いいですよね……」
「ん? M4もすればいいじゃん」
それが出来たら、こんな苦労は……。恥ずかしくてそもそも一メートル圏内に入ろうものなら思考に霞すら覚えるほどだというのを知らないわけではないだろう。それで何度M16姉さんにからかわれた事か。思い出しても恥ずかしい話だ。
こてんと、首を傾げならはてなを浮かべるSOPMODに、思い出したかのようにM16姉さんがクックックと笑いを抑え気味にM4と声をかけてくる。
「お前はお前で、なんやかんやと指揮官に可愛がられてるじゃねぇか」
「皆だってそう対して変わらないと思うのですが……?」
「それは思い違いよM4……確かに貴方は指揮官に可愛がられてる。……それは、もう……羨ましいくらいに」
くっ、と思い出したように拳を握り締めるその有様には、これでもかと悔しさが滲み出てるように見える。見えない涙を拭うようにぐしぐしと拭っている。
はて? と頭の上にはてなを思い浮かべてみる。
M16姉さんが言うような可愛がりがあったのか保存領域に思考を巡らせてみるも、それらしい思い出が該当しない。
頭を撫でられたり、食事に誘われたり、とはあったが……はてはて?
「これはもしや、マジもんか……?」
「気づいていない……?」
「頭撫でられたりしてたのに……」
二人は驚愕に目を見開き、一人はじとっと唇を尖らせながら羨ましげにこちらを見ていた。
「え? え? いや、SOPMODも頭を撫でられてたりするじゃないですか」
「
ぷっくりと頬を膨らませて、てちてちとこちらへ拳を振り下ろしてくる。
あぁ……と、どこか他人事のように考えていた。
いやでも、確かに……指揮官が誰かの頭を撫でていることを目撃することはあったが、記憶が確かだと頼まれてから撫でていたような……。
ぽふんッ――。とどこかで煙が上がった気がした。
「やはり、気づいていなかったか……」
「くぅっ……私も撫でられたい。……今だけでも自分の性格が恨めしいわ」
「私たちはなぁ、難しいよなぁ……」
「頼めばいいのに……」
「「それが出来たら苦労しない(わ)!!」」
SOPMODの何気ない言葉に、二人してくわっと吠えた。
いわゆるそれはプライド柄というものだろう。
少し離れたところで、微笑ましい笑顔を携える存在など忘れて……それは数時間へと渡って熱い惚気が繰り広げられていったのであった。
+ +
それから数週間。一ヶ月も満たないわずか数週間後のことだ。
場所はところ変わって、そこは宿舎だった。
眩いばかりに部屋を照らす光の下に四人。それはいつかの日の再現と言わんばかりに集ったAR小隊だった。
ただまぁ、少しばかりナニカが違うと違和感を感じるその四人の佇まいは、端的に言えば色付いていると表現するのが適切だろう。
全員が全員、身にまとう衣服に乱れが生じているのは、ナニかがあったのだと知らしめるものだった。
そこに第三者が現れたとしても気づかないほどに呆然と、だがどこか恍惚とした表情をした四人の姿に、気まずさからその場を立ち去っても可笑しくない。
ふぅ――。と息を吐いたのは四人同時だった。
「さて……、色々と言いたいことがあるにはある……」
そんななか、声を発したのはM16だった。
いつもの羽織りに腕も通さず、肩にかけるだけのその姿。Yシャツもまた、第一第二までのボタンが外されており、艶かしくもその素肌が表に顔を出している。ネクタイすら、首を回るだけ回ったままに纏めぬままに家を出た格好と言えばそれまでだが、首筋を這う雫が、意味合いをガラリと変えていく。
「きっと、皆も私が言わんとしていることは理解しているはずだ。だが、それでも言わせてくれ」
数俊の間が辺りを包み込む。両手で顔を隠し息を吐き出す者。枕へと顔を埋める者。目蓋を落とし唾を飲み下す者。そして、未だにどこかポカポカと頭の中を包む幸せな感覚に酔いしれている私。
時刻はすでに夜中。幸せに微睡み過ぎ行く先に、四人は一同に会していた。
「なんだあの指揮官のエロさ……」
端的に言ってしまえば、それは皆が皆初めてを迎え入れてから初の集会でのことであった。
なにを言っているのとM16姉さんにツッコミを入れるものはいない。そこにいる皆が、
M16の発したその言葉に、最初に共感の意を上げたのは枕に顔を埋める肌色に近い髪色をしたM4 SOPMODⅡと呼ばれる
「……分かる」
たった三つの文字に込められた意味を理解するまでもなく。ぽふんぽふんと両の手と両の足がベッドへと叩きつけられていた。
時折、うぅ~ッ――。とどうにもならない感情を処理できずに声が漏れ出ているあたり、記憶領域に深く刻まれた思い出の破壊力が伺い知れる。
「はぁ……、迂闊に思い出すと不味いわね。衝動に駆られて手が出そうよ……」
我慢できるかしら――。とボソリと呟くように言ったのはAR-15だ。
コツンと宿舎に備え付けられたテーブルへと頭を寝かせ、ぐてーと両の手が机の下に下げられていた。
そして、私はと言えばベッドの淵に腰を下ろし、自分の首筋に残る
指揮官との行為ののちに力なくしがみつく様に意識を手放したのは覚えている。だが、気付けば何故か自分たちの宿舎でベッドに寝かされているところで目が覚めたのだ。きっと運び込んだのはM16姉さんだと思う。ただ、それ以上に驚きなのは、SOPMODとM16姉さんの服装に乱れが生じていることだった。
まぁ、服装を見るからにM16姉さんたちも指揮官を頂いたのであろうことは想像に難くない。
そのことについて咎めるつもりも何もない……訳でもない。募る話もいっぱいあると言えばあるのだ。
それでも、それ以上にこの体を占める多幸感が、今は上回っていた。
記憶に残る指揮官の表情、耳に残る指揮官の喘ぎ、手に残る指揮官の温かみ、体に残る指揮官の
最後の最後で、私に抱きつき首筋を吸い上げた指揮官の愛おしさといったら――。
「しき、かん……」
「あぁ、ダメだ。次指揮官のことを見て襲わない自信がないぞ。私は……」
「同じく、私も……それには同意せざるを得ないわ」
「襲う自信しかないよ……」
「はぁ……」
しばらくして、四人分のため息がまた零れ落ちた。
「明日からどんな顔して指揮官に話しかければいい……」
「どんな顔をしてって、M16姉さんは一回目以降も普通に接せれていたじゃないですか」
「ヤルことヤった後に、AR-15に聞いたんだよ。指揮官が告げたことを」
「さらりとヤルことヤったと言いましたね姉さん。話を聞く前に、指揮官の姿を見て取り敢えず食っちゃおうなんて思ったんですね姉さん」
「あの雰囲気で取り敢えず襲ってしまえ以外の選択肢が湧かなかったんだよ!!」
がァー!! とM16姉さんが吠えた。
「しかもなんだ? 今までこちとら指揮官に嫌われる可能性も考えて、それはもう慎重に行動を選択して顔色を伺ってたってのに、『お前たちの行動を許容する』だって?」
「ま、まぁ……そうね。一言で言うならそういうことを言ってたわ」
M16姉さんの勢いに気圧されるように、引き気味にAR-15は答えた。
慎重に……という点については、まぁ目を瞑る。
「ノーガードかっ!? 嫌われる可能性という壁があったからこそ、私たちゃ自制出来てたってのに、ノーガードか!!?」
なかば事後というのもあってか、どこか冷静な頭になったからこそ理解できる。
指揮官の言葉を思い出すのであれば、与えられる愛にどう答えたらいいか分からず不安なだけで、私たちの行動は拒むつもりはないよでしたか。
「いいさ……。ノーガードってんなら話が早い。心置きなく攻めに攻めて攻め倒してやる」
「独り占めはしないでよ?」
「私も襲うもんねぇ~」
「とは、言ったが……まぁ、ちょっと暫くは様子見かね……」
「なんでちょっとそこでヘタレたのよ……」
「いや、その流石にちょっと、嫌われる可能性がほとほとないと言われるとそれはそれでむず痒いというかだな……」
「あんなイケイケに指揮官を食べてたのに……?」
「そんときはそんときだろ?」
わいわいがやがやと、宿舎の一角を賑わす声が部屋を埋め尽くすなか、どこまでも静かな頭のなかでそれを遠目に見ていた。
この胸の中に眠るチクリと痛む思いはなんなのだろう……? 分からない。
皆で、平等に。それが指揮官を同時に思ってしまった私たちが互いに敷いた柵だ。
でも、どうして……それを私は邪魔だなんて思ってしまったのだろう? 分からない……――本当に?
私は、指揮官のことが好き? うん、私は指揮官のことが好き。
私が指揮官のことを好きなのは間違いない。それは間違いなく揺るぎようのない事実だ。
この胸の中に広がる指揮官との思い出に、毎日が楽しく思えて仕方ない。そう、そのはずだ。
昨日まで、そう思っていたはずだ。でも、なんで今日に至って私は、皆がいなければいいのになんて――。
「M4、明日からどうす――、どうしたM4?」
「え?」
「体震えてるぞ?」
言われて初めて、自分の体が震えてることに気づいた。
それをどこか心配そうに伺うM16姉さんに、なんでもないと答えを返す。
「ヤった時のことでも思い出したのか?」
「そ、そんなんじゃないです」
「顔が赤いわよ?」
「それは、その――」
「あんなに力いっぱいしがみついてたもんねぇ~」
「あ、うぅ――」
その後、なんて言葉を返して言ったのかは覚えていない。
いつものように姉さんたちにいじられて、顔を赤くして、みんなで笑い合う。そんな当たり前の日常が、そこにあるだけだった。
きっとこの心の片隅に刺さって抜けない違和感の正体だって、一日経ってしまえば消え去ってしまうものだ。そう信じて、私は……それから目を背けるように……一日を終えたのであった。
まぁ、心配して指揮官の下に来てみたら濡れ場に遭遇して、光悦の表情で指揮官食ってる妹の姿を見て、そのままなわけがない。
Q:UMP45は感覚共有ナノマシンのデメリットを知ってるの?
A:知らない。知ってるのはそれがAR小隊との感覚の共有ができることだけ
AR小隊も、なんやかんや指揮官の見ていない裏でははっちゃけてたりするのを書きたかった( ˘ω˘ )
次回から、404小隊を中心に描いていこうと思います。