夢から目が覚める感覚を味わった。ゆっくりと浮上していくような、ふわふわとした感覚がこれから現実にて目が覚めるのだろうと、静かな風が頬を撫でた。
体に掛かる浮遊感が、徐々に増していく。気持ちのよい微睡みに浸かっていたい気持ちなど汲み取ってくれないその浮遊感に、抗えることなどなく、ただただ体が浮遊していく。
「おはよう指揮官」
最初に現実を知らせたのは、優しげな誰かの声だった。
頬を撫でる誰かの指の感覚に寄り添うように、朧げな意識のままに俺は答えた。
「……おはよう」
「うん、おはよう」
返ってくる優しい声音。まだ俺は夢の中にいるのではないかと思える程に、頬を撫でる指は暖かい。
さりとて、徐々に体の奥底から覚醒を促してくる体内時計に心の中で悪態を付きながら、ゆっくりと目蓋を開けていった。
「やっと、目が覚めた?」
「ん、……ん?」
視界が開いた先にいたのは、左目に縦傷を持つUMP45だった。
なぜここにいる? と、疑問が頭に浮かんで、次いでいまさらかと投げ捨てる。
見慣れてしまった天井に、右を向けば空いた酒瓶が数個転がっている。
あぁ、夜が明けたのかと、未だどこか他人事に徹する我が意識を連れ戻し、今度こそはっきりと目蓋を開けた。
「いっ――」
途端、頭にピシリと亀裂が走ったかのような痛みが響いた。
原因は考えるまでもない。それこそ証拠がすぐ横に転がっているのだから。
「あっ、ほら水を飲んで」
「あぁ……すまない」
どこまでも優しげな声だった。いつ用意したのか、水の満たされたコップを手に取り、起き上りざまにコップに口をつけた。
口に優しく溶け込むように、冷たくも、ぬるくもない水が喉を通っていく。
「はぁ……」
「大丈夫?」
「大丈夫だ。しばらくすれば時期に収まるはずだ」
痛みが引くには時間がかかりそうではあるが、まぁ大人しく安静にしていればそう時間も立たないうちに治るだろう。
「昨夜は随分お楽しみだったみたいね」
「ん? あぁ……あ?」
ふと、そういえばと思い起こされたのは昨夜の記憶だった。
アルコールの力を借りれば、あれよあれよと思いの丈を喋れるだろうと浅知恵を働かせた昨日。
「すぅー……」
あれれ? と思い返してみれば、あのあとM4とAR-15に話をしたのを覚えているかい俺よ? うんうん、実に鮮明に、と言えないのが悔しいが話はできていたはずだ。
ではでは、その後M4達に取って食われたことは覚えてるかい俺? あぁ、なるほど、少しばかり体に張り付くような不快感とも取れるこの汗の感覚はそれが原因か。でも、途中から記憶が曖昧なんだよなぁ……。二人に挟まれ逃げ場を抑えられ、挙句に二人に襲われて……。最終的に記憶に残ってるのは、俺に跨ったM4の此の世の嬉色を集めたかの様な恍惚とした表情に潜む、ヒヤリとした冷たくも
自分の姿を見下ろせば、余りにもだらし無い姿がそこにある。というか、とてもではないが部下に見せていいような見た目ではないのは確かだった。幸いにも、というべきかはこの際置いておくとして、ズボンのチャックが閉められていることが唯一の救いというべきだろうか。俺の部屋にいない
「UMP45……?」
「なぁに?」
すことは出来なかった。今しがた俺に水をくれた少女を、目の前の少女を忘れて胸をなで下ろす事ができようか。いやできない。
先ほどと変わらない優しげな表情。裏を感じさせないほどに綺麗な顔がこちらを見ていた。
不思議なことに、その表情を読み取るに彼女は怒りを滲ませることはおろか、俺に対して何かを言おうという気配は感じない。
「別に怒ってはいないよ?」
まるで心の内を見透かしたかのような言葉に、ドキリと心臓が跳ね動く。
「ただ、嫉妬はしたかな……」
そう言って、彼女は俺の頬に手を当ててくる。微睡みに感じたあの暖かみが、じんわりと頬を伝っていく。
気付けば、眼前に彼女の顔が近づいていた。
チュッ――。と唇に触れるだけの軽いキス。
されたことに気づいたのは、彼女が顔を離して笑顔を浮かべた時だった。
あまりにも自然に、あまりにも当たり前のように行われたその行為に、驚くまもなく彼女は笑ってみせるのであった。
「え、あ……」
「ふふ、どうしたの指揮官?」
いつもどおり、そこにUMP45が変わらずにいた。
そして、今更になって顔に熱を感じて目を逸らすように俯き、額に手を当てた。
「はぁ……、あのなぁ……」
「舌を入れたほうがよかった?」
「勘弁してくれ……」
飄々と、自分のペースを崩すことなく、気付けば懐にいるような。それこそ猫のようなそのあり方は昔からで、どこか安心すら覚える。
だが、それとこれとは話は別なわけで――。
「俺たちは恋人でもなんでも――」
「うん、知ってる」
まるで、心の内がバレてるような気さえした。
こちらがその真意を掴みにかかろうものならのらりくらりと躱すのに、気付けば彼女だけがこちらの心を見透かしたように言い当てるのだから、堪ったもんじゃない。
すっと、伸ばされる彼女の手。また頬に来るかと思えば、今度は首に手を添えていた。どこか悲しそうに――。
「ねぇ、首痛くない?」
「特に痛みはないが……なんかあるのか?」
「この前、416が首を絞めたでしょ」
なぜ知っている? とは言わなかった。HK416がわざわざ上官の首を絞めてきたなどというわけもない。
聞くだけ無駄な気がした。聞いたところで、またのらりくらりと躱されるのであれば、聞くだけ野暮というやつなのだろう。それこそ、昔から変わらないのだから。
「大丈夫だ。痛くないさ」
「そっか……」
寂しげに彼女は微笑んだ。
「昔から変わらないね」
「お互い様だろうに……」
「自分の痛みには無関心なところ……直さないとダメだよ?」
何も答えられず、ただ目を逸らした。
漂うお酒の匂いに紛れて、心が浮つくような、昨夜の行為を裏付けるような汗とも言えない匂い。
そんな空間にいるからだろうか、寝起きだというのに雑念がちらほら浮かび出す。振り払うように一度大きく深呼吸をして、頬を叩いて起き上がろうとして、不意にUMP45が口を開いた。
「今日から頑張ってね~」
「ん?」
「でも、何かあったらすぐに呼んでね?」
――全てを置いて駆けつけるから。
不穏な空気を纏うその言葉を残して、去っていくUMP45。
その残していった言葉の意味を理解したのは、シャワーを浴びて、着替えテキパキ、部屋の施錠オッケー、痛む頭にお薬を……なんてしてた数時間後のことだった。
+ +
UMP45と別れて執務室へといつものように、席に腰を下ろしていざ業務へ手をかけて数十分後。
寝起きとは違ってクリアな思考になった今だからわかる。
事後現場を見られた挙句、気にした様子も見せないUMP45のせいで実感がわかなかったが、間違いなくあそこは事後現場だったはずだ。もしかしなくても、明らかに見られちゃいけないものである。肺を満たす冷たい空気にぶるりと身を震わせ、天井を仰ぎ見た。
今日の俺の補佐は誰だったかと現実逃避気味に思い浮かべていたとき、元気な声と共にソイツは現れた。
バタンッと、扉の耐久値はいまどれほどかと心配を浮かべるまもなく、すさささっと室内を走ってきては俺の背中に迷わずダイブ。
ごフッ――。と肺から空気が漏れ出し、相も変わらずな愛情表現でもってすりすりと首筋に頬を寄せている。
「指揮官! おはよう~」
「朝から随分と元気なようだなSOPMOD……」
「私はいつだって元気ですよ~」
なおも離れずスリスリと背中に引っ付くはAR小隊きってのムードメーカーM4 SOPMODⅡだった。
なるほど、今日はこいつだったかと仕事の進捗の行く先を心配しながら、右肩に顎を乗せて上機嫌に『指揮官♪』と何度も俺を慕う声の持ち主の頭に徐ろに手を置いた。
「え?」
「ん?」
それは何に対しての疑問だったのか、今までも何度か頭を撫でたことなどいくらでもあっただろうに。
むしろ、撫でて撫でてと五月蝿い時もあったほどだ。こちらから率先して撫でることくらいで驚くとは思えないが、事実驚いている。それがなんともまた可愛らしくて撫でている手に調子が付いてくるというものだった。
触り心地のいい髪だった。これが全て人工的なものなのだから驚きだ。いくらでも触っていたくなるほどにサラサラで、指に実に馴染む。
「どうした? 頭ならいつも撫でているだろう?」
「あ、う、うん……」
「遊ぶにしても執務が終わってからな?」
「……うん」
どこかしおらしく、返事もおぼろげで、こてんと頭を預けてくる。
首筋を伝うSOPMODの髪。いつもいつもゴーゴーと止まることを知らない彼女が、やけに大人しい。
これくらい静かであれば、体に引っ付くことを度外視にすればまぁ仕事は進むには進む……進むか? 進まないな。
髪を梳くようになで上げる手から、すっと頭が離れていった。
「SOPMOD?」
「…………」
返事は返ってこず、代わりに返ってきたのは首筋を擽る生暖かい吐息だった。
スンスン、と首筋に鼻筋を当てて息をしていた。一応シャワーを浴びたから変な匂いは残っていないと思いたいが、流石に擽ったいし恥ずかしいし、尚且つ昨日の今日だで勘弁願いたい。
やがて、首筋に当たる吐息が不規則になり始めた。「はぁ……はぁ……」と、何かに酔いしれるように俺を抱く二つの腕が力を増したと思えば、ゴクっと唾を飲み下す音が聞こえ始めた。流石にここに来てとは思ったが、そのまさからしい。
ピトリと熱く滾った舌先が、首筋を舐め上げた。
「お、おい!? やめっ――」
「しきかん……しきかん……」
この期に及んで言葉でどうこうしようというつもりもない。かといって両腕の上から回されている彼女の腕の力強さと言ったら流石は戦術人形、がっしりと掴んで離さないですね。いや、流石に二夜連続とかいうふざけた快挙だけは成し遂げたくはない。未だに僅かに痛む頭で思考を張り巡らせ、彼女の両腕から開放されようと足掻く。
「はぁ……」
首筋を吸い上げる彼女の唇の感触に、身が震える。
ガタガタと机を揺らし、椅子を揺らし、これでもかともがくも彼女は身を引くということをどこかに置いてきたらしく、その行動を止めるに至らなかった。
徐々に熱がこもり出す彼女の吐息。首筋をこれでもかと舐め上げ、そして吸い上げられる。
もうダメなのかと、尚も抵抗を示す俺に神様は笑みを浮かべてくれたらしい。
その笑みに、狂気を潜めて――。
「指揮官!おっはよ~……お?」
救いの手が差し出された。そう感じた。
開け放たれたままの扉から覗くのは、UMP45が帰還を知らせた後も会うことがなく、結局のところお帰りと言葉をかけることもなかった明るめの茶髪に右目に縦傷を残した少女がそこにはいた。
404小隊きってのムードメーカーを担う少女が、この現場を目撃して何を思うのか……。
あまりいい印象は持たないことは間違いない。それでも、この状態をどうにか出来るのは彼女しかいなかった。
「UMP9……」
そんな声が、耳元を震わす。体を拘束する腕も解かれ、わずか数分。もしくは数十分ぶりに自由を謳歌する我がマイアームを心配する暇もなく、次第に部屋を覆う冷たい空気に、今度は身を震わした。
「えっと……その、見苦しいところを見せたな。あぁ……その、こんな時に言うことでないとは思うが、お、お帰りUMP9……」
「うん、ただいま~! 躾が難しい
「誰のことを言ってるのかな……UMP9……」
「お、おい……」
普段からは余りにも想像がつかないほどの殺気が、ピリピリと背中を焦がしていた。
指揮官として、通信機越しに彼女たちと会話をすることもあれば戦場での空気をわずかでも味わうことがある。それでも、その全てを知るわけではない。鉄血に対して並々ならぬ敵意を見せることも知っている。
そんな敵に対して向けられるはずの殺意が、どうして背中から感じるのか……それを見据える笑顔が前方にもひとつ。
「発情期を迎えた犬を持つと大変だねぇ指揮官。言ってくれたら
「あぁ……?」
床が軋む音がした。反射的に立ち上がりざまに右腕を横に伸ばしたのは、勘以外のなにものでもない。
数俊の遅れもなく右腕に伸し掛る重みに、右腕が僅かに悲鳴を上げた。
「SOPMOD……、落ち着いてくれ」
「ッ、指揮官……」
垣間見えた表情は、困惑や怒りで埋まっていた。
確かに、UMP9の言葉にはトゲがあった。それに怒りを覚えるのは分かる。だが、ここまでの怒りを覚え、あわや喧嘩が始まりかねないほどに怒りが溢れるものなのか……? そもそも、404小隊とAR小隊がここまで関係の悪いものだったか、HK416という少女が何かとAR小隊を忌み嫌っているというのは、彼女の銃の来歴やらを読み解けば、まぁなんとなくなるほどと納得できるものがあった。それでも、同じチームとして組むのであれば最低限であろうと秩序は守ってくれている。そういう奴だと理解している。だが、今目の前で起こっているこれはなんなんだ? 俺の見ない間に、何があった?
いや、そもそも404小隊とAR小隊の不仲と言うよりかは、個々人の問題というべきか、だとしてもSOPMODとUMP9が仲が悪いなどということは過去を思い返してみても、そんなことはなかったはずだ。
今、このSOPMODを抑えている右腕を解けば、すぐにでも彼女は向かうだろう。俺はその先を、見たくなかった。
この現状を、どちらが正しいか正しくないかを言えば、こちら側に非があるのは確かだ。
彼女をSOPMODをろくに止めれもしなかった自分がいたのだ。挨拶をしにきたUMP9には、頭を下げる他ない。
「すまないUMP9。俺が、ちゃんと注意をしていれば」
「し、指揮官は悪くないよ!? 私が――」
隣で慌てたように、顔を青褪めるSOPMODが口早に口を開いている途中で、前方にいる彼女が言葉を漏らす。
「指揮官に、謝らしちゃったね?」
「ッ――!!?」
尚も笑顔で淡々と事実を告げる彼女の声音は、扉を潜った時からずっと変わらなかった。
目に見えて、隣にいるSOPMODの気が小さくなっていくように感じた。次第に、右腕に掛かる重みが消えていくと、俺にだけ聞こえるほどの小ささで「ごめんなさい」と震える声音で告げる彼女がいた。
「少し、一人になるね……」
それだけ告げて、SOPMODは俯きがちに出入り口へと向かっていく。余りにも気落ちしているその姿に声をかけることも叶わず、UMP9の横を過ぎ行くその背中が、扉奥で止まった。こちらには聞こえない声が、UMP9の口をなぞる。
それに反応してか、一度こちらを振り返ったSOPMODの表情にまた怒りが灯る。まずい、と何か声を掛けようとして、SOPMODと目があった。
困惑、そして悲しさへと表情を忙しなく変えていき、今度こそ彼女は扉前から姿を消していった。
短い静寂が、執務室に広がる。秒針を刻む音もなく、ただただ静かに短い時が流れる。
「あぁ……こほん。改めまして、ただいま指揮官!」
そんな空気を払うように、わざとらしく彼女がニッコリと笑顔を作る。
「お帰り……UMP9」
「そんな余所余所しいなぁ。昔みたいにナインでいいってば……」
「そうか……」
行くあてもなくなった腕を戻し、席に腰を下ろした。SOPMODについては、後ほど顔色を伺いに行くべきだろう。少なくとも、あんな表情をされたんじゃ放っておくことを俺の性格が許してはくれそうにない。
ガチャと、扉を閉めてからUMP9がこちらへと机前まで歩んでくる。
「ふぅ……、それにしてもUMP9――」
「ナイン」
「あぁ……、ナイン。その、UMP45が帰ってきてから挨拶に行こうと思って探したが、どこにもいなくてな。挨拶が遅れた。すまない」
「ううん、色々と上に報告することとかあったから、帰ってきてからもてんやわんやでさぁ」
「そうだったのか。G11にも挨拶をしとこうと思ったのだが……今宿舎にでも向かえば会えるだろうか……」
「う~ん、多分今日の夜にでもG11から会いに来ると思うけど?」
「そうなのか?」
「うん、45姉に暫くは待機するようにって、指揮官に会うの止められてたから」
「止められてた? また、どうして?」
「色々と気持ちの整理が必要だっただけだよ」
気持ちの整理? と二度目の質問を返そうとする前に、彼女は机をぐるりと周り隣まで来るとそこで立ち止まり、肩に手を置いてきた。
「ナイン……?」
「ねぇ、抱きついても、いいかな?」
「いや、それは――」
「あの子には許してたのに?」
「それは……」
なかばすでにジョーカーを握られている現状でそれを言われてしまえば、返す言葉もない。
先ほどの冷めた熱が尾を引いているのか、未だに動揺を隠せないままにうまい言い訳も出ず、小さく了承の意を示すのであった。
椅子を引いてナインへと向き直ると、少しの間の後に胸元に飛び込む明るめの茶髪が確かな重みとなって温かみを胸に抱かせた。
ふんわりと漂う、どこか甘い匂い。いわゆる女の子特有の匂いとも言うべきものが鼻腔を掠める。
妙に浮ついてしまうのは昨夜の出来事が脳裏をよぎってしまうからなのか、むず痒いほどの居心地の悪さに逃げることも出来ず、胸元に顔を埋めるナインを見守るしかなかった。
「私は帰ってきたんだね」
「何を言ってる。お帰りと言っただろう?」
「私の帰る場所は、司令部でもなんでもない。指揮官の
そう言って、グリグリと胸元に顔を埋めんばかりに額をこすりつけてくる。脇下を通り肩に回る腕。視界の端にゆっさゆさと揺れるツインテールの髪先。いつか見た光景を思わせる。UMP45に抱きつかれたあの時もまた心臓に悪い思い出として、未だに記憶に真新しい。僅かひと月も経っていないのだから、それも当然か……。
「頭、撫でてくれないかな」
「分かった……」
言われるがままに、胸元に顔を埋める表情も知れぬナインの頭を、ゆっくりと撫で上げる。
さらさらと、やはり触り心地のいいソレは自然となで上げる手の調子を弾ませるのに十分だった。
やがて、満足したように顔を上げるナインと目が合う。潤いを見せる瞳が、揺れる。僅かに上気したように見えるその顔色は、何かを期待しているようで、ゆっくりと口を開いていくのが見えた。
「ねぇ、指揮官……しよ?」
「なに、を……」
「言わせるんだ?」
ふふ、と妖艶に笑うナイン。肩に回された腕はそのままにぐいっと顔が頬を過ぎ、耳元に彼女の髪がいたずらに触れる。
「ずっと、我慢してきた。だから、ね?」
つくづく俺はガードが甘いと言わざるを得ない。先ほどの失態はなんだったのか、反省するまもなく訪れる次の誘惑に、今度こそ誰かの助けなど来ないのだと、確信させる一言を告げて、彼女は囁くように言ってのける。
「しばらく二人っきりだから、……H、しよ?」
跳ね動くは心臓か、体か……。
今度こそ逃げ場を失った我が身に、俺はどうすることもできないまま、唾を、飲み下した。
SOPちゃん待てはが出来なかった模様。
こう、徐々にドロリと濁っていく感じって堪らないよね( ˘ω˘ )
指揮官は学ぶ暇さえ与えられない。そういう宿命の星に生まれたんやなって
指揮官の今日の失態
寝起きに事後現場をUMP45に見られる
いつもやってるとSOPMODの頭を自ら撫でる
昨夜の情事はAR-15とM4だけと記憶している
UMP9に見られる
失態……失態?
次回、ナインちゃん
UMP9って、こう常に笑顔を絶やさないイメージがあるのは私だけか( ˘ω˘ )