色々とありましたが私は元気です。
今回はG11ちゃんのお話です。
どうぞ、よしなに。
扉が目の前にあった。
指揮官の部屋の扉が、目の前にあった。
扉横には、施錠されていますよとランプが赤く小さく点滅しているけども、あたしら404小隊のメンツからしてみれば、あまりにも微弱なセキュリティの先に指揮官が身を置いているその事実は、幸か不幸か……今は、この薄皮一枚の扉に感謝を述べておくことにしよう。
コツンと扉に額を置いて、ゆっくりと息を吐き出していった。
会えると思うだけで体が熱を発するのだから困りものだ。
「指揮官……」
漏れ出たのは愛しの人を乞うような、否、事実愛しの人を想うがゆえの切なげな声音が自分の口から出るなんてと自傷気味な笑みが溢れる。
今日はあたしの番だと、特に決められていたわけでもない順番を律儀に守ったあたしを褒めて欲しい。本当なら、すぐにでも指揮官の下にかけつけたかったし、すぐにでも指揮官の体温に触れたかった。
なんで守っていたか、と問われるならばあたしらは総じてこう答えを返すだろう。
――他が邪魔だから。独り占めしたいから。
皆が皆そう思っていることだろう。これは間違いなく、断定できる。あたしですらそう思っているのだから、それでもこうして404小隊が維持できているのはUMP45のおかげにほかならない。指揮官の望む平穏を守るため、ただそれだけを旨に彼女の頑張りがあるからこそ今日がある。でもまぁ、それももう……終わるかも知れないけどね。
時刻は既に深夜を回る頃、誰もが寝静まる時間帯、指揮官とてこの時間帯なら寝てるだろうと扉のロックを解除して、扉をくぐった。
部屋に入った途端に歓喜に打ち震える体に待てと命令を下す。まだ、イくにしても早い。そういくらなんでも早くないかと、深呼吸をしようと息を吐き出して、そして吸った。鼻を通る安心感のなかに、僅かに交じるノイズに眉間にシワが寄るのを感じた。
確かここで彼女らAR小隊に襲われたのだっけと思い出して、口からついてでる舌打ちが部屋に落ちる。
いつもは部屋を清潔に保っている指揮官にしては珍しく、テーブルの上に空いた酒瓶がいくつか転がっているのが見えた。
その指揮官はと言えば、多分部屋奥の寝室で寝ているのだろう。
いい夢を見ているのか、悪い夢を見ているのか、あたしたち人形にはない夢を泳ぐ感覚というものを羨ましく思ったことがないといえば、きっと嘘になる。
夢の中にまで現れる想い人など、想像するだにいい夢に違いない。加えて、夢の中ならば自由に動けるのだとかなんだとか……、それはもう間違いなくいい夢になるだろう。
では逆に、想い人が離れていく夢はどうか――。
「ッ――!!」
体を襲うドロリとした酷く気持ちの悪い感覚が、体を大きく震わした。
嫌だ。そんなこと……そんなことはあってはならない。
そんなこと、あたしには到底耐えられそうにない。あってはいけないのだ。
気づけば足早に指揮官の元へと向かっていた。早く、早くとその姿を視界に、この目で、このあたしの目で見なくては気がすまない。
そんな焦りに震える内心に反して、あたしの体は至って静かではあった。
指揮官の部屋に足音を響かさず、扉を開ける音など最小限に抑え、ベッドの上に膨らむ布団を見た時でさえ息を殺して。
そして、やっとのことで見た指揮官の寝顔に、あたしの体は我慢という工程をすっ飛ばして、今度こそ――イった。
▼ ▲ ▼
暖かい。
彼の胸の中はとても、暖かかった。
任務で向かう先々で味わうような冷たさもなく、寝袋の中に寂しさを抱えて寝るあの冷たさもなく、ただ、ただただそこには暖かさがあった。
――やっぱり、指揮官は暖かいなぁ……。
この温もりに触れるとさ。戻ってこれたって、すごい思うんだよね。
こうして、頭上から聞こえる安らかな寝息がさ、髪を擽るように撫でていくこの感覚。
あたしは、どんな高級なふかふかなベッドよりも、ふわふわな布団よりもさ。
指揮官が好き。指揮官のこの場所が好き。って、寝てる指揮官に言っても意味はないか……。
「好きだよ、指揮官……」
こちらを見下ろす瞼が降りたその瞳にキスをした。柔らかなキスを、何度も両目に残すように……何度も。
時折、擽ったそうに身を捩る指揮官にドギマギしながら、私は最後に鼻の頂点へとキスをした。
「へへ、可愛いなぁ……」
見上げた先に見える愛しき人の寝顔は、今も、昔も、全くもって変わらないままだった。
頬に手を当てれば、手のひらに伝わる熱に体が喜びを上げる。
ただでさえ、視界に収めるだけでも想像を絶する喜びを感じているというのに、未だ喜びを感じる上限は超えそうにない。
いや、もしかしたらもうとっくに、その上限なんて壊れているのかもしれないけれども――。
「はぁ……、うぁ……」
彼の胸板へと鼻を寄せた。
鼻腔を駆け巡る幸福が、数多のエラーを引き連れて電脳を激しく揺さぶった。
脳髄から逃げ場を失い、快楽となったそれが下腹部へと流れていく……そしてまた、あたしは我慢することなく、イった。
「ッ――!! あぁ……」
頭の中を暴れる
一層深みへと、とても気持ちが良くて暖かいその場所へと……。
気づけばあたしは指揮官の服を捲っていた。
直に触れようと、手があたしの意に反して勝手に動き出していた。
これ以上のエラーを蓄積させてはダメだと僅かに残った理性が吠えているのも聞かずに、なおも止まらない手が彼の体に触れる。
頭上から聞こえる吐息に、弾む心。
心……? 果たして本当にあたし達に心なんてあるのだろうか?
「まぁ、いいか……そんなこと……」
そんなものに意味はない。今目の前にいる指揮官のことだけを感じれればいい。
電脳も、体も、視界に至る全て、指揮官のことだけを見ていればいい。
味覚が彼を求めて、嗅覚が彼を求めて、視覚が彼を求めて、触覚が彼を求めて、聴覚が彼を求めた。
私が、私は彼を求めていた。
それだけで、幸せになれるのだから――。
「ちゅっ……、れぅ……」
舌先が彼の胸板を舐め上げた。舌先に感じる、どこかあまじょっぱい味に、また体が震える。
布団の、それも彼の体が目の前にあるという幸せは、一瞬にして私を深みへと引きずり込んでいくのと同時に、あたしは嫌悪していた。
知りたくもない、見たくもない事実を覆い隠すように、アイツらの残した痕跡を塗り替えるように丁寧に欲望のままに舐め上げた。
「はぁ、じゅるっ……」
時にはその体に痕が残るように、吸い上げもした。
一つ、一つと痕が彼の体に色濃く残るたびに、アイツらが残したものが消えていくようなこの行為が、堪らなくあたしを昂ぶらせた。
さらに付け加えるなら、先程から頭に降り注ぐ彼の寝顔から漏れる喘ぎが、背徳感を煽るようにあたしに熱を与えていた。
起きないでいて欲しい。いやでも、起きて今のあたしを見て欲しくもある。いやいや、やっぱり寝ていて欲しいかな……なんて、指揮官の寝顔を覗いてみれば、一向に起きる気配のない、それでいてほんのりと頬に朱を乗せた顔が寝息を零しているだけであった。
はたと、少しばかり冷静さを取り戻したおかげか、指揮官の顔に違和感を覚えた。
具体的に言えば、目尻から涙を流していたかのようなわずかな跡が残っているように見えた。泣いていた……? 何かあったのかな。他の子みたいに指揮官を監視するようなモノなんて持たない身だから、その詳細を知らないけれど……相当疲れているように見える。
そう言えば、9が嬉しそうに今日あった事を話していたっけ……『懐かしい顔をしていたよ』と嬉しそうに話していたのも束の間、45に捕まって酷く怯えた顔をしていたのを最後にそそくさと宿舎を出たからその後のことは分からないけど……それ関連かな? だとしたら、あたしもほんの少しだけ9に言いたいことが出来た。まぁ、でも45が全てを言っていそうな気がする。
それはそれとして、くるりと身を翻して彼の背中へと移る。
布団の中で結構動いているつもりなのに、これでも起きないのは相当お疲れなようだ。是非ともそのまま寝ていて欲しい。
背中から抱きつくように前へと腕を伸ばして、体を背中にくっつけた。
さしものあたしの体も慣れただろうと思っていたけれども、まだまだイけるらしい。……いや、そんなことはいい。
久しぶりに感じた指揮官の背中は、やっぱりデカかった。
いつかの日に共に寝た時も、こうして背中に抱きついて寝ていたっけ……懐かしいなぁ。
あの時は、ただ幸せだけを享受できていた。幸せ以外に何もなくて、こうして指揮官を独り占めにしたいと思うこともなかった。でも今は、もう……戻れないんだ。あの時には――。
「指揮官が、悪いんだからね。ちゅっ……」
体の前にもやったように、背中にも痕を残してく。背骨の浮き出る場所を一個ずつ埋めるように、舐めては吸い上げた。
左手は彼の鼓動を感じるために左胸へと置いて、寝るためゆえに軽装な彼のパンツ一枚という小さな壁をくぐり抜け、イチモツへと右手を下ろしていった。
右手に感じるもう一つの鼓動に、唇が弧を描くのを抑えられなかった。一際熱を持つもう一つの存在を右手に、あたしは優しく上下に摩りあげた。
「んぁ……」
寝息に混じって現れる色に淫らなものが溶け込み始めた。
背中に残した痕もほどほどに、布団の中へと潜り込んで彼を仰向けにさせて、未だに起きぬ彼のパンツの中に隠れるソレを外へ引っ張り出せば、むわんと漂う彼の匂いにあたしの体は再び震えるのであった。
「あぁ、はぁ……しきかぁん……」
両足の間に潜り込んで、暗がりのなかでも確かに見える指揮官棒に舌を添えた。
ほんのりとしょっぱさを感じる愛しさの塊を口いっぱいに加えて、もごもごと歯で傷つけぬように甘噛みをしてみた。
最初は柔らかかったソレが、徐々に硬さを増していく感覚を口に感じながら、根元に手を添えて顔を上下に動かしていく。
「んぐっ……っぶ、じゅっ……」
こもり始める熱と匂い、布団の中で響く水音、体の中を焦がすかのような熱が、無我夢中に彼を味わっていた。
最早彼が起きることなど構うこともなく、理性を置き去りにして舌を這わせていく。
裏スジを舐め上げ、カリ首に沿うように先をぐるりと舐めて、時に尿道に舌を突き入れて、彼を念入りに味わった。
今まで会えなかった分を補うように、熱を思い出すように。
「じゅるっ……、ぢゅる、むぐっ……」
そろそろかな? もうすぐかな?
記憶を頼りに、彼の限界を身近に感じてさらに刺激を重ねていった。
早く、はやく、ハヤク――。
口の中でピクリと彼が跳ねた。
「んくっ……」
「ッ――!?」
口いっぱいに広がる懐かしい味に、ゾクリと全身を快楽の渦が思考を蹴飛ばした。
「んんーーーっ!!?」
苦味、甘味、舌を転がす液体が鼻を突くような匂いと共に暴れまわる。
体の許容上限を越えた快感が、何度も何度もなんどもナンドモ、体を震わしていった。
取りこぼさないように、口いっぱいに吐き出された精液を喉に流し込んで、息を吐き出した。
布団の中に充満する脳を刺激する匂いに、イったまま降りてこない体を無理矢理に動かして、ホットパンツごと下着を脱ぎ捨て、息も整わぬままに彼の股座に跨った。
「しきかん……しきかん……」
うわ言のように呟いて、彼のお腹に両の手を置いて、布団から顔を出して指揮官の顔を見下ろした。
紅い頬、吐き出される吐息、されども開かぬ瞼に幸運を思えばいいのか、今のあたしにそれを考える余裕すらなくて、未だ硬さを保つソレをあたしの受け皿に誘い入れた。
「んぁ……、入って、きた……あぁ……」
ミチッと膣中を押し広げる逞しさが、最奥へとキスをした。
「あ……、あぁ……」
気持ちいい。気持ちいいなぁ……。
指揮官が、いっぱい……。あたしの中にいる。
あたしで包んでいる。あたしが包んでいる。
しきかんが、あたしを突いている。
あぁ……、本当に気持ちいいなぁ……。
あ、あたしの中で指揮官が動いた。
あたしも、うご、かなきゃ……。
「んっ、あ、あぁ……」
あれ、うまく……動けないや。
でも、キモチイイからいっか……。
あぁ、指揮官も、そんな顔をするんだぁ……気持ちよさそうに、顔を赤くしちゃってさ。
体の奥を指揮官がキスするたびに、あたしはイってるんだよ?
今までで、何回イカせられたのかなぁ……。
分からないや。わからなくてもいいか。気持ちいいもんね。
ねぇ、指揮官。指揮官――。
「すきだよ……」
朧げになっていく意識の中で、あたしは夢中で腰を振り続けていた。
やがて、膣中で震えた彼の愛をいっぱいに受け止めて、ハッキリと分かる熱が最奥を満たしたとき、意識が一瞬にして掻き消えていった。
「しき、かんは……あたしの……」
後に残るは、二人の寝息だけだった。
今回は短めになりました。
いかがだったでしょうか……久しぶりに書いたものだからか、少しばかり書き方を忘れてるなぁと思う次第ですがともかく、G11ちゃんでした。
指揮官に休ませる気はない。慈悲はない。
今回は、純粋なエロを楽しめたんじゃないかな……?
楽しめたらいいなぁ……。
ほら、こう常に胃がきゅっとするのもあれだしね? ね?
こう、一度は上げておかなきゃ……
上げなきゃ、落とせないしね?
ではでは、またいつか( ˘ω˘ )