※この作品はR-18です。

少女前線~大乱闘指揮官略奪戦記~   作:屋根上猫

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忍び寄る要素
特に、ないです( ˘ω˘ )
MOD3にすることで印象がガラリと変わる子多スギィ!!


第一話『忍び寄るイチゴ』

 明くる日……とはいかなかったらしい。

 不意に目が冴え渡るような感覚を覚えるのと同時に目蓋を開けると、仄暗さを残して物音しない殺風景な部屋が視界に映った。

 どうにもこうにも俺は眠ってしまったわけだが、はて今は何時だと壁掛けの時計に目を寄せる途中に、何者かの影を捉えた。

 

「んっ……、AR-15か……」

「おはようございます。いえ、こんばんは、と言ったほうがいいですかね。指揮官」

 

 豆電球一つ分の明かりに照らされた部屋の片隅に、ポツンと立ち尽くしていたのはST AR-15という少(・)女(・)だった。一見すれば若干ピンクがかったような、それでいてどこか銀色を匂わせるような長髪に、前髪の片側に薄紫色のメッシュが施された、どこか儚げな印象を受ける少女がそこにはいた。

 技術を得た人間はなんとやら……二千六十年を超えて幾年、その技術進化は終わりを見せず、鉄の塊に感情を与えるに至るほどに成長していた。

 彼女たちの中身については点で素人な俺から言える言葉は、なんかすげぇ技術を盛り込んだヤベェ奴らという感想しか思い浮かばなかったが。まぁ、その程度の認識で構わないだろうと、どこか一人で納得して視線を時計へと吸い寄せた。短針がちょうど十二時を指していることから、彼女の言葉を信じるのであれば深夜になるらしい。というのも、執務室であるところのこの部屋には窓というものが存在しない。さらに言えば、指揮官クラスの人物が良く使うような部屋は総じて窓がないため、時間を示す判断基準がAM・PM表記の施された時計ぐらいしかないわけだ。

 

「俺としたことが眠ってしまったか……」

「えぇ、それはもうぐっすりと……」

 

 眠ってしまったというより、眠らされたという感覚のが強いがそれはさておき。

 

「用事があったのであれば起こしても良かったのだぞ」

「起こすのは忍びないと思いまして」

 

 それこそ、書類仕事も結構残っていたはずだ。さしあたって期日に困るような書類はなかったと執務机に目を向ければ、書類の束となっている一番上の紙に判子やサインが施されているのが見えた。多分、きっと間違いなくあのお金に五月蝿い元気の似合うカリーナのおかげだろう。後日になって何をせがまれるやらと、財布の中身に不安を覚えながら、ふと肩に布が掛かっているのを感じた。

 布……とは言ったが、厳密に言えばそれは服であった。どうにもAR-15の服のように見受けられる。部屋が薄暗いこともありあまり気にしてはいなかったが、そういえばと彼女を見やればニコリとこちらを優しい微笑みで見つめる薄着姿の彼女と目があった。

 

「あぁ、これは親切にどうも。返すよ」

「いえ、役に立てたのであれば光栄です」

 

 そんな大げさなと息を吐き出して、机越しに彼女に服を手渡しながら徐々に明瞭になっていく頭で考えた。

 結局のところあの胡散臭いビンの中身の効能とはなんだったのかと、あれはまさかまさかの睡眠剤入りってだけのドッキリってわけにはいくまい。

 

「結局……あのビンに入ってたのはなんだったんだ」

「ヘリアンさんが言っていた通りのものですよ」

「感覚共有ナノマシン……だったか……」

 

 あの眠気の感覚からして間違いなく睡眠一日コース待ったなしだと思っていたが、どうにも数時間コースで終わったのは幸か不幸か、こんな中途半端な時間に起きるくらいならそのまま朝までぐっすりと行きたかったものだ。

 

「具体的な内容についてはヘリアンさんは知らないと言ってはいたが……お前は、中身について知ら――」

 

 ――ドンッ、と部屋の静けさに反して、一際大きな音が前方から響き渡った。

 音の持ち主である彼女、AR-15は優しい微笑みはそのままに、両の手を机に押し付けこちらを見ている彼女のその碧く美しさを思い起こされるような瞳のなんと美しいことか。数秒の静けさの後に彼女は口を開いてこう言った。

 

「知っていますよ」

 

 と、今までに感じたことのない緊張感に、思わず喉が鳴る。それは見たこともない彼女の雰囲気に魅せられたからだろうか、それとも……このえも言えぬような自分の感覚とは掛け離れている、胸の内から感じるこの謎(・)の(・)温(・)か(・)み(・)のせいなのだろうかと。

 

「し、知っているのであれば、教えてくれてもよかったではないか」

「聞かれはしなかったので」

 

 とにべもなく言われれば、それは私の落ち度だと納得せざるを得ない。だが、それでも、それを差し置いても、彼女がなぜ徐々に机に乗り始めているのかの疑問は尽きなかった。

 

「仮にも上官が謎の液体を飲まされかけていたのであれば、止めにかかってもいいじゃないか」

 

 彼女たちが先んじて飲んでいたことは流して、避難の目を向けるも……彼女の進軍は止まらない。いや、お構いなしかよ……。

 彼女たちAR小隊は優秀なことで有名だ。そんな彼女たちが少なからず先んじて飲んでいたこと、そして上官であるところの俺自身が飲もうとしている際に止めにかからなかったことから中身の安全性はペルシカさんについで彼女たちが保証していると言ってもいいかもしれない。それでもだ。

 まるで、自分の感覚を外から見つめているような熱を帯び始めた体に違和感を感じつつも、彼女から目が離せないでいる自分が居る事実から目を背けるように、震える声音で彼女に問うた。

 

「一応聞くが、何をするつもりだ……AR-15」

「今から指揮官にビンの中身について説明するつもりです」

「それは……、机に乗り上げてする説明なのか……」

 

 可笑しい。体に相反する暖かみと、冷たさ。どちらが正しいもので、どちらが嘘なのか……あるいはどちらも本物なのか。わからない。分からなかった。ただ一つ分かることは、鈍く仄暗い熱が行き場はどこかと温度を上げていく感覚が体を巡っていることだけだった。

 

「ビンの中身は、文字通りのものです」

「感覚の共有だろう?」

「えぇ、あの液体は飲(・)ん(・)だ(・)も(・)の(・)同(・)士(・)の(・)感(・)覚(・)を(・)共(・)有(・)す(・)る(・)。例えば私の体温を貴方が今感じているように」

 

 この感覚が彼女のものだというのであれば、なぜここまで熱く高鳴っているのか。まさか彼女たち戦術人形に病気の類があるとは思えない。それに、この高鳴りは――。

 

「分かりますか。私の体温が、私の鼓動が、私の想いが……」

 

 徐々に伸びゆく彼女の細く綺麗な腕が、顔の真横を過ぎていくのと同時に、彼女のその憂いを帯びた綺麗な顔立ちが近づいてくる。両肩に彼女の重みを感じる頃にはすでに顔との距離はなく、鼻を擽る彼女の匂いが、これが現実のものなのだと教えてくれている。彼女が首筋に顔を埋めるころには、触れれば間違いなく溶かされてしまうと確信できるほどに上昇した熱が、体を覆っていた。

 

「この薬の面白いところはですね」

 

 甘くとろけるような声音で、彼女は猫のように……自分の熱では物足りないとでも言うように、痛いほどに頬ずりをしながら言う。

 

「指向性を持たせて相手に感覚を送れるところなんですよ」

「それは……」

 

 彼女の雰囲気に飲まれ、成すがままにしかなれないままに、彼女の声を追うように耳を重ねるしかなった。

 

「自分のこの胸の高鳴りが分かりますか? 私のこの体温を指揮官は感じますか? 指揮官の体温は……教えてくれないんですか?」

 

 寂しげに、震える声で強請る彼女に俺はどうしたらいいのか。指向性を持たせてと彼女は言った。はて、どうしたものかと。

 分からない。熱い。あつい。

 

「あぁ、私としたことが失礼しました。頭に思い浮かべるだけでいいんですよ。相手の姿を、そして届けと思うだけでいいんです。ですから」

 

 ――はやくっ……。

 と、彼女が耳元で切なげに囁きかけてくる

 その瞬間、何かに繋がるような感覚を覚えた。彼女との間に確かに言葉では言い表せれない繋がりを覚えたのと同時、背中に回された腕の締める力が増していくのを感じた。

 

「んっ……あっ……あぁ……、これが、指揮官の……感覚……」

 

 これが、感覚の共有というやつか……。今になって思えば、体の節々まで自分以外の感覚を感じる。誰にも触れていないのに指先に感じる熱は誰のか。ふと、股座が濡れている感覚を覚えて、ヒヤリと身構えたが……これは違う。自分のではないこの感覚に、顔が熱くなるのを覚えた。

 

「AR-15……これは、その……常に体全体の感覚を共有してしまうのか……?」

 

 我ながら情けなくて仕方ない。俯き気味に彼女に問うてみれば、小さく微笑む声が返ってくる。

 

「感じましたか?」

「っ……」

「ふふ、冗談です。それと質問の答えですが、限定的に一部のみの感覚を共有することも出来ますよ。例えばこういうふうに……」

 

 そう言って、彼女は机に座り直すと『これを見ててください』と右手を突き出している。ふと、体から熱が消えていく感覚を覚えるのと同時、またぐらに感じていたぬめりが消えているのが分かった。なんともいたたまれない感覚のままに、彼女は話を続ける。

 

「こうして、私の右手の感覚のみを指揮官に送ることも出来るんです」

 

 というと、確かに自分の右手に自分以外の感覚を覚える。

 

「そして、こういうこともできるんですよ……」

 

 そう言うと、彼女はその指を熱烈に、情熱的にくわえ込んだ。

 

「んっ、ちゅ……くっ……うむ……」

 

 執務室で、普段は凛とした姿を見せる彼女が、今こうして優美な姿を崩して淫猥に指をくわえているさまに、目が離せないでいた。

 ひどく美しいと、場にそぐわない感想が頭を過ぎる。指揮官として、上官として彼女の失態を叱るべき立場であるはずの自分が、彼女の醸し出す雰囲気に飲まれ、殺され、目を射止められていた。

 

 自分の手はそこにないはずなのに、くわえられ熱を帯びる指先。これが彼女の口の中の暖かみか……確かに、これは――。

 

「分かった。もう、分かったから勘弁してくれ……」

「ダメですよ。まだ、始まったばかり……と言いたいのですが、そうですね。指揮官も明日の業務に支障があるでしょうし、早く終わらせましょう」

 

 ――この熱の昂ぶりを……。

 

 待て、とか細く掻き消える声を無視して、彼女はゆっくりと机から降りると、首裏に回される彼女の両腕、眼前に迫る彼女が微笑みをこちらに向けた途端、体中を這う温かみにAR-15がまた、俺に感覚を送ってきたのだろうと疼く体に声が漏れる。熱く、蕩ける様な甘美な熱。いっそのこと溶けてしまえば、どれだけ楽か……。今だに彼女と上官との関係性が邪魔して体がうまく動かないというのに、そんなものお構いなしに彼女は膝上で笑う。嗤う。

 

「し、き……かん……」

 

 吐息が、顔を覆う。甘く、痺れるような匂い。彼女も、間違いなく女性なのだと、否応なく自覚させられる感覚を、彼女は分かってやっているのだろう。なんとも小悪魔めいた奴だと。唇に触れる彼女の体温に身を委ねていた。

 

 お互いにお互いの体温を体に感じて、気づけばどちらの体温なのかすら分からなくなるほどに、彼女は唇を重ねてくる。

 最初は優しかったキスも、次第に耐え切れないと言わんばかりに、舌が弱々しく入ってくる。不安を、抱いているのだろうか。この体に感じる不安は一体誰なのか、熱にうなされた頭では分からなかった。それでも、彼女の舌を迎え入れるように舌で小突けば、その不安の根が消えていく。どちらの不安かなど、どうでもよかった。ただ、今は――。

 

「はぁ……、AR-15……」

 

 この熱に溶けるように沈んでいく感覚だけを味わおう。

 

「あぁ……指揮官。そんな顔をしないで……我慢出来なくなってしまうから……」

 

 消え入る声は何を言っていたのか。彼女の手が体を這うように下腹部に向かっていく感覚にその疑問はかき消されていた。

 

「指揮官も待ちきれないのでしょう。……いま……開放してあげるから……」

 

 徐々に下ろされるチャックの音が部屋に響き渡る。そこから現れるは、長年付き添ってきた俺の半身。熱く脈打つようにそそり立つそれは、すでに臨戦態勢へと移っていた。そして、彼女が腰を一度上げると、自分の秘部へとあてがうように手を添えて、震える声で彼女は言う。

 

「指揮官……行きましょう? 一緒に……」

 

 ズンッ! と熱を突き抜ける感覚が体を覆う。熱い。ただひたすらに熱く。遠い夢のような感覚に声が隠しきれなかった。

 

「あぐっ……」

「あっ……はぁ、あぁ……指揮官が……ナカに……」

 

 対し、彼女から送られる感覚はとても尋常ではないほどに熱かった。もしや、彼女はイったのか? と、思える程に……。

 暫く、お互いの体温を探り合うように抱き合うと、徐々に彼女の方から腰を動かし始めた。

 

「あっ、んっ……うっ、イイ……あぁ……」

 

 気づけば、またお互いに唇を重ねて。

 

「しきかっ……ん、好きです……好きなんです……貴方の……ことが……」

 

 我が身から込み上げてくるこの感覚に、自分の身も限界を迎えているのだと悟ると、彼女の体をきつく抱き寄せるように引っ張っていた。

 

「あぁ……指揮官。ふふ、いつでも……んっ、イッて、大丈夫っ、ですよ」

 

 ――私はずっと、おそばにいますから。

 

「んくっ、あぁっ……」

 

 彼女のその言葉を皮切りに、俺は……溜まりに溜まった熱を吐き出してた。

 

「私も、イクッ……んぁぁああぁっぁ……」

 

 余韻に浸かるまもなく……、俺はそのまま目蓋を閉じていた。

 

 

 

 

 

 一体いつから練られていたのか、その時の俺は知らない。

 その日を境に、俺を見る彼女らの目が変わることを……彼は……知らないのである。

 

 

 

 

 

 

「愛してます……指揮官……」




納得いかない文面なので
後日加筆修正いたします(´・ω・`)

ユルシテ……ユルシテ……
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