※この作品はR-18です。

少女前線~大乱闘指揮官略奪戦記~   作:屋根上猫

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指揮官の明日はどっち!?

ぶっちゃけ、朝日を拝めるだけでも儲け物です。えぇ。


第五話『飼い猫も時には待てを覚える』

「指揮官……私になんの不満があるのですか?」

 

 それは、そうそれはとても優雅な朝食時の話だ。

 自室でインスタントではあるものの、それなりに価値のあるコーヒーを片手に誰にも邪魔されない優雅なひと時を堪能していたときのことだ。

 トーストの焦げた縫い目を縫うように塗られるバターの色合いに、僅かながらに降らされた砂糖。サクッと小気味の良い音が響き渡るあの瞬間。そして、それを飲み下すように喉を通るコーヒーのあの程よい苦味。どれをとっても一級品だと思わざるを得ない、とても、そうとても心地の良い朝食のときだ。

 またか……と、最早俺のプライバシーなどなんのその開かれた扉の向こうにいたのは、長く綺麗な銀髪をしたベレー帽を被る少女。404小隊が誇るおかん……おかん? 誰だ俺に変な電波飛ばしたやつ……。まぁいい、そこにいたのはHK416と名乗る少女だった。いやまぁね。確かに俺も俺で差し当たって扉にロックなんてかけてないよ? かけてないけどもだよ。なしてみんな挨拶(ノック)もなしに開け放つの? 一応俺ってば上官だよね? 我、上官ぞ? 何、あわや着替えシーンを見ちゃった的なハプニングでも期待してるの? どこにそんな需要があるのかはさておき、どうにも彼女はご立腹のご様子だ。差し当たって心当たりのないお怒りに首を傾げてると、ご丁寧に扉を(強く)閉めて、これまたご丁寧に扉のロックをかけてこちらへとズカズカと歩いてくる。僅かながらでも自室を揺らすその足音に引きつった笑みを浮かべながら、ドンッと朝食の置かれたテーブルを揺らす彼女を見据えた。

 

「指揮官!」

「久しぶりだね。HK416……一応、無駄だと思うが聞いていいかね」

「……どうぞ」

 

 存外、まだ人の話を聞く程度の優しさは残っているらしい。その目が早く要件を言えと言ってるようにも見えるので、早急にことを伝えよう。

 

「せめて、ノックくらいはしてくれないか。日は浅くともこれでも上官だからな」

「次からは気をつけるわ」

「そうしてくれると、助かるよ。どうにも最近は、俺の部屋は自動扉と勘違いしているのか、一言もかけずに開ける輩が続出していてね。せめて朝くらいはと思っていたら、その朝すらも今失われたばかりだ」

「うっ……、そ、それは悪かったわ……って違う!! 違うわ!! そんな話をしに来たんじゃないわよ!!」

 

 再度、叩きつけられる怒りの鉄槌に、テーブルの寿命を心配しながら一口喉を潤してから、コトリといたわるようにテーブルにコーヒーカップを置いた。

 

「指揮官……私がいない間に、随分と楽しげなことをしていたようね?」

「なんの話だ……?」

「とぼけないで頂戴。ネタは上がってるのよ!」

 

 まるでドラマの一面みたいだと、半ば冷や汗が止まらない体を叱責して、何でもないように彼女を見据える。

 

「ほぉ……、そ、それで?」

 

 あ、やばい。声が震えてやがる。無駄に足を組んでまでカッコつけたのにカッコ悪すぎるだろ。彼女からしたらどうでもいいだろうがな。気分だよ気分。

 

「AR小隊と、仲良くやってるみたいですね……」

「な、なんのことですかね……俺にはさっぱり――」

「目を逸らさないで」

「はい……」

 

 こえぇよ。怖すぎるよぉ!! なんで404小隊の面々ってみんな何かしらの凄味をもってんだよぅ! 足の震えが止まんねぇよぉ!! 俺の記憶が確かならG11ちゃんだけが癒しだよぅ!! なんだよこのキャラはよぅ!

 

「これを見なさい!」

 

 ガバッと勢いよく懐から出されたのは、今やどこにでも普及しているような携帯端末だった。

 もっとも、この司令部に置いてその端末がただの携帯端末な訳もなく。連絡から至るものすべてがその小さな端末に全て注ぎ込まれているハイテク機械である。因みにIOP社製。

 ただ、その画面に映し出される映像は……どうにも見覚えがある。というかめっさあるんだが……、え? なにこれ俺の部屋? 俺の部屋なのん?

 

「もしかしなくても、これってとうさ――」

「いいから……見るの……いい?」

「……はい」

 

 俺のプライパシーとは一体。今度から一旦部屋を本格的に掃除しよう。マジで。

 そして、気付けば映像に映し出される二人の影。片や桜色を思わせる長髪に、特徴的と言ってもいいメカメカしい左腕を携えた少女と、今まさにソファーへと寝転がる俺の姿がそこに映し出されていた。冷や汗が止まらなかった。ひくつく口端に、彼女は何を思うのか淡々とその映像を流れるままにこちらを見る無感情な瞳。次第に端末から流れ出る喘ぎ声が、やけに静かな室内へと響き渡った。まるでボリュームマックスで聴かせられているのではと思える程に鮮明に聞こえる端末の音(・)に、俺は目蓋を閉じたのであった。

 

「指揮官……見て、と言ったはずよ?」

「416……もう、いい」

「ダメよ。最後まで、見なさい」

 

 精神的疲労も去ることながら、致しているところを第三者に隠し撮りされている者のダメージを彼女は分かっているのだろうか。彼女の顔色を伺うに、多分、きっとそれをわかってやっているに違いない。

 何故俺が、ここまでされなきゃいけないのか、なんとも逃避じみた思考が頭を掠めてくる。

 映像のなかの俺たちは、今まさにその行為を終わらせたはずだ。そして数分後の映像には俺が彼女とのアレコレの証拠を隠そうと掃除を開始しているところが映し出されていた。そう、終わったはずだ。SOPMODとの行為という一種のイベントは、それなのに……その端末を持つHK416はまだ終わってないとでも言うように、机の上へと座ると逃げ場を塞ぐように両足をソファーに置いて、こちらへ端末を見るように促している。

 だがいかんせん、その端末の場所が問題であった。両膝の間に彼女の両の手のひらが置かれており、その上に端末が乗っかっているのだ。どうしても視界に入ってしまう彼女のスカートから覗く太ももは色白で、とても綺麗で、とても目の毒で、思わず目を逸らしてしまう。

 

「目を、逸らさないで。指揮官」

 

 彼女は笑顔で言う。その目が笑っていないのを除けば、少なからず見惚れていたであろう笑顔が、今はとても気味が悪かった。

 映像の中の俺は、一頻り掃除を終えた後にSOPMODを抱え寝室へと向かっているところが映し出されていた。

 あの時は確か、自分のベッドへと彼女を運んだはずだ。そこで彼女を寝かせ、流石に致したばかりのソファーで寝るのも気まずいものがあったので、ベッド横の床に軽い敷物を敷いて寝たのを覚えている。後日、SOPMODに涙目ながらに謝られていたのを覚えているが……それだけのはずだ。それ以降その部屋で何かあったとは思えない。だが、それでも端末を持つ彼女の表情は変わらない。まだその先に見せたいものでもあるのだろうかと思っていると、端末からガチャリと、扉が開く音が響いた。

 プライバシーという言葉が音を立てて崩れていく感覚を覚えながら、いったい誰が入ってきたのだろうと目を凝らすと、なんとも見知った顔がこ(・)ち(・)ら(・)を見ていた。

 

『ハロー指揮官。元気してるかしら? あぁ、いや、違うか。元(・)気(・)を(・)保(・)て(・)て(・)る(・)か(・)し(・)ら(・)が正解かな……』

 

 まるで未来(いま)を知っているかのような発言に、ドキリと心音が跳ね上がるのを感じた。

 何故そこにいる? 何でそこにいる? 尽きることのない疑問が頭を覆う。左目に縦傷を残す少女が、場違いなほどの笑顔でこちらに手を振っている様を見て俺は何を思えばいいのか、怒りか、動揺か、悲哀か、まず間違いなく俺は動揺をしているだろう。この震えは、この気持ちの悪いくらいに跳ね上がる心音は、久しく感じたこともない戦場にいた時を思い起こされるようだ。

 なぜ俺がここまで彼女に対して動揺するのか、それはきっと俺が語らうまでもなく、彼女が、彼女自身がその身で持って教えてくれるだろう。乾く唇を潤すようにコーヒーを呷る。酷く微温くなった温度が今はやけに気持ちがいい。

 

「指揮官。震えてるわよ?」

 

 いったい誰のせいだと、内心で416に毒突きながらいやが応にも進む端末の映像に目を写していた。

 

『いやぁ、私たちが任務で席を外している間に、AR小隊ってば随分好き勝手やってるみたいね。少し、怒っちゃった』

 

 そういう彼女はどこか悲しそうに憂いを見せた表情でポツリ、ポツリと語り始める。

 

『指揮官は覚えてる? 404小隊(わたしたち)との出会いを……、忘れたなんて言ったら怒っちゃうからね?』

 

 あぁ、覚えてるさ。今でも鮮明に覚えている。俺が指揮官になる少し前のことだ。彼女らと出会ったのは……。言ってしまえば指揮官になる以前からもなんどか交友があったくらいだ。その程度のはずだ。

 

『初めて会った時は森だったよね指揮官』

 

 軍人時代のときに、俺は彼女らとあった。それは間違いなく偶然だったはずのそれが、いつの日かきっかけとなり指揮官の地位を得るようになったのだ。わずか幾週間の出来事とは言え、彼女らとの思い出はそうそう忘れることの出来るほど軽いものではない。

 

『ふふ、あの時は楽しかったなぁ……、って。あぁ、余り長話していてもなんだし、思い出話は今度会った時にしようね指揮官』

 

 すぐそばにその指揮官が寝ているというのに、彼女はそちらに見向きもせずに画面の向こうにいるはずの俺へと目を向けているのが怖かった。

 

『私たち404小隊はこの日より、指揮官をAR小隊から分捕るつもりで行くつもり――』

 

 ――だからね。と彼女が口にした途端に、それまで笑顔だった表情が鳴りを潜めて現れた無色透明な表情が、とても怖かった。何よりもそれが、俺の自室で、すぐ隣には俺が寝ているという現実に、直接心臓を触れられているのではないかと思えるほどの恐怖が身を包み込んでいた。

 

 

『指揮官に、私たちの愛(・)を伝えに行くね?』

 

『大丈夫だよ指揮官。私たちは、いや私は指揮官が誰とナニしてたって許してあげる。他の子達がどう思うかは知らないけれど、『9』や『416』、『11』の行動を止めるつもりはないよ。みんな、みんな指揮官に想うところがあるだろうし、だから私は彼女達を縛るつもりはないの。だけど、うん。だけど、404小隊の誰かならいざ知らず、AR小隊の子と交わっているのは許せないかな。うん、許せないや。許せないの。あぁ……あぁ、それと一応言うけれど、私もちゃんとみんなのことを止めようとしたんだからね? でも、みんなの想いが強いって気づいて諦めちゃった(許しちゃった)。それと、この機器を取り付けたのは『416』だと思うから、一言だけ言わせてね』

 

 ――指揮官を壊したら、416でも許さないからね?

 

 その言葉を最後にブツンと握り潰されたかのような音とともに映像が途切れたのであった。

 その後のことは分からない。俺の部屋に来ていた彼女が、そのあと、何事もなく帰ったのか、それとも何かしらをしてから返ったのか、分からないことがこんなにも怖いことなのか……。気付いたら『なにかされたようだ』ってならないことを祈るばかり。いや、ホント勘弁してください。真面目に。

 

「分かっているわよ45……分かっているわ」

 

 まるで自分に言い聞かせるように416はこちらを見ている。尚もその目に感情は見受けられないことに、体が震えを覚えていることなど露知らず、ブツブツと彼女は言(こと)を告げる。

 

「でも、それでもこの怒りに燃る感情はどう処理すればいいのよ。ねぇ、指揮官?」

 

 頬に触れる彼女の手が、輪郭をなぞる様にゆっくりと、下顎に、鎖骨へと滑っていく。そこでピタリと止まるともう片方の手も追加して、首筋へと指を滑らせていく。

 

「くっ、4、16……な、にを……」

「痛いわ……指揮官。頭が、痛いの。酷く頭が痛いわ」

 

 それはきっと、彼女のなかで味方への攻撃(フレンドリーファイア)に抵触したことを知らせる警告(いたみ)が、いま頭に広がっていることを言っているのだろう。上官である俺の首を絞めているのだから、それも当然か。僅かに空いた隙間から必死に空気を取り込めるのは彼女の僅かながらに残った温情か、彼女の手から逃れようと足掻くも、その手から逃れられそうもなかった。

 

「ねぇ、指揮官。痛いわ。きっと貴方をこのままこの手で殺してしまえば、私も直ちに消去されるに違いないのだけど、それでも私は貴方を殺してしまいたいと思える程に憎いわ」

 

 苦しい。どれだけ強く彼女の手を跳ね除けようと微動だにしないのは、流石戦術人形というべきか。気付けば馬乗りにされていることにも気付かずに、ただ空気を求めて足掻いていた。

 

「あぁ、助けを呼ぼうなんて思わないことね。ホント忌々しいわ。なんで彼女らと感覚の共有なんてしているのかしら……」

「なっ!? な、なぜ……そ、れ……をっ……」

「なぜって……教えるわけないじゃない。あぁ……でも、面白そうね。感覚を送り届けて上げれば喜ぶんじゃない? 指揮官の発する痛みでよければ提供できるわよ?」

 

 そんなことを――と言葉を返そうとして、一際力強く締められた首が音を上げた。

 

「ぐっ!! ぁ、……ッ……ンっ!!?」

 

 喘ぐように必死に空気をその身に吸おうと足掻いてる口を塞ぐ、柔らかな感触に驚く間もなく、口の中を巡る彼女の舌の感触。意識も朦朧とするなか嫌に響く瑞々しい音が頭を侵食していた。

 時間にして数秒。もしかしたら数分かも知れない。彼女が口を放すと同時に首を締めていた力が緩められた。

 

「くはぁ!! はぁ、……はぁ……はぁ……」

「生死与奪を握られたキスはどんなだったかしら指揮官」

「はぁ、最悪だな……」

「そう? 私は(・)気持ちよかったわ……。生に必死な指揮官の顔は……えぇ、とても興奮できたわ。この痛みが指揮官を今まさに死に至らしめようとしている私の痛みだと思うと、ホント……最高だわ」

 

 体の震えを抑えるように自分の身を抱く彼女を見て狂っている――とは口が裂けても言えなかった。言ったところでなんてことはないかもしれない。けれども、彼女に少しでも燃料となり得るような言葉を発することが怖かった。これ以上、こんなことが続くのだと思うと、怖くて仕方ないのだ。

 またぞろ、するりと伸びてくる手に体を強ばらせながら、彼女へと向けばクスッ小さく微笑む姿が目に映った。

 

「もうしないわよ。正直、貴方がア(・)イ(・)ツ(・)等(・)と事を致していることに関しては、えぇ……それはもう今すぐに殺したいほどに憎いわ。でも、でもね……『壊さないで』って言われたとあっては、従わないわけにはいかないのよ。感謝しなさいよ? 我らがリーダーUMP45に……、もっとも手は出すなだなんて言われてはないのもまた事実……だから、指揮官。貴方を犯すわ」

 

 

 

 

 

 

     +     +

 

 

 

 

 

「あら、もうイったの? 案外堪え性がないのね」

「はぁ、はぁ……」

 

 言葉を発するのも絶え絶えに、両足の間にすっぽりと収まる彼女はこちらを見上げるように不敵に笑ってみせていた。

 その彼女の右手に我が息子が人質的要素で握られていなければ、それはそれで絵になっていたかもしれない。時既に、息子が生き果てたようにぐったりと白い液を吐いてるのを見れば現状を語らずともナニをされているかはハッキリわかるだろう。

 

「まさか、もうギブアップ……なんてことはないわよね指揮官?」

 

 正直ギブアップしたいのは山々だが、素直にギブアップを許してくれるとは思えない。というか先ほどの最中にもギブアップを申し出たのに無視されたのだから、その希望は儚いものだろう。既に精神的疲労は過ぎ去っている。これが、まだ朝だというのだから笑えやしない。それでも、と少しでもそこに希望があるのであればと口にする。

 

「ギブ――」

「却下よ」

 

 ダメでした。知ってた。知ってたさ。ちくしょうめ。

 

「さて、次は何をしようかしらね」

 

 彼女が思案する傍らで、俺の肉棒を扱く手は休んでいなかった。未だ果てたばかりの感覚にくすぐったさを覚えて、声が漏れ出ていることなど気にせずに、彼女はコテン、コテンと首を何度か傾げてその内何かに思い至ったのか、ハッと我に返える笑顔がこちらを見ていた。

 

「そういえば、まだ貴方はアイツ等にされたことないわよね?」

「何をだ……」

「フェラ」

「…………」

「フェ――」

「わかってるから二度も言わんでいい!! ねぇよ!! んなもん受けた記憶はないっての!! はぁ……、これで満足か……」

 

 笑顔でなんて事を言ってのけるんだこの子は全く。そしてなんでそうぱぁって花が咲き誇ったような笑顔を繰り出せるんだ。全く意味がわからないよ。

 

「そう、そう……ふふ、なら私が初めてね」

 

 彼女は俺の肉棒を眼前に据えて、人差し指でそそり立ったそれを小突いてまた笑顔を浮かべている。やけに笑顔の頻度が多くないですかね。えぇ、まぁそうでしょうとも、AR小隊が行ってきた行為を上書きするって息巻いてたんだからな。そらそうか……。

 

「いただきます」

 

 律儀にも、食前の挨拶を行うのは礼儀正しいが、一応言うけれど食すつもりじゃないよな。大丈夫だよな?

 そんな不安もよそに、ぐぽっと肉棒を包み込むぬるみに腰が浮きそうになりながらも、眼前に広がる光景に生唾を飲んでいた。

 仮にも、そう……仮にも先ほど殺意を手に俺の首を締めていた彼女のこの姿に、俺は今かすかばかりにも反応してしまっていた。少なくとも、彼女は見た目だけを問うのであれば間違いなく美少女なのである。どこか切れ長を思わせる綺麗な翡翠の色をした瞳に――。

 

「ひきはん、ほう? ひほひいいはひら?(しきかん、どう? きもちいいかしら?)」

 

 舌が肉棒を舐め走る感触は、何とも得がたい快感だった。よろよろと彼女の頭に乗せられた手に、一瞬こちらを伺った瞳と目があった。

 ホント、ホント綺麗な瞳をしている。まったく……。

 この心の大半を埋める恐怖と、体に与えらている快感がせめぎ合うように相反した反応が体を襲っている。

 なぜ、どうして、恐怖に揺れ動く体は与えられる快感に反応を返してしまうのか……自分のことながら、酷く気持ち悪さを感じて仕方が無かった。

 

「んぐっ、じゅるっ……んっ……」

 

 徐々に腰が浮いてくる感覚を覚えながら、あぁ、もうすぐ限界かと他人事のように思う自分がいた。

 今もなお一心不乱に、頭を揺らしながら俺のモノを加える彼女の非現実的な姿はなんと妖艶か。彼女の口からもたらされる快感に漏れ出る声を聞いて、気分を良くしたのかさらに舌がより一層と、水音を発しながら肉棒の周りをせわしなく動いているのが快感となって押し寄せてきていた。

 本当に、本当にどうして――。

 

 彼女の髪を梳くように、その絹のように綺麗な銀髪に指を絡めて、小さく撫でていた。

 一瞬、ほんの一瞬、彼女が強ばった気がした。きっと気のせいだろう。

 

「416……も、だめだ……」

「ひいわよ。ひふへほはひへひょうあい(いいわよ。いつでもだしてちょうだい)」

 

 徐々に早まっていく口淫に、霞が掛かっていく思考の片隅で、彼女を見つめながら思う。

 

「ホント、こんな可愛いのに……」

 

 なんで、あんなことを。分からない。どうしてあんな事をしたのか。分からない。分からないよ……。

 彼女の中に弾けるように飛びゆく快感に、背筋を一直線に走る電撃に、情けなく止めようもない声が、部屋に小さく木霊した。

 

「んぐっ!? ジュッ……ぐっ、くっ、ゴクン……はぁ、あぁ……」

 

 彼女の白い喉が、小さく山なりに沈んでいく。飲まれた。などと感想を抱くまもなく、ニッコリとどこか自慢気な笑顔がそこにはあった。

 

「ふふ、美味しい……美味しいわ。もう一度飲みたいくらいね……でも、ふふっ……今日はこの辺にしといてあげるわ。次は徹底的に絞ってあげる。それこそ足腰が立たなくなるくらいに快感で好がらせてあげる」

 

 それは是非とも勘弁してくれと、かすれ気味に降参の意を口にして、終わりを告げられたことに喜ぶ体力もなく小さく溜息が零れ落ちる。

 

「ほら、シャキっとしなさい。これから仕事よ? 指揮官の貴方が朝からへばってるなんて皆が知ったらガッカリするわよ」

「誰のせいだ。誰の……」

「私のせいだっていうの?」

 

 なんの悪びれもせずにそう言えるのだから、なんと逞しいのやら……。

 半眼で睨めば――

 

「そんな生気の感じられない目で睨まれても何も感じないわよ」

 

 と返される始末だ。早々に睨むことをやめて、気だる気な体を無理やり……いやだめだ。全然立ち上がれる気がしない。

 今日は遅刻かなぁ……と、片隅で考えている間にも彼女はさっさっさと、ベレー帽を片手間に拾い上げながらソファーとテーブルの間を抜け出ており、既に扉の前まで戻っていた。よもやそのまま行くつもりかと思っていたら、その手がドアノブを握ったところで、もう色々と逞しいばかりだと思わずにはいられなかった。

 

「遅刻は許さないわよ。指揮官? 何事も完璧でなくっちゃね」

 

 そう言い残して、パタンと自室にまた静けさが戻り始める。

 今や既に役目を終えた我が息子は、今日に限ってはもう立ち上がることは厳しいだろう。いや、もう下手に立ち上がって欲しくない……。

 

「はぁ……ホントどうしたもんか……」

 

 朝っぱらから体力をごっそり持ってかれたその日。

 結局のところどんな一日を過ごしたか、……まぁ、ご想像にお任せしよう。

 

 最後に一頻り大きく息を吐き出すと、誰にいうでもなく――

 

「頑張るか……」

 

 と、震える足を抑えて……つぶやくのであった。




追記:色々と描写として抜けてる事に気づいたので、後日加筆修正致します(´・ω・`)


M4ちゃんだと思ったかい?
残念HKM4―― ( ´゚Д゚)・;’.、

おや、なんやかんやあっさりしとる……
えぇ、『まだ』あっさりしてます。まだチョロインです。
平和が続けばいいのなぁ……

404小隊の最後の良心はG11ちゃん……だといいなぁ。いいよなぁ。

一応、私の中では彼女達の小隊をこんな感じで想定しています。

AR小隊=犬
404小隊=猫

そして、ある程度彼女ら一人一人の物語を書くにあたって
適当にBGMとして曲を流しながらやってるんですが
天野月子さんの聲を聞きながら書いてたらこんなんになりました( ˘ω˘ )





一先ず投稿時間は00時に固定させていただきます( ˘ω˘ )
気が向いたら00時にチェックじゃ!!


感想はいつでも歓迎致します
無論誤字脱字の報告もしていただけると嬉しいです( ˘ω˘ )
では、また次回
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