そういうお話。
「という訳で、君と枕を重ねてみたいと思うのだが。助手クン」
そう妖しげに笑う女性。
彼女は、売れっ子小説家たる高槻泉だ。本名は
『助手クン』こと貴方は、エトの下で働く小間使いのような存在。小説活動とそれ以外の活動で、日常生活が非常に乱れている彼女の代わりに、身の回りの世話をするのが貴方の役目だ。
お世辞でなくとも美人と称される類の容貌を有す彼女の世話は、一男子として心躍る役目だろう。
貞操観念に乏しいと言うべきか、無防備と言うべきか、普段から貴方にだらしない姿を見せているエトであったが、今回の申し出には流石に驚かざるを言えない。
枕を重ねる―――婉曲した物言いだが、結局のところ“情事をしよう”という意味である。
これには思わず手に抱えていた彼女が趣味で読み漁っている本の山を落としてしまうが、『可愛いなァ』と呑気に呟きながら歩み寄ってきた彼女は、一冊本を手に取り、誰にも見られないにも拘わらず、他人に見られぬよう二人の口元を隠すように本を翳す。
「どうだね? まあ、君が喰種と交わるのが嫌と言うならば、私も無理強いはしたくないからな。仕方ない、その時はそういう店に取材に……っと、それはイヤそうにしてくれるじゃあないか。私は嬉しいよ」
慌ててエトを止める貴方に、彼女は愉快そうに笑う。
経緯を語ろうか。
話は至って単純。今度彼女が出版する予定の小説にて濡れ場があるのだが、生憎エトは性行為の経験がないとのことだ。別に経験がなくとも執筆は可能だろうが、一筆に魂を宿す小説家としてはよりリアリティを求めたいのか、その“取材”として貴方との情事を提案してきたのである。
話の流れから、彼女は初物。灰がかった緑色の髪を靡かせる彼女の春草をかき分けた先。そこに在る未開の地に初めて踏み入れることが能うとは、彼女を一小説家として尊敬し、今の役職についている貴方としては、これ以上ない僥倖であると言えよう。
例え、彼女が喰種だとしても、だ。
喰種について多くは語るまい。人を喰らう、人の
しかし、人間である貴方はエトと互いに信頼し合う仲である。
それだけ言えば十分だろう。
ゴクリと生唾を飲み、赤面しつつゆっくりと首を縦に振る貴方。
その様子に対し、満足気に微笑んだエトはというと、わざとらしく外側へ跳ねるような癖のついている長髪を手櫛でかき上げてみせる。
覗く細い首とうなじ。心なしか汗ばんでいるように見える首筋からは、貴方を惑わすように甘い香りが漂ってきた。
エトの姿と香りに夢見心地になるも束の間、不意にグッと顔を近寄せてきたエトは、貴方の耳元で囁いた。
「さ、少し早いが夜の帳を下ろして床につこう」
カーテンで閉め切られた室内。僅かに外の光が差し込む部屋の中、熱水を浴びたエトと貴方は、彼女の香りに溢れる大きなベッドに腰かけていた。
普段彼女が毎晩無防備な姿を晒し、横たわっている寝床。ほんの些細な動きで揺れるほど柔らかなベッドであり、その度に抜けた空気に含まれている彼女の香りが、また貴方のを滾らせる。
「ふふっ、準備万端ということでいいね?」
入念に体を洗っていたためか、フローラルな花の香り漂うエトは、バスタオルを巻いた体を貴方の方へ近寄せる。
成人女性の平均身長と比べると小さい方の身長の彼女だが、十分男を惑わせる妖艶な体つきをしていた。慎ましやかな胸も、バスタオルをきつく巻いているためか、今はくっきりとお椀型が美しい曲線を描き出している。
細い首筋、腕、腰、脚……全てを抱擁したくなるほど可憐に思える体つきの中に宿っているのが、これから男と致す情欲だと知れば、誰もがそのまま彼女を押し倒したくなるだろう。
だが、欠片ほどの理性で本能を抑える貴方は、“取材”と称して今回の提案をしてきたエトの指示を待つ。
「男は狼と聞いていたけれど……まあ、君のことだしねぇ。暴発して萎える前に、順序よくいくとしよっか」
押し倒されることを僅かに期待していたとでも言わんばかりの言い草に目が点となる貴方であったが、手招くエトを前に無駄な思考は捨てられる。
「ホレ、助手くんやい。君が取ってちょ」
からかうような物言いで、裸体を覆う布の楔たる結び目を顎で指し示すエト。
これがまた、ベッドの上で伸ばした脚を組んで座っているのだから、陰の奥が見えそうで好奇心を刺激される。
そうしてワタワタと慌てていれば、『甲斐性なしは嫌われるぞ』と彼女が言う。
嫌われてはかなわない。貴方は息を整え、手を布切れへと伸ばした。
そっと手を触れれば、彼女の鼓動が伝わってくる。それほどまでにきつく体を締め付けているタオルから彼女を解放しようと、飛び出す布の角を引っ張れば、途端に甘い風が吹き渡った。
「きゃっ」
柄にもない声を上げるエト。思わず貴方が肩をビクリと跳ねさせれば、彼女はケタケタと笑っているではないか。
その姿には思わずムッとなる貴方であったが、露わになる彼女の体に息を呑んだ。
細い体つきでありながら、女性としての柔らかさを損なってない整った凹凸。
慎ましやかな胸も、キュッと引き締まった腹回りと比較すれば、寧ろこれ以上ないほどのバランスではないかと思われるほどの曲線美を描いていた。
仲たがいした双子の先には桃色が実っており、今すぐにでもかぶりつきたくなるような衝動に、貴方は駆られてしまう。
だが、ふとエトは組んでいた脚を観音開きの如く開いて見せた。
絹のように滑らかな肌触りをした白い肉の扉が開けば、その先に更なる扉が窺うことができる。
春草のように淡い色を放つ茂みの下。誰も立ち入ったことのない薄桜色の門構えが僅かに開けば、物欲しげに涎を垂らす赤い花を垣間見ることができた。
今すぐにでも、その花を犯したい。そんな意思を自分で律する貴方に対し、エトは突然跳びかかるように貴方へ飛びつくや否や、貴方の腰巻を為していたバスタオルをとって放り投げた。
「ほうほう。思っていたよりもずっと立派なモノを持っているじゃないか。これは期待できますなー」
しかし、ほんの僅かに生まれた対抗心も、マジマジと屹立する逸物を眺めているエトを前にすればどうでもよくなってきてしまう。
余りにも瞬きをせずに眺めているものだから、目が充血しないかと心配になるほど、彼女は観察をしている。今の時代、インターネットで検索すればいくらでも画像が出てくるであろうが、やはり画像と実物とでは抱く感想が違うようだ。
目で、腫れあがっている肉を視る。
鼻で、漂ってくる雄の臭いを嗅ぐ。
手で、棒の中で脈打つ血を確かめる。
「さて……ここで私が検討したいのは、コレの呼称だ」
一先ず観察し終えたエトは、ビクビク跳ねる逸物に頬ずりし、鈴口に人差し指の腹を当てる。
エトがクリクリと指を回すように動かせば、堪らず鈴口の先からは糸を引くツユが彼女の指に纏わりつくように溢れ出てきた。
それを前に、エトはツユのついた指をしゃぶる。
チュクチュクとわざとらしい水音を立てた彼女は、ほとんど接吻しているのと同じほどに口を逸物に近づけたまま、話を再開した。
「男性器やペニスと呼ばれているが、単に医学的な呼び方をするのでは情緒に欠ける」
彼女が言葉を紡ぐ度に、柔らかく唇が貴方の逸物を僅かに挟み込む。
そのこそばゆさに度々跳ねるが、エトは一切厭わぬ様子で、寧ろ舌先を出して舐め始めるではないか。
擽るような舌遣い。まだ包み込む根本を舐られているため、刺激はそこまで強くないが……、
「んっ……俗に言う、れろ……チンポやおちんちんじゃあ……ぷはぁ……私の作風には合わないな」
ざらついた舌が鈴口に達せば、高まる快感の波に、またもや先からツユが漏れ出す。
「はて」
そんな鈴口に面と向かい合ったエトはというと、そのまま逸物にしゃぶりついたではないか。
逸物に伝わる彼女の口腔の熱。それから間もなく彼女の激しいストロークが始まった。
所謂尺八。映像などで見たことはあるだろうが、それにしても器用に行うものだ。歯を当てず、時折舌で鈴口を丹念に舐る彼女は、得意げな笑みを浮かべる。
「ふふっ、玩具で練習してみたんだが、中々上手いものでしょっ? 存分に気持ちよくなって頂戴よ」
そう言い、尺八を再開するエト。
彼女がこの日のためにわざわざ練習していたと思うと、それだけで興奮が高まるというものだ。思わず快感の波が逸物に伝わり、続けざまにエトの口腔を吐き出された精が蹂躙していく。
「んぐっ!?」
当たり所が悪かったのだろうか。
柄にもなく焦った面持ちを浮かべるエトは、すぐさま貴方の逸物を口から放す。その際、彼女と口と逸物にかかる淫靡な橋がこれまた情欲をそそり、一度精を吐き出したハズの鈴口から、第二波が彼女の顔面に襲い掛かった。
「んっ♡」
弾けるようにして白濁液が彼女の端正な顔に吐き出される。
おしろいの如く―――と言えば、その道の人々に怒られそうではあるが、元より色白のエトにねばりつく精に塗れる様は、貴方に更なる情欲を唆す。
一方エトはと言えば、顔に垂れる精が目に入らないことを確かめてから瞼を開け、やおら指でゼリー状の精を掬ってみる。マジマジとそれを凝視した彼女は、指と指で挟み、あまつさえ擦っては感触をしっかりと体験するのだった。
鼻を突く濃い雄の香り。喰種である彼女にとってはむせてしまうほどに濃厚な臭気であったものの、情事という特別な場においては、それもまた一つのエッセンスと言わんばかりに、寧ろ自分の顔に纏う白濁液の香りを存分に楽しむ。
「フムフム……なるほど。弾けるように放たれる子種……よし、“男の
蒴果。それは鳳仙花などが含まれる果実の分類の一つだ。鈴口の縦に裂けたような口と、弾けるように吐き出される精を連想し、そう名付けたのだろう。
とりあえず一つ事が進んだところで、エトは精で塗れた貴方の逸物を綺麗に舐めて掃除する。そして、深く息を吐いてから枕に背中を預けるよう仰向けに倒れてみせた。
「助手クン。……どれ、君の好きなように弄ってみてくれ」
僅かに頬を上気させるエトが、自ら蕾の入り口を両手で広げ、赤い赤い花を咲かせてみせる。
貴方の逸物を一心不乱にしゃぶって興奮していたためか、エトの蕾からは湯気が立ち上りそうなほど熱い清水が湧き出していた。
誘い水に導かれる貴方は、まず男らしく無骨な掌を彼女の蕾に当てる。
そうしてから、回しながらゆっくりと蕾の入り口を揉み解していく。リズムの崩れぬ円運動に応じ、室内に響く水音は次第に大きくなる。
不意にエトへ視線を向ければ、おでこ辺りに腕を乗せる彼女が、腕の陰から蕩けた瞳を覗かせるではないか。
彼女もそういう顔をするのか―――普段余裕を崩さぬ彼女の性に浸る姿が貴方の嗜虐心を煽った。
次の瞬間、掌の円運動を止めた貴方は、茂みの陰に隠れるよう屹立していた肉芽に指を当てる。
「あっ」
刹那、エトの腰が浮いた。
指を肉芽に当てたままじっとしていれば、エトの腰はゆっくりとベッドの上に降りるが、直前で指を押しつければ、またもやエトの肺から空気が抜けるような嬌声が貴方の鼓膜を揺らす。
それがまた心地よいものだから、貴方は一心不乱にエトの肉芽を弄んだ。
押し付け、時にはこねくり回し、そしてあろうことか爪で引っ掻いたりもして。
「あっ、あっ、あっ、んんっ、んはっ、あっ……―――んんっ!!」
流石に引っ掻きは刺激が強かったのか、今日一番の反応を見せ、僅かに潮を噴いた。
放射状に飛ぶ潮は真白なベッドに染みを作る。その様に貴方が見とれている間、エトは肩で息をして呼吸を整えていた。
じっとりと汗ばむ彼女の体は、暖色のライトの光に照らされているためか、淫靡に輝く。額や首筋に張り付く髪もまた、一層彼女を淫らに飾っている。
「はぁ……はぁ……助手クン。そろそろ……」
徐に起き上がるエトは、突然抱き着いている彼女に驚く貴方に厭わず口付けをした後、『ぷはっ』と息継ぎし、その右手を自身の股下へと伸ばす。
そこには今や今やと屹立している貴方の逸物が反り立っていた。
熱く脈打つ蒴果を自身の蕾へあてがうエトは、ほとんど接吻している顔の距離のまま、囁くように貴方に告げた。
「私の初めてを奪ってくれ」
次の瞬間、貴方の逸物を灼熱が襲う。
それだけではない蠢動するよう波打つ肉に、とめどなく溢れ出してくる清水が、貴方とエトの下腹部を泡立てていく。
「ふっ、ふっ、ふっ、ふっ、ふぅっ♡」
貴方の首に両腕を回すエトは、下腹部から全身へ奔る情欲の電撃に呼吸を荒くしつつも、激しく腰を動かし破瓜の痛みを存分に味わう。
痛みと快楽は紙一重。交互に脳味噌を麻痺させる電気信号は、やがてそれらの境を曖昧にする。
「知ってるかい……助手クン?」
エトは、快感に硬くそびえ立つ薄桜色の果実を貴方の胸板に押し付けつつ語る。
「愛している者と手を重ねている間は、痛みや恐怖が和らぐという実験結果があるらしい」
ピタリ、と腰の動きが止まる。
泡立つ互いの淫靡な液の中には、破瓜した彼女の血と思しき朱が混じっていた。
だが、痛みを毛ほども感じさせぬほど蕩けた彼女のは、やおらかに両手を貴方の両手に絡ませる。その滑らかな肌触りも堪能しつつ、エトから迸る色香に微睡む貴方へ、エトはグッと身を乗り出して唇を重ねてきた。
彼女は小さな口で、貴方の唇を吸う。
彼女は小さな舌で、貴方の舌と絡ませる。
彼女は小さな体で、貴方の全てを受け入れる。
窒息してしまうのではと思うほどの長い口付けを終えたエトは言う。
「……君の肩を噛んでもいいか?」
希うよう、彼女は儚い眼差しを向けてくる。
「一生消えない咬み傷を残してしまうかもしれないけれど……」
そんな彼女が最後まで言い切る前に、貴方は頷いた。
するとエトは嬉しそうに一笑し、宣言通り貴方の肩に噛み付く。鋭い歯が肉に食い込み痛みこそあれど、体を委ね、手を絡め、貴方の情欲を受け入れる彼女を前に、それはほとんど感じないに等しかった。
キュッと蕾が締め付けてきたのを合図に、淫らな水音は再び鳴り始める。
灼熱の走る肩を、エトの激しい鼻息が冷ましていく。
その間、貴方の逸物は強く淫らに締め付けてくるエトの蕾により、頂きに達しそうになっていた。
だが、まだだ。まだこの時を味わっていたい。
貴方は必死に達するのを堪え、踊るエトの体を目で楽しむ。
揺れる髪、波打つ尻肉。そして、快感の波が響く度に開いたり閉じたりを繰り返す足先を見遣る。
「フーッ、フーッ、フーッ♡♡」
しかし、エトはそろそろ限界のようだ。
貴方も興奮で忘れていたが、背中から流れる血もそこそこの量となってきてしまっている。そろそろ決めなければ失血死してしまうかもしれない。腹上死ということで、それはそれでよい最期かもしれないが、幸いギリギリ留まれるだけの理性が貴方には残っていた。
溜めに溜めた一発を解放するべく、貴方はエトに耳打ちする
『射精すよ』、と。
「ッ、~~~~~♡♡♡」
刹那、エトが肩から口を放し、痙攣しながら弓なりに体をのけぞらせた。
それと同時に貴方の蒴果から放たれる精は、エトの蕾を悉く蹂躙していく。狭い狭い蕾の中が、瞬く間に白濁液に穢されていくのだ。
そう思うと、第二、第三の波が続けざまに襲い掛かり、数度に分けた吐精がエトの蕾を白く染め浸していく。
「はぁ……はぁ……はぁ……♡」
蕩けた瞳を浮かべるエト。
片方に赫眼が発現してしまっている彼女は、貴方の血で塗れた口を半開きにしつつ、じっと貴方の顔を見つめてくる。
鉄臭さと雌臭さを漂わす彼女に吸い込まれるよう、貴方は血に塗れている彼女の唇にそっと自分の唇を重ねた。
「んっ……んんっ♡」
化け物然とした姿を見せても尚、自ら求めてくれた貴方に対し、エトは快感の余り夢見心地であったにも拘わらず、情熱的に貴方に応えてくれた。
舌を絡ませ、血の混じった唾液を交換し、生え揃った歯をなぞる。
長い長い接吻。
最後に互いのを飲み干したエトと貴方は口を放し、今一度互いの顔を見遣る。
「……甘い♡」
貴方の血と唾液で塗れた唇を指でなぞるエトは、そう感想を述べるのであった。
それは貴方とエトが枕を重ねた一か月後のこと。
「いやぁ、君のおかげで進捗は中々良好だよ」
パソコンに向かい、眼鏡をかけているエトはそう呟いてくる。
コーヒーを携えてきた貴方は、そう言うエトにコーヒーを手渡しつつ、彼女が指さすパソコンの画面を見た。
びっしりと画面上に映る文字の羅列は見るだけで頭が痛くなってきそうであるが、
「この濡れ場を助手クンとの初体験の自著だと思うと、中々に興奮してくるとは思わんかね?」
ニヤニヤ笑う彼女に言われ、しっかり文面を読めば、確かに彼女の初体験に沿った内容の濡れ場シーンが綴られている。
彼女は売れっ子作家だ。きっとこの新作も多くのファンが手にとるだろうが、彼らに自分たちの情事を読まれるとなると、流石に恥ずかしいと言わざるを得ない。だが、『安心しなさいな』と言うエトを信じ、この楽しみ方は二人だけの秘密となる。
「さて、話は変わるが」
不意にエトが机の上に置いてあった白い棒のような器具を差し出してくる。
「これは妊娠検査薬だが、陽性反応が出た」
あっけらかんと言い放つ彼女は、一息吐くようにコーヒーを啜る。
だが、貴方は驚きの余り口をあんぐりと開け、瞠目してしまう。
それもそのハズ。例えエトが半喰種だとは言え、喰種と人間の子どもができるのはかなりの低確率なのだから。
それがたった一回の性交でできたともなれば、驚かない方がおかしいだろう。
しばし貴方は茫然自失となるが、その間、恥じらいつつも揶揄うような笑みを浮かべるエトは、貴方の股間にそっと手を添える。
「ここで提案なんだが……もし君が責任をとってくれるのならば、今後も君とだけ“取材”するのも
その顔はまさしく女の顔。
頬を上気させ、息を荒くする彼女は、今度は貴方の首に腕を回し、ギュッと抱きしめてくる。
「……どう、かな♡」
彼女が手でなぞるのは、彼女がつけた咬み傷の痕。
喰種なりの契りの証だ。
そんな彼女に貴方は……。
「―――テメェッ、カネキ!! んなエロ小説、ヒナミに読ませてんじゃねえよ!!」
「ええ!? ご、誤解だよトーカちゃん! これは高槻泉の新作の中のワンシーンで、化け物の子として生まれた主人公が初めて受け入れてくれた異性と褥を共にすることで、本当の愛に触れるっていう大事な……!」
「こ、こんな生々しい濡れ場書いてあんの、エロ小説以外のなんでもないだろッ! ぶっ殺されてえのか!!」
「そ、そんなぁ……!」
「ねーねー、お姉ちゃん、お兄ちゃん。新聞で読んだんだけど、できちゃった婚ってなあに?」